さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

王者の意向が通ると思うのですが WBA、井上尚弥にアフマダリエフ戦を指令

2024-06-15 00:01:49 | 井上尚弥



何だか急な話のように思えますが、WBAが井上尚弥に対し、元WBA、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフとの指名試合を指令したとのこと。
7月14日までを交渉期限とし、その後は入札へ、といういつもの運びですね。
それに対しての大橋会長のコメントが出ています。





9月に有明アリーナで、TJドヘニーとの試合が内定している。
WBAの「ノーマル王座」なら、期限は9ヶ月だが、井上はスーパー王者なので、前例に倣えば、期限は18ヶ月まで延ばせるはず。
9月のあと、年末にもアフマダリエフと闘ってもいい。しかしWBAが認めないなら、剥奪も仕方ない。


大橋会長としては、ドヘニー戦を破談にしてまで、9月にアフマダリエフとやるつもりはないわけですね。
確かにWBAスーパー王者への指名試合の期限なんて、どこまで延びるんやろう...という事例には事欠きません。
少なくとも、9月の後、年内にも、という話を進めるなら、やれ剥奪だ何だという話になる方がおかしいですね。

それにしても、あまり話題にならずアピールもしていないアフマダリエフの話が飛び出してきて、虚を突かれた感じです。
これはアフマダリエフがどうというより、WBAが「わしらの顔も立てろ」と言っているに過ぎないのかもしれませんが。

大橋会長もどうでもアフマダリエフとやらないつもりではなく、WBAからしても、本当に井上尚弥からタイトルを剥ぎ取ったところで、承認料の額が減るだけで、何も得なことはないはず、です。
基本的には、大橋会長の話のとおり、9月ドヘニー、年内にアフマダリエフという流れで行くのではないでしょうか。
サム・グッドマンは残念ながら、さらに後退でしょうね。事情はどうあれ、交渉して自ら断った、という事実がありますから。



ただし、もしWBA王座が空位になれば、その王座を獲った新たな王者が、その上で井上尚弥と闘うとしたら、その試合は形式上「王者同士」の試合になる。
それを狙ってアフマダリエフ陣営が動いた、という可能性は...ないこともないかなあ、程度ですが、ゼロだとも言い切れないですね。
まあ、WBAの新王者との対戦を、井上が受けなかったらそれまで、ですが。


また、その王座を中谷潤人が奪えば、それこそ日本人同士のビッグマッチで、また東京ドーム興行が出来るんではないか、という想像もあり得ます。
最近、井上尚弥のコメント(あと4、5試合はSバンタムで、という)や、その他諸々、選手や関係者の言動や、その報じ方、伝えられ方を見ていると、もう一度井上尚弥メインで東京ドーム興行をしよう、その相手として中谷潤人の存在を世間にアピールしていこう、という、業界有力者の意思があるのでは、と感じます。
もちろん、中谷潤人がそれに相応しい実力を証明し続けられるか、にかかっている話ではあるんですが。



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井上尚弥ニューヨークを征く 世界のMVPとして表彰

2024-06-08 00:01:05 | 井上尚弥



そういえば6月上旬という話でした。井上尚弥、全米記者協会MVPの表彰式に出席。
昨日、X見たらこの関連の投稿がバーッと出ました。
全部貼ってたらキリがない、という勢いですが、いくつか。





女子のMVP、アマンダ・セラノとツーショット。
井上も表彰式の際にコメント求められるかもしれんので、この人の略歴くらい、頭に入れてから行った方が...と思っていましたが、その辺はどうだったんでしょうね。
セラノの方は井上を称え、受賞を祝福してくれています。


こちらはお馴染み杉浦大介記者の投稿。
初代、つまりオリジンのシュガー・レイの姿が刻まれた盾をもらっております。
最後はテオフィモ・ロペスとのツーショット。豪華。






こちらはリングマガジンから、世界スーパーバンタム級チャンピオンベルトと、23年ファイター・オブ・ザ・イヤーのベルト、二本贈られた模様。
改めて、これを日本人ボクサーが手にする日が来たんやなぁ、と感慨深いです。






最後にこちら、ホルヘ・リナレスとの会話。
リナレス、さすが日本語上手い。通訳要らず。内容的にも興味深いもので、英訳している投稿もありました。






挨拶は冒頭部分に英語を使い、日本語で話す断りを入れ、最後は英語でお礼を言って締めたようです。
現状では精一杯の準備を、きちんとしてから行ったようですから、良かったんではないでしょうか。
やはり、あちらに住んで活動しているわけではないですし、こういう感じになりますね。


この後は週末の試合観戦、ザンダー・ザヤスとかが出る興行ですかね、観戦したり、大谷翔平との対面なるか、みたいな話もあるようです。
メジャーリーグのハードスケジュールは凄いものですから、都合がつかなければ無理は言えないでしょうが。

それにしても、本当に夢のような出来事ですね。
全米記者協会にMVPとして招かれて、NYで引っ張りだこになる日本人ボクサー...以前なら夢想することも無かった話です。
それなりにボクシングを長く見てきましたが、こんな日が来るとはなぁ...遠い目になってしまいそうです。いやはや。



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本当に階級を「制覇」してしまうと、こうなる 井上尚弥にフェザー級から対戦希望殺到

