さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

違う常識を振りかざし 尾川堅一、フジレに判定勝ち

2021-11-30 12:01:26 | 海外ボクシング





日曜のライブ配信、DAZNのセミ、尾川堅一vsアジンガ・フジレは、尾川が都合ダウン3度奪取で判定勝ちでした。
右強打の威力を存分に見せるだけでなく、いつもより、左ジャブの数も多めに見える。
スピードも馬力も最初から最後まで落ちない体力も驚異的。攻撃の際の身体の切れも、時に目を疑うほど鋭い。
速いサウスポー相手に、その距離感や、合わせのセンスを徐々に「潰し」ていく。場所がNYであろうとどこであろうと関係ない。
尾川堅一は、いつもどおりの尾川堅一のまま、闘い抜いて勝ちました。


しかし、早々からそのあまりの荒々しさ...「頭当たれど、是非もなし」とでも思っているかのように、頭の位置に無頓着なまま、文字通りに「突撃」する様もまた、いつもの尾川のままでした。
フジレが時折見せる、信じられないと言わんばかりの表情(まあ、常に驚いているような顔ではありますが)が象徴するように、何と荒っぽい...というか、違う常識の持ち主だなあ、というのが、この試合で初めて尾川を見た人の印象だっただろう、と思います。
私はここまで、この闘いぶりで「通ってきた」様を、割とつぶさに見てきた方だから、驚きはしませんが...。


フジレは初回、2回(これはフジレが左手で「ブロック」しましたが)、4回と続いたバッティングを、10回には「決定打」という感じで受け、左右の瞼に傷を負い、5回のダウンのダメージに疲弊を抱えた挙げ句、最終回には右フックで「チェック」したつもりが、尾川の右ショートを先に当てられ(パンチの距離が違う以上、必然の出来事です)、さらに二度ダウンを追加されて敗れました。

この辺はもう、冷静に適切な選択を出来る状態ではなくなっていたのでしょう。初回に出したそれと同じように打てるはずもありませんでしたし。
試合後の表情は諦観とも取れました。それもこれも「やられた」自分が悪い、ということなんでしょうし、また実際、そういうものかもしれません。が。



尾川堅一、IBF王座獲得は、日本のファンにとっては喜ばしく受け止められる向きが大半なのでしょう。
以前の無効試合の件も、立場によっては悲運とし、今回の勝利をもって、それが雌伏の時を経た感動のドラマへと転じたりもするのでしょう。
しかし、私はそれを抜きにして、やはりこの試合だけを見ても、喜ばしい気持ちにはなれない側の人間です。
この試合内容を、例えばアメリカ人やメキシコ人のボクサーがやっていたとしたら、素直に称えることが出来るかどうか。答えははっきりしていると思います。

別にコスモポリタンでもなければ、辛口批評を気取るつもりもありません。
ただ、ファンとして率直に思うことを簡単に言うと「こういうのは、いただけんなあ」というところです。



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DAZNの公正な判定またも ロペスの傲慢通じず、カンボソス新王者

2021-11-29 16:30:24 | 海外ボクシング



ということで昨日はお昼前からDAZNとWOWOWオンデマンドはしご観賞でした。
あれこれ濃密な試合を続けて見られましたが、それでもDAZNの方は全試合を観られたわけではないのが怖いところです。
DAZNの方はセミ、メインのみでした。WOWOWの方は途中から飛んで、3試合全部見られました。
WOWOWオンデマンド、配信が終わったら最後ですが、途中から巻き戻して見ることは出来るんですね。


それはおいといて、とりあえずDAZNメインから簡単に感想。
ダウン・アンダーから世界ライト級新王者誕生、ジョージ・カンボソスがダウン応酬の激戦を制して、テオフィモ・ロペスに判定勝ち。
またしてもライト級にニュースター、ヒーロー誕生の巻、でした。



初回からロペスが、自分の強打を振りかざして、探りも図りもなく攻めていく様を見て、いくらなんでもなあ、と思っていたら、カンボソスの右が決まって、ロペス早々にダウン。
試合前の控え室映像から、異様に動きが切れていて好調そうだったロペスですが、試合が始まると「良すぎるのも、時に困りもの」なパターン、でした。

