さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

全世界からツッコミ殺到 カネロ・アルバレス、天然コメント

2024-07-27 00:02:18 | 海外ボクシング





カネロ・アルバレス、次戦はエドガー・ベルランガに決定。9月14日。PBC=米AmazonのPPV。これはWOWOWでやってくれそうですね。


で、そのための会見か何かですか、カネロが面白いことを言ったそうです。


要するに「デビッド・ベナビデスが成し遂げたことは何も無い。王者と闘ったのはアンソニー・ディレルだけ。(彼と闘わないからといって)私を軽蔑しないでもらいたい」のだそうです。

王者と闘っていないような相手と闘わないのは当然、だそうですが、X投稿についた返信を見ると「ほならベルランガさんはどうなりますのや」と世界中からツッコミが飛んでいます(笑)。
自分に言い聞かせるというか、そうして自分の精神を支えているんでしょうが、言う場所を間違えるとこういうことになる。
カネロさん天然出ました、という感じですかね。

試合に関しては、ベルランガさんに、ボクシングの「偶然の神様」が微笑んでくれたらいいなあ、という感じで、当日見ると思います(笑)。まあ難しいのでしょうけども。


あとはアンダー次第ですかね。あとひとつふたつ、何か出してくれそうな気が。
今のところ、セミのカードが?でした。ダニー・ガルシアって、あの?と思ったらそうみたいです。
そう言えば、去年くらいからやるやると言ってたような。契約ウェイトいじるような話もあった覚えが。なんかややこしそうですね。
あちらではまだ人気はあり、米AmazonPPVの売り上げにプラスをもたらす名前ではあるのでしょうが。

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勝てば「IBF完全制覇」 銀次朗、統一戦へ進めるか

2024-07-26 17:29:18 | 関西ボクシング




そんなことで暑いさなかですが、日曜にはもう一試合、国内で世界戦あり。
IBFミニマム級タイトルマッチ、重岡銀次朗vsペドロ・タドゥランです。
こちらは来日した際の様子。「日本はフィリピンより暑い」のやそうです。ホンマにそうかもしれませんね。


この選手は現1位、元IBF王者で、近年のIBF105ポンドタイトルの変遷を作ってきた、最後の一人です。
あのダニエル「頭痛いねん」バジャダレスに負傷判定勝ち、レネ・マーク・クアルトに判定負けと負傷判定負け。
思えばバジャダレス戦も「危ないとこ」だったのかもしれません。クアルト戦は変な決着ではなかったのでしょうが。
とにかく、この両者をきっちり破った重岡銀次朗にとり、最後のIBF元王者にして最上位のコンテンダーが、タドゥランというわけです。
これを倒せば、IBF関連でもう闘うべき敵はいない、他団体王者との対戦へ進む、と胸を張って言えることでしょう。


タドゥランはスタイリッシュで、割と綺麗なフォームながら、積極的に手を出して攻めるサウスポー。一見して良い選手、と見えます。
ただ、直近のIBFイリミネーション、ジェイク・アンパロ戦を見ると、長身のアンパロを積極的に攻め立てながら、時折右のヒットを喫して反撃を許すなど、ボクシング自体は正直で裏がないという印象。
いわゆる「良い試合」を「してしまう」タイプ、というか。ちょっと漠然としていますが。

パンチ力も一発底抜け、というほどではなく、ちょっとワンパターン気味で左ストレート、右フック返し中心、さらに上乗せあり、という感じ。
ただ、スピードも切れもなかなかあるので、調子に乗せると厄介でしょう。銀次朗が強打で止められるかどうかでしょうね。好ファイトに期待です。


ABEMAでのライブ配信は例によって長丁場確定でしょうね。JBCの試合予定によると第一試合は13時より、とあります。
なんだかんだ、アンダーにも気になる試合が並んでいるんで、いろいろチェックせねばなりませんが。
近藤冬馬なんて、渋い名前もさりげなく見えますし(笑)。