2024-06-07 07:09:00 | 井上尚弥




統括団体が増え、前日計量になり、フィジカルトレーニングも進化した結果、複数階級制覇もリーズナブルになった昨今ですが、井上尚弥みたいに、ホンマのホンマにその階級を「制覇」してしまうと、こういうことになるんやなあ...というお話。





先日サウジアラビアでレイ・フォードを破り、WBAフェザー級王者となったニック・ボールが、井上尚弥との対戦希望を語りました。
というか、この記事はトレーナーのポール・スティーブンソンのコメントで構成されていますが。

曰く、ニックにとって井上戦が本当の望みであり、凄い闘いになる。井上を揺さぶるチャンスはある。井上とニックはボクシング界最高の選手だ。共に似たアプローチをする選手。最高の選手と闘い退けたい、等々。

大変勇ましく、また真っ当な闘志が感じられる言葉の数々です。
井上がすぐフェザーに上げることはないでしょうから、当面はサウジアラビアのプロモートで、前戦で引き分けたWBC王者レイ・バルガスと統一戦兼再戦、という希望もあるようですが。


で、そのレイ・バルガスですが、ボールとの引き分けの次は、指名試合になる模様。





カネロ、ムンギア戦のアンダーでKO勝ちしたブランドン・フィゲロアが、WBC暫定王者として、バルガスに挑むことになるようです。
これは興味深い対戦ですね。共に痩身、長身ですがファイトスタイルは綺麗に真逆。珍しい組み合わせと言えそう。
時の勢いはフィゲロアにありそうな気もしますが、バルガスも単にリーチがあるだけでなく、全体のレベルは高いし、実はけっこうパンチも硬い部類に見えます。倒すことに繋がらない場合が多いだけで...。

で、この記事にも、井上尚弥の名前が出てきます。こちらは誰も何も言っていないのですが(笑)記者が勝手に書いてます。



改めて井上尚弥が凄い、凄すぎるからこういう話になってしまうのだなあ、と感心してしまいますね。
バンタムではWBSSからゾラニ・テテが離脱したり、コロナ過があったりして、4団体統一には時間がかかりましたが、スーパーバンタムではたった三試合で名実ともに階級を「制覇」してしまっている。

その強さが圧倒的であるが故に、でしょう。
そもそも、井上はライトフライ級スタートのボクサーなのですが、その辺について無理解で、なおかつマニー・パッキャオの「せい」で感覚が麻痺している、昨今のジャーナリズムやファンは、当然のことみたいに、井上尚弥にフェザー級での闘いを求め、その前提で勝手なことを言い散らかしています。

上記の王者クラスの選手なら別に良いんですけど、コンテンダーや若手の部類の選手まで、いっぱしの口をきいているのを見ると、いい加減にしろやと言いたくもなりますね。
もちろん将来的にはありうることかもしれませんし、発言は自由でしょうけど、さすがにね、と。

井上本人も、対戦したければ下げてこい、と言ったそうですが、気持ちはよくわかります。
また、これまでの階級アップにしても、言えば後ろ暗いところのない方法でそれを成し遂げてきて、故にこの先にはさすがに限度もある、ということを、本人が一番よくわかっているのでしょうね。
そういう面も含めて、やはりこのボクサーは、ビジネス主導で節度も何も無くなったボクシング界において、千金の輝きを放つ存在だと思います。


しかし、これまた本人の言によれば、意欲がないかといえば全然違います。
来年以降はフェザー級での挑戦が現実的になってくるかもしれませんね。

対戦相手としてはフィゲロア戦なんか、内容的には一番盛り上がりそうですが...上記のボール、バルガス、フィゲロアに、IBF王者ルイス・アルベルト・ロペス、WBO王者の長身ラファエル・エスピノサ、元王者マーク・マグサヨなど、色んなカードが想定出来ます。
それぞれに手強いと言えばそうでしょうが...でも、スーパーバンタムでもスティーブン・フルトン攻略なるか、という期待と心配が交錯していたものが、一年経ったらこの調子なんですから、井上尚弥なら、あっという間に、話がスーパーフェザー級へ飛ぶ、なんてことになっているのかもしれません。
まあ、さすがにここから先は...と、普通のアタマで考えて、それが覆される繰り返し、それが井上尚弥を見続けてきた結果、だったりしますしね...。
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リングの上では二階級違う? 井上尚弥、次戦はTJドヘニー有力

2024-05-30 13:31:42 | 井上尚弥




井上尚弥の次戦について、いろいろと盛り上がって?いますが、昨日練習を公開した井上本人のコメントなどを見るに、どうやら最初から「ボタンの掛け違い」で始まった話のようですね。






まあ、天然というのか何というのか。
あの東京ドームの試合後、サム・グッドマンをリングに上げたときは「この大イベントの次について、もう根回しが出来ているとは。大橋会長、凄い」「こんな試合をしたあとに、その段取りをちゃんとやる井上も凄い」と感心したものですが(笑)。
勘違いというか、そりゃ先方も色々とあるわけだし、今日言われて明日やれるスポーツでもなし。
もちろん条件とかの話もあったとは思いますが、それより前に、こういうところから始まっていたのだなあ、と。


