さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

非道の男、乱戦に沈む ネリー初黒星、フィゲロア二冠獲得

2021-05-17 00:41:41 | 海外ボクシング




すっかり忘れていたんですが、昨日はこの試合があったのですね。
YouTubeのお勧め動画に、PBC公式のダイジェストが出ていて、思い出したようなことです。







ルイス・ネリーについては、前回の試合で、Sバンタムの体重において、ちょっと気の利いた相手だと苦しいレベル、という印象を「露呈」に近い形で見せていたので、次以降、タイトルホルダー相手となるとさらに...という想像はしていました。
しかし、ブランドン・フィゲロアやダニエル・ローマン相手になら、パワー勝ちで辛勝くらいに収まるかな、とも思っていて、打たれること前提のフィゲロアとの試合も、なんだかんだどたばたした末に、ネリーが勝つのかな、と思っていました。

後日、WOWOWで放送されるでしょうから、それを見ないと全体像はわかりませんが、この短いダイジェストを見ても、普通に122で計量して、さらに言うなら「薬抜き」だと、元々小柄な印象のままで小さく見えるし、打ちかかって行っても、大柄な上に「打たれるの込み」のフィゲロアが我慢してしまうと、思うように追撃の連打も出ず、最後は打ち負けつつある?中で、きついとこにボディブロー食ってKO負け、でした。


まあ、タイトルホルダー級の相手と当てられて、きっちり白黒ついたあたりはまだ、話としては良い部類、なのかもしれません。
山中慎介との二戦目、両国の会場で目の当たりにした、試合とも呼べない「惨劇」をわざわざ思い出せば、違う感情も当然ありますが、言ってみれば薬や体重超過で得た優位性なくばこんなもの、と思えば、あらゆる事どもが腑に落ちる、というところでもあります。

そして、そのような非道の末に、結果も得られなくなれば、この先は転落の一途、というところでしょう。
おそらくですが「陣営」はもとより、そう呼ぶに値しない「取り巻き」も含め、このような人間が勝利に附随するものを手にできないとなれば、プロフェッショナルな割り切りによる関係性は失われ、そうではない集りもまた、違う形で消えていくのが常ですので。



しかしブランドン・フィゲロア、乱戦の中に彼独特の「理」があるのかもしれませんが、あんなに打たせる選手がなあ...という驚きがあります。
フルラウンドじっくり見てみれば、これまで見落としていた部分があり、新たに何かを感じることになるのでしょうか。
体重超過のフリオ・セハとフルラウンド闘い抜いたタフネスは、確かに見た目の印象とは真逆のものがありましたが、それだけではない何かが、彼の闘いぶりにはある、と見るべきだったのかもしれません。


スーパーバンタム級戦線は、エマヌエル・ナバレッテ転級後、ムロジョン・アフダマリエフとスティーブン・フルトンがリードするかな、と見ていましたが、フィゲロアが次戦でフルトンと闘うので、その勝者は一気に、階級ベストの評を手にするかもしれません。
将来、それも我々が思うより近い?井上尚弥の転級があるとして、個人的にはフルトンが一番手強いか、と思ったりもしていましたが、その予見が崩れる可能性も大いにありそうです。
今後もしばらく、この階級は要注目ですね。目障りな奴がいなくなって、良い気持ちで見られますし。



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ということで、一曲。
amazarashi「馬鹿騒ぎはもう終わり」。







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ライト級ウォーズ「復活戦」 伊藤雅雪vs細川バレンタイン、7月3日に

2021-05-16 09:13:28 | 関東ボクシング



ということで昨日「最後に重大発表」というタイトルを見て、ホイホイと動画を視聴していましたら、ホンマにけっこうな重大発表がありました。
7月3日、ダイナミックグローブ興行で、伊藤雅雪と細川バレンタインが対戦決定とのことです。

伊藤は三代大訓に、細川は吉野修一郎に敗れていて、いわば「ライト級ウォーズ」の敗者復活戦というカードですが、共に再浮上を期す者同士が、避け合わずに直接対戦するというのは、ファンとしては大歓迎です。
「敗者」と書きましたが、強者との闘いに臨んでの結果であって、それを低く見る気持ちなど、さらさらありません。

