さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

重圧を撥ねのけ「4冠対決」に勝利 田中恒成19歳、原隆二をTKOしOPBF王座に

2014-10-31 17:47:18 | 中部ボクシング



リングに上がった田中恒成の顔は、何だか青白く見えました。
過去3試合のときには感じなかった緊張感が、その表情から、はっきり伝わってきました。

ホールに大挙してやってきた名古屋からの応援団が送る「恒成コール」のさなか、
19歳の若者がこの大きな期待と、難敵・原隆二の存在から来る重圧に押し潰されてしまうのではないか。
そんな悪いイメージが急にこちらの心中に湧き上がってくる中、試合開始を待ちました。


そして立ち上がり、田中はこれまでの試合では見たことのない苦境に追いやられました。

最近不調、苦闘続きと評される原隆二は、僅か4戦目で自分に挑んでくる19歳に対し、
不利の予想を立てられたことに、当然思うところがあるのでしょう、
場内の喧噪の中、思う存分に自らの力を解き放ったかのような猛攻を仕掛けました。

右クロス、左ボディが立て続けに飛び、田中をクリーンヒットします。
その波状攻撃を田中は防ぎきれず、繰り返し打たれる。もう少しで「捉えられている」という
表現になってしまうような劣勢でした。


いかに才能に恵まれ、努力を重ねていようともまだ19歳、プロ4戦の若者です。
早々に迎えた大一番で、これ以上なく悪い立ち上がりの展開を見て、
今日は田中の負ける流れなのだろうか、と思っていました。

しかし2回以降、原の重厚な攻撃に対し、田中は徐々に速さ、鋭さで勝る攻撃で対抗します。
立ち上がり、流れを失ったかに見えたのに、この反発力というか逞しさは、
単に素質に恵まれた若手、という次元の話では語りきれない強者の証でしょう。
やはり田中恒成は、中部のみならず、日本の期待を背負うレベルの、逸材でした。


その後の試合は、両者が毎回のようにポイントを奪い合い...というだけでは収まらず、
ラウンドの前半と後半で優勢と劣勢が激しく入れ替わる、めまぐるしい闘いとなりました。
最軽量級ならではのスピードと、クラスの常識を越えた迫力を伴った激しい攻防が間断なく続き、
5回以降は毎回のようにどちらかが好打を決め、猛攻をかける展開。
場内は歓声と悲鳴が交錯し、ゴングの音も聞こえない。

5回、田中右好打、猛攻。6回、田中ペースながら原が逆襲、打ちまくる。
7回、原が力強い連打で田中を抑えにかかると、8回、足取りがやや乱れた田中が、
それでも速い連打を決める。

双方ダメージと疲労が目に見えてきて、それでもその姿から、果敢さが消えることはありませんでした。
8回終了時で私の採点はイーブン。そして、こういう展開で終盤に来れば、これはやはり
序盤から思っていたとおり、田中恒成の敗れる流れなのか...と思っていました。


9回、田中が鋭いショートの三連打、左アッパーが決まるが、原も反撃、打ち合いで打ち勝つ。
いよいよ押し切られるかと見えたが、ここから田中が左右のボディ攻撃で押し返し、猛攻。
原はよろめいて後退、目線が田中を捉えられず、懸命に田中を捜している状態。
ところがこの体勢から原が左右のフックを振り回し抵抗。またもゴングが聞こえない。

10回、田中がなおも激しく攻め立て、福地レフェリーが原を救うレフェリーストップ。
少し早いと見る向きもあるかもですが、原の打たれ方がそれまでとは違う種類のものであることを
しっかり見極めたナイス・ストップで試合は締め括られ、田中恒成は見事な勝利を手にしました。


何かといえば「最短記録」の話題ばかりを背負わされながら、その重圧を撥ねのけ、
19歳の若さで、単に才能に恵まれているだけではない、真の強者たりうる証を見せた田中恒成。
敗れてなお、その堂々たる闘いぶりを見せつけた原隆二。

両者の闘志が放つ熱量の凄まじさは、見る者の心を揺さぶらずにはおかないものでした。
どれだけ称えても足りません。言葉が追いつかないという感じです。
これぞボクシング、というものを見ることが出来た。素晴らしい試合でした。


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ということで、こちらで速報したとおり、予想以上の激闘、熱闘でした。
誤字脱字の多さも壮絶ですが、すごい試合だったので手元が狂った、ということで
どうかご容赦ください。何回も「担架」が出るほど壮絶だった、というわけではありませんが。

とにかく、見に来て良かった、来てなかったら絶対後悔してたと思います。
馬鹿をやった甲斐がありました(^^)


個人的には、中部のリングに改めてスター誕生、というのが嬉しいところですね。
来年にも世界挑戦、という話には、少々複雑な気持ちもありはしますが、
それはまたおいおい語る機会もありましょうし、今回は、現時点でこの強敵を下したこと、
その内容が思った以上に素晴らしかったことを、素直に称えたいと思います。


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「未熟」も事実ながら、自ら試合を作る心がけや良し 中谷正義、同期対決で宇佐美太志に完勝