そういうことで、次戦は一応未定となっていますが、TJドヘニーでほぼ間違いないでしょうね。
岩佐亮佑戦の頃は、パワーよりも機動力としぶとさで、岩佐の射程を外しつつ攻勢は取る、という技巧派ファイターのイメージでしたし、グッドマンに負けた試合でも、案外コロッとダウンした印象で、もう限界なのかとも見えたんですが。
しかしその後、来日して3連勝。中嶋一輝、ジャフェスリー・ラミド、そして先日ドームのバヨゴス戦、いずれもパワフルな強打を押し立てて倒す型に変わっています。

ボクシング・アナリスト増田茂氏はよく、記事の中で選手の当日体重について取り上げますが、その中でもこのドヘニーは相当な「戻し」があり、試合当日はスーパーウェルター級の範囲まで体重が増えている、と指摘していました。
井上尚弥も先日のネリー戦では、スーパーライト級の範囲まで増やしていて、当日体重でネリーを僅かに上回っていたとのことですが、さすがにこれ以上増やすことはあり得ないでしょうから、もしそのまま次の試合、リング上で対峙するとしたら、二階級ばかり差があることになります。

それこそ、この先にフェザー級転向があるとして、そこで対する誰と比べても、勝るとも劣らない体格の相手と闘うことになりますね。
もし、ネリー戦のような先制打を受けるようなことがあったら、あの時以上の甚大なダメージを被ることになるかもしれません。
もちろん予想をすれば井上有利ですが、このあたりがどう出るか、については要注目であり、ネリー戦のようなミスは許されない、とも言えましょう。

反面、上記のグッドマン戦や、先日のドームにおける試合でも(遠目に見ただけですが)攻められたときは意外に脆く、簡単にぐらついたり、足元が乱れたり、という印象もあります。
元々、受けに回って良さがあるかというと、そういう選手では無いのかもしれません。また、岩佐戦にまで遡れば、長丁場になると、疲れて失速する傾向も見えました。

まあ、井上相手に試合を長引かせたら、それだけで大健闘ではありましょうが。
しかし、マーロン・タパレスのように、受けて引いて長い試合になったときに、攻防共に...特に防御面ですが、質を落とさず闘える選手かというと、そうではなさそうですね。



とりあえず相手もほぼ決まり、という情勢になったようです。
9月、首都圏開催とのことですが、出来れば観戦したいと思っています。

カードとして弱いとか、いろいろ雑に簡単に言ってしまいそうになりますが、考えたらボクシングとは、一人のボクサーがチャンピオンという最強の地位に就くものであり、その最強のボクサーに、おいそれとライバルがいること自体がおかしい、とも言えます。
井上尚弥は、チャンピオン乱立、さらに言えば粗製濫造が常態化した時代にあって、その異様な状況を、その力で平定した数少ない一人であり、そのこと自体が偉大なのであり、誰と闘うからどう、という段階にいる選手ではない。
それが本来あるべき「世界チャンピオン」の姿であって、井上はそれを体現しているに過ぎない。

そう思えば、仮にどんなカードであっても、その姿を遠目にであっても、やはりこの目で、かなう限り見ておきたい、と思う次第です。


そういうことですので、出来たら平日は避けていただいて、日時は週末(土曜日なら幸いです)、場所は交通至便なところが...とか、まあ勝手なことですけども。
田舎からお出かけの身としては、何とかお願いしたところであります、ハイ。
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「身勝手」とは言い過ぎ? グッドマン7月に試合、井上との9月対戦は消滅

2024-05-29 12:56:37 | 井上尚弥



9月予定といわれる井上尚弥の次戦、挑戦者ですが、サム・グッドマンの線は消滅。
グッドマンが7月に、WBC8位のタイ人チャイノイ・ウォラウトという選手と対戦することを正式発表した、とのことです。





大まかに言えば、挑戦者の立場でありながら、王者側から呼びかけられているのに...と思うところですが、グッドマン側から見れば、受けない理由もありましょう。

まず日本で闘うこと、そして相手が井上尚弥であることを考えれば、グッドマン及び陣営は、得られる限り最大の好条件を見込み、また実際に求めたことでしょう。
記事の中でも、ノーリミット・ボクシング公式サイトのコメントとして、報酬100万ドル、という数字が出ています。
しかし、実際の交渉で出た金額が、これを下回っていたのだとしたら?

とりあえず7月に決まっていた試合をしておいて、改めて年末に向け、豪州開催を主張して、IBFなりWBOなりの入札が行われれば、それぞれに規定のとおり、王者と指名挑戦者の報酬が一定の割合で振り分けられるはずです。
そうなった場合、入札で日本側、豪州側のどちらが勝とうとも、グッドマンが得られる報酬が、100万ドルを超える可能性が出てきます。
或いは、その入札への意志をもって、再交渉をし、日本側からさらなる好条件を引き出す、という手もあります。

まあ、色々考えているんだと思います。
何しろ井上尚弥と闘うというのは、誰にとってもそれだけの大ごとだ、とも言えましょう。
井上が階級最強、真の世界一であるチャンピオンだからこそ、それこそ昔日の8階級一団体時代の王者のように、世界戦ひとつ組むのに、様々な立場の意志が存在し、策謀が...とは大袈裟なれど、すんなり簡単にいかない、ということですね。

少なくとも、サム・グッドマン側を「身勝手」と簡単に言って済む話では無いよなあ、と思う次第です。
そりゃグッドマン本人は、ボクサーですから当然闘志でモノを思い、言うのでしょうが、陣営の総意としては、当然ながらグッドマンが得べかりし利益を、最大限確保しようと考えるのですから。