また、敗戦から再起するにあたり、お茶濁しのようなカードに出て、却って停滞感ありあり、なんて姿を見せられることもよくありますが、こういうカードなら、結果以前に再び、両者ともにさらなる輝きを見せる機会になり得るでしょう。
いや、本当に、日本のボクシング、かくあれかし、という思いに応えてくれるカードの実現です。楽しみですね。


気になるのは、これをG+さんが生中継してくれるかどうか、ですね。
7月3日、巨人は神宮でヤクルト戦、ビジターですので、今のところ生中継の可能性大、と期待してよさそうですが。
G+のHPには、二ヶ月先の番組表が掲載されていますが、7月の番組表が出るのは6月に入ってからです。
どうなるかなー(笑)。


ということで動画ご紹介。
赤穂亮、杉田ダイスケ戦の話や、松永宏信にIBO王座決定戦のオファーがあった話など、「重大発表」の件がなくとも、色々興味深い動画です。








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興行ラッシュの6・19 井上尚弥は世界の主役となれるか

2021-05-15 01:51:56 | 井上尚弥




井上尚弥、マイケル・ダスマリナス戦正式決定を受けての会見を行ったとのこと。
本人のコメントにもあるとおり、ウーバーリvsドネア、リゴンドーvsカシメロの勝者と、今後対戦するためにも負けられない、という位置付けの試合です。

もっとも「会社の違い」などもあり、これらのカードがすんなり行かないこともあり得るのでしょう。
もしSバンタム転向が早まるなら、ムロジョン・アフマダリエフやスティーブン・フルトンらが将来の強敵かもしれません。
とはいえ、これらもまた「会社の違い」が壁かもしれません。そんなこと言ってたら切りが無いですが。


ま、先の話はおいといて、今日発売の専門二誌でも、かつて対戦した木村隼人への取材などを中心に、半ばダスマリナス特集に等しい記事が大きく載っていました。
私はホールで、木村vsダスマリナス戦をけっこう良い席から見てたんですが、一連の評とは少し違って、そんなに動く選手でもなかったような記憶があります。

木村が「0.1テンポずれる」と評した左の打ち方も、正直「打つ前、一瞬肩を引く」動作が目について、これは巧い選手なら大抵外してしまうやろうなあ、という印象でした。
今は違うかもしれませんが、「一辺倒」というのは言い過ぎにしても、左のパンチ中心の攻めなので、相手に左回りされたら追えないんじゃないか、とも見えました。

とはいえ、IBFイリミネーションにきちんと勝ったのを含め、キャリアを重ねてきた選手ですし、パンチ自体はけっこうあります。
カリム・グリフィ戦の映像も見ましたが、粘り強さ、勝負強さも兼ね備えてはいますね。

が、戦力的には「間違い」が起こらねば...というしかない相手です。
国内上位や他の選手相手なら、けっこう手強い、と言えるかもしれませんが、何せ井上尚弥ですから、と。



ただ、試合自体の話ではないのですが、6月19日は、当初予定になかった「世界ライト級王者」テオフィモ・ロペスのIBF指名試合がスライドしてきて、これは話題の新興トリラーの興行。
その他にもPBC、ショータイムがWBCミドル級王者ジャモール・チャーロの試合を行い、DAZNではハイメ・ムンギアの試合があるとのこと。
ビッグマッチ、とは言えないですが、週末のメインイベントとしては十分な試合が、同日に4つ重なることになります。

井上は前回のマロニー戦も、ジャーボンテ・デービスvsレオ・サンタクルスという好カードと重なりました。
まあ、今回はあのカードよりは落ちるもの、と言えるでしょうが、それでも良い話ではありませんね。

変な話、単に勝つでなく、クリアに勝つだけでなく、あまり好きな表現ではないですが「インパクトのある」勝利が求められる、と言わざるを得ないでしょう。
本当に、真剣勝負のボクシングを色眼鏡で見るような物の見方になってしまい、複雑な気持ちでもありますが...。