2014-10-29 19:02:31 | 関西ボクシング



試合後のインタビューで、真っ先に出た言葉が、端的に試合を総括していた、そんな試合でした。

「自分が未熟で、宇佐美選手も強かった」

勝利に満足はしていたでしょうが、同時に不満もあったのでしょう。
勝利はまったく問題ないものだったけれど、もうひとつ先に進んだ何かが欲しかったというか。
それは試合を見ているこちらもまったく同感でした。

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試合のテレビ放送に関しては、ちょっと話が聞こえてきませんので、展開を簡単に。

1回、中谷正義、宇佐美太志、双方見ている。中谷が右から左、逆ワンツー。宇佐美は右から。中谷。
2回、中谷が手を出す。左ボディ、スリーパンチ。宇佐美2発リターン、すると中谷3、4発。
ここから中谷、足を使うだけでなく、時にじりじり圧し、突き放して距離を作る。中谷。

3回、中谷時にガードを下ろして誘う。右アッパ-。左アッパーがローブローになり、一分休憩。
宇佐美左フックがヒットか、中谷少し失速、下がる。きわどいが宇佐美?
4回、宇佐美ワンツー、少し攻勢。もっと打ちたい。中谷長いワンツー、反撃。打ち合いで中谷。
宇佐美もペースアップ?ラウンド自体は中谷。

オープンスコアは39-37×2、40-37、いずれも中谷。

5回、中谷右ボディ。宇佐美手数少ない。見過ぎ。右カウンター合わせるもミス。
中谷はストレートパンチ中心、上下に散らす。宇佐美右カウンター試みるも決まらず。中谷。
6回、中谷左フック、右アッパー。動いてジャブ4発。右ヒット。中谷。
7回、少し距離が近くなり打ち合いも、宇佐美相変わらず手数が出せない。
後手のリズムが固まってしまった。中谷右ストレート、左フック、連打。中谷。

8回、宇佐美ジャブから右、中谷少し手数減る。打たれたとき、目に見えて動きが変わるのは少し問題。
しかし中谷持ち直しジャブ、ワンツー、ロープ際に宇佐美を捉える。宇佐美疲労とダメージありあり。中谷。

二度目のオープンスコアは78-74×2、79-74、全て中谷。

9回、中谷にはフィニッシュを期待。左ジャブ、足使って回る。時に手を下げ頭を振り、左アッパー。
ダイレクトで右、足使う。完全にペース掌握。宇佐美はキレのある右を振るが単発、そして遠い。中谷。

10回、中谷ジャブを上下に散らす。ガードを下げたところに宇佐美が右アッパーを合わせるもミス。
宇佐美惜しい、中谷はこういうところが少し危うい。中谷のジャブに宇佐美が右合わせる。
宇佐美ジャブ、右カウンター。この回は宇佐美か。

11回、宇佐美ジャブが出るも、中谷が長い右で抑える。中谷ジャブ2発ヒット、右、ジャブ3発、また右。
終盤突き放し、捌いている。しかしもう一押しがない。中谷。
12回、左フック相打ち、宇佐美少し浅い。中谷がジャブでコントロール。最後中谷手数出す。中谷。

判定は118-111、118-110、119-111。私はふたつめと同じでした。

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中谷は少ない試合数ながら、中身の濃いキャリアを積んできた選手らしい巧さが出た試合でした。
攻め口が非常に多彩で、ジャブひとつとっても、上下に散らし、突き放し、誘い、と狙いが見え、
足の使い方も下がり、回るだけでなく、時に踏ん張って突き放しにかかったり。
攻撃もストレートパンチ、ボディブロー、アッパーと巧く使い分けていました。

何より、相手より大柄でリーチのある側の中谷が、常に先手で動いて、こまめに闘い方を変え、
あれこれと考えて試合を作っていく姿勢そのものが良く、見ていて感心させられました。
いっちゃなんですがこの手の「恵まれた」選手って、自分の天分にかまけて、それを前提にした闘い方、
悪く言えば、ずぼらなボクシングに走ってしまうことが多いものですから、余計に。

ちょっと偉そうですが、中谷にはこの心がけを忘れず、今後とも精進してもらいたいと願います。


しかし、中盤以降やや疲れもあってか、攻防共に少しずつ威力が落ち、精度が悪くなってもいました。
パンチ力は無いわけではないでしょうが、あれだけペースを握って、確実にヒットを取り続けていれば、
見ている側としてはもうひとつ欲張って、倒してほしいと思うのが人情です。
そのあたりは、結局のところ、彼自身がさらに鍛練を重ね、さらに強くなるしかない、ということなのでしょう。
確か今回で9戦目でしたか、まだまだ今後が楽しみですね。


対する岐阜のホープ、宇佐美太志は、試合数では中谷より多いものの、経験で劣ったという感じでしょうか。
以前見た試合では、相手の急所を、常に遠回りしない軌道で打てる、筋の良い強打者というイメージでしたが、
昨夜の試合でも、時折その良さはキラリと光っていました。

ただ、中谷と比較すれば小柄で、体格で劣り、距離の差を克服していかねばならない立場の宇佐美が、
常に後手を踏んでしまい、自ら仕掛ける意志や用意を見せられず、悪い展開のまま試合を終えたことは
見ていてとても残念に思いました。彼がやらねばならないこと、心がけねばいけないことを、
全部先に中谷にやられてしまっていた。勝ち負け以前に、ここを省みてもらいたいと思います。


