さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

115ポンド級多士済々

2011-05-24 23:38:24 | 名城信男
名城信男、再起が決まったようですね。
7月30日、対戦相手は未定、世界ランカークラスを予定、
階級はスーパーフライ級のままでということです。

相手が決まらないと何とも言いにくいですが、
まずは小手調べ程度の相手でも文句は言わないつもりです。
しかしその後は、強豪と呼べる相手とひとつは闘った上で、
世界再挑戦へと進んでもらいたいものです。

もちろん海外の強豪でもいいですが、国内のこのクラスには、
河野公平を破った佐藤洋太や、新OPBF王者の赤穂亮などが出てきて、
名城や河野、中広といったところを追い越す勢いを見せています。
ここらへんとの絡みもあってほしい、とは思いますね。

あと、粉川拓也は一階級下で、ポンサクレック挑戦ということですが、
タイでの試合ということもあり、勝機は乏しいかもしれません。

そういえば三度世界挑戦の久高寛之については、さっぱり話題を聞きません。

こうして見ると新旧あわせて多士済々な115ポンドクラスですね。
組めば良いカードはいくらでもありそうなものですが、
河野公平が名城、佐藤、中広と闘ったのと、ドローに終わった中広vs赤穂以外、
直接対決のカードがないんですね...って、他にあったらすみません。
なんにせよ、あとひとりかふたり上位選手を加えれば、
国内版スーパー6ならぬスーパー8が出来そうですが。

これらの選手による大会を、後楽園ホールで固定して...でもいいし、
出来れば全国サーキット開催で、半年なり一年がかりでやれば、
毎回満員になると思うんですけど...やってほしいなぁ。まあ、夢ですけど。


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新大阪の苦闘

2011-05-21 09:20:01 | 関西ボクシング
昨夜は所用を済ませたあと、時間が取れたので新大阪のメルパルクホールにて観戦してきました。
OPBFフェザー級タイトルマッチ、ジョエル・アリビオvs大沢宏晋戦です。

新大阪駅から徒歩2~3分、という感じの、アクセスの良い会場。
舞台の上に低いリングが置かれていて、リングサイドに置いてある本部席や
記者席のテーブルの方が、リングのキャンバスより少し高い位置にある、という
あまり見たことのない光景の中、のんびりと観戦しておりました。

メインは松田直樹を頭突きと右の強打で倒した比国人王者アリビオに、
元々ライト級前後で闘っていた大沢が挑む、ということで、
大沢が体格の利を生かせるか、という風に思っていたのですけど、
始まってみると、そんなに差はなく、むしろやや小柄なアリビオの方が
思い切りよく振る右の強打で、大沢にプレッシャーをかけている感じでした。
対する大沢は、クラスを下げて闘う体格とパワーの優位よりも、
苦しい減量で身体が小さくなってしまったような印象でした。

2回、アリビオが低いガードから左フックをいきなり上に。
これがもろに入って大沢、ロープ際に背中から倒れます。
かなり効いていて、立ったもののクリンチで必至に逃れるのが精一杯。
その後も中盤までダメージが尾を引いて、たまに返すジャブや右も力感がなく、
アリビオが断続的に攻めるのをやりすごすのが精一杯でした。

終盤の数ラウンドは、アリビオがあからさまに疲れを見せはじめ、
そこへ大沢が懸命の反撃をし、攻め返す場面もありました。
ボディ打ちも何発か効いたのがあったのでしょうか。
大沢はロープ際に押し込まれると、回り込む動きさえ取れなかったのですが、
終盤はなんどか回って逆にアリビオにロープを背負わせるシーンもありました。

しかし私の目には反撃も遠く及ばず、アリビオの防衛と見えました。
さうぽん採点は大沢にかなり、かなーり甘くて116-111。
同道した方の採点は117-110でした。
我ながら大沢に甘い採点で、我が関西依怙贔屓の血は死んでないなぁ、と苦笑していたら、
ジャッジの採点は違っていて、ジャッジ川上115-112大沢、
リガス114-113アリビオ、柳115-113大沢、2-1で大沢の王座獲得でした。