しかし、井上尚弥なら、そういう様々、諸々を乗り越えて、当日、世界の主役(のひとり)として恥じない内容、結果を残してくれると期待します。
今後もコンスタントに、充実したカードを闘っていくためにも、と。



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ということで、久し振りですが、本日の一曲。
スピッツ「紫の夜を越えて」。



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松永宏信、攻防共に厚みあり 5戦目の健闘、中島玲を退ける

2021-05-14 13:18:10 | 関東ボクシング



先月20日の日本スーパーウェルター級タイトルマッチ、G+でも録画放送されたのを見ましたが、A-Signチャンネルにもフルラウンドの動画がアップされました。
G+入ってない、という方は是非、ということでご紹介。






画質も良いし、実況がないのも、これはこれで良いものです。
G+の実況、人によっては聞いてられないようなのがありますしね。
G+が生中継しないなら、これをライブ配信してほしい、と思いますが、まあそういうわけにはいかないんでしょうね。



王者の松永宏信、攻防共に「厚み」の差を見せてクリアに勝ちました。
5回の攻防など典型ですが、やはり「出せる手の数」の違いが、力量の差である、とはっきり見せての勝利でした。
もう国内で闘うべきは、井上岳志くらいしか思いつかないですね。
そりゃ、豪州遠征してティム・ジューと地域タイトル賭けて闘う、というウルトラC級の展開があれば幸いですが(笑)


挑戦者の中島玲は、5戦目でこれだけやれるのか、凄い、とこちらも称えたい闘いぶりでした。
左ボディでも右アッパーでも構わずリードに使い、目で外す防御と足捌きも冴えたスタート。
中盤以降はワンツーで終わらずスリー、フォーと、追い足を伴った攻撃を重ねてくる松永に打たれてしまいましたが、終盤も粘りを見せ、一気に打ち崩されることなく闘い抜きました。健闘だったと思います。



王者対決、上位同士、或いは階級またぎのカードなど含め、この辺のクラスがもっと盛り上がってほしい、とも思わせてくれる試合でした。
そして、色々難しい状況にあっても、これだけの良い試合を見せてくれた両者に拍手です。
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問題は「世間が騒いだ」ことではない

2021-05-12 15:24:49 | その他


話が全部きれいにめくれて、白黒はっきりつく、のかどうか極めて疑わしい、井岡一翔の...というより、JBCのドーピング検査についての疑惑ですが、JBC永田理事長が「取材に応じた」という、東スポの記事

どういう形式で取材に応じたのか、よくわからんですが(しっかり対面?立ち話?リモート?)、記事を読む限り、根本的なことは何も言わず、触れず、話をそらしているだけです。

「問題は何でマスコミにリークがあったのか」
いやいや...マジでこんなこと言うたんですかね、ホンマのホンマに?
要するに「表沙汰にしたくなかった」と言うたも同然やないですか、これ。

経営体制が変わる前に、東京ドームの会社から来た人らしいですが、もうちょっとマシな人間おらんのか、という印象です。
それにしてもこの人、「5月中」には「結論」を出す、と言っていますが、倫理委員会が出した結論を受け容れる立場のはずが、妙な物言いもあるものですね。


で、これに通ずるのが、現代ビジネスの記事
話をそらし、すり替え、という繰り返しで、読み進むにつれて、何がどうなっているのかよくわからん記事です。
検査の手順が歪められた問題が、いつの間にか違う話になっているあたりは、ある意味「プロの仕事」なのかもしれませんが。
書き手の個人的な「誼」から書かれた記事の典型、と言えるかもしれません。

本来の「問題」については、世間に「騒ぎ」を起こしてはならん、と言いたいようです。
検査の結果、問題があったことが世間に一切知られず、騒ぎにもならず、何も無しでそのまんまだった方が、余程問題だし、恐ろしいことだと思うんですが。