関西と中部の若手対決は、中谷に軍配が上がりましたが、決して見目鮮やかなスペクタクルとはいえずとも、
双方未熟なところも抱えながら、それぞれの良さ、特徴も見られた、まずまずの試合だったと思います。
両者の今後に、変わらず期待し、かなうならば将来、再戦も見てみたいものですね。


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そんなことで、明日はいよいよ東海のゲリラ豪雨ではなくて稲妻、田中恒成の試合です。

この記事読むと、大橋会長が敢えて今受けた狙い...原隆二の奮起、復調に期待するという狙いは
どうやら当たりだったようですね。田中にとっては容易ならざる闘いになるかもしれません。

しかし、今回宇佐美太志が敗れ、中部の期待はいよいよ田中にかかることになります。
中部贔屓の関西人として知られる(誰が知っとるのや)私としては、やっぱり勝って欲しいし、
奮起、復調した原隆二を破っての、見事な戴冠を見たい、という気持ちです。

そういうことで明日は馬鹿をやって、平日ホール観戦弾丸ツアーであります(^^)
会場からの速報を、こちらで試みるつもりでおりますので、お時間ある方はご覧くださいませ。
もし接続が上手くいかなかったらごめんなさいですが...(^^;)




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嵐のごとき年末年始/やはりお出かけ/バスケが好き/マラソン次第?

2014-10-25 20:59:13 | 話題あれこれ



毎年大晦日に世界戦がどんどこ組まれるようになって数年ですが、今年もまた大変なようです。
専門誌記者やその他一般報道のボクシング担当の方々にとっては、なんともせわしない年末となりそうで。

すでにTV東京の3試合が発表されていますが、あれこれ報じられたり、小耳に挟んだりする話によると
大晦日及び年末で、最大7試合の可能性があるみたいです。最小でも5試合はありそう、とか。
ことに、フライ級近辺があれこれあって大変であると。


まず、WBA正規レベコと、暫定ヨードモンコンの試合が中止
日程的に大晦日来日は厳しそう、と普通に思っていたら、こういうことが起こります。いやはや。
邪推モード全開で行くと、東京と大阪、どっちかが手を回したな(笑)みたいな話になりますが、
真偽を知れる筈も無いのでそれは置いといて、ま、大晦日来日(おそらく、阪?)に向け、好都合なのは確かです。
ここはあえて、関西弁で「よぉでけた話でんなぁ」と言っておきましょう。違ってたらすいません。


アルゼンチン発の情報としては、大晦日に大阪でオマール・ナルバエスが井上尚弥と、という話。
アルゼンチン人の記者が、東京と大阪を間違えよったな、と誰もが思うところですが(笑)
まず十中八九、そういう間違いでしょう。ありえん、と思います。
ちなみに、私の小耳情報とは、日時も場所も違います。情勢の変化は常ではあっても、これはねぇ。

ただ、相手に関しては、ひょっとするとこっちに走った可能性はありそうです。
元々は5月に来阪した方が狙いだったそうですが、折り合わなかったのかもしれませんね。


で、井上本人は間が良いのか悪いのかわかりませんが、WOWOWにゲスト出演
エストラーダと5月来阪の方の試合を解説と(笑)


まあ、あれこれありますが、私としてはフライ級に行って欲しいところではあります。
で、出来るだけ頑張って貰って。せっかく、彼が挑むに相応しい、強い王者がいるわけですから。
そこで勝ち抜いた上で、スーパーフライは、1~2試合くらいで済ませて、さらに上行ってもらえたらな、と。
我ながら、気の早すぎる話ではありますが。


大晦日に関して、まとめて言えば、もう少し、何か特別な意味のあるカードがあって欲しかったなぁ、
というのが正直な気持ちです。
まあ、ブランク明けの内山にいきなり大きな試合をしろというわけにもいきませんが、それ以外で何か。
河野が最上位とやるとか、あってもいいような。田口良一の挑戦は、井上に敗れたとはいえ好ファイトだった彼に
チャンスが与えられたこと自体は良い話ですけど。

で、西の方はまだ正式発表はないですが、色々情勢の変化があり、まだ流動的なのかも知れません。
正式発表を早いとこお願いしたいものであります。

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大竹秀典は、18日ホールの試合予定をパスして、リバプール遠征、22日世界挑戦とのこと
WBA正規、スコット・クィッグに挑戦だそうです。
粗も見えますがえらいパワーヒッターで、段々試合ぶりというか倒しぶりもこなれてきてて、強敵ですね。
大竹が粘り強く、堅いガードで防いで肉迫して、という展開を期待しますが、要所で好打を許すこともある
国内での闘いぶりを見る限り、どこかでそのあたりを突かれそう、という不安もあります。
何にせよ、健闘を祈ります。頑張って欲しいものですね。

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ホントに好きなんですねぇ、バスケ
来月試合なんでしょ、大丈夫なんですかねぇ、と、余計なお世話ではありますが思うところです。