ただ、とはいえ、です。
傍目の違う見方からすれば、王者として井上と対したスティーブン・フルトンやマーロン・タパレス、そして元王者であり、それ以外の付加価値を持っていたルイス・ネリーと比べると、グッドマンの立場はやはり、一段下というか、落ちるところにある。
そういう見方が確かにある。それもまた現実ではないか、と思います。

また、東京ドームという大箱を使う興行でもないし、二団体の1位相手とはいえ、井上尚弥にとっては、ビッグファイトの狭間に闘う普通の試合、でしかありません。
レナードがハーンズを倒したあとの、ブルース・フィンチ戦みたいなものです。
そんな試合で挑戦者に、100万ドルの報酬を当たり前に求められてもな、という。


もし、大橋会長がそんな条件を出していたとしたら驚きですが...もしそれでも、グッドマン及び陣営が、今回のような先送りを選択したなら、それはもう、井上との闘いを回避した、としか見えません。
まあ、実際どうなのかなんて、我々に知れようはずもないのですが。



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リングに上げたが交渉は無かった 井上尚弥次戦はグッドマンでなくドヘニー?

2024-05-24 00:06:08 | 井上尚弥



世界ランクの変動を機会に、その都度いろいろ話題が出てくるのは当然ですが、わかりやすく全部の団体で王座にあるSバンタムの井上尚弥、次戦についてもいろいろとあるようです。






WBOのランキングは、1位がサム・グッドマンで変わらないが、2位がTJドヘニーに。先日まで2位はルイス・ネリーだったので、ネリーが落ちてドヘニーが上がった格好。
これ以下のランキングですが、3位ジョンリエル・カシメロ、4位カール・ジェームス・マーティン(フィリピン)、5位にムロジョン・アフマダリエフと続きます。
ネリーが抜けて、ひとつずつ順位が上がっていますね。カシメロ、3位なのか...意外に良い位置ですね。


で、こちらの記事によると、その1位グッドマンが対戦を渋っている、と大橋会長がコメント。
ちょっと意外な感じです。母国オーストラリアで闘いたいのか、7月に試合予定があるから12月に、とか、理由(になってませんが)はあるにせよ。
井上の王座返上を待っているのでは、という推測もあり得る感じですね。
また現実として、井上のフェザー級転向云々を抜きにしても、4団体の王座保持は、かなりの負担でもありましょうし。

ただ、東京ドームでネリー戦の後、グッドマンをリングに上げたのは、てっきり内々に交渉済みで、ほぼ合意しているような状況だからなのかと思っていたので、その点は驚きです。
実は言葉どおり、本当に「これから」交渉するところだったのか、と。そんなことがあるんですね。うーん。
まあ、二団体1位で、会場まで見に来てるんやし、当然やる気なんやろう、と井上や大橋会長が思ったことは、無理も無いかもしれませんが。


で、2位のドヘニーが候補に挙がっているとのことですね。
こちらの記事だと、やはり今回、リザーブという立場を受け容れて来日「してくれた」ドヘニーに対し、感謝の気持ちもあり...という。これはわかる話です。
確かにカードとしては弱いといえばそうですが、試合当日、Sウェルターまで体重が戻るというドヘニーの体力、そして強打は、間違いを起こす可能性を秘めてもいますね。
それこそこの先フェザー級に上げたとして、そこで当たる相手よりも体格的には大きいのではないか、と思うくらいです。
その辺のあれこれも含めると、誰か知らん選手を当てるよりは、ずっと良い、とは言えるでしょう。


相手が誰であるにせよ、井上の次戦は9月、首都圏開催ということですが、2月に続いて、7月の中谷潤人の試合が国技館で決まったように、良い会場での開催が決まっていますから、9月も期待してしまいます。

首都圏、特に東京都内の大会場は、1~2年前くらいから抑えておかないと使えない、と言われますが、帝拳や大橋といったプロモーターは、AmazonやLeminoの配信、そして井上尚弥ら、強い王者の存在をバックに、一昨年あたりからそういう会場を抑え始めたのではないか。
だから昨秋あたりから、良い会場での世界戦開催が実現している...というのは、あくまで私の勝手な憶測ですけども(笑)。
でも、昔日の世界戦開催のように、交渉締結から開催まで数ヶ月、単体の試合ばかり、勝算も常に高く見積もれない、という話とは、だいぶ事情が違っていますし、2年先の会場予約というのも、充分可能になっているのではないか、と思います。



さて、話は戻ってランキング、この下で気になるのは当然、ジョンリエル・カシメロと、元二冠王ムロジョン・アフマダリエフですが、その辺を伊藤雅雪プロモーターが語った動画がありましたんで、ご紹介。





カシメロとグッドマンの対戦話が進んでいたが破談になったことや、アフマダリエフが日本での井上戦を忌避し、サウジアラビアでの対戦を目指していることなど、興味深い話が出ています。
あと、カシメロの「再起路線」についても、色々と動いているのだとか。誰相手に組もうとしているのか、上位陣の知られたところ、なのだとしたら、また話題を呼ぶでしょう。
まあしかし、上手く行かないこともありましょうし、まずは伊藤プロモーターの健闘を祈りましょう、ということで。