しかし中川兄弟は、変なリングネームつける前の新人時代から注目していたんですが、随分時が経ったものですね。
「武田航」なんて、直にホールで見た(東日本新人王の決勝でしたっけか)ときに、和製アンセルモ・モレノになるんではないか、と期待したくらいで。
それがもう、一度引退して再起して、英洸貴とドロー、そして元地域王者と、というカードですから、やっぱり気にかかりますね。
試合としては兄の喧嘩風味カードより(実際は互いにへっぴり腰だったりするのが悲しいですね)、よほど良いものですしね。


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TRもGBPも「リヤド・シーズン」に組み込まれる 井上尚弥にも影響ありか

2024-07-25 14:08:23 | 井上尚弥



どのスポーツにおいても、いろいろ論議を呼び、中には当然拒否反応もありながら、結局は抗えずに受け容れてしまうのが常のサウジ・マネーですが、ボクシング界においてもいよいよここまで来ましたか、という。
トップランク社、ゴールデンボーイ・プロ、共にサウジアラビアのトルキ・アルシャイフと共同プロモーション契約。


具体的に、細かく話が出ているわけではないですが、記事にもあるGBP興行も、今後のトップランクも「リヤド・シーズン」の一環となり、その分、予算も投入されて、会社の違いを乗り越えたカードの実現、となっていくのでしょう。
現状、カネロ・アルバレスやテレンス・クロフォードのように、最強挑戦者との試合を頑なに拒否する「手合い」がまだ生きているのも事実ですが、ヘビー級のように、いずれそれもかなわなくなるのでは、と思います。


さて、残るは米Amazonでの試合配信に切り替わったが、イベントの数が少ないPBC、こんなことでやっていけるのかどうかです。
謎多き総帥アル・ヘイモンが、サウジマネーにどう対処するつもりでいるのか、まったくわかりません。
元々、何考えてるのかわからないところですが、この件に関しても沈黙あるのみ、みたいですね。


あと、帝拳というのか大橋というのか、要は井上尚弥がターゲットなんですが...先日来、急に欧米でムロジョン・アフマダリエフを押し立てて井上尚弥の試合を組もうとする一連の動きがありましたが、少なくとも9月は、日本開催で落ち着きました。
今のところ、アフマダリエフとの試合で、井上を英国やサウジに連れ出そうとする際に出る条件は、日本のそれと大幅には違わないのでしょう。

日本のプロモーターとしては今後、アフマダリエフやグッドマンあたりとの試合を国内でやり、その後に、次の東京ドーム興行を構想しているのだと思います。
そして、その対戦相手として中谷潤人を押し立てる。中谷がまた、試合の度に強くなっていくので、その流れが加速している感あり、ですが。
これをスーパーバンタムの集大成として、次はフェザーを目指す。当然、この挑戦試合でもドーム興行の構想がありうるでしょう。
こういう試合を井上に用意することで、井上を継続して国内で闘わせようとする。大まかに、そういう感じなのだろうと。


しかし、トップランクまでサウジマネーと手を組まざるを得ない今、そちらのルートで、井上の試合が海外で行われるとなると、ジョシュアのセミ扱いとかいう話では済まない場合もありそうです。
もし、フェザー級チャンピオンとの対戦で、今日本で出ている条件を大幅に超えるオファーがあった場合、井上陣営としてもやぶさかではないはずですしね。
プロモーターの立場は当然別、でしょうが(この辺、ちょっと微妙です)。


それにしても、冒頭に書いたとおり、サウジマネーの勢いというのは凄いものです。
これが何もかも良い方向に作用すれば良いでしょうし、実際、良い話に直接繋がっているのも確かではありますね。
とりあえず、続いている限り、勢いある内は、何も言わずに、どう乗りこなすかを考えるのみ。そうならざるを得ない、のでしょうね...。


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最大限の健闘も、力及ばず 加納陸、強打オラスクアガにKO負け

2024-07-23 00:03:43 | 関東ボクシング


ということで土曜日の試合、感想最後です。

アンソニー・オラスクアガ、加納陸を3回KO。
フィニッシュは右フックで加納の右腕をはじき飛ばし、そのスペースに左アッパーを打ち込むというもの。
それまでの展開と同様、力と技の両面で、彼我の差を見せつけるものでした。