確かにロペスのワンツー、右は威力抜群、見ていて怖いくらいの切れ味でしたが、最初から完全に相手を見下ろし、打ち込んで倒す獲物としか見ていない様は、まさしく傲慢そのもの。
中谷正義戦の苦闘、コミー戦やロマチェンコ戦の勝利を経て「世界ライト級」王者となり、確かにまだ初防衛戦の段階とはいえ、この試合にまつわる混乱した状況を過ごす間に、もう少し精神面で成長...というか、多少なりとも賢くなっているだろうか、と思っていたんですが、ある意味王座奪取以前の、思慮が足りない勢い任せの姿に逆戻り、でした。


ロペス、スタート早々に倒され、失点し、ダメージも当然あり。半ば自業自得にも見えましたが、同時にカンボソスがその陥穽を即座に突く、叩ける実力の持ち主であることも、わかりやすく見えました。
中盤まで、ロペス単発のパンチは切れるし、場面毎の「合わせ」の狙いは鋭く、敏捷でもあるが、カンボソスはワンツーを中心に、適時ヒットを決め、良い回りでラウンドを重ね、リードは確実に保って終盤へ。
ただ、ロペスの強打と積極性に脅かされ続け、徐々に疲れていったか、9回にワンツーで攻め込まれ始める。
続く10回にワンツー直撃され、フォローも来て、逆にダウン。

これは大ピンチだったが、11回、12回と、ロペスにもう一押し出来る馬力がない。
スタートからエンジン全開の無思慮さがここで祟ったか?カンボソスが乗り切って試合終了。
判定はカンボソスか、あってもドローまで、逆はない、という印象どおりのものが出て、カンボソス新王者となりました。



少し前のマイキー・ガルシア敗戦の際にも感じましたが、やっぱりDAZN配信興行の判定って、おかしなものがあまり出ない印象です。
トップランクなどは顕著な印象ですが、米国にファンベースを持つスター選手に対し、非常に甘い判定や裁定が出る事が多い、米国のマーケット重視の、従来の興行と違い、世界中、広範にさまざまなスポーツを配信しているDAZNの興行は、米大陸以外の地域から来た選手に対して「滅多なこと」は出来ない、ということなのだろうか、と改めて思いました。
オーストラリア国内において、DAZNの視聴者がどれくらいいて、どんなスポーツをどの程度の規模で配信しているのか、何も知りはしませんが、もしこの試合内容でロペスに幸いするような判定が出たとして、それがかの国におけるDAZNのビジネスを妨げるのだとしたら...と。

もし、そういう構図であれなんであれ、ボクシングの試合における判定に「好影響」が出るのなら、その一点においてだけでも、DAZNボクシングのさらなる発展に期待しますし、応援もしたい気持ちになります。
もっとも、米国内におけるDAZNの情勢は、そういうこちらの思うこととは逆に、厳しいものがあるようですが...。


それはさておき、テオフィモ・ロペスの王座転落は、まさに彼の傲慢、油断が招いたものに見えました。
確かにタイトルホルダークラスのボクサーに比べれば無名とはいえ、指名挑戦者であり、満を持してぶつかってくるであろう相手の力量を、あんなに低く見積もって、最初から「仕留め」にかかるような立ち方をするとは。
まあ、ダウン食うなどして苦しい中、それでも10回、倒し返すに至る過程で、その力が凄まじいものであることは見せましたが、それでも及ばず。

試合後、同時通訳がないので、細切れに聞き取れる英単語から類推するだけですが、インタビューでも潔くないアピールを優先していて、まあ再戦に向けて、しょうがない部分もあるのでしょうが、そういう範囲を超えたみっともなさも見えてしまい、なんともかとも、でした。

対して、改めて公正な、納得感のある判定が出たことにより、試合前の因縁あれこれを水に流して、健闘を称え合う姿勢だった新王者、ジョージ・カンボソスを祝福出来ることが、非常に喜ばしく思えました。
試合内容自体も終始、激しい攻防を堪能出来たし、見応えアリな「世界」タイトルマッチというものでしたね。




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「凶報」には至らずも、難敵相手にやはり苦闘 丸田陽七太、判定勝ちで初防衛

2021-11-28 00:07:26 | 関東ボクシング





初防衛戦でこの相手と組む、と知ったときから、嫌な予感というか、悪くすれば「凶報」に接することになるのでは、ということさえ、アタマの片隅に浮かんでいた一戦でした。
丸田陽七太、難敵・日野僚を相手に初防衛。3-0判定、二度ダウンを奪っての勝利。
しかしその内容は「やはり」こういう苦しい試合になったなあ、と思うものでした。


