ということで、IMPホールにて観戦してまいりました。
OPBFライトフライ級タイトルマッチ、宮崎亮vsドニー・マバオ戦、
結果は宮崎の3-0判定勝利でした。
今年中にも世界挑戦か、と言われる宮崎ですが、良い景気づけというにはほど遠い内容でした。
相手はOPBFライトフライ級14位。これに加えて試合前のアナウンスによると
フィリピンの国内ランキングではミニマム級7位、とのこと。
そんな情報、教えていらんわいと苦笑しつつ見ていた試合はというと、やはりどうしても、
宮崎本人、及び周囲にあったであろう楽勝ムード、このくらいの相手だから鮮やかに勝とう、
という雰囲気が悪く作用したという感じでした。
序盤から、低いガードで相手をよく見て上体を柔軟に動かす防御を見せつつ、
互いに当たる距離に位置し、左のダブルや肩をひねった右をどんどん打っていく宮崎でしたが、
小柄なアバオの懸命な反撃は終始止まず。
「打つか打たれるか」の距離での攻防が続き、宮崎はヒット、攻勢とも上回りますが、
マバオは最後まで耐え抜き、時に左フックを好打するなどして健闘し、判定まで闘い抜きました。
この試合を見て思ったのが、良い試合をせねばならない責任が自分にある場合、
宮崎亮のボクシングは、それには不向きな作りなのではないか、ということです。
今日の試合では、常に自分から仕掛け、踏み込み、五分五分の距離で「打つか打たれるか」の
よく言えばスリリングな、悪く言えば馬鹿正直な展開に終始した宮崎は、
期待された、見目鮮やかなKO勝ちを出来ず、試合後もすっかり落ち込んだ様子でした。
しかし、もしも彼が、世界王者を相手にして、挑戦者として闘うならば、
今日のような試合ぶりは当然通用しないことはわかっているはずです。
マバオ相手なら「打つか打たれるか」で済む距離、位置取りは、例えばローマン・ゴンサレス相手なら
「打つか倒されるか」の距離に変わってしまいます。
それを踏まえて、より慎重に距離を取り、相手の攻撃を丁寧に外す上体の動きを忘れず、
頻度は低いが的確な攻撃を決められれば、相手が世界王者であっても善戦健闘しうるだろうし、
うまくすれば僅差の勝利を手にする可能性もあるだろう、とも思うのです。
つまり、試合を構成する柱の部分を相手に任せても良い、良い試合をする責任を負う必要がない、
自分が挑む側の立場で闘えるときに、その利点が生きる、それが宮崎亮のボクシングなのではないか、と。
今日の試合内容は、井岡一翔に続く軽量級のホープとしては、評価を下げるものだったでしょう。
私も、上記した仮定を成立させるには、何より今日の試合に対する本人及び陣営の厳しい反省が必要だと思います。
しかし今日も相手が格下とはいえ、互いに打てば当たる距離に踏み込みっぱなしのまま、かなりの確率で
相手のパンチをヘッドスリップで外し、速く鋭い左のダブルを決めては攻勢を取りました。
また、離れた位置から時折見せた左も速く、的確でした。
若く、体力があり、スピードに恵まれ、離れて巧く、接近戦でも勘が良い。
宮崎亮は、自分のボクシングの特性を理解し、それを生かして闘えるなら、という条件つきですが、
将来、世界王者を攻略しうる素質があるボクサーだと見ました。
彼の世界挑戦がいつ頃になるのかはわかりませんが、もし早期の挑戦があるとして、
そこで戴冠できるかどうかの確信はありませんが、その試合を良い経験として生かす、ということも
ひとつの考え方としてはあるのかもしれません。個人的には納得はしませんが。
===========================================
予断ですが今日の試合、マバオは開始早々からリングシューズの底が滑るらしく、松ヤニをつけなおし、
3Rからは滑り止めにしようとしてか、テープを巻いて闘いましたが、それでも踏ん張りがきかない状態でした。
バラエティー番組でローション撒いてその上で相撲を取るやつがありますが、あんな感じでした。
こういうのは珍しいなと気になって仕方なかったのですが、いったいあれは何だったのでしょうか...。