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失策をもドラマに変える「巨星」の輝き 井上尚弥、ネリーを逆転KO

2024-05-07 15:55:58 | 井上尚弥



ということで帰って来ました。
いやはや、メインだけでも書きたいことがありすぎて、大変な試合でした。
とりあえずまとまらないので書き出していきます。



メインイベント、布袋寅泰のサプライズ登場は、東京ドームを大いに盛り上げました。盛り上げすぎたのかもしれません。
ギタープレイと爆発音が鳴り響き、現場に居ると音響が良いのかはともかく、迫力が凄い。
ボクシング会場で「ここまでやる」のを見たのは初めてだと思います。

否応なく大観衆のテンションが上昇するなか、気合い十分の表情で右拳を振る井上尚弥、その花道をゆく姿が、バックスクリーンのモニターに映っていました。
リングに上がり、国歌吹奏やコールが終わり、ルイス・ネリーと顔をつきあわせた時点で、顔がすでに紅潮しているようにも。
ちょっと入れ込みすぎかなあ、という不安も感じました。


ゴングが鳴り、井上が右ロングから。しかしネリーもロングのパンチを返してくる。
ネリーには、踏み込みというか飛び込みの深さ、パンチの伸びがあるのに対して、井上はどうも気持ちが前に出ていて、外す際にセーフティーな判断をしているように見えない。
その割りに、攻撃にスピードを乗せていないようにも。要は相手の手を引き出し、見て立つ感じ。
それは良いのですが、より実際の、最大限に近い力を見たいとでもいうのか、立ち位置がちょっと近く、しかも相手の左側に寄っているような印象でした。

対するネリーは、空振りしても軸がぶれず、バランス復元、構え直しが早い印象。井上に正対して、しっかり構えている。
言えばそう仕向けてやっているのだから当然ですが、仕上がり良さそう。

そんなことを思っていたとき、両者が接近、パンチが交錯したと思ったら、井上の身体が回転してキャンバスに落ちました。
サウスポー相手に、良くない身体の開き方をしたオーソドックスの選手が、打ち終わりを打たれて倒れる。
よく見るパターンというか、遠目にも井上が明らかにミスをしたとわかる、悪いお手本のようなダウンシーンででした。

安易に「接敵」してしまっていること自体悪いし、そこで左と右の合間に、左フックを差し込まれているのも、らしくないところ。
この間が空いたところを打たれるのは、井上尚弥レベルならミスと言われて仕方ない。打つならもっと間を詰めてパンチを繋ぐなり、そもそも右まで打たずに構えを締めて離れないといけない。
序盤、相手の力がある内に、読めない軌道で打たれた、仕方ない...とは言い切れない、と見ました。


場内騒然となる中、井上はすんなり立ったように見える。ネリーが襲いかかり、最初はクリンチで止めて、これが出来るなら...と思ったのも束の間、次の攻撃の際はクリンチせず、外しに行く。
その際、一瞬だが下を向いて、ネリーのパンチから井上の目線が外れる。
危ない!これ、効いてるときのやつや...と、また恐怖心で胸が満ちました。

ネリー、なおも打ってくる。お得意の、怒濤の連打を持ってくるかと思ったが、そこまでギアアップはしない。
むしろロープに詰めるために打っていく感じ。そしてその通りに、井上をコーナーに追っていく。
ここで井上、回り込まずに右アッパー好打。しかし直後、ネリーの右が当たる。その後向かい合って、井上が笑顔を見せる。
このあとはさすがにセーフティーに外してジャブ、そして初回が終わりました。


驚愕、そして不安、いや恐怖の三分間でした。
この相手にだけは負けて欲しくない、という相手に、この立ち上がりだけはあってほしくなかった、というダウンシーン。
そして、その要因となったものは、やはりルイス・ネリーへの感情的な何か、東京ドームという大舞台など、単に勝つことに専念するでは済まない期待を、井上尚弥が背負っているからだ、としか思えませんでした。
それは言えば、ネリーの実力がどうというより、この相手の悪名をも利用して、このような試合を企画した「邪」が、井上尚弥の身に、災厄として降りかかっているのではないか。
そしてそれを、なんだかんだと言いながら、観客として見ている自分もまた、その一部ではないのか...そんな思いが心中をぐるぐると回っていました。


そうこうするうちに2回スタート、正対して、互いに前の手で牽制。井上、初回とは違って、外す意識と打つ意識が、等分に戻っている印象。
ネリーはなだれ込むように攻める流れに乗れない。あ、試合前に思ってたのはこういう感じやな...と、ここで少し気分が変わりました。

井上ジャブが良い。ネリーは左フック返す。いつになく切れ味鋭い一打。ネリーの仕上がりの良さが見えるが、井上きわどく外す。
井上ジャブ、右ボディストレート。この組み合わせで徐々に削っていく。ネリーの左は怖いが、外せている。
「うまくいかなくなった」ネリーが、さらに左を振って出るがミス、前にのめる。これが本来の(笑)ネリーのよろしくないところ。
そこに井上が左フック合わせると、今度はネリーがダウン。ネリーすぐ跳ね起きる。
井上追撃焦らず、右のグローブを頬に食い込ませつつ、右を上下に散らす。良い回りが戻ってきた。