加納は左のクロスや右返し、ワンツーなど、打つべき時にしっかり打って、ヒットを取ってはいました。
待っていてはどんどん攻め込まれる。しかし、オラスクアガの強打を恐れず、しっかり打って止めようと、最大限の努力をしていたと思います。

それはまさに健闘で、アタマに「最大限の」とつけたくなるものでしたが、結果は非情でした。
オラスクアガの強打が、全てを決めたという試合でした。


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試合中止の憂き目を見た田中恒成は、リングに登場して、ひとつずつ言葉を紡ぎ、ボクサーとしての決意、統一戦まで勝ち続ける、と語りました。
言うに言えない思いもあったことかと思いますが、ああして観客に、視聴者に語りかける場があって良かった。
単なる薄っぺらい「アピール」ではない。心の奥底から紡がれた言葉だったが故に。


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第一試合、本来配信予定の無かった荒本一成のデビュー戦、楽しみにしていたんですが、全体的に不調な印象。
体重もえらく重い設定だったし、試合ぶりも今ひとつ。
終わってから、眼窩底骨折でしたっけ?負傷もあったとかで、それは割り引いて見るべきなのかもしれません。
次からはミドルに落としてやるらしいですから、ひとまず保留、でしょうか。
ただ、もし今回の試合ぶりが実力そのままなのだとしたら、元トップアマというのは看板倒れというしかありません。奮起に期待します。


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これまでAmazonPrimeのボクシング中継、番組制作はフジテレビがやっていたはずですが、今回から日テレやG+、今はU-NEXTのボクシング番組制作をしている会社に変わっていましたね。
鈴木健さんのように、日テレからアナウンサーが来ることはこれまでもあったかもしれませんが。

そして、思い出そうにも忘れられない「トシオカニシオカ」事件でお馴染み、船越雅史アナウンサーも実況をしていました。
この人、よく知らんかったのですが、不祥事か何かで現場から引いていて、久し振りの復帰?なのでしょうか。
正直、いちいち大層であまり好きじゃないですが、今後はTV中継とは状況が微妙に違うことも鑑みて、修正してくれたらいいですね。

あと、この人はリングアナとして、選手のタイトル獲得歴などをコールに含める、ということを、おそらく日本で一番最初にやった人です。
それ自体はやり方ひとつで全然悪くないし、上手く整理してやれば良いと思っていたんですが、今、そのやり方を引き継いでいる人の中には、目立ちたいのか何なのか、時間の無駄遣いをする人がいて、辟易させられます。馬鹿かと思うこと再々です。


話は戻って、今後は日テレ系の会社制作で行くということなんですかね。
それとも、フジと交互に、なんてことも...それだけ、Amazonのボクシング配信興行がコンスタントに行われるということであれば、嬉しい話ではありますが。はてさて。


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最後に、こないなツーショットがありました。
今後に向けて良い話があったのだとしたら、嬉しいことですね。大いに期待します。




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4戦目でこれは充分、出色の出来 那須川天心、WBA4位をKO

2024-07-22 05:37:59 | 関東ボクシング



ということで短いラウンドでのKOが重なり、サクッと見られたAmazon興行、セミの感想を。


セミに置かれた那須川天心vsWBA4位ジョナサン・ゴンサレス戦は、試合直前の記事なんかで、バンタム級10回戦、と表記されているものがいくつかあり、あれ、118に落とすのかと思ったら、結局120ポンドでした。
今回も体重が綺麗に揃うとはいかなかったですが、それを差し引いても、那須川の出来は出色でした。
4戦目の試合としては、これ以上望めないだろう、と。

ジョナサン・ゴンサレスが対サウスポーボクシングの方針を何も持っていないように見えたのは事実です。
スピードのあるサウスポー相手に左フックで迎撃、というのは、正直悪手。
右ストレートリードでも、左フックリードでも良いが、左側に身体を逃がし、沈めて対応しつつ打っていくのがセオリーなのに、身体を残したまま迎え撃つ形。
また打つ度にバランスを乱すこともあり、那須川が速いワンツーをその軌道の下に通すと、まともに打たれそう。