判定については、あまりとやかくは言いません。
私の見方が絶対だとは思いませんし、接戦という見方もあるのかも知れませんし。
しかし、私の後列にいた、終始大沢への声援を惜しまなかった観客の方々も、
判定が出た瞬間「ええ?」「びっくりしたー」と、驚きを隠せずにいました。
そういう見方があった試合であることもまた、事実です。


アリビオは、確か松田と対戦した時点でOPBF15位か何か、
とにかく下位のランカーだったと思うのですが、負けもすでに10敗と多く、
確かに思い切り振ってくる強打には目を引くものがあるものの、
試合の運びは言ってはなんですが出たとこ勝負で、打つときは迷いなく打ち、
しかし困ったら身体ごと押し込み、疲れたら休み、息がつけたらまた打って、という、
WBC11位のOPBF王者、という肩書きとは釣り合わないボクサーでした。
弱いとは言いませんが、これが王者というのもな、というのが正直な感想でした。

大沢は苦しい減量を乗り越えて、序盤KO負けかという大ピンチをしのぎ、
終盤はまさかの反撃を見せる場面もあり、健闘したと思います。
正直、2Rのダウンは、もう終わったかとさえ見えたのですが、
場内の声援にも支えられたか、よく粘り抜きました。
防御が甘くなったところをあっさり打たれたのは反省材料でしたが、
よく鍛え、練習してきているなという印象で、そのあたりは好感を持ちましたし、
この苦闘を今後に生かしてもらいたいものですね。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

否応なしに時代は変わる

2011-05-19 22:29:29 | その他
時代というものは、変わるときには否応なしに変わるもんだなぁ、と思っています。


高山勝成、山口賢一ら、いわばフリー組の海外進出を影ながら応援したい、とか書いていたのがつい昨年のこと。
しかし今年になり、あっという間に日本のトップボクサーたちが海外で闘う方向性が定まった感があります。

MGMで鮮烈な初回KO勝ちを見せた石田順裕は、7月9日にポール・ウィリアムスとの対戦が決定。
同じ興行で下田昭文がリコ・ラモスとの初防衛戦。
この興行は全米に中継されるイベントであり、WOWOWでも生中継が行われるそうです。

そして話はこれだけにとどまらず、日本のタイトルホルダー達ほぼ全員に、海外での防衛戦が噂されています。
西岡利晃はラファエル・マルケスと交渉中。粟生隆寛も次期防衛戦は米国で行う可能性あり。
内山高志もひょっとしたら、という話だそうです。
今のところ、国内での次期防衛戦を予定しているのは最軽量級の井岡一翔くらいなものでしょうか。

これら一連の動きは、けっして選手や陣営の心意気の話ばかりではないでしょう。
日本のボクシングジム、プロモーターがかつて思い描いていた、従来型の成功...
アルファベット・タイトルをひとつ獲り、8千人~1万人規模の会場で高いチケットを売り、
地上波のTV局から放映権料を得て、後援者のご祝儀がそこに加わる、といった形での成功が、
もはや国内ではほぼ見込めなくなった、という現実から来ているのだと思います。

この現実は、ことに、この10年くらいの間に、誰にも否定できないものになりつつありました。
辰吉丈一郎の事実上の引退、畑山隆則の短命、若き西岡利晃の挫折により、日本のボクシング界は、
対世間という面においては、スター不在の時期を過ごしてきました。

その事実に危機感を抱いた業界の支配体制は、実力派の徳山昌守や長谷川穂積が自分たちの意のままにならない
マネージャーと契約する選手だったこともあり、対世間へのアピールとして、亀田兄弟という御輿を担ぎました。
この極めて愚かしい舵取りは、目先の経済的利益と引き替えに、ボクシングというスポーツの社会的信用を失墜させました。

これは日本の業界関係者が、従来型の成功を少しでも維持しようと務めた結果の失敗である、とも言えます。
彼らは、選手との独占的な契約により、プロモートとマネージメントの権利を同時保有し、自らの権益のために、
世界のリングと隔絶した、敢えて言うなら自ら望んで隔絶した状況を作り、時には世界的に見れば価値がない試合を
ボクシングに詳しくない世間に対して「世界タイトルマッチ」と称して、提供してきました。