クリス・アルジェリ戦は、快勝を期待されるところでしょうけど、何かその先のメイウェザー戦云々、というのは
もう考えるところではなくなっているのかな、と感じたりもします。
今のパッキャオは、もう、そういう壮大な何事かからは、離れたところに立っているのかな、というか。

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何か、大阪マラソン出場、とかいう話をネットで見たので、録画を確認してみました。

ボクサーひとりにボクサー人生はひとつだけ。
存分に考えて結論を出すべき、だとは思います。しかし...というところですね。


細かいことはわかりませんけど、とりあえず動画紹介しておきます。
すぐ消えるかもしれませんのでご了承を。




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完勝、その影にまたも不安あり 山中慎介、健闘スリヤンをKO出来ずもV7

2014-10-22 22:20:23 | 関東ボクシング



この相手をKO出来なかったことをもって、緩みや油断、停滞と断じるには至らない。
しかし、彼は僅かではあっても、かつて持っていたはずの何かを、徐々に失いつつある。

今日の試合を見て、山中慎介に対する印象を簡単に書くと、こういうことになります。


スリヤン・ソールンビサイの闘いぶりは、ほぼ想像していたとおりでした。
あのウィラポンと同門の選手。対ポンサクレック、ロハス戦でサウスポーを苦にしないことは証明済み。
佐藤洋太戦での強烈なノックダウンを乗り越え、判定に持ち込んだ闘志とタフネスを持つファイター。
今日の試合でも、彼は変わること無く彼だった、と言えば全てを語れます。そういう闘いぶりでした。

そして、そんなことは百も承知でありながら、序盤、山中慎介はその前提を全て丸呑みしたかのような対応をしました。

立ち上がりから右リードを浴び、接近を許し、返しの左を時に打たれる。
執拗なクリンチやホールドに対しても、その前のアクションでそれを忌避したり、撥ね付ける意志を見せ(られ)ず。
まるで、要所で左を決めれば、そこからは試合は自分のものになるから大丈夫、という風に見えました。

途中採点でリードを許し、そこから右のリードやアッパー、ボディ攻撃が増え始める。
この辺りから変化の見えた攻め口には感心。左の効果も生きてきて、スリヤンの疲弊が目に見えてくる。
7、8、9回の三連続ノックダウンは、スリーパンチやボディ攻撃など、的を散らした見事なものばかりでした。

しかしこの前後にも、山中慎介の数少ない欠点が見えました。中間距離から近い距離での防御の甘さ。
身体の軸を動かさないために、距離が近くなるほど打たれる頻度が増す。
さらに攻撃を、ワンツーで止めずに、3発以上打つとさらに、相手のリターンを、意外なほど安易にもらうこと。

これは本人にも自覚があると見えて、クリスチャン・エスキベルとの「乱戦」以降、
防衛戦の大半で、山中は攻撃のテンポを、ワンツー基調に抑制している面があると見てきました。

ダウンを奪われてなお、冷静にカウントを聞いて休み、立ち上がっては果敢に打ちかかってくるスリヤンに対し、
連続KO防衛記録の話題も意識してか、倒したいという意志を持っていたらしい山中は、時にそのリミットを越えて
3、4連打を繰り出す場面がありましたが、ダウンを奪うなど時に奏功していた反面、
危うい反撃を呼び込んでしまう面もあり、終盤は時にヒヤヒヤさせれました。

ラスト2つ当たりで、より厳しい攻撃で詰めてくれるかと期待しましたが、ダウン寸前の好打が二度あったものの
スリヤンが耐え抜き、山中も疲れたか、KOはならず。判定は文句なしでしたが。


さて、この試合に期待されたものは、具志堅と並ぶ6連続KO防衛...というより、王座統一や海外進出といった
国内の従来型防衛路線の枠を越えた試合への飛躍に相応しい、という実感を、山中慎介の姿に見出したい、
というものだったのではないでしょうか。
そして、その期待が満たされたかどうか、というと...見方はもちろん、人それぞれにせよ、
万人にそう思わせるものではなかった、というところだと思います。

で、私自身はというと、冒頭に書いたとおりの感想です。
山中慎介が自身の欠点を抱えて闘っていることを批判しても仕方ありません。
彼はむしろ、その欠点を巧く誤魔化し、というか、かなう限り露呈せずに闘っていて、そこは褒めるべきところです。
それよりも、立ち上がりの受け身。さらに、中盤以降にも手を出すより、見ることを優先して
後手に回った場面が多く、その自らの姿勢が、終盤(疲労もあったでしょうが)、反撃を許し、
倒しきれないという結末を招いた。


山中がいかに「神」と形容される決め手の強打を持っているとしても、彼も当然、人間です。
7度の防衛を果たした選手の心身に、傍目には見えない疲弊の影、傷跡が残っていても不思議はありません。
しかし、王座統一や海外進出といった展開が、次戦以降に待つのならば、やはり今回の試合ぶりに、
完全に納得はできないものを感じます。
仮に倒せなくとも、完全に相手を突き放し、厳しく撥ね付けての上で勝たねばならない。
いや、さらに言うなら、それすらかなわなくとも、その意志を見る者に感じさせる試合であってくれれば良かった。
しかし...ということです。