実際、2回終盤にこのパンチでぐらつき、耐えて倒れなかったものの、追撃されダウン寸前。
3回も同じパターンでワンツーを打たれる。左アッパー連打、左から右返しで倒され、カウントアウトされました。
一応不満のポーズを取っていたようですが、完全に体裁。レフェリーの呼びかけに応じられず、グローブを上げることもしていませんでした。


しかし、那須川のスピード、パンチの威力は、相手どうを置いても成長の跡が見えました。
追撃も、2回のチャンスは正確に相手の顔の中心、こめかみへとヒットが重なっていたし、3回は左アッパーでインサイドを崩して、左から右へと強打を繋げる。
いずれも、強くて正確な詰めを見せました。
デビュー戦の手打ち連打とはまったく違う姿に驚き、感心させられました。

それまでの攻防も、相手のアクションに対して、逐一反応して小さいバックステップを見せ、空振りさせるだけでなく、相手の手出しを事前に封じる場面もあり。
本人も色々語っているとおり、ボクシングを日々、しっかり学んでいるのだなあ、という印象です。
それも旧来のセオリーだけでなく、自分なりの闘い方に、それを上手く落とし込んでいる、というか。


正直言って、今回の相手は世界4位、という表現のレベルほどの選手ではなく、また体格のアドバンテージは過去3戦と同様に、前提として見えました。
しかしそれらを割り引いても、わずか4戦でこれ以上を求めることは出来ないだろう、というくらい、那須川の素質が、実際の戦力として形になり、それが見え始めた試合だった、と思います。
以前、堤駿斗の試合を見て、トップランク興行の若手枠にこの試合を置いても違和感がない、と書いたことがありますが、今回の那須川の試合にも、同様の感想を持ちました。


陣営は来年にも世界挑戦を、と考えているようですが、もう数試合するうちに、さらに成長し、厚みのある戦力を身に付けてから、になるのだと思います。
次は地域タイトルをという話になっているらしいですが、今日試合をする栗原慶太への挑戦になるのか、WBOアジア(空位決定戦になる?)のか。
正直、今の栗原は誰が相手でも勝敗が読めないところがあって、心配ではありますが。はてさて。



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壮大な構想、夢が広がる勝利 中谷潤人、1位アストロラビオをボディで一蹴

2024-07-21 05:05:45 | 関東ボクシング




そんなことで昨日のAmazonPrime配信は、短いラウンドのKO決着が続きました。
それは確かに、両選手の実力差の表れ、と言えるのですが、同時に、それぞれの試合に見るべきポイントがあり、見応えのある、印象的な試合ばかりだったように思います。


といっても、さすがにメインはあっという間でしたね(笑)。
中谷潤人、左ボディストレート、一撃で1位のビンセント・アストロラビオを初回に沈めました。

遠目の位置から右リードもあったし、左から入って突き放す、というのもあったが、基本、序盤は見る感じだった中谷。
しかし、そうこうしているうちにも、ちゃんと目のフェイントで上下に目配りをしていたのでしょうね。
最後の左ボディストレートは、アストロラビオにしたら、両手で、ヒジで受けられる、と思っていたのかもしれませんが、その下を綺麗に通って、衝撃が内臓に伝わる一撃でした。

正直、試合前はこの相手、勝敗自体が逆になるとは思わない反面、荒いし馬力あるし粘るから、長引くかも知れないし、その過程で「もたつく」感があったら嫌だなあ、みたいに思っていたんですが、蓋を開けたらこの通りでした。
まあ、強いんだからしょうがない、というのが結論になりましょうか。脱帽するしかありません。
バンタムに上げて二戦目ですが、コンディションは抜群に良いみたいですね。
5連続KO防衛の頃の長谷川穂積、パヤノを初回に右一撃で沈めた井上尚弥など、過去のバンタム級名王者の姿を思い出す、衝撃、驚きのKO防衛でした。



今後は井上拓真戦を希望、とのことですが、拓真がもし堤聖也の挑戦を受け、次に指名挑戦者となるであろうアントニオ・バルガスと対戦するとしたら、来年半ばか後半以降、ということになってしまいます。
堤戦と指名試合の間に統一戦を入れられるか、でしょうか。