そういう状況の中で体制側のプロモーターは、徳山昌守vs長谷川穂積戦の構想を拒否し、
徳山が失意のまま王座を返上して引退したのち、長谷川穂積の獲得に成功します。
そして長谷川は勝ち続け、徐々に正当な評価を受け、一定の知名度を得て、スターの座に就きます。
しかしその長谷川の長期政権の影で、やはり時代は少しずつ変わり始めていました。

一昨年、帝拳プロモーションが入札で負けたことにより実現した西岡利晃のメキシコ遠征は、大きな驚きでした。
あの帝拳ですら、選手を海外に出す時代が来たのか、と。

我々が(人によっては涙して)喜んだ西岡利晃の大器晩成は、しかし日本での興行において、かつて辰吉丈一郎を、
或いは鬼塚勝也を擁したプロモーターが得たような、従来型の成功を保証しうるものではないという現実。
確かに厳しく言えば、西岡は「遅かりしチャンピオン」なのかも知れません。
しかし、雌伏の時を経て王座に就いたとき、彼への評価とはまた別のところで、ボクシングというスポーツそのものが
その価値を大きく下落させていたこともまた、事実だったのでしょう。

おそらくTV局は、この経済不況下において、自らその信用や評価を下落させているボクシングに対して、
もっといえば業界が提供する「世界タイトルマッチ」に対して、さしたる価値を認めていないのでしょう。
長谷川メインの複数世界戦興行にしても、結局は長谷川個人の持つ一定の視聴率獲得能力が評価されての放送であった。
それ故に、長谷川が敗れて再起の意思表明が無い今、西岡や粟生の次戦が海外で、という話が次々と持ち上がっています。


しかし、決して良い話ばかりとはいえない内実はどうあれ、やっと時代が変わりつつある、ということは、
ファンとしては喜ばしいことでもあります。
今まで得られたものが日本国内で得られないなら、それを得るために、勝ち取るために海外に出て行く。
ボクシングは結局、勝負の世界なのですから、それは自然なことだし、健全なことだと思います。

さらに言うなら、今まで、プロモートとマネージメントの権益を両方とも我が手にしていた業界の傲慢が、
ようやく正されるのであれば、それはどのような原因であろうとも、まずは歓迎したい気分です。

もちろん、先の石田や、一昨年の西岡のように、見事な勝利と、それにまつわる歓喜ばかりが待っているわけではないでしょう。
今後、我々が若手時代から応援してきた日本のホープ達が、厳しい敗北を味わい、数々の悲嘆が生まれると思います。

しかし、それらの積み重ねの果てに、優れた才能が、然るべき指導と試合の機会を得て、真にワールドワイドな舞台に立ち、
栄光を目指して闘い、時にそれを勝ち取る時があるはずだ、と信じてもいます。


まずは石田と下田ですね。WOWOWによる生中継、大いに楽しみです(^^)



======================================================

と、ここまで書いて石田vsウィリアムス戦が中止になるらしい、と知りました。

うーん、やはり険しい闘いです...。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

期待はずれのメインとまさかのセミファイナル

2011-05-08 15:52:14 | マニー・パッキャオ
珍しく、この人の試合の後としてはちょっとがっかり、な更新となります。


マニー・パッキャオはまあいつも通りに速く、巧く、強かったように思います。
立ち上がり、互いに様子見、探り合いの中、シェーン・モズリーの懐の深さを感じているかな、
と見えたのですが、3Rにモズリーのダッキングを捉えたワンツーでダウンを奪い、
その後は終始攻勢を取っての大差判定勝利でありました。

モズリーは立ち上がり、右をしっかり狙っていて、でもやや出し惜しみというと悪いですが、
好機到来まで取っておくという風に見えたんですが...。
3Rに喫したダウン...左サイドからサウスポーにショートで打たれ倒されるというショックのせいか、
打っていく構え、バランスを失い、ボクシングそのものが瓦解してしまっていましたね。
とはいえ他ならぬシェーン・モズリーが、それをまったく立て直せず、さりとて意地も見せずに
最終回を迎えてしまうというのは、見ていて正直、そりゃなかろう、と思いました。
彼のトップボクサーとしてのキャリアは、今日、完全に終わったと言っていいでしょうね。