こちらはスポニチの記事。限られた紙面の制約あれど、ドーピングの専門家の意見や、対する田中恒成陣営、畑中清詞会長の立場にも目配りがあり、バランスの取れた記事です。
普通の感覚で書けば、こういう風になるのが当たり前だという印象ですね。



今のところ、情勢自体は変わっていませんが、メディアを通じてあれこれと探り、計り、という感じの動きは、これからちょこちょこ目に付くのかもしれません。
しかし、以前も触れたとおり、きちんと然るべき話が進んでいれば出ただろう結論を導くための前提が、物理的に失われているのだとしたら、もうすでに手遅れであり、言ってみれば負け戦です。
仮に今月の内に、なんらかの区切りがつけられるにしても、妙ちくりんな、気持ちの悪い話をまた聞かされるんやろうなあ、と今からげんなりしています。残念なことですが。




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二日間三興行、7大タイトルマッチ、無念の延期

2021-05-11 14:46:47 | 関東ボクシング



海外では7万人規模の大興行が行われたのに引き換え、我が国では極めて残念なニュース。
今月22日、23日の墨田区総合体育館で予定されていた、二日間三興行、7大タイトルマッチが延期
緊急事態宣言発令により、客入れどうこうではなくて、会場が使用出来なくなったため、とのこと。

A-Signでもプレビュー動画がアップされるなど、注目されていた若手対決、佐々木尽vs湯場海樹戦に、Sフライ級トリプルタイトルを持つ福永亮次、久々に実現する日本バンタム級タイトルマッチなどが、二日連続、同じ会場で行われるインパクトは、なかなかのものがあったと思うのですが、記事にもあるとおり、今後のDANGAN興行に振り分けられます。


今月のBoxingRaise、ライブ配信の予定がなかなか出ないのも、こういう事情あってのことだったのですね。
会場が後楽園ホールだったら開催出来たのか、と思うと、墨田区での興行、その背景についても、良いときは良いが、悪く回るとこういうことがあるか...という感じです。
ホントに、事無くば良い話やなあ、と思っても、いざ事あらば、何かと思うようにはいかんご時世、当分色々難しいまま、ですね。



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やはり抜群の才能、だが カネロ、大観衆熱狂のTKO勝ち

2021-05-10 14:36:48 | 海外ボクシング



ということで昨日のメイン、簡単に。

カネロ・アルバレスは横殴りの右ボディ、左のレバーパンチを半ばリード代わりに使い、サウスポーのビリージョー・サンダースに圧をかけるスタート。
これだけで充分「さすが」なんですが、さらにサンダースの左に、右アッパーを上にカウンターする様などを見ると、やはりカネロというのは、希なる才能に恵まれた逸材であることを再認識させられました。
サンダースは思ったよりは足を使わない印象。リング狭い、とも見えませんでしたが。

カネロ優勢で進んだが、5回はサンダースが右リードから左、好打を重ねる。
クリンチの離れ際、肘打ちを狙った?左などもきわどくかすめ、カネロがやや失速気味。

サンダースが少しずつ、挽回の流れに乗れるか、というところでしたが、8回カネロの右アッパー。
ダックした際、右目に入ったようで、直後に右目の周りに赤黒い跡が見える。
カネロ断続的に攻勢をかけ、観衆7万3千人が大歓声。
結局この回終了後、サンダース棄権。後に、眼窩底骨折の疑いあり、という報道もありました。


さすがにタイトルホルダーの一角を占めるサンダース、技巧的かつやりにくいスタイルの強みも見せかけましたが、これまた並大抵ではない、精度の高い右アッパーのカウンターという大技を、当たり前のように繰り返して決めるカネロが、その才能と力で、難敵を制圧した、という試合でした。
ただ、その才能を十全に発揮しうる支えとなるものについて、どうしても疑念を抱いてしまい、諸手を挙げて大絶賛、という気持ちにはなれないわけですが。