3回、井上は左のパーリング、圧していく。左足を、ネリーの右側へと出している。ネリー不利の位置取り。
井上の右から左。ひっかかって、ネリー簡単にスリップ。位置関係ゆえにこうなる。
ネリー連打するも、井上がダックして外す。井上左ジャブリード、右ストレートリード。
さらにワンツーが決まってネリーがのけぞる。
ネリーはくっつくときの、コンパクトな左が怖いが、井上が無理なく当てて、外す流れに乗れば、スピードの差は歴然。
それが実際に、試合展開の中で見え始める。

4回、少し井上が止まり加減に戻り、ロープを背にする。良いとは思わないが外せている。
攻めさせておいて、リング中央に戻り、左のレバーパンチ、右ストレートのダイレクト。
正対してリードジャブの応酬で、井上が勝っている。ネリー厳しい状況、に追い打ちをかける「マインドゲーム」か、井上が外して自分のアゴを指すパフォーマンス。
ネリー、これに対抗する反撃を具体的に繰り出せない。場内が沸き上がる、これもネリーにとってはプレッシャー。井上右ボディストレート、左フックも下へ。

5回、井上のジャブ、糸を引くような。右ストレート、左フックが続き、ネリー足元が乱れる。ワンツーが胸へ、ジャブで追い打ち。
ネリー左返すが、井上のワンツーがガードの真ん中へ。ネリーまた左空振り。

思うに任せないネリー、ここでアタマを持っていく。レフェリー目ざとく見て、軽く注意。ところが直後、構わず?アタマから行って、当てる。
レフェリーさらに注意、井上が場内を煽る。再開後、ネリー出るが、井上は外しながら、徐々にドローイング?ロープ際へ行って止まり加減。
ネリー、またパンチと共にアタマも、という間合いで来たが、井上左フック二発、二発目は「調整」してカウンターで決める。ネリー、二度目のダウン。
真下へ崩れ、今度は座り込んでカウントを聞く。効いている。立ったネリー、果敢に打っていくがミス。井上の右が数発ヒット。

6回、井上はもう余裕。ジャブで叩いてじっくり見る。ネリー打ってくるがガードで止めておいて、右ダイレクトで反撃。打った後左右に身を翻し、リターンを外す。
井上がワンツー、ネリーをロープ際へ。ここで左から、小さく前に伸ばす右アッパーが決まったのが見えた。
お、良いパンチ、と思った直後、ネリーの身体が違うベクトルで、ロープにバウンドして崩れる。
え、何?と驚いていると、ネリー立てず、井上はと見ると、コーナーに駆け上がってガッツポーズ。
スローで見ると、小さい右アッパーの直後に、ダブルコンビネーションではない、独立した打撃動作の、小さくも強い右ストレートが決まっていました。何と...。




終わって見れば、初回の3分を切り捨ててしまえば試合前の予想どおり、という内容ではありました。
井上とネリーのスピードの差、パンチの精度の差、攻防の選択の適切さの違い、それらがほぼ全て、試合内容に出ていた、と思います。

しかし、単に実力比較ではなく、それ以外の様々な「余計」が、井上尚弥の精神面に悪い作用をし、初回のダウンシーン、大ピンチを招いた。
言えば余計なことを考えていた。故に、やってはいけないことをいろいろやった。要らんリスクを背負うような闘い方をした。その上にミスをして打たれた。
その部分は、厳しく言えば、勝つことに集中、没頭出来ていなかった、と批判されて仕方ないでしょう。

今回同道した友人のひとりは、その部分に失望を隠せず「なんてつまらない試合をしたのか。途中で帰ろうかと思った」と不満げでした。
井上尚弥に何を期待するかは人それぞれでしょうが、言えば世の「俗」な部分をかき集めて成形したかのような対戦相手、ルイス・ネリー相手に、低い次元に自ら降りていって闘った、そんな井上尚弥を見たいわけではないのだ、ということなのでしょう。


しかし、私はそれも一面の事実として認めながら、その諸々から招いた大ピンチからもすんなり立て直し、徐々に本来の力関係が反映された試合展開を作り上げて、終わって見れば圧倒的な力の差を見せつけて勝つ、井上尚弥の輝きこそが、やはりこの試合で最初に見るべきものだ、と思います。
大橋秀行会長も試合後に言ったように、あの大舞台で様々な重圧を背負い、初回早々に倒れて、普通なら逆転で勝てても、僅差で振り切れたら御の字です。
それが、あっという間に心身をリセットし、攻防のバランスを整え、相手の攻防バランスの乱れをカウンターで捉え、パフォーマンスで場内を沸かせ、反則での打開を試みた相手の目論見をすぐに打ち砕き、最後は「こんなフィニッシュ、見たことない」というようなKOシーンを実現して、勝ってしまう。

その強さは、凄さは、東京ドームという巨大空間をも、完全に支配していました。
体重僅か122ポンドのボクサーとはとても思えない。その姿は余りにも輝かしく、巨大。まさしく「巨星」でした。



試合後のインタビューでは、ダウンシーンの質問について応えるところなど、本人、勝ったことや勝ち方は良いとしても、やっぱりプライドが傷付いているんだろうなあ、という印象でもありました。
もちろん、あまり言い過ぎる必要は無いでしょうし、そんなことを求めもしません。
そして傍目がとやかく言わずとも、ここまで彼を導いてきた周囲と共に、軌道修正すべきところをしっかりと省みることでしょう。