仮にも世界タイトルに挑んでくる選手を、ことごとく、当たり前のようにダウンさせ、KOしてきた山中が、
ひとつ判定勝利に終わったからといって、何の問題もない、という意見もあると思います。それには同感もします。
しかし、前のステファン・ジャモエ戦で感じた停滞の影を、私は今日の試合にも、僅かながら、確かに感じてしまいました。


とはいえ、今日もまた、山中が要所に見せた決め手の強烈さは、世界の軽量級を見渡しても、かなりのレベルにあるように思います。
ノニト・ドネアが去ったのちのバンタム級においては、最高クラスの強打者である、とも。
そういう山中の実力が、より世界に広く知らしめられるような試合が実現し、彼が、私の感じた不安を、
豪快に払拭してくれることを、心から期待し、願っています。

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周到さとは無縁の「永遠の挑戦者」 ノニト・ドネア、五階級目の壁に砕かれる 

2014-10-21 19:39:08 | 海外ボクシング


日曜のWOWOW生中継、今頃感想文です。


先のシンピウェ・ベチェカ戦ですでに見えていた、ノニト・ドネアの、フェザー級における限界。
フライ、バンタムでは間違いなく世界最強、スーパーバンタムでも、最強(かつ不人気)リゴンドーに肉薄する実力を示し、
近年の軽量級が生んだ最高のスーパースターであるドネアにして、やはり五階級目の壁は高く、厚かった。
それを改めて確認したという試合でした。


ニコライ・ウォータースがフライやバンタムの選手だったら、一打の決定力は脅威であったとしても、
2回のピンチをきっかけに、次の回あたりに倒されていたでしょう。
しかしドネアはその好機を生かせず、逆に3回、打たれる可能性も承知で攻めかかり、アッパーで倒されました。
このあたりに、本来の体格の限界を超えた階級で闘う苦しさ、もっというなら理不尽さが見えたように思います。


さらにいうなら、五階級目の闘いにおいて、従来通りに速さや強さを拠り所に、真っ向勝負を挑んでいく、
ドネア自身の志向そのものが、ついに決定的な破局をもたらしたのだ、ということなのでしょう。

それは、彼自身がこれまで積み上げてきた、あまりに素晴らしい数々の勝利があったからこその陥穽でした。
例えばハグラーに挑んだ際のレナードや、最近ならウェルターにライト級のスピードを持ち込んで「延命」を計り、
見事に成功したメイウェザーなどが持つ用意周到さ、計算高さの欠片も、ドネアに見出すことは出来ませんでした。
フライ、バンタムという軽量級の伝統クラスにおいて、最強の強さを証明してきたボクサーではあっても、
それはやはり、無理、無謀の感が拭えないものでした。
しかしそれこそがノニト・ドネアの闘い方であり、その姿には敗れてなお、蠱惑的な魅力に満ちていたのも事実です。

6回、頭部に入った右で倒され、立ち上がったものの続行かなわず敗れたドネアの姿を見終えたあと
過去に、これほど驚異的な強さを持つ軽量級のボクサーを、他に見たことがあっただろうか、と思いました。
軽量級の歴史を振り返っても、フライ、バンタム、そしてフェザーに渡って世界上位の力を発揮したボクサーといえば、
それこそファイティング原田くらいしか思い当たらないのが実際のところです。
昔日の三階級制覇に匹敵する偉業に挑み、果敢に闘い、そして打ち砕かれたドネアの姿は、敗れてなお、
これまでの彼の偉大さを改めて想起させ、過去の名選手たちの記憶をも呼び起こさせるものでした。

今後については、再起の話もあるようですが、どうあれ彼のここまでの堂々たる闘いぶりに、感謝と拍手を送りたいです。
やるなら階級を下げるという話みたいですが「そういう問題」かどうかは、また別の話だとは思いますが。


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この日のメイン、ゴロフキンは毎度のとおり、でした。
何を言えばいいのかわからん、という感じです。強い。どないせえちゅうねん、の一語です、ハイ。

しかし、斜め上から頭に左フック打たれるのって、他人事ながら、誠に気の毒ですねぇ。
あれは絶対嫌やなぁ。まあ、脇腹に拳を返した左フックを打たれるのも嫌ですが...。


石田、淵上といった面々は、この相手と闘ったというだけで、本当に立派だったと思っちゃいますね。
よく無事で帰ってきた、の世界です。
「メキシカン・スタイル」と銘打たれた興行だったそうですが、こんな試合しちゃうと、
カネロもジュニアさんも、すんなり受けてくれるのかどうか...コットも同様でしょうし。
我らが村田は、まだそういう段階にないこと自体が幸運、なのかもしれません。えらい王者もいたものです、ホントに。


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京都の逸材は、思った以上に強くなっていた 大森将平、見高文太とのサウスポー対決に完勝!