サンダースの肘打ち狙い?を見たとき「こいつ、悪い奴っちゃな」と思ったりもしましたが、考えたら見えてないとこでカネロの方とて...という話でもあります。
どうも、見ているこちらに余計なことを考えさせるという点で、この人をスーパースターとして見上げる気分にはなれませんね。
もっとも、AT&Tスタジアムを埋めた大観衆の皆さんは、そんなこたあ毛ほども気にしていないご様子でしたが。

ただ、やっぱり元々、凄い才能の持ち主なんやなあ、ということは、改めて確認させられたような気もします。
この実力をもってすれば、技巧のIBF王者プラント、元WBC王者の若き怪物デビッド・ベナビデスとて、カネロをそれぞれの持ち味で苦しめこそすれ、攻略なるかというと...なかなか難しいところでしょうね。



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手数と動きで「差」を埋められず 高山勝成、奮戦するもTKO負け

2021-05-09 20:23:29 | 高山勝成




ということで、DAZNライブ配信、楽しく見ておりました。
セミファイナルのエルウィン・ソト、高山勝成戦は、ソトが9回TKO勝ち。
ストップの是非なども、多少論議を呼ぶかも知れませんが、簡単に感想を。


立ち上がりから、高山が軽いパンチの数を出し、ソトが重いパンチを返す流れ。
高山は足は動いているが、ガードが少し低いか。ソトは振り回しておいて、インサイドに刺すワンツーが速い。

2回、このパンチで高山、少し効かされる。
この段階で、少しずつ足捌きよりも、ボディにパンチを集める方に、闘い方の比重が移っていったか。

対するソト、序盤の内は、高山の軽いパンチなら、少々は...という感じで、重いパンチを狙っている風。
こういう傾向自体は、この後、高山に多少幸いするだろう、とこの時点では見えました。

3回、高山が手数出して奮戦。4回、ボディ、上の打ち合い。5回も同様。
パワーの差を手数で埋め、ソトの疲れを誘い、あわよくばボディブローの中に、ダメージを与えられるものがあれば、と思って見ていました。


しかし6回から、ソトが巧くリングを「刈り込んで」高山が思うように足で捌けなくなってくる。
重いパンチを時折好打されていて、そのダメージも当然あるが、ソトが攻防共に丁寧になってきた印象。

7回、互いに右へ周り合う。ソト、上体を無理なく動かし、頭の位置を変えつつ攻める。
時に下がって右ヒット。高山は足のベクトルが左右に向かず、前進してボディ狙い。
本来、パンチ力で劣っている方が採る闘い方ではない。苦しい。
8回、そのボディ攻撃も、下ばかり、下狙い、という前提でソトに見られてしまっていて、ヒットしても本来以上の効果が得られない。
ソトが要所で、右から左アッパーなど、好打を重ねる。

9回、高山が出るのを見て、ソトが迎え撃ち。ワンツー決める。ショートの打ち合いでも、高山は出ては打たれ、の繰り返し。
それでも前に出て保たせていたが、ソトのヒットのあと、高山が手を返していたさなかに、TKOの宣告となりました。


高山勝成、調整期間の短さを感じさせない奮戦でしたが、体格とパワーの差を、手数と動きで埋めることはかないませんでした。
ライトフライ級では、さらにパンチングパワーの不足が目に付きましたが、それを補うために、本来、優っていないといけない部分でも、ソトに上を行かれた、という印象です。

序盤こそ、強打者が陥りやすい一発狙い、軽打被弾の傾向が見えたものの、高山の動きをよく見て、サイドへの動きを徐々に封じたし、足を動かし、頭(上体)を振って外し、カウンター狙いで強打を生かし、という具合に、試合が進むにつれて、やることがいちいち丁寧、的確になっていく。
エルウィン・ソトは、パンチ力、体格の優位性のみならず、それを元手に冷静さを持ち、高山のビジーファイトに対応して、強打を決めていきました。
試合の結果は、内容を正当に反映したものだった、と思います。


あと、ストップの是非については、あれは仕方なし、としか言えない、と見ます。
確かに高山の方が手を出している(力無いものでしたが)タイミングで、いかにも間が悪い、絵面が悪い、といえばそうですが、そこまでの展開、高山が打たれたパンチの数、両者のパワーの差、そして高山がなまじ粘り強いが故の、あそこから先に潜む危険...諸々を考え合わせると、あのストップは受け容れないといけないものではないか、と。