AmazonPrimeVideoとしては、井上尚弥を独占できない(数試合に一回、という取り決めになっている?)以上、那須川天心が世界挑戦へと進む間の大イベントとして、中谷潤人を軸に、バンタム級世界王者や上位コンテンダー、その所属ジムに対し、どんなカードでも組むように要求したいところでしょう(出来れば西田凌佑も混ぜてあげてほしい...)。
そして、業界の側も、それには概ね抗えないのだとしたら、実現の可能性は大いにあり、と見て良さそうですね。
ただ、大橋会長にしたら、さすがに分が悪いと思うでしょうし、厳しい決断ではありましょうが。


とはいえ、それも業界全体の総意として、井上尚弥が次に東京ドームで闘うための相手として、中谷潤人を第一候補と見ているならば、今回の中谷は、前回以上に強烈な印象を残しましたし、これで井上拓真を下そうものなら、そうした情勢は決定的なものになるでしょう。
単に凄い試合だっただけでなく、今後に向けても壮大な夢が広がる、そんな勝利でした。


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3回の切り換えが奏功 宇津木秀、ライバル鈴木雅弘を返り討ち

2024-07-20 09:34:41 | 関東ボクシング



ということで今日は夕刻からダブル世界戦。田中恒成の無念たるや、とちょっと辛い気分でもあります。
私は今回、自宅観戦ですが、これもし会場行く予定だったら、と思うと、怖い気もしますね。
荒本一成のデビュー戦が配信に入り、開始時間も18時からになるそうですが。


とりあえず昨日のU-NEXT、鈴木雅弘vs宇津木秀の再戦感想ですが、両者激しいラリーで始まった試合は、3回に宇津木が構え直してジャブを多用し、間を取って、打っては外し、の攻防にシフトチェンジしたことが、明暗を分けました。

前回の試合は半ばワンサイドでしたが、要は宇津木が打っては動き、当てては外し、という攻防を積み重ねていった結果。
この流れになれば宇津木が良いが、今回は初回、2回と、フックやアッパーの交換が多い、ラリーが繰り広げられました。

この展開なら鈴木の良さが出る。五分五分か、徐々に鈴木に傾くかだ、と思っていた3回、最初から宇津木ががらりとやり方変えました。
この後は徐々に宇津木がヒットを重ねて抜け出し、5回にダメージ与えてから、軽いラッシュを続け、反撃の手も止まりかけた鈴木を見て、レフェリーがストップ。
最後の決定打こそ受けていませんが、その前に何度も動きが止まるクリーンヒットを受けていて、仕方ないところでした。


鈴木はロルダン・アルデアと比国でドロー、日本で初回KO勝ちという過程で、いよいよライト級でも納まりが良くなってきた感があり、実際今回も強打をカジュアルに繰り出す(変な表現ですが)スタイルが出来上がってきたと見えました。
しかし宇津木は、その相手の良さが出る展開を、途中から回避する切り換えが出来た。これが勝利に繋がりました。見事な闘いぶりでした。


なんか、U-NEXTの興行で、来月日本王座の防衛戦がある、三代大訓とのチャンピオン対決は既定路線になっているような感じですね。
もちろん三代が次戦に勝たねばならないわけですが、年内に、かつて同門だったライバル対決が見られるかもしれません。これは楽しみです。


メインは非常に中身のある、それでいて激しい攻防が見られ、大いに満足しましたが、ひとつだけ不満。
あまりにも両者のトランクスやシューズの色が似通っていて、本当に見分けにくい。いくらグローブの色が違うからといって、これはちょっと...と。

試合契約時に、両陣営で話し合って、大まかにで良いから、トランクスやシューズの色を違うもの、対照的なものに決める、くらいのことはしてもらいたいです。
タイトルマッチ、メインイベントであり、有料配信される試合なんですから。
この辺、まだまだ「見せる」「見られる」ことへの意識が低いのだなあ、と改めて実感させられました。プロ意識の欠如、とも言えましょうか。
三代と宇津木の試合でも、また似たようなことが起こりそうで、ちょっと心配です。


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畑中会長、見識を示す 田中恒成、防衛戦中止 挑戦者が再計量を放棄で決断