痩身ながら強靱さも身に付けつつある丸田陽七太に対するは、こちらも痩身ながら変則的な動きが持ち味のサウスポー、日野僚。
緩急つけた右回りのステップから、時に「歩き」も織り込んで切り返し、右ジャブを当てて来る。
2回にはゆるりと身体を寄せたかと思ったら、右で丸田の頭を微妙に抑えつつ左を連打。
丸田は右を単発で当てるが、微妙な感じながら失点したと見えるスタート。

しかし、丸田は徐々に、下から掬う感じの右アッパー、時に横からフック気味の右を合わせ始める。
3回、これが決まって追撃、ダウンを奪う。この辺は丸田の非凡さ、としか言いようがない。

変則技巧派が、ポイント収集の目論見を序盤の内に崩されたわけですが、しかし日野はめげずに、4回早々、連打攻撃に出る。
しかし丸田は、それまであまり出なかった左ジャブが出始める。
5回、また右のアッパー気味のパンチが効いて、同じパンチで追撃、さらにフォローするさなか、日野が二度目のダウン。
日野、ダメージはけっこうあったように見えたが、クリンチでしのぐ。

6回、丸田はアッパー気味の右から左フック返し、さらに左右連打で詰めたいが、日野が粘って反撃する。
7回もポイントは丸田ながら、この辺から日野が前傾して前に出て、丸田の上体を起こし、押し込んで攻める体勢に持ち込み始める。


二度倒されたアッパー気味の右は怖いはずなのに、こういう選択をするか、やはり一筋縄ではいかん...と思っていたところ、8回、丸田にロープを背負わせた日野が、左から右の逆ワンツー気味のパンチを決めて、一気に猛攻。
丸田は手を出せず攻められっぱなし。打ち返せないだけでなく、ガードも上がらず、目で外せているかというとそうではない。
完全に効いてどうしようもない、ということでもないが、上体を起こされ、バランスが後ろにずれたまま攻め込まれ、思うに任せぬまま受け身、という、一歩間違えば...という危険な状態が数十秒続く。
ようやくラスト5秒くらいで打ち返す体勢になったが、ガードは完全に落ちていて、でもそのまま打つ。判断力を失っている。危ないことこの上なし。

なんとか凌いだ9回は、ラッシュして疲れた日野を、丸田の右が捉え、日野がもつれてキャンバスへ。
ダメージのせいで倒れたと見えるが、裁定はスリップ。ダウン取るべき事例だと思いましたが...。
最終回はまた日野の左が丸田のこめかみを捉え、丸田が効いたか、後退。丸田が立て直し、打ち合いになってゴング、という流れでした。



判定は二度ダウンを奪ったのも含め、丸田の勝利で問題なかったですが、若き王者には試練の初防衛、という試合内容でした。
日野僚の試合は、佐川遼戦は短いハイライトだけでしたが、他に2試合ほど見たことがあり、変則的でラフ、大柄なサウスポー、しかもタフで粘り強く、頭脳的に闘える...これはなかなか難儀な選手だ、と見ていました。

今回、丸田が苦戦したのは事実ですが、率直に言って、この相手と組んだ時点で「こうなる」ことは容易に想定できました。
もしこの選手を、それこそ寄せ付けずに打ち倒せるようなことがあれば、もう日本タイトル返上して世界戦に進んだって良い。
しかしさすがに、現時点でそこまでは望めないだろう、というのが、試合前に思っていたことでした。

終わってみて、思った通りに日野僚は難敵でした。そして、丸田陽七太は、思った通りに苦しみました。
しかし、二度のダウンを奪ったアッパー気味の右などは、事前に用意したものか、リング上で対応して打ったものかはわかりませんが、どちらにしてもあのパンチを当てて倒せるのだから、それだけでも丸田の非凡な才能を、改めて見られたように思います。


終盤、バランスを乱し(乱され?)て打たれた反省は重いものとして残るでしょうが、難敵相手の苦戦も、きっと次の強敵、阿部麗也戦への糧としてくれることでしょう。
様々に悪い影響が残るのではないか、という心配もありますが、丸田ならば、その辺りもしっかり省みて、立て直してくると信じます。

それにしても、無冠の帝王返上に燃える天才レフティー、阿部との一戦はまた、要注目の大一番となりますね。
次回は何とか、大阪開催とはいかんものか...と思ったりもしますが、色々と総合的に言えば、ホールで勝ち続けることで得られるものもまた、大きなものなのでしょうし、それもわかる話ではあります。




そして今回は、BoxingRaiseを通じて、ZAIKOというプラットフォームでのPPV配信で、試合をライブで見られました。
いつものBoxingRaiseより、画質が良かったように思いますし、清水聡と「バレンさん」こと細川バレンタインさんの解説も、まずまず良かったと思います。
もう少しだけ「形式」「決め事」に気を配るところと、くだけた表現も含めてざっくばらんに語るところの振り分け、交通整理をしてもらえれば、言うことなし、とも思いましたが、まあその辺は、次回以降の課題として、こちらもさらなる成長に期待、ですね。




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「劇場」を開幕させない万全 松永宏信、矢田良太に完勝

2021-11-27 07:11:39 | 関東ボクシング




ということで昨日まで、あることを知らなかったライブ配信をしかと見届けました。
試合のたびに「劇的」という言葉を通り越した、凄まじい試合の数々を見せてくれた「浪速のターミネーター」矢田良太、ついに引退。
この試合の結果にかかわらず、ラストファイトと決めていたらしいですが、対する日本スーパーウェルター級チャンピオン、松永宏信の闘いぶりは、最後にこの相手と闘えたことに対し、試合後矢田が感謝を述べていたとおりの、素晴らしいものでした。



初回から矢田良太の右が、けっこう際どいタイミングで飛ぶが、松永は打った後も足で外し、前のパンチは締めたガードで止める。
2回に右アッパーで矢田の顎を跳ね上げる。それ以降も、好打しても惰性で追撃はせず、しっかり見た上で外し、また攻める。


矢田というのは、攻防ともに不器用そうに見える(というか、実際不器用なのでしょう...)が、劣勢のさなかに、どういう「理」なのかわからないまま、突然「当たるパンチ」を見つけ、それを決めて相手を窮地に追い込む、という試合を何度もやってきました。
永野祐樹や別府優樹といったタイトルホルダークラスのボクサーも、それでえらい目に遭ってきたものです。
それはまさに「矢田劇場」と言いたくなる、理屈を超えた凄絶なドラマでした

しかし、矢田の試合を直に見たり、その動画をA-Signで配信してきた石井一太郎会長は、当然そのような矢田の姿をしかと見ていたでしょうし、その脅威を松永にも伝えていたのでしょう。
昨日の試合を見ていると、松永は何よりも「劇場」の開幕を避けるために、万全を期して闘っているように見えました。
試合の形式こそ、連敗中の元王者相手のノンタイトル戦、というものでしたが、ある意味それに見合わないほど、油断も隙もない姿は、驚くべきものでした。


6回、松永が残り1分くらいからストップ狙いの猛攻。
ラッシュ半分、コンビ半分という感じながら、休み無く1分弱の間、攻め続ける。
ヒットは取るが、無理に打ち込みには行かない。しかし休み無く打ち続け、矢田に反撃の機会を与えず、手を封じて、レフェリーがストップせざるを得ない状況を作る。
そういう冷静な狙いと、スタミナの消費を覚悟した決断力もまた、一級品の王者ならではのもの、でした。
王座返上と海外リングへの挑戦を宣言した松永宏信の、さらなる健闘に期待し、応援したいと思います。




試合後、矢田良太は松永と石井会長に対し、清々しい感謝の言葉を述べて、リングを去りました。
正直言って、引退のタイミングはこれまで何度もあった、と思ってもいましたが、傍目の勝手な見方には収まらない様々な思いは当然あって、今回の試合に至ったのでしょう。
そして、遂に、本当に、良い形で「劇場」の幕が下りた、のだと思います。
数々の熱戦、激闘、信じられないような展開の試合を、いくつも見せてもらいました。
ファンとして、改めて感謝したいと思います。お疲れさまでした。



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松永宏信vs矢田良太、ただいまライブ配信中

2021-11-26 18:03:45 | 関東ボクシング


本日、ホールでA-Sign興行、松永宏信vs矢田良太のノンタイトルマッチがあり、ただいまライブ配信中。
事前動画は見ていたのに、ライブ配信あるとは知らずにいました。
ということで取り急ぎ、貼っておきます。見ましょう!








こちらはプレビュー動画です。


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井岡一翔vsアンカハス戦発表 会場大田区、地上波放送で

2021-11-25 14:46:30 | 井岡一翔




ということで会見の動画ちらっと見ましたが、井岡一翔vsジェルウィン・アンカハス戦が決定。
正式に発表されました。
12月31日大晦日、大田区総合体育館にて。
放送はTBS。地上波全国ネットとのことですが、会見にもあったとおり、時間は未定。
ことによると生中継では無くて、ディレイになったりする?
まあ、多少のことなら仕方ないですかね...ホントは嫌ですけども。


ひょっとするとparaviのプラットフォームで、さらに別料金、つまりPPVになったりするかも?とちょっと思いましたが、今回はTV放送でなんとかなるようですね。大晦日特別予算、というか枠というか。
会見ではTBSのアナウンサーと覚しき人が、TV放送について「お茶の間」という単語を用いて、その辺の意義をちょっとだけ主張してました。


この試合は従来のTV放送の枠で収まったんで、今回はそれでいいとして、もし井岡が今回勝利して、さらに4団体統一に乗り出すと仮定した場合、もしTV放送以上の収益が見込めないと、エストラーダ(ないしはロマゴン、或いは他の勝者)の招聘が不可能なのだとしたら、その時はまた、違う道を選ぶことになるのかもしれない。
だとしたら、今回の試合でその一歩目を踏み出しておく、ということもあるか...とも思ったりしてたわけですが。
まあ今回は、TVで、というところに落ち着きましたね。



この辺は村田、井上と、他のスター選手がそれぞれ、TVでなくネット配信の世界に打って出たのと並べて見ると、どういう「結果」が残るものか、興味深いですね。
期せずして、というか、見事に違うパターンが出揃ったものです。面白いものです。

今後、ボクシング界にとり、TV局が考えなくよりかかっていられる「大樹」ではなくなっていく中、スターボクサーの待遇を飛躍的に向上させる可能性があるとしたら、結局はこういう方向だろう、とは思うのですが、それがどのような形で収斂されていくものか。
この師走は、その過程の第一歩め、大きな分岐点になるのかもしれません。試合自体のみならず、その辺も大いに気になる...なってしまう、というところです。



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井岡一翔大晦日の相手、明日発表?

2021-11-24 23:24:56 | 井岡一翔

国内外共に、すっかり試合のライブ配信花盛りという趣の今日のこの頃ですが、明日は試合ではなく、井岡一翔の記者会見がライブ配信されるとのことです。







とうとう決まった、ということなんでしょうかね。
こちらもparaviでPPV、とかだったらえらいことですが(笑)はてさて。


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ひかりTV配信、来年も続く 1月古橋ー久我再戦、2月平岡戦セミで橋詰将義タイトル戦

2021-11-23 08:11:35 | 関東ボクシング





年末のボクシング、ライブ配信あれこれ、その是非について色々語られる今日この頃ですが、大橋ジム主催、フェニックスバトル、ひかりTVによるライブ配信は、今年9月、10月のみで終わらず、来年以降も継続するようです。

来年1月25日、古橋岳也vs久我勇作の再戦。前回はもう、壮絶としか言えない激闘でした。
再戦となれば、やはり見ないわけにはいきません。アンダーには黒田雅之再起戦も。

続いて2月28日、平岡アンディvs青木クリスチャーノ。セミに橋詰将義vs古谷昭男。OPBF115ポンド級王座決定戦、とのこと。

関西のファンとしては、橋詰の試合も注目しないではいられません。
日本王者と不運な引き分けの後、移籍とコロナ渦によるブランクを経て、移籍二戦目でのタイトルマッチ出場決定は、ひとこと「朗報」です。
もちろん中山佳祐、奥本貴之と元タイトルホルダー連破で浮上してきた古谷は強敵ですが、なんとかタイトル獲得となってほしいものですね。
加えて記事にもある通り、仲里周磨と保田克也の一戦も楽しみです。



1月はメインがそのまま目玉ですが、2月はセミやセミセミも含めたパッケージとしてお値打ち、という感じです。
今までなら、メインを「自分とこ」の選手で組んで、後はご都合や誼で適当に、という興行を打って終わりだったんでしょうが、やはり有料配信ともなればそうも行かない、ということなのかもしれませんね。
こういう傾向は良いものだ、と素直に思います。


今年9月と10月のライブ配信、視聴者数がどのくらいだったのか、まったく情報がありませんが、こうやって続くということは、最低限やってやれないことはない、というところに収まっているんでしょうね。
フジテレビもプレミアムの方でライブ配信をやってくれましたが、こちらは井上拓真ー和氣慎吾というカードの良さのわりに、配信の発表が試合二日前くらいだったので、多くは望めなさそうですが...こちらも「三迫枠」ダイヤモンドグローブの方で引き続き、頑張って欲しいものです。
TV局にとっては、CSの放送を阻害する要因のひとつだったB-CASカードクラックの心配も要らないことですし、以前CSフジネクストでやっていた生中継番組の再現を、是非にとお願いしたいところです。
もっとも、来月の、小原佳太戦のセミで組まれていた前田稔輝、木村蓮太朗の好カードは中止になってしまいましたが...。



ひかりTVというのは、TVで見るには専用チューナー買うなり借りるなりせないかん、というのがネックですが(その代わりBS・CSアンテナは不要)、PCにも大きめのモニタを使っている私としては、まあPC視聴のコースでもいいかな、というところです。
ただ、9月と10月の配信は、dtvチャンネルというので見たんですけど、どうやらサービス自体が廃止されるようで、今後はひかりTV一択です。
PC視聴も出来るようなことが、HPに書いてありますんで、年が明けたら試して確認してみないといかんですね。



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史上最高「度」のスイッチヒッター、その本領 クロフォード、難敵仕留めて移籍へ

2021-11-22 15:20:48 | 海外ボクシング




ということで昨日はWOWOWオンデマンドを何とか見ることが出来ました。
アンダーからずっとTVに張り付いているというわけにはいかずでしたが、試合数はけっこう多かったみたいで(全部で4試合?)メインは割と遅めになり、上手いことみられました。


テレンス・クロフォードは、友人でもあるという難敵ショーン・ポーターを相手に、初回は右構え、2回から程なくサウスポーで迎え撃つ。
ポーターの果敢かつラフな突進、攻撃を抑え込んで捉えるのは、いかなクロフォードでも容易ではなく、ポイントは微妙な感じで進む。

3回などはポーターが、上手い具合に打ち合いを仕掛け、クロフォードを「巻き込む」ような展開も。
そこから揉み合いになり、アタマも当たったりなんかする。どう見ていいのかはともかく、それもこれも込みで、ポーターの都合にかなう事態ではある。

4回、クロフォードがプレスを強め、それによって誘い、右フック合わせたり、左ボディを決めたりと、巻き返しに出てくる。
ポーターは細かく前後にステップ、リズムを刻んでから入る工夫で、その間を外して攻める。
5回、両者の左と右が際どく交錯。6回、揉み合い増える。クロフォートのヒットが多い。
7回、少し展開が「冷める」流れ。これもクロフォードの意図によるもの?

ポイントのことは別にして、徐々にクロフォードが落ち着いてきた感あり、という8回、ポーターが右フックなど決めて逆襲。
9回も微妙な感じ。ポーターが「押し戻し」つつある、と思えた最後の方、クロフォードが左のダブル、下から上決めて、この回終わる。

10回、終盤勝負か、残り三つどっちが抑える?という感じで始まったが、前の回終盤のパンチが伏線となっていたか?
クロフォードの左アッパー、カウンターで入り、ポーターダウン。
ポーター立つ。クロフォード冷静に右ジャブから突いて、連打から右フック返し。これが決まってポーター二度目のダウン。
キャンバスを叩いてからまた立ったポーターだが、セコンド(父だとか)が棄権の意志表示をして、試合が終わりました。


このストップというか棄権は、確かにこれ以上続けても、逆転は難しかっただろうし、さらに打たれるリスクを避けた、という意味で、理にかなったものだとは思います。
しかし、このレベルの、真に世界の頂点を争奪する闘い、その締め括りに、そういう分別を持ち込む情緒には、僅かですが得心行かない気持ちも残りました。
まあ、この辺は典型的なオールドタイプの、時代遅れの戯言ではあるのですが。



それはさておきテレンス・クロフォード、この試合を最後にトップランクを離脱するとのことで、やはりエロール・スペンスやマニー・パッキャオ、さらにキース・サーマンらとも闘うことなくここまで来てしまったことに、納得いっていないのでしょうね。
今後、PBCと契約するのか、FAの立場を取るのかはわかりませんが、新たな段階に踏み出す最後の段になって、ポーターと闘えたことは幸いだった、と言えるでしょう。