高山を応援する心情はもちろんありますが、それを込みにしても「まだこれからやのに」とは、全然思いませんでした。
まあ、あのレフェリーは「その場なり」の仕事をする人や、というのも事実ではあるのでしょうが。


試合後のシャドーボクシングや、まだ闘えたとアピールするジェスチャーが、場内の観衆にどう映ったものか、正確なところはわかりませんが、試合後のコメントなどを含めると、本人はまだ「次」を闘うつもりでいるようです。
まあ、何かにつけ、大きな試合ともなれば進退絡みの区切りに結び付けてしまう、日本的な思考でいけば、如何なものかと見る向きもありましょうし、私のような高山贔屓の身でも、そういう気持ちが半分くらいあったりします。

しかし、この試合出場オファーを受けたことも含め、高山勝成の行動原理は、言ってみれば国際的な基準により近いものであり、彼の振る舞いや言葉が、外国のボクサーのそれであったとしたら、特に違和感なく見られるものでもありましょう。
見た目不相応に年齢も重ねていますし、闘いぶりも含め、苦しいところでしたが、それでもあの大箱で、若い王者相手に怯まず挑み、打ちかかり、様々に手を尽くして闘った末に、まだ「次」を語る。


それが高山勝成なのだ、というしかないのでしょう。
様々な困難と共に、走り続けてきた彼のゴールは、まだもう少し先にあるらしい、ですね。


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明日はダラスでビッグマッチ 高山勝成直前インタビューなど

2021-05-08 13:36:43 | 高山勝成




ということで明日はテキサス、ダラスでのビッグマッチ、DAZNでライブ配信です。

ワクチン接種が着実に進み、それが順調過ぎて?一部では受けたくないという向きも多いという話題まで伝わってくるアメリカですが、その中でも早くから規制を撤廃してきたテキサスならではか。
観客動員について、えらく景気が良いのか何だか分からんですが、7万人入るで、とかいうお話も

単にコロナどうという以前に、普段でもなかなかそういう話にはならんと思うんですが、この辺はある種の「反動」でもあるんですかね。
何しろ、ホンマかいな、と思うばかりだったその数字もあながち...と見えるのが、前日計量の様子。
普通のやつもあったんですが、こちらは空撮の映像です。





一応、普通のやつも。







思わず唖然となりますね。
また、マスク着用率も極めて低いように見えます。
まあ、そうでなければ7万人の動員など、あり得ないわけでしょうが。

ということで明日は、久し振りに盛況の会場で行われるビッグマッチをライブで見る機会になりそうです。
試合内容に不足を感じたとしても、その印象が多少、かさ上げされて見えてしまうということも、ありそうな気がします。
また、高山勝成のような、敵地だろうが何だろうが、勝ち負け以前に大観衆の前で、その果敢さを見せつけてきたボクサーにとり、良い舞台が整ったのではないか、とも。


その高山勝成、現地で杉浦大介氏の直前インタビューに応えています。
記事はこちら

いよいよ明日ですね。
厳しい闘いは避け得ないでしょうが、それでもなお、というか、もう、そういうこっちゃないですしね...。


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拳四朗、次戦は名古屋で? 矢吹正道陣営と交渉中

2021-05-07 12:25:26 | 中部ボクシング




緊急事態宣言発出ぎりぎりのタイミングで、久田哲也を下した寺地拳四朗、次は名古屋遠征か、という記事
矢吹正道のコメントとして、陣営も名古屋開催、9月頃で交渉中、とのことです。

以前から、矢吹陣営の方針は、地元での世界戦開催である、という話を聞いてはいて、拳四朗か京口か、どちらかがそれを受ければ話は一気に進むだろう、ということでした。
そして、どうやら拳四朗の方と交渉しているようです。