2014-10-19 20:37:23 | 関西ボクシング


本日は、時間が取れたので、急遽思い立って、WOWOWを見たあと京都に行ってきました。
若手といえる選手がメインの興行だったわけですが、スペクタクルな試合を数多く見られて、
期待以上に見応え充分、というか、これは見てない人、損したなー、と思うような凄い興行でありました。



京都の「長谷川二世」こと大森将平は、全日本新人王の見高文太と、若手サウスポー対決。
クリスチャン・エスキベルを沈めた星で、一躍世界ランカーとなった若きサウスポーですが、
エスキベルの当時の状態を割り引いて考えれば、逸材ではあっても、まだ過大な期待は...とかなんとか、
賢しらに考えていたこちらをあざ笑うかのような、圧倒的な強さを見せつけての快勝でした。

1回、両者正対して右ジャブ(上下)、ワンツーの応酬。リーチはほぼ同等か。
大森の左がやや伸びでまさる。見高も思い切りよく踏み込み、左を浅くヒット。

2回、大森が徐々に、しかし確実にペースアップ。右ジャブがダブル、トリプルでビシビシ決まる。
ワンツーで見高を脅かし、クリンチに来る間際にも右ジャブで突き放し、クリンチを許さない。
そして少し間を置いて左ロングフック、右ジャブで入って左アッパーと、多彩な攻め口を見せ、
この回終盤には、三連続のワンツー。この「ツー」がそれぞれ、左ボディストレート、外からクロス、最後がインサイド、と
見事に三種類の左を打ち分け、見高も外しきれずにクリーンヒットを喫する。

3回、開始早々大森が猛攻。左ストレート、右フック、アッパーを交えたコンビネーションを
矢継ぎ早に繰り出し、見高を捉え、ワンサイドに打ちまくる。
見高反撃の手が止まって打たれ、レフェリーストップ。
大森将平、同じ関西圏の若手相手に、圧巻の強さを見せつけました。


正直言って、新人時代、その後の数試合、そして5月のエスキベル戦を見た上で、
大いに期待する反面、まだ試されていない部分も...的な見方をしてもいたわけですが、
タイの噛ませ的選手では無く、本気で思い切りよく打ちかかってきた若手相手に、
これだけ完璧に「寄せ付けない」勝ち方が出来るとは。予想以上に早く、強くなってきています。

これなら次が日本やOPBFの試合だったとしても、何も問題なく送り出せるでしょうし、
よほど厳しい相手に当たらない限り、充分勝算ありと言えるでしょう。
何よりも、身体の柔らかさと、そこからくるパンチの伸び、独特のリズムといった特徴だけでなく、
身体全体が大きく、強くなっているように見え、その闘いぶりも、非常に技巧的であると同時に
「本格派」とでもいうべき凄みを感じさせるものでした。

「強い。思っていた以上に強くなっている」という、心地よい驚きをもらえた一戦でした。
見に行って良かった。ますます今後が楽しみです。
どんどん試合を重ねて、大きな舞台に進んで欲しいですね。


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セミファイナルにはプロ転向二戦目の「拳四朗」が登場。
タイのファウアナイ・ウォースラポン、という選手と、50キロ契約6回戦でした。

デビュー戦と比べると、拳四朗が一発一発にパワーを込めて打っていて、力強さを感じる闘いぶり。
相手がサウスポーにスイッチして、意外に巧いな、と見えたのですが、お構いなしに攻め込む。
初回、右ストレートから左フックを下に返してダウンさせ、二回に左フックから右で倒してフィニッシュ。
ダメージ深いタイ人、しばらく立てず、リング降りるのも一苦労という強烈なKOでした。

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今日は前座でも見所ある試合が多くありました。

以前、一度見たことがあるグリーンツダの中谷有利というフェザー級の4回戦ボクサーが登場。
この選手、とにかく派手なボクシングで、基本両手をまっすぐ下げる、ノーガードの構え(?)。
ところが長身、リーチに恵まれ、相手の攻撃を外すと、怒濤のごとく打ちまくる。
そのパンチがまたよく伸び、打ち抜きが効いていて、右ストレートから左をボディに返し、アッパーも狙い、
相手がひるむとまた右、とやっていて、攻めている時の姿は、大げさに言えば往年のハーンズばり。
この日も初回から豪快に打ちまくり、あっという間にKO勝ちでした。

今日はスーパーフェザー級で、たしかまだ三戦目か四戦目か、ちょっと確かでは無いのですが、
まあ何せそのくらいの段階ですから、あの無いも同然の防御でこれから通るものなのか不明ですが、
まあたまたま会場で見かけたら、強烈な印象が残る選手であることは確かです。
こちらも、こわごわながら、今後を見守りたいです。


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ウェルター級の4回戦で、これまた場内大興奮の熱戦がありました。

地元京都はWOZジムの中西勇輝は、デビュー戦黒星の、1戦1敗の戦績。

対する大阪帝拳のサウスポー、三好竜太は、デビュー戦。
バランスの良い体格で、パワーとスピードを兼備していて、いかにも大手ジム期待の選手、という風。

初回から三好が右をひっかけ、左で中西をぐらつかせ、優勢。
しかし終盤、攻め込む三好に中西が起死回生の右フック一発、三好がダウン。
2回、三好が立て直す。中西攻めるが、三好が左を決めて今度は中西ダウン。
ダメージ深そうだったが、ゴングに救われる。

3回、中西はしつこくボディを攻める。三好、徐々に疲れがあらわに。
左を二度当てるが、中西が手数で押す。
4回、中西左右のボディブローを、まるでラバナレスかバズーカ・リモンか、という勢いで打ちまくる。
三好左返すもふらふら。上体を折りつつ粘る三好だったが、中西が左フックを打ち込み、レフェリーストップ。