しかしフィニッシュの回、左アッパーと右フック、どちらも流れの中で、どのパンチに力点置いて打つか、その狙いを切り換えて、その通りにそれぞれをしっかり決めてダウンを奪っているあたり、ただただ感心するしかありません。
スタンスは2回以降、ずっとサウスポーで推移していましたが、足の踏み替えがなくとも、タフな難敵相手に好機を迎えても冷静に、その辺を切り換えて狙っている。
これも実質「スイッチヒット」の一環、と見做すべきではないのかな、と思ったり。
古くてベタなアメリカ風の表現を真似るなら、ミッキー・マントルやマービン・ハグラー以上、史上最も高度な技巧をもつスイッチヒッターだ、とでも書けるでしょうね。




試合後、引退を表明したというポーター、あのクロフォード相手に、内容や「実際のところ」は別にして、ポイント面も含め「まだわからん」状況のまま、試合を終盤に持ち込めるのだから、それだけで充分、大したものだと言って良いでしょう。
ウェルター級王者クラスの誰と闘っても、良いところまで行けた選手で、見応えのある試合を作ってきたファイターでした。
ラフな部分は割り引いて見てしまいますが、それでも見どころ多いチャレンジャーであり続けたことには、拍手したい気持ちでもありますね。



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フライ級最強はもうこの人ではない? JCマルチネス、MWアローヨと無効試合

2021-11-21 18:44:09 | 海外ボクシング



ということで土曜日のライブ配信、後追いではありますが楽しく見られました。
WOWOWオンデマンドではこれが出来ないのが辛いですが。


昨日の試合で一番注目していたのはWBCフライ級タイトルマッチですが、フリオ・セサール・マルチネスはマックウィリアムス・アローヨとダウン応酬の初回を終え、2回にバッティングによるアローヨ負傷、その後あまり綺麗な形ではないダウン追加、しかし2回終了で負傷による続行不可能、無効試合、という流れで終わりました。残念でした。

前回、格下相手に不出来な試合ぶりで、相手を舐めたか調整不足か、それとも減量苦か...何しろ薬物疑惑のみならず、実力面でも翳りが見えた印象のマルチネスでしたが、今回は35歳ながら強打健在、ロマゴンや井岡一翔には敗れたが、アムナットに実質勝っていたり、その実力は文句なしの強敵MWアローヨ相手で、少なくとも油断はせず締めてくるはず。
ということは、今のマルチネスの真価が見られるはずだ、と思っていました。


実際の試合内容はというと、まず表情からしてどこか不安げ。
アローヨの気合い充分という風情と比べ、何かやり残し、心残りを抱えたボクサーの顔に見えました。
高いガードで前進し、射程に入ったらボディから顔面へ、左右ダブル、トリプルと打つ攻撃も、アローヨの強打もあったせいでしょうが、防→攻の切り換えにキレがなく、先に打たれて倒れる。
その後、倒し返したのは凄いですが、以前ほど自信、確信に満ちた風ではなくなっていました。


バッティングによる負傷で試合が終わったのは、仕方ないことだと思うべきでしょうが...。
多分ですが減量苦か何かで、調整ではなく減量にトレーニングを「食われて」いるんじゃないかなあ、と。
この人を最初見たときは、独特のスタイル、溌剌とした闘いぶり、そして強打と連打の迫力を見て、今のフライ級最強はこの人やなあ、と納得感がありましたが、ここ二試合は、総じて冴えない印象です。
強打のWBA王者アルテム・ダラキアン(今日、コンセプションを破ったそうですね)か、WBO王者中谷潤人か、今の階級最強はこのどちらかに絞られた、と思い始めています。
少なくともここ二試合の出来なら、中谷にとりマルチネス攻略は十分可能だ、と言えるのではないでしょうか。




メイン、デメトリアス・アンドラーデはジェイソン・クイグリーを2回TKO。

いつもなら、序盤威勢良く倒しても、詰めが甘い、というか勝負度胸が無いアンドラーデが、今回は違うとこ見せた...と、結果だけ見ればそうでしょうが、相変わらず下向いたまま右フック打つとか、遠くから飛び込んで打ったらすぐ組み付くとか、やっていること自体はいつもとあまり変わらない。
違うのは相手の防御技術と耐久力の方。クイグリー、アイリッシュということで人気はあるみたいですが、実力は以下略、という感じでした。
悪いですが、やっぱりなあ、というところです。何が「やっぱり」なのかは、敢えて言わずにおきますが...。



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