2024-07-19 15:57:59 | 関東ボクシング




最近はもう耳慣れた話と化しつつある計量失格ですが、今回もまた。
これだけ試合の数が多いと、中にひとつくらい、こういうことが起こったとて、さもありなん、みたいになってしまってますね。

明日、田中恒成に挑むジョナ「タ」ン・ロドリゲス、なんと2,9キロオーバー。
二時間以内の再計量で落とせるか否か、というところです。





畑中清詞会長も驚き、立腹のご様子。そらそうですよね。この辺の人にしてみれば、考えられないことでしょう。
田中恒成はフェイスオフ、そして握手に応じていましたが、そんなことせなならんのか、と傍目に腹立たしいくらいで、本人も腸煮えくりかえっていることでしょう。

とりあえず再計量待ちですが、まあ二時間で落ちる数字でもないし、仮に落としたらドクターストップがかかる状態になるかもしれず。
結局、当日何時に何キロまで、という条件設定をして試合する、というオチになるんでしょう。
私は試合前30分に、最初の計量で出た数字と同じ体重でリングに上がれ、と決めてほしいくらいですが、実際は甘いというか緩いというか、ふわふわした話になるんでしょうね。


というか、これで試合させる前提の話になっていること自体、狂っているわけですが。
本当に、ここらで一発、前例を残した方が良いんじゃないですかなー。
数少ない試合の機会を失い、おそらく補償らしいものもない、田中恒成が損しかしない話ではある、というのも事実で、簡単には言えないところ、ですが...。

それにしても、何より久々に酷いオーバーです。2.9ポンドじゃない、キロですからね。いやはや。


※記事追記します。
明日の試合は中止とのこと。畑中清詞会長が決断しました。


まず、畑中清詞会長の決断を支持します。見識を示された、と見ます。
ロドリゲス陣営は、再計量を待たずしてこれ以上落とせないと連絡してきたとのことですが、理由など口ではどうとでも言えますからね。
これだけ大幅なオーバーをしておいて、なおかつ健康上の理由(ふざけた話ですが)で、体重を落とす努力を放棄するというのは、対戦相手として信を置いてはいけない対象である。
改めて、適切な判断をされた、と思いますね。
こんなことになって、田中恒成のことを思えば、残念としか言えませんが。

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決定力の差を、攻勢だけでは埋めきれず 富施郁哉陥落、増田陸に連敗喫す

2024-07-18 21:45:28 | 関東ボクシング


ということで何しろ配信三連戦、しかもそれぞれメイン単体のみならず、見どころ十分の興行が並ぶので、簡単に感想書いていきます。


富施郁哉は雪辱を期す初防衛戦でしたが、増田陸に結果として連敗。4回KO負けでした。
初回は先手で左をヒットしていくも、増田の左フックでふらつき、ポイントを落とす(と見ました)。
2回、増田が正確で強い右リードを押し立てて、左の後続打に繋げる。
3回、富施が奮起して手数を出し、攻勢点を取った上、増田の右瞼カット。パンチによる、と裁定。けっこうな幅の傷。場所も悪い。

4回、富施が勢いに乗る流れかと思われ、実際攻めていたが、左を当ててなお、追って打ちかかるところに、増田の右フック一発、富施ダウン。
立ったがレフェリーがダメージ深いと見てカウントアウトしました。


結果として、前回同様、互いにヒットは奪えるが、一打の威力の差、決定力の違いが出た試合になりました。
攻勢を維持しつつ、防御でも相手を上回れるか、が富施のテーマだったと思いますが、KOシーンでも攻める体勢のとき、はっきり左ガードが下がっていたし、増田がそれを逃さずに打てたことと併せて考えると...必然の結果だったのでしょうね。


増田陸、日本チャンピオンとなりましたが、その強打の威力は素晴らしいものの、課題もあることが見えた一戦でした。
今後世界を目指す上で、上相手でも充分通じる、と見える長所の陰に、やはり少ない試合数なりやなあ、と見える不足も確かにある。
いずれバンタム、ないしはSバンタムで王者たちを攻略するには、攻撃で相手の力を削ぐ、強者の闘いのみならず、時に巧者と見えるような試合運びが出来るようでないと難しい。
その部分をどう改善していけるか。期待と共に注目したいと思います。