両者、全力を振り絞った壮絶な打ち合いでした。両者に拍手です。
勝った中西は、デビュー戦黒星で、これが二戦目の初勝利というのが不思議なくらい、強く見えました。
負けた三好ですが、恥じることのない好ファイト、そして抜群の素質を見せました。次に期待です。

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そのほかにも、真正ジムの東泰誠という、なかなか巧くて集中打も出るサウスポーなどなど、
印象的な選手や試合が多く見られて、改めて、見に行って良かったとしみじみ思う、良い興行に当たりました。

ということで今日は疲れたので、WOWOWで見た二試合については、また後日。
ちょこっとでも何か書こうと思っています。

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果敢なる者の落日/格の違いは不変?/特別な英雄/親子対談/どこででも

2014-10-12 09:06:49 | 久高寛之

一昨日はネット中継で粉川拓也vs久高寛之戦を見ることが出来ました。

久高が接近戦でのボディ攻撃に出て、粉川が突き放しきれず苦戦、という流れの中で、
2回に右のカウンターで粉川がダウンを奪うも、3回久高反撃、4回には逆に右を決めて
粉川がダウンしかける場面を作るなど、よく言えば一進一退。

しかし内容は、粉川は打たれたダメージのせいかバランスが崩れていたし、
久高は果敢にインファイトを挑むも、単発のボディのあと、こちらも身体の軸を維持出来ず、
双方クリンチ、揉み合いの多い、映えない、冴えない展開が続きました。

ことに久高。これまでのどの試合よりも、彼の姿に、懸命さ、果敢さを感じた試合ではありましたが、
その反面、彼が従来持っていた柔軟さ、狙いの鋭さが消えてしまっている、とも見えました。
ボディへの強打を狙って仕掛けたインファイトに関しては、前に出る身体全体の膂力を支えきれず、
身体の軸が前に折れてしまって、単発のヒットのあと、ヒット、カバーの動作に戻れず、クリンチされるか、
自らするか、の繰り返し。加えて頭の位置、置き所も悪くて、バッティングも頻発。
見ていて、相手の粉川に対しても心苦しくなるような場面の連続でした。


双方、けっして悪い意味でなりふり構わずという風ではなく、もつれた展開であっても、
きちんとヒットを取って勝ちたい、という意志を捨てているわけではない、とも見えて、
その点には救いも感じましたが、同時に、現在置かれているそれぞれの苦境が、故無きものではないのだな、
と思わされる、少々寂しい試合ではありました。


このネット中継を見たあと、G+で先週土曜に行われた村中優と阪下優友の試合が録画放送されていましたが、
年齢的には大きく違わない村中の、身体の軸がぶれない、機動性の高い攻撃ボクシングと比して、
粉川と久高の、歴戦の疲弊から来る落日のイメージは、より一層強いものに感じられてしまいました。
ボクサーの生きる時の流れとは、かくも苛烈なものなのか、と。

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話題もあれこれと。
ジャーメイン・テイラーがサム・ソリマンを破ったそうです。

どちらも、ええ加減長いですけど、全盛期の力、格を言えば圧倒的にテイラー、でも今は?
という組み合わせだったわけですが、結果はこういうことになりました。
そのうちWOWOWでやるかもですが、どんな様子だったのか、けっこう興味ありますね。

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日本で言えばどういうカードに相当するんですかね、これ
えらい視聴者数を獲得した、って話もありますが、例えば辰吉丈一郎がカムバックして
長谷川とか山中とかとやるようなものなんでしょうか。

普通に言えば、無茶なカードではあるんですが、ホルヘ・アルセの飽くなきバイタリティというか、
生命力というか、闘うことへの欲というか、そういうものには、数多の「評」の言葉をも飛び越えた何かを感じます。
そして、毎度毎度こんな試合ばかりでも困りますが、時にはこうした試合を闘いうる、特別な存在が生まれ、
それに強く惹き付けられることもまた、ボクシングを見るという行為のうちではある。そんな風に思います。

アルセに対してそこまで強い想いがあるわけではありませんが、私(たち)は、すでに「彼」の存在を知っている、
その一点において、わかるような気がする話だな、とは言えますね。

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で、親子対談。その1その2

私のような辰吉ファンの世代だと、この子が産まれたときの様子などを
ドキュメンタリー番組で見たりしていたものですから(笑)
何か、他人事みたいな気がしないですね。
実力に関しては不明ですが、この親と同じ道を歩むことを選んだというだけでも、凄いことだと思います。
まあ、あまり騒がずに、そっと見守ってあげたいな、という気持ちですね、今のところ。

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おまけ。
闘えるリングがあればどこでも」だそうです。
口が裂けても「誰とでも」とは言わないのが、安定と信用の亀田ブランド、でしょうか(笑)。



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「次」のために引き締めて/完全な「退位」ではない?/再起、即?/122ポンドの情勢/コテコテな新人

2014-10-03 13:29:05 | 話題あれこれ


明日のフライ級タイトルマッチは生中継無し。
しばらく観戦もないので、話題をあれこれ。

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帝拳勢の防衛戦が次々決まっています。

山中慎介は1位スリヤン・ソールンビサイと対戦。具志堅と並ぶ6連続KO防衛がかかる一戦です。
しかし今回、毎度の通り倒せるかどうか...難しいかも、と思っています。

ひとつはスリヤンの実力ですね。フライ級で晩年のポンサクレックに大善戦、スーパーフライで戴冠。
佐藤洋太という異形の技巧派に敗れたものの、心技体ともになかなかのレベルを見せていて、
総合的に「強い」と見るべき選手だということ。

もうひとつは、前回、山中がステファン・ジャモエを倒しまくった試合展開の中に、僅かかもしれませんが、
甘い判断、緩いリズムが垣間見えて「完勝の影に潜む停滞」を感じたこと、です。

まあ、余計なお世話かもしれませんが、相手だって、ただ漫然と立って、考えなく闘ってくるわけではなく、
ましてスリヤンのような実力者なら、山中を苦しめる展開も充分作り得るでしょう。
勝ち負けが逆になるとまでは思いませんが、ここでひとつ、締まった印象の試合をして、その次に繋げてほしい。
KOか判定か、ということよりも、そこに期待したいです。


三浦隆司は、今年のWOWOWフェスティバルで防衛戦、相手は1位、エドガル・プエルタ。
1位とはいえ、スーパースター候補とかいう、おっかない話は聞こえてこないので、普通の強敵、という感じでしょうか。
よほど巧い選手じゃ無いと、今の三浦を捌くというのも難しいでしょうし、豪快KOに期待です。

ローマン・ゴンサレスの防衛戦は、当初伝わっていたルイス・コンセプションではないらしいですね。
ちょっと残念ですが、いろいろ難しい組み合わせではあったようです。

あと、ホルヘ・リナレスの試合なんかも、持ってくるのかなと思っていましたが、今回は無いんでしょうかね。
もっともWOWOWフェス、彼には験が良くないのかも知れませんが。

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ついにアンセルモ・モレノが王座を手放しました。




長きに渡ってWBAバンタム級の「真」王者として頑張ってきましたが、不運もあって敗れたようです。
しかし短い映像ではわからないところもありますが、再戦要求したい気持ちはわからんでもないような。
まだ、本当の意味での「退位」とは言い切れない段階でしょうね。

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高山勝成に、IBF空位決定戦の話が来たとのこと。

あの大激戦から、いきなり王座復帰のチャンス、ではあるんですが、フランシスコ・ロドリゲスは
IBF王座を返上したんですかね。WBO単独を選んだのか、それとも減量苦で転級でもするのか。
個人的には、高山もそろそろ上に...と思わなくもないですが、どういう選択がなされるのでしょう。

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大竹秀典王座返上、小國以載と石本康隆で決定戦。和氣慎吾には欧州から世界(WBA正規)のオファー。
122ポンド級は、あれこれと揺れているようです。

大竹の王座返上とは、ちょっと唐突な感じもしますが、世界戦の具体的なお話でもあるんでしょうかね。
あるとしたら、多分お出かけになるのかな、と思っていたら、和氣の方にそんな話があるとか。

和氣は「今、一番勢いがある」という論調一色でしか語られない、ちょっと特殊な扱われ方が若干不思議です。
もちろん、強さは感じる反面、証されていない部分もある、とも見えるんですが。
世界となれば、こちらもお出かけなら決まるんでしょうけど、どうなるんでしょうかね。
誰に挑むにせよ不利は否めないでしょうが、はっきりした決め手、勝負強さを持っている点については、
ある意味「敵地向き」なのかも、とも思います。

そして小國vs石本ですね。これは楽しみです。
小國に移籍後やっと巡ってきたタイトルマッチですし、正統派の選手同士、真っ向勝負になるでしょうね。
ありがたいことに、多分G+で生中継でしょうから(^^)これはしっかり見るとします。

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12月7日、注目の新人、田中一樹がデビュー、という記事です。
なかなか華々しい売り込み方ですね。「コテコテ」な要素もちょっと入ってて、関西向けな感じも(笑)。

最後の方に、いずれもまだデビューしていない二人の名前を挙げているあたりも含めて、
えらく気の早い話で、ちょっとお乳突きなはれ、と言いたくなる記事ではありますが。
とりあえず、一昔前に世に出た、口だけは達者なれど実際は...というのと違って、
ホントに強くて才能があれば、どんどん売り込んでOK、それこそプロの本分です。
ここはひとつ、お手並み拝見、ですね(浜さん風に)。


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今月は30日、またも馬鹿をやって、弾丸観戦ツアーを敢行します。確定しました。

で、さすがに10日は無理です(>_<)
4月の試合について、あんな記事書いといてナニですが、久高頑張れ~、と遠く古都の地から念を送るとします。
でも、粉川も好きなんですよね、けっこう。心に染みるカードです...。

19日京都は、WOWOW生中継と同日な上、所用があって多分パス。
28日神戸は観戦予定です。真正ジムの興行のはずなのですが、BS日テレの放送はあるのかなぁ。
中谷はもちろん、岐阜の逸材、宇佐美太志の試合ぶりも、少しでも多くの方に見て貰いたいものですが。



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