OPBFライトフライ級タイトルマッチ、宮崎亮vsドニー・マバオ戦、
結果は宮崎の3-0判定勝利でした。
今年中にも世界挑戦か、と言われる宮崎ですが、良い景気づけというにはほど遠い内容でした。
相手はOPBFライトフライ級14位。これに加えて試合前のアナウンスによると
フィリピンの国内ランキングではミニマム級7位、とのこと。
そんな情報、教えていらんわいと苦笑しつつ見ていた試合はというと、やはりどうしても、
宮崎本人、及び周囲にあったであろう楽勝ムード、このくらいの相手だから鮮やかに勝とう、
という雰囲気が悪く作用したという感じでした。
序盤から、低いガードで相手をよく見て上体を柔軟に動かす防御を見せつつ、
互いに当たる距離に位置し、左のダブルや肩をひねった右をどんどん打っていく宮崎でしたが、
小柄なアバオの懸命な反撃は終始止まず。
「打つか打たれるか」の距離での攻防が続き、宮崎はヒット、攻勢とも上回りますが、
マバオは最後まで耐え抜き、時に左フックを好打するなどして健闘し、判定まで闘い抜きました。
この試合を見て思ったのが、良い試合をせねばならない責任が自分にある場合、
宮崎亮のボクシングは、それには不向きな作りなのではないか、ということです。
今日の試合では、常に自分から仕掛け、踏み込み、五分五分の距離で「打つか打たれるか」の
よく言えばスリリングな、悪く言えば馬鹿正直な展開に終始した宮崎は、
期待された、見目鮮やかなKO勝ちを出来ず、試合後もすっかり落ち込んだ様子でした。
しかし、もしも彼が、世界王者を相手にして、挑戦者として闘うならば、
今日のような試合ぶりは当然通用しないことはわかっているはずです。
マバオ相手なら「打つか打たれるか」で済む距離、位置取りは、例えばローマン・ゴンサレス相手なら
「打つか倒されるか」の距離に変わってしまいます。
それを踏まえて、より慎重に距離を取り、相手の攻撃を丁寧に外す上体の動きを忘れず、
頻度は低いが的確な攻撃を決められれば、相手が世界王者であっても善戦健闘しうるだろうし、
うまくすれば僅差の勝利を手にする可能性もあるだろう、とも思うのです。
つまり、試合を構成する柱の部分を相手に任せても良い、良い試合をする責任を負う必要がない、
自分が挑む側の立場で闘えるときに、その利点が生きる、それが宮崎亮のボクシングなのではないか、と。
今日の試合内容は、井岡一翔に続く軽量級のホープとしては、評価を下げるものだったでしょう。
私も、上記した仮定を成立させるには、何より今日の試合に対する本人及び陣営の厳しい反省が必要だと思います。
しかし今日も相手が格下とはいえ、互いに打てば当たる距離に踏み込みっぱなしのまま、かなりの確率で
相手のパンチをヘッドスリップで外し、速く鋭い左のダブルを決めては攻勢を取りました。
また、離れた位置から時折見せた左も速く、的確でした。
若く、体力があり、スピードに恵まれ、離れて巧く、接近戦でも勘が良い。
宮崎亮は、自分のボクシングの特性を理解し、それを生かして闘えるなら、という条件つきですが、
将来、世界王者を攻略しうる素質があるボクサーだと見ました。
彼の世界挑戦がいつ頃になるのかはわかりませんが、もし早期の挑戦があるとして、
そこで戴冠できるかどうかの確信はありませんが、その試合を良い経験として生かす、ということも
ひとつの考え方としてはあるのかもしれません。個人的には納得はしませんが。
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予断ですが今日の試合、マバオは開始早々からリングシューズの底が滑るらしく、松ヤニをつけなおし、
3Rからは滑り止めにしようとしてか、テープを巻いて闘いましたが、それでも踏ん張りがきかない状態でした。
バラエティー番組でローション撒いてその上で相撲を取るやつがありますが、あんな感じでした。
こういうのは珍しいなと気になって仕方なかったのですが、いったいあれは何だったのでしょうか...。