初めて行った東京ドームの二階席は、覚悟していたほどリングから遠い印象では無く、四方の柱が邪魔にならない角度だったこともあって、意外に見やすく、近く感じました。
まあ、新調した双眼鏡の性能も良くて、場内の大型モニタはほとんど見ず、席から見たもの、見えたものを中心に、観戦記を書くことが出来ました。


しかしながら、やはり場内や会場周辺の人の多さは圧倒的でした。
試合の前後、会場に入るとき、そして帰るとき、こんなにも大勢の人がボクシングを見に来たのかあ...と、何だか嬉しい気持ちにもなりました。
そして、これだけ多くの人々を引き付ける「巨星」の輝きを、これまで存分に見られたこと、この先もしばらくはそれが見られるであろうこと、それは何と有り難いことだろうか、と改めて思いました。
これまでも数多く、誰もが認める英雄から、極私的に思い入れたボクサーなど、自分の心中には「星」として輝く存在がいました。
しかし、今更何を言うとるのや、と突っ込まれそうですが、これほどの巨大な「星」は、今までいなかったし、この先もおそらく...いや、それは言い切らずにおくとしますか。


今回もまた、井上尚弥の輝きを、危うくもそれをドラマに変える偉大さを、しかと見ることが出来ました。
アメリカの一部の方々がとやかく言おうが何しようが、やっぱりこの輝きを、これからも直に見たいなあ、と、我が儘なことを思っている次第です。
まあ、アメリカはともかく、サウジアラビアの存在が怖いところですが...。



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計量パスは当たり前 井上尚弥、本日ドーム決戦

2024-05-06 05:54:13 | 井上尚弥



ということで東京ドーム決戦の日です。
昨日の前日計量、井上尚弥、ルイス・ネリー他、全選手計量パス。





井上のコメントにもあるように、契約した体重なんだから、計量パスして当たり前です。
それもこちらからあれこれ手間かけてやってるわけですし。

個人的には、TJドヘニーの存在もあり、別に失格してくれてもかまへんかまへん、と思ってもいました。
しかし、井上にも心身の備え、構えというものがありましょうし、やっぱりこれで良かった...のでしょうね。



そのドヘニーさん、さっぱり話題になることは無いですが、ちゃんと来日して、こないなX投稿も。
ドヘニー、東京ドームに立つ、の図ですね。
後楽園ホールでは三連勝ですから、この近辺は慣れたものなんでしょうが。





今回は井上尚弥挑戦ならずでしたが、今後の健闘と幸運を願いたいところです。


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書く隙間がないので、ここで簡単に感想ですが、昨日のカネロ、ムンギア戦については、せっかく名匠フレディ・ローチについてもらっても、結局あんな感じ「まで」なのか、という意味で、ムンギアの限界を見たなあ、というところです。
もっと引き締めて、強度を上げて、闘い方を練ってくるのかと思ったら...別に緩いとは言いませんが割と普通、というか。
ジャブの距離構築に徹するでなく、ダウンの後の挽回も、外回りの右強振など、打つだけ無駄なパンチを何度もミスして、曖昧な間合いになったところを、ことごとくカネロに抑えられる。
ムンギアの闘い様からは、この一戦に賭ける特別な何かが、ほぼ見えませんでした。


カネロは試合後、デビッド・ベナビデスの名前を出された途端に気色ばんで、がーがー言ってたところが一番の見どころでしたかね(笑)。
痛いとこ突かれたんやな、という。びばめひこー、なんつって。関係あれへん(大笑)。
試合自体は打ち方も避け方も闘い方も巧い、というしかありません。
まあ、試合中だけじゃなくて試合前から、相手をしっかり「見て」いるんやなあ、というところでしょうね。




さて、そういうことで今から行ってきます。
連休最後のお休みに遠足です。
まあ、おそらく相当広く、リングは遙かに遠く、細かいことなんて何にもわかりゃしないと思いますが(笑)
その場に居て、感じることはきっとあると思いますので、雰囲気をしっかり感じ取ってくるつもりです。では。


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全てを最大限に見積もり、かつ間違いあらば、という程度 井上vsネリー戦いちおう予想

2024-05-04 00:02:10 | 井上尚弥



さて、井上尚弥vsルイス・ネリー、いちおう予想してみようと思ったんですが、うーん、と唸ってしまいました。

過去の試合で、単に規律に欠けたり、お薬の力に頼ったり、果ては体重作らなかったりと、まともに考えるのも馬鹿らしいほどあれこれと不確定要素のあるルイス・ネリーに対して、今回は体重管理から薬物検査から、こちらも周辺も率先してお膳立てしてやって、いやでも良い状態に仕上がらないと嘘、という状況を作ってやっている。
その異様さが、どうしても飲み込めない部分があります。

おそらくですが、過去のどの試合よりも、ネリーの体調は良いだろうと思います。
そして、前に出ることで良さが出る...言えば攻撃を防御の代用にしているところは、山中戦の前に少し見てみたときと、基本的には同じ。
従って、井上尚弥相手でも打って出てくるのだろう、という想像をします。
そこで、今まで以上に速く鋭く、一打の威力がさらに増し、その上でそれを連打してくる展開を数多く作れたら、そこにネリーの勝機があるのだろう、と思います。


しかし、井上尚弥の側とて、普通のコンテンダーとはまた違う密度で、ネリーを見続けてきたわけで、ネリーの強さと同時に弱みも承知しているでしょう。
攻撃時に防御に隙がある。アゴも尖っていて、打たれ強いわけではなさそう。ドーピングで得た耐久力を上乗せして、保たせている。
また、ブランドン・フィゲロア戦では、打っても下がってくれない相手に苦しみ、ボディブローでKOされたことも。
これは例外的にコンディションが悪かったとか言い訳していますが、防御自体の隙はそこかしこに見え、アザト・ホバネシアン戦でも打ちつ打たれつ。
直近のフロイラン・サルダール戦でも、初回は右のヒットを喫していて、下の階級の選手でなかったら...と思わせました。

こんな防御の選手に、傍目にはどこに攻撃ルートがあるのかわからない、という相手でも、見事に強打を決めて倒してきた井上尚弥が対したら、きっかけひとつであっという間、と容易に想像がつきます。
基本、序盤は見て立ち、元気な内にお付き合いする必要もない、という選択をするでしょうが、井上尚弥にそんな常識が通用するのかどうか怪しくもあり。
そう思えば、序盤から「畳んでしまう」可能性もある、でしょうか。


もし、スーパーバンタムの井上にそれが出来ないのだとしても。
そしてネリーの攻撃力、気力体力が最大限に充実している、と仮定しても。
それ故に、井上が苦戦する流れになったとしても、結局のところ、防御と機動力、そして攻撃の精度で、井上が完全に上回っていると見ます。
あとは、初回早々、或いは序盤に間違っていいの一発もらう、ということがあれば、程度でしょうか。


ということで、井上尚弥の偉大さ故に実現した東京ドーム決戦ですが、相手のルイス・ネリーの価値は、要は悪名込みのものであって、力自体はやや不足、というものでしかない、というところです。
もちろんWBCの指名挑戦者で、嘘でも元王者なわけですが、KO負けした相手が上の階級に去ってくれたから、という事情も込みの話ですし。

あと心配なのは、試合前に、ここまでやってもなおごちゃつく、とか、リングの上でも、まだ我々の想像を超えた狼藉があり得るのか、ということですかね。
まあ、さすがにないと思いたいですが...。


何しろ期待するのは、井上尚弥の快勝です。
これは別に「成敗」ではなくて、余計なことが何も無いまま勝って終わって欲しい、という意味です。
本当の「成敗」は、こんな試合受けずに、WBC王座を返上する以外にない。しかし試合を「してあげる」以上、それはもう不可能なわけです。残念ながら。



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そんなことでいよいよ今日から3日連続で「えらいこと」が始まります。
とりあえず明日は13時からABEMAでエマヌエル・ロドリゲスvs西田凌佑戦。
以前取り上げたスケジュールどおりなら、第一試合は14時、メインは17時30分から。実際には、多少の変動はあるかもしれませんが。





とりあえず両者とも計量パス。
最近はここが不安なお方も居ますが、この二人なら大丈夫だろうという(笑)。



そして夕刻、17時30分より第一試合開始のU-NEXT、ダイナミックグローブ。
残念ながら時間が被りますが、おっかけ再生で見ようと...たぶん、出来ると思うんですが、どうでしたっけ(汗)。

日本タイトルマッチふたつ、こちらも全選手、計量パス。





ちょっとほのぼの系?の話題もあり。
確かに因縁の再戦、とかいう話にも出来そうなものを、こういうのは...まあ、これはこれでいいんでないすか、という感じですが。
いざ勝負となれば、両者共凄まじいですから、ね。


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ビッグマッチが全世界に展開 画期を成す一ヶ月となるか

2024-04-30 00:00:50 | 井上尚弥



そんなことで、ビッグマッチが相次ぐファイトウィーク突入、なんですが、さらに言うならビッグマッチ月間、ともいうべきなのが、明日から始まる5月ですね。
ざっと書き出したX投稿を拝借。






日本に井上尚弥という突出した存在がいるので、日本で軽量級のビッグマッチが行われるようになり、サウジアラビアでは国策によるビッグマッチ招致が当たり前になりました。
そこへダウンアンダー、豪州もティム・チューやジョージ・カンボソスの健闘により、デビン・ヘイニーや今回のワシル・ロマチェンコのように、米大陸におけるスターボクサーが訪れて闘う試合が行われています。


アメリカ一極集中の時代を「昔」と言い切って良いかはともかくも、6月1日のアルツール・ベテルビエフvsディミトリー・ビボル戦まで含めて、驚くほどワールドワイドに、世界各地でビッグマッチが展開されています。
先のヘイニー、ガルシア戦の一連などに象徴されるように、もうアメリカが、真っ当な形でボクシングのメッカたり得ない現実を「露呈」した今、時代はこの先、さらなる激動と共に、さまざまに変わって行くのかもしれません
その端緒というか、決定的な岐路となるのが、ひょっとしたらこのひと月なのかもしれません。


そして、日本もその一翼を担っているのが、嬉しいし誇らしい気持ちになりますね。
それこそ「昔」なら、指をくわえて他人事として見ているだけだったわけですから。
井上尚弥、ルイス・ネリー戦というカード自体には色々思うところがありはしますが、他にも注目カードが並びますし、日本のボクシングも世界において、ひとつの「極」としての存在をアピール出来たら良いな、と思います。




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