ライト級のアジアトーナメントは、今永虎雅がマービン・エスクエルドを2回に、キドニー・ブローすれすれの脇腹打ちで倒し、KO勝ち。
齋藤陽二は中国のウー・ハンユンに手数で劣り、ヒットを喫しながら4回に左ボディで倒し、KO勝ち。
共にボディブローがフィニッシュになりましたが、内容的には今永が圧倒的に上。
齋藤はインタビューでの語り口からするに、自分が一番よく分かっているんでしょうが、不出来な内容でした。
決勝で激突となる両者、もちろん別の試合ですから別の話になる、という見方もありましょうが、今のところ今永有利の予想が多いでしょうね。
齋藤の奮起がまずは求められる一戦となりそうです。


金城隼平は元トップアマの技巧と安定感を見せ、平井乃智をリードした8回、終了間際に打ち込んでTKO勝ち。
井上尚弥の幼馴染みにして元Jリーガー山口聖矢は、長身の本多俊介とダウン応酬の熱戦でしたが、最終回を抑えられ判定負け。
また、昨年フェザー級新人王戦で本命視されながら敗れた山川健太、長身で大柄な北本慶伍のリーチを克服出来ず、打ち込まれて2回TKO負け。
山口、山川と大橋ジムの若手が敗れました。新人王戦ともなると相手を選べず、共にやりにくそうな相手と当たって負けた、という試合でありました。


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明日から三連戦 バンタム級世界戦線に加わるのは富施か増田か

2024-07-17 18:56:23 | 関東ボクシング



ということで明日はLemino、明後日はU-NEXT、明明後日はAmazonと、ライブ配信三連戦の週末がやってきました。
とりあえず明日のLeminoは、日本バンタム級タイトルマッチ、富施郁哉vs増田陸の再戦です。


前回はモンスタートーナメントで対戦し、増田が初回に左のショートクロスで倒し、2回にもアッパーで効かせ、7回に左でダウンを追加。追撃でストップという流れでした。
増田がデビュー3戦目だったこともあって、このキャリアで富施を倒すとは、増田強し、の印象が強く残った試合。

しかし、内容的には、富施の左ストレート、右フックのヒットもかなりありました。しかし一打の威力に差があった。
なお、増田の攻撃にはアッパーの数もかなり多く、インサイドをより鋭く打てるものでもありました。

再戦では、富施がこの内容をどう省みて闘えるか、に全てがかかっていると思います。
パンチが当たらないわけではない。問題はそれ以外の「敗因」をどう潰していけるか、だと。

もちろん内容次第ではありますが、勝った方は、バンタム級世界戦線へ浮上、と目される可能性が高い一戦です。
要注目ですね。
ありがたいことにLemino無料配信です。高山涼深、青山功戦が中止になったのは残念ですが、この一戦だけでも充分、見応えはあると思います。


=================


明後日のU-NEXTは、OPBFライト級タイトルマッチ、鈴木雅弘vs宇津木秀、こちらも再戦。
しかも前回と立場を入れ替えて、という点も同じです。


前回はスーパーライト級から落として初戦の鈴木が、宇津木の左フックでダウンを喫し、5回以降はほぼワンサイドに打たれ続け、8回に右カウンターが入ったところでストップ、という試合でした。
宇津木の多彩で正確な攻撃パターンが存分に出ましたが、鈴木もライト級にフィットしてきて、ロルダン・アルデアとの連戦を経ての雪辱戦となります。
そして宇津木の方も、日本王座を失ってからの捲土重来を期す試合。こちらも激戦必至、ですね。
ライト級も国内に好選手揃いですが、その中でも注目のマッチメイク、と言える一戦。楽しみです。



土曜日の国技館は、こちらで少し触れているとおり、付け加えることは特にないですかね。
何しろこれだけ並んで、全部ライブで見られる安心は、TV中継の時代では得られなかったものです。
大いに楽しみたいです。荒本一成の試合も、出来たらやってもらいたかったですが...それだけが残念ですね。
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