記事にもあるとおり、色々な要因を考えると、一番ありそうな話です。
矢吹のWBCランキングが2位であり、次回以降の発表で1位になりそうなこと。
海外選手とのマッチメイクが難しいこと。

さらに、ここから先は想像ですが、拳四朗が、必ずしも帝拳興行に「縛られた」状況にいるわけではないらしいこと。
また、所属ジムが自主興行に拘泥しない姿勢であるらしいこと。

そして、具志堅の防衛記録更新を掲げる拳四朗にとり、これ以上のブランクは避けたい、かなう限りコンスタントに防衛戦をこなしたい、という意向も当然、ありましょう。
懸念は唯一「敵地」であることですが、そこもジャッジの構成が偏ったものでなければ良し、というところでしょうか。


また、単純にカードとして、これはけっこう魅力的な、というか、興味を引かれる部分があります。

抜群の距離感と正確なパンチで、それこそバンタムにおける井上尚弥同様、階級最強の評も多いのが、これまでの寺地拳四朗です。
では、彼を攻略しうるコンテンダーとはどのような選手か、と考えたときに、その距離感を圧倒的な長身、リーチで無力化してしまえる体格の選手、というのは、ひとつ想定としてあり得るでしょう。
そしてそこに、スピードやパンチ力が高いレベルで備わっているとしたら。結構厄介な話やな、となるのではないでしょうか。

そして、ライトフライ級における矢吹正道は、概ねそのような特徴を持ち、実力レベルもかなりのものがある、と言える選手です。
少なくとも今の国内上位では、拳四朗と京口を除き、久田哲也をも上回るものがあるだろうと。
フライ級時代、まだキャリアも浅い頃、相手を選ばず、選べず臨んだ試合で、現WBO王者中谷潤人や、日本王者ユーリ阿久井といった強敵に黒星を喫していますが、ライトフライではキューバの強豪マテヨン戦以外は全勝。

記事の中にあるほどの人数かどうかは知る由も無いですが、マッチメイクに苦労するくらいの強みを見せていて、昨年末に破った歴戦のベテラン、大内淳雅の口からは、試合後に「拳四朗より強い」とのコメントが出た、と報じられています。
その遠い距離と、強烈なカウンター、及び突き放しのパンチに苦しんだ直後の言葉であり、拳四朗とは違う種類の難しさを感じたことを、大内はそのように表現したのでしょうが...。


もちろん、予想をすれば矢吹有利と、簡単には言えません。
大内戦でも、数は少ないとは言え、大内が果敢に踏み込んで狙う右を受けた場面もありました。
拳四朗がそれこそ「音もなく」踏み込んで、好打を重ねて行く、という展開になれば、王者の巧さと強さが存分に見られることでしょう。

しかし、それがそう簡単にいくかどうか、です。
もし、距離で拳四朗を数ラウンド苦しめ、その後にそれが克服されて、双方の技と力が比べられる展開になったとして、拳四朗の出入りの足捌きと、正確なジャブ、ワンツーに対し、大柄な矢吹がスイッチを織り交ぜ、組み合わせや強弱の配分が読みにくい連打で対抗出来るかもしれません。
ベーシックな技術の部分ではかなわないにしても、それ以外の「大技」が生きる展開に持ち込めれば、矢吹にも勝機があることでしょう。

少なくとも、王座防衛を重ね、ブランク明けにひとつ勝った、という現状で、これまでとは違い、減量や調整の難しさなども漏れ伝わってくる段階にも来ている拳四朗が、ベストに近い状態でなければ、容易く撃退しうる挑戦者ではない。
矢吹正道については、最低限、そのように見て良いと思っています。



時期としてはまあ、早くても9月、実際にはもう少し後かな、と見ていますが、その頃になればさすがに、あれこれとややこしい話も、多少は収まってもいるでしょうから(?)久し振りに名古屋行きかな、なんて思っています。
残念なことに、この組み合わせでTV放送などがどうなるものか、想像も付かないのが実際のところでして...まあ、どうであろうと、このカードは直に見ておきたい、と思うので、関係ないといえばそうなんですが。



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