パッキャオについては、さらなる攻め込みを期待してもいたんですが、試合後のインタビューで
ちょっと足を痛めていたという話があったようです。詳しい情報を待ちたいですね。


今日の白眉はセミファイナル、ホルヘ・アルセの四階級制覇じゃないでしょうか。
途中まで、どう見ても判定負けの流れに見えましたが、ラストふたつに来てからの、
まるでゾンビのような(失礼)よみがえり方というか、とにかくあれは何なのでしょうかね。
バレラでもモラレスでもマルケスでもなく、アルセがメキシコ初の四冠というのも驚きですが、
あの試合内容と勝ち方もまた、驚愕としか言いようがありません。

122ポンド級に思わぬ波乱ですね。西岡、下田、リゴンドーにモンティエルと、
多士済々なこのクラスの先行き、大いに楽しみです。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

年に二回のご降臨前夜

2011-05-07 21:15:34 | マニー・パッキャオ
しばらくお休みしていた更新ですが、明日は年に二回のパッキャオ登場ですので(笑)
前日ちょいと予想というか思うところを。

試合のたびに階級差の壁を破壊し続ける、高品質の立体的攻防技術の見本のような存在となった
マニー・パッキャオ大先生なわけですが、明日はひょっとしたら?という気がしなくもないです。
って、いっつもこんな予想というか想像をしては、驚きをもって「参りました」とか書いてるんですが。

明日の相手は三代目シュガーことシェーン・モズリー。昨年メイウェザー戦で大敗した試合も含め、
アントニオ・マルガリート戦の快勝を最後に、不出来な試合が続いている印象があり、
予想は当然パッキャオが圧倒しているようです。

しかしここ数試合、ことにファン・マヌエル・マルケスとの再戦を最後に、苦戦らしい苦戦の無い
パッキャオの試合ぶり...体格面で劣りながらも機動力で勝り、要所で強打を決める姿を見て、
誰もが内心思っているのと同じことを私も思っているわけです。
ひょっとして、パッキャオに勝つには、体格面であまりアドバンテージが無い方が良いのでは、と。

もちろん、体格面でまさるということは、パッキャオに一瞬の隙やミスがあれば一打で勝負をつける、
或いは試合の帰趨を決定づける武器を持つ、ということでもあります。
しかしハットン、コット、マルガリートといった「決め手」の持ち主たちは、
結局はそれを披露することなく敗れました。事情は違えどデラホーヤとて然りです。

それを考えると、シェーン・モズリーはどうか、ということです。
昨年大差で敗れたメイウェザー戦で、2RにあわやKO勝ちかという場面を作った右の一撃。
ライト級時代に数々のKOを演出し、ウェルターに転じて以降もデラホーヤ攻略を始め、
最近ではマルガリートを打倒し得た彼の最大最高の「決め手」。
そしてこの決め手を持つモズリーは、決して体格面でのアドバンテージに頼って闘うほど、
ウェルター級として大柄とは言えないわけです。

もちろん明日のリングで両者が正対したとき、両者がどう見えるのかは分かりません。
当然モズリーが体格で上回るのは間違いないとは思います。
しかしその体格差が、ここ数試合の相手とは違い、あからさまに大きくはないとしたら、
そのことは決して、パッキャオに幸いしないのではないか、とも思うのです。

いずれにせよ、パッキャオがキャリアで初めて迎える米国籍黒人ボクサーとの試合は、
番狂わせまで行かなくとも、ここ数試合にはない展開があるのかも、という気がします。

もう14時間くらい前ですね。明日の試合を楽しみに待ちます。


==============================================

今日の試合についてですが、以前OPBF王座獲得試合を見た仲村正男が
なんでも初回61秒KO負けで初防衛に失敗したとの報を知りました。
相手はOPBF1位のフィリピン人、ロナルド・パンティーリャスという選手だそうです。

見ていない試合ですから語りようもないですが、なんというか、
悪い方の目がまともに出たんやろな、という感じです。残念です。


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする