さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

タイで殊勲/再起二戦目/要らぬ音楽/長谷川戦中継なし?

2016-07-28 09:37:19 | 話題あれこれ




昨日は夕刻からPCの前に座れたので「Thai ch7」で検索したら、
プンルアン・ソーシンユーvsマーロン・タパレスの生中継動画に辿り着けました。
画質はいまいちですが、何とか見られる感じではありました。

見始めたのは5回から。屋外の試合のせいか、両者すでにけっこうお疲れな感じ。

見たところプンルアンが優勢だったようで、タパレスは動きが重く、手もあまり出ない。
プンルアンが強引に出て攻め、右フックだったか、叩きつけるように決めてダウンを奪う。
ボディ攻撃で二度目。この後、タパレスは身体を折って後退、打たれっぱなし。
しかしプンルアンもせっかくの好機に芸が無い。タパレスのガードを動かして、開いたとこ打つ、
というような巧さも鋭さもなく、同じとこに同じパンチを連打。詰め切れず。

6回、タパレスは腹を打たれると苦しそうだが、半ば捨て身で出る。
プンルアンは出鼻に一発右カウンターするが、それで安心したか、またタパレスの攻めを許す。
タパレスは左ストレート、右フック返しを繰り返す。身体ごとぶつかっていくような攻撃。
すると左から右フック、繋ぎも甘い返しながら決まり、プンルアンがダウン。
場内一気にトーンダウンする。

7回、両者疲労とダメージあり、プンルアンがボディを攻めると、レフェリーが分けて
プンルアンにローブローの注意。ほんの短い時間なれど、タパレスに休みを与える。

このあたりはタイの試合では珍しいレフェリング、という印象。
あのままなし崩しにプンルアンが攻めて、押し切っていたかもしれないが、
今回のレフェリーはその可能性を無視して、公正なレフェリングをしました。
よくは知りませんが、試合映像がネットなどで広範に見られるようになった今、
タイの横暴も、徐々に通じなくなってくるのでしょうか?

8回以降は一進一退、徐々にタパレスが立て直しつつ、11回。
タパレスが出て、ボディ攻撃が入ったか、プンルアンが後退するところに追い打ちの左。
これが決まってプンルアン、ロープ際でダウン。ダメージ甚大、立てず。
タイのTV実況が「あーはぁ、はーああーぁ...」と溜息をつく中、試合が終わりました。

マーロン・タパレスは、タイでの挑戦と言うことで、実力どう以前の話として
不利の予想を受けていましたが、色々苦しそうだった中、ボディで倒される危機から
強打を生かして逆転に持ち込みました。
試合内容は快勝と行かず、またプンルアン程度の相手だったから勝てた、という面もありましょうが、
大森将平戦と今回の試合を見るに、強打に加えて粘り強さ、勝負強さも持っているようです。


果たして再来日はあるのかどうか。米国進出を目指す可能性もありますが、
そういう話の前に、誰かが挑戦に名乗りを上げれば、また日本のリングで見られるかもしれませんね。


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タパレスと言えば、大森将平は再起二戦目でいきなりWBC5位、エドガル・ヒメネスと対戦です。
相手はイバン・モラレスに黒星を付けた選手で、戦績は22勝(16KO)11敗と、負けも多いがKOも多い、
なかなかの難敵ぽいですね。
もう一試合くらい、調整的な試合があるかと思ってましたが、思ったより早く、上位狙いの試合になりました。

これは8月24日、京都府立体育館島津アリーナですが、以前あったGAORAの中継は無い模様。
当日はなんとか観戦したいと思っております。


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今頃感想ですが月曜日のダブルタイトルマッチ。Boxing Raiseで視聴しました。

ブルベイカーvs高山は、高山のタフネス、闘志が素晴らしかったものの、ポイントは取りきれなかった印象。
やはり打たれる頻度が高く、攻め上げるテンポも若干遅かった。
身体をしっかり回して打つボディブローは良いのがあったんですが...。

岡田博喜は、ラフに身体を翻し、頭も持ってくる青木クリスチャーノを少々持て余し、苦戦気味。
地力も巧さも差があったとは思いますが、そのせいでちょっと迷いが出た部分があったか。
カットしたり拳を傷めたりで、集中を欠いていた印象でした。


Boxing Raiseは二回目の視聴。前回の感想に付け加えると、やはり気になるのは入場曲の音声カットですね。
個人的にはそうでもないですが、やはり普通に見ていて、盛り上がるところのはずなのに...という。
あとはラウンド間にまで、要りもしないBGMを流して、そのせいで音声が消える。
これは正直、何をアホなことやってんねん、と思います。

これは他の興行でもそうですが、何せ暇あったら音楽流しますよね。うるさくて仕方ないんですが。
どういう考えか、理由があるのか知りませんが、こちらにしたら単に会話の妨げでしかありません。
ましてネット中継の際に、その都度、音を消さないといけないのがわかっていて、何をわざわざ...と(呆)。

まあ、始まったばかりの試みですから、声高に文句を言うつもりはないですが、徐々に改善していってほしいものです。


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チケット完売、当日券販売もなし。予想されていたことではありますが。

大阪城ホールでやれれば、もっとチケット出せたんでしょうけどね。こればかりは何とも。
聞けば選手本人が、頼まれたのを断っている有様だとか。えらいことです。

で、そういう状況にもかかわらず、というか、長谷川穂積のインスタグラムというやつで、
当の本人が「自分の試合は生中継の予定がない」とコメントしているのやそうですね。

前回、地上波で放送された試合で、長谷川が大敗を喫していて、TV編成面での評価がそういうものなのだ、
という想像はしますが、やはり、いくら何でもなぁ...と思います。
以前、山中メインを日テレで、セミの木村悠をG+で、という形でのリレー中継がありましたが、
今回はそれもないようです。G+もBS日テレも、巨人戦なのでしょうか。
もし山中の試合が早く終われば流れる(これも以前、前例ありました)かもしれませんが、
今回はそういう相手ではありませんしね...。

これだけあれこれチャンネルが増えて、それでもこういうことになるんですね。
日テレ系にはもうひとつCSに「日テレプラス」ってのがありますが、最悪これでもいいからやってほしいものです。
MotoGPや、サッカーのアジアチャンピオンズなんかは、これらのチャンネルをフルに使って放送してるんですけどね。

いっぺん、真面目な話、要望メールでもしてみようかなぁ。
会場に来られない長谷川ファンのことを思うと、残念でなりませんね。




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今回は弟さんに注目/前向き/ひとつ手前の試合/これも重要試合/今日生中継/9月はリメンバー

2016-07-25 15:18:45 | 話題あれこれ




ということで三ヶ月連続ダブル世界戦の一発目終了、あれこれ試合も話題もありますので、雑感など。


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「ひょっとしたら年末までずれ込むのかな」と思っていた井上尚弥の次の試合は、9月4日、座間で
少し前ですが発表ありました。

相手は、伝えられているとおりの事情で、最上位の相手ではあるのですが...。
以前見た、石田匠との試合ではあまりに酷い負け方で、
「これでどうやって、河野公平と判定まで闘ったのか」と不思議に思いました。
正直、ノンタイトルの調整試合、という程度にしか受け止められません。
先日の府立メインと同様です。

しかしこの興行、凄いのはセミのカードです。
弟さんこと井上拓真が、フィリピンのフローイラン・サルダールと対戦
あのマックウィリアムス・アローヨ戦で、ガードの低さを突かれてKO負けしましたが、
負けはその一戦のみ。
軽量級離れの強打をロングで飛ばしてくるスタイルで、The Sniper の異名をとる強豪です。

やや自信過剰なところがあり、両手を下げたまま、目と足で外すつもりで、
あの強打アローヨに自分から打ちかかっていって倒された一戦は痛恨でしたが、その後4連勝。
今回は階級を上げることになるのでしょうが、まだ27歳、衰える歳でもなさそうです。

今回は尚弥様のお姿を拝見するためのみならず、この試合こそ必見と思い、見に行くことにしました。
この週は半ばに河野、田口ダブルもあるのですが、平日はそもそも厳しく、
こちらはTVで見られることもありますし、週末の上京を決めました。

もしこの相手に良い内容で勝つようなことがあれば、この日ばかりはお兄さんではなく弟さんが主役でしょう。
別個に見れば、僅か7戦であの安定感と実力は驚異のはずが、いまいち目立たない井上拓真にとり、
大きなターニングポイントになり得るカードだと思います。もちろん、相当厳しい試合になるでしょうが。


それにしてもここのお父さん、本当に厳しい試合組みますね。相当自信あるんでしょうが。
どこぞの一家とはえらい違いや...とは、今更言う意味も無いですけど。


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統一戦に向け、先方様は前向きと。

しかし、ドクターが9月の試合を難しいと言っているのに、じゃあ10月で、とは、
とてもじゃないが、確かな話とは言えないでしょうね。大晦日なら十分かもしれませんが。

エストラーダの拳が治り、金銭的なメリットがあれば、実現へ向かうであろう、と
普通に見ればそういう話のはずですが、世の中には、普通じゃないこともあったりします。
はてさて、どないなりますのやら。


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村田諒太の試合、またしても関東ローカルのみの放送。
ええのか悪いのかわかりませんが、YouTubeにもアップされています。
私は関東在住の友人の厚意によって、映像を見られますが、ありがたいことに初回KOだったので、
スポーツニュースでもほぼ一部始終が見られたことでしょう。





良い勝ち方、印象的な勝利、ということには異論ありません。
自信を持って打ちかかり、厳しく詰めて倒した。過去のもどかしい闘いぶりとは違い、ぱっと見て躍動感があります。
ようやく、相手との力量差を、試合の中で形に出来るようになってきた、という印象でもあります。

しかし、世界へ前進、といえる試合だったかどうかというと、ちょっと違うかなと。
これはあくまで「勝てば、世界へ前進」といえるような試合に歩を進めるための、前段階の試合、
ひとつ手前の試合でしかない。

もちろん、その前提で言えば、良い勝ち方でしたし、次の段階への期待を持てる試合でした。
アメリカの、ベガスのリングで、顔見せの試合を経て、さらにその先に進む。
日本のボクサーがこういう形で上位を目指すのは、希有な例だといえるでしょう。
次の試合こそ、いよいよ世界へ向けて、真に重要な一戦になるのかもしれません。

何とか、関西でも放送するか、BSやCSでも見られるようにしていただけると有り難いのですが。


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あまり騒がれないですが、亀海喜寛がヘスス・ソト・カラスと再戦
9月10日のフォーラム、クアドラスvsロマゴン戦のアンダーだそうで。

なんだかすっかり、米大陸の「リーグ」の一員として定着していますね。
世界挑戦というところまでの壁は高いですが、メインイベンターとしての評価は確かなものでしょう。
これまた、よくここまで来たものだなあ、と感心するしかありません。

これは当日、WOWOWでやるのでしょうかね。英国ではゴロフキンvsブルックがあり、
アンダーもあれこれ組まれていて、ビッグイベントというか、ほとんどお祭りの勢いです。


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中継と言えば今日は生中継ですね。
高山の相手は、OPBFの正規や暫定やという、ごちゃごちゃした話の当事者です。
スカッと決着を付けてもらいたいものです。
岡田博喜も、この辺の相手でしたら、鮮やかな勝利を期待します。


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先日放送あった、長谷川穂積も出演した「明石家電視台」の動画、見つけましたので紹介。
自分でアップしようかと思っていたんですが、なんと番組公式なんですね。





まあ色々ありますが「9月はリメンバー」とは、なかなかシャープです。さすが長谷川や...。
これは15分過ぎあたりです。他にももちろん、エエ話もしてますので、是非どうぞ。







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「防衛線」の設定見えず グスマン戴冠、和氣慎吾を4度ダウン

2016-07-21 16:04:36 | 関西ボクシング





ということで暑い中、昨日は府立で観戦してきました。

事実上のメインイベント、和氣慎吾vsジョナサン・グスマン戦については、
前記事のプレビューめいた記事で、あれこれつべこべと書きましたが、
試合自体は「こういう風にはなってほしくないなあ」と思っていたものがほぼ全て出た、
という感じでした。ざっと感想を。



初回、和氣はジャブ、ワンツーを見せる。グスマンは右から入って左を返す。
その迫力に場内どよめくが、過去の試合映像そのままの攻め口でしかないのも事実。
これに巻き込まれず、お付き合いせずに、外していけば勝機はあるはず。

そう思っていたのですが、対する和氣は、丁寧に足を使って外すことよりも、
これまでの試合同様、当てたい、打ちたいという意識も見える位置取り。
何より数回あったグスマンの強振のあと、動きが逆に小さくなっている。
そして、ガードもいつも通りというか、いつも以上に低い設定、悪く言えばルーズなまま。


それでも初回はヒットはされず終えはしました。しかし立ち上がりから、
和氣がひとつミスしたら、一気に踏み込まれる、攻め込まれる展開になってしまっている。

和氣は、相手が少ない好機で自分を倒せる力を持つ選手である現実に対し、
これまでの試合とは違う作戦、具体的に言えば攻防の配分や、防御態勢の設定を変えて臨む、
という風には見えませんでした。
「防衛線」の設定が見えず、従来通りの引き込み加減のバランスで立ち上がって、
いざ直面したグスマンの強振に、すぐに圧され、萎縮の兆候が見える。

考えていた中で、最悪の目が出た。それが初回終了後の正直な感想でした。


2回、それでも和氣がぎりぎりでも外していくうちに、良い流れができればと思い見ていました。
その状態がバッティングと、その後の追撃で崩されて以降、試合はワンサイドになりましたが。


序盤、相手が打ってくるときは、まず防御を優先して動き、打ち返すのは後回しにして、
とにかく動いて外す、くらいの意識づけが欲しい。攻めはジャブを格好だけ、という感じで充分。
試合前はそんな風に思っていました。
しかし実際の試合を見ると、そこまでのシビアな「防衛線」は設定されていなかったようでした。


もっとも、仮にその意識づけ、設定が和氣にあったとしても、
結局はグスマンがそれを打ち崩していたのかもしれません。

右から左と返す強打、好機に見せる強打と、冷静かつ狡猾な闘い方は、やはり「上手」と見えました。
ダウンを奪ったあとも、ひとしきり打ったかと思えば和氣のダメージを見る場面もあり。
和氣の反撃が少しでも出れば、間合いを変えて追撃の機会を与えず、一息おいて右のダイレクトで倒した
5回のダウンシーンなど、実に冷静な「ハンター」ぶりでした。

2回のバッティングによる切り込み、5回のゴング後の加撃など、感心しない部分も見えました。
6回以降は時に被弾もしていました。
しかし体力を巧みに温存して、圧倒的なリードを前提に、きっちり勝ちに繋げる試合運びは
これまでの試合でも見られた勝ちパターンで、それを手放すようなことはありませんでした。

今後、このパターン、前提を彼に与えない相手と対したときに、彼の真価が問われるときが来るのでしょう。
それはまた別の話になりますが。


試合全体を見返すと、あとはやはり、6回以降ですね。
和氣の奮戦は立派でしたが、同時に、5回終了時で棄権されているべき試合だったのではないか、とも思います。
もちろん、様々な意見があることでしょうが。


闘い方自体に正直言えば不満もありますが、やはりこういう強敵相手との試合に挑んだ
和氣慎吾に対しては、同時に拍手も送りたい気持でもあります。

良い経験にしてほしい、とは、安易に言っていいのかどうかわかりませんが、
世界上位の実力者と闘って感じたものを、もし再起するならば、生かしていってほしい。
そして、これまでのキャリアで実現しなかった、国内での上位対決などを通じて、それを見せてほしいと。


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この試合のあとの井岡一翔に関しては、見事な技巧を披露しての勝利だったと見えました。
感想としては、この磨き上げられた技巧をもって、世界王者に挑んでもらいたい、というに尽きます。
昨年のレベコ連勝により、世界上位の技量は証明されているんですから、そろそろと。

WBAから出たオーダー云々については、実際そうなっていない以上、無意味です。
王者エストラーダが、井岡と闘うことにどのような意義を見出すのか否か、と考えると。
「年末予算」から大盤振る舞いがあるにしても、それでも普通ならドニー・ニエテスの挑戦を受け、
その後はロマゴンを追って、という流れになるのでしょうし。
あと、負傷で休養中ですから、まずは回復してからの話でしょうね。


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日本スーパーウェルター級タイトルマッチは、野中悠樹が安定した技巧を見せ、丸木凌介をポイントアウト。
しかし丸木もコンパクトなワンツーなどで、地道に反撃を続け、健闘しました。

OPBFバンタム級タイトルマッチは、山本隆寛がレックス・ワオを初回ノックアウト。
二度のダウンを奪いフィニッシュしたのですが、それがどちらも驚くほど鋭いタイミングのボディブローによるもの。
カウンター気味に、体を締めるタイミングを外されて打たれたらしいワオ、相当ダメージ深く、なかなか立てず。
なんとか立ち上がったあとに見ると、右足が痙攣していて、片足でケンケンしている状態。

予想外の強烈な結末でした。山本隆寛、短い試合でしたがなかなかの充実ぶり。
そろそろ、益田健太郎との対戦なんか、面白そうです。次は久高寛之に連勝したマーク・ジョン・ヤップらしいですが。


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前座では6回戦、スーパーフライ級で好試合。
井岡弘樹ジムの幾田颯と、広島三栄ジムの井上太陽が終始、打ち合いを繰り広げました。

長身のサウスポー幾田は、体格で圧倒的優位。対する小柄な井上は、スイッチしながら果敢に出る。
遠いところからロングのパンチで圧倒する幾田に、伸び上がるような連打で対抗する井上。
日本、東洋のあと、世界戦までの合間に挟まれた予備カードということもあり、
場内はさほど盛り上がっていませんでしたが、間断なく続く激しい攻防は見ごたえ十分でした。

結果は幾田が3-0で勝利。これで6戦6勝(2KO)。新人王戦には出ない路線の選手だったようです。
井上は全日本新人王決勝で、帝拳の梶颯に敗れて以来の再起戦で苦杯も、またも果敢な好ファイトを見せました。

これは長丁場も辞さず、会場に足を運んだ者に対する、ちょっとしたご褒美といえる試合でした。いいものを見ました(^^)


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防御の「品質維持」が問われる 和氣慎吾、強打グスマン「封殺」なるか

2016-07-18 11:10:39 | 関西ボクシング



ということで、今週の大阪を皮切りに、三ヶ月連続のダブル世界戦が行われます。
前座にも日本、東洋のタイトルマッチがあり、和氣慎吾の世界戦まで組まれるということで、
ひさびさに井岡ジム興行に足を運ぶ予定です。
二階席の隅っこから眺める、という感じになりますが、一応生観戦です。


個人的なお目当ては、野中悠樹の試合もそうですが、やはり和氣慎吾ですね。
彼の初の世界戦が大阪で開催とは、想像すらしたことがなかったですが、
世の中どんなことでも起こるものです。
いろいろ事情もありましょうが、日頃関東で和氣を応援している方々からすれば、
やはり不都合なお話ではありましょう。地元岡山からの方々にとっては幸いかもですが。

もう少し早くプレビューめいたことを書こうと思い、ジョナサン・グスマンの動画は
二試合ほど見ていたんですが、今頃になってしまいました。


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まず動画紹介。昨年10月10日、ダニー・アキノ戦。アキノは17勝(10KO)2敗。
黒のベルトライン、ゴールドのトランクスがグスマン。
母国カナダ国旗の緑、白、赤の三色トランクスがアキノ。





序盤からグスマンのパワーが目につく。ジャブは少なめながら右が伸び、返しの左フック。
3回、左の返しで倒し、右からの連打で二度目。
中盤以降も反撃を試みるアキノを迎え撃つ形で強打を見せる。
9回、右を打ち下ろし、追撃でアキノ倒れ、ストップ。


もう一試合、今年4月29日、メキシコのダニエル・ロサス戦。
ロサスは20勝(12KO)3敗1分。
IBFの「2位決定戦」。




序盤から、左右共に打ち抜きの効いた強打で優勢。
5回終了間際に左フックで倒す。8回も攻勢、最後にロサスが倒れたところでゴング。
この回終了でTKO。


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21勝21KOのレコードもなるほど、と見て思わせるパンチ力の持ち主です。
しかし、全体的に見て、攻防共に完璧に「出来た」一級品かというと、まだわかりません。
映像が意外に少ないこともありますが、未知数な部分あり、です。


パンチは左右ともに強そう。打ち抜きの効いた打ち方。
この二試合では左フックがダウンを奪う決め手になっている。右からの返しが得意そう。

構えは左を下げ加減。ジャブで作っていくという風ではなく「来る」相手を迎え撃つ型か。
体力温存のために、こういうスタイルを選択しているような印象。

リズムはあまり感じない。強振する傾向あり、と言える部類に見える。
もし長身で速い相手に足を使われたらどうか。サンプル不足なので何とも言えず。

距離はやや遠目、スタンス広めの設定。打ち合って力が出るのは中間距離。
パワーがあり、けっこう正確に当てる。好機を得た時の詰めが厳しく、思い切りの良い判断をする。

反面、ダウンを奪ったあと、慌てて出ずに見て、相手を泳がせているような場面もあり。
後退しながら右カウンターを決めたり、見た目の印象よりも冷静だったりする。

あと、ジャブの後に相手が来たときや、クリンチ間際に肘を使って相手を止める。
良く言えば厳しい対応が身についている、となりますが、悪く言えばダーティー。
これは試合前のルールミーティングなどで、和氣陣営は厳しく言っておいた方がいいかも。


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ということで、これに和氣慎吾がどう対するか、です。

和氣慎吾の特徴をざっと言うと、長身、サウスポー、身体半分右に出し、相手の身体を
自分の左が当たる最短距離に置いたときの左強打に威力を秘める、というところです。

この距離と位置関係において、いわば「スイート・スポット」とでも呼べる空間に
相手が来たところを打つ形で、和氣は抜群の強さを発揮します。
左もストレートのみならず、左アッパーをいきなり決めて倒した試合もあります。
好機を得れば、相手が世界のトップ選手であろうとも、クリーンKOを実現する力があると思います。


その反面、構えや位置取りが、相手を引き寄せ過ぎではないかと見える場面もあります。
構えの前に、相手のパンチの「通り道」がある。
或いは、良いパンチを打てる立ち位置を相手に許し過ぎている。
そんな印象を持つ場面が、過去の試合では見受けられました。
日本や東洋の相手ならまだしも、これが世界戦となったら...という印象は拭いきれません。


初の世界戦、強打のグスマンに対し、作戦としては当然、足を使うことになるのだと思います。
右リードで牽制し、右回り基本、足で外し、ダックで右に出て、時折左ストレートを伸ばして、
遠ざかりつつ左周りで巻き戻し、また右へ...という繰り返しを上手く続けて、
グスマンの強打を空転させ、徐々にダメージも与えうつ...という流れが理想的でしょう。

しかし、スタイル的にはこの選択が正しいとしても、グスマンの強打と馬力が、
易々とそれを許してくれるわけもなさそうに思えます。
これまでの和氣の闘いぶりが、上記したような「引き寄せ」傾向にあったことを、不安に思いもします。

和氣が勝つには、丁寧に防御して、慎重に立ち上がりを闘うことが前提でしょう。
疲れもせず、ダメージも無い、元気な序盤のうちからこの相手と打ち合うことになってしまったら、
十中八九打ち負けて、悪くすれば倒されるでしょう。

長身、リーチ、大柄なサウスポーであるという自分の利点を生かし、防御の質を落とさずに維持して、
グスマンの強打を封殺する展開を作ることが、勝利への道だと思います。
その流れさえ掴めれば、充分勝機はあるし、鮮やかな形での勝利も期待していいと思うのですが。


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とまあ、若干堅苦しく書きましたが、共に強打という強みを持つ、日本とドミニカの上位対決です。
ファンとして見れば、純粋に楽しみです。
結果は正直、読みにくいです。共に不安、未知数な部分もあります。
しかし、この日のメイン(というか、単に「いちばん最後の試合」ですかね)のようなカードよりも、
よほどわくわくした気持ちで迎えられる試合です。

和氣慎吾、ジョナサン・グスマン、両者の健闘をまずは祈ります。
そして、内容と結末が、これぞボクシング!と思える、爽快なものであってほしい、と。


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「Boxing Raise」初観戦 粉川拓也防衛も、挑戦者の健闘許す

2016-07-16 11:09:29 | 関東ボクシング



ということで、DANGANシリーズの動画配信「Boxing Raise」で、
昨夜は粉川拓也vs大嶽正文の日本フライ級タイトルマッチを観戦しました。

粉川が全体的にヒットで上回って、3-0での判定勝利でしたが、
37歳の挑戦者、大嶽正文の健闘も光った一戦。
スコアは大差でしたが、内容的にはそこまでの差があったかどうか。


粉川はもう少し足や上体を動かして、大嶽のパンチを外せるかと思っていましたが、
序盤、若干足で外す意識に欠け、動き自体が止まり加減。

ジャブ、右、アッパーを交えて打ち勝っていましたが、大嶽も数では劣るものの、
2回には二発、危ないタイミングで右を合わせてくる。
これを食って、粉川のバランスが若干後ろにずれる場面も。

4回は大嶽の右がまたヒット。5回も、大嶽の側にもチャンスありと見える打ち合い。
大嶽はポイント上では劣勢、手数でも劣るが、粉川が打ち合いに応じたこともあり、果敢に打ってくる。

しかし、6回以降は徐々に、粉川がはっきりと打ち勝つ流れに。
大嶽も粘り強く闘いましたが、中盤以降は粉川が軽いながらも連打の数を増やし、
厚みのある攻撃で大嶽を抑え、終盤は明確に突き放す。
最終回はもう一押しでストップも充分あり得る、という印象でした。


粉川は大差での勝利でしたが、全体的に動きを止め加減で、挑戦者大嶽の粘りを引き出し、
それを全部引き受けてしまうような展開に終始しました。
正直、力量には差があったように見えましたが、辛く言えば、このくらいの相手に、
「両者、全力を出し切った熱戦」をやっているようでは、少し先行きに不安あり、です。
確かに、大嶽の健闘は光りましたが、序盤からいいのを打たれる可能性を、安易に与えすぎではないか、
そういう印象も残った一戦でした。


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さて、動画配信についての感想、雑感なども一応書いておきます。


画質については、当然ながらHD放送のようにはいかず、及第点ぎりぎりかなというところ。
TV(42インチ)とタブレット、両方で見ましたが、同じ印象でした。
機材などの面で限界もあるのでしょう。当面はまあ、仕方ないですかね。


音声に関しては、場内音声のみなのかと思っていたら実況解説あり。

実況の方は、特に酷いとかいうわけではありませんでしたが、ボクシング用語に少し不案内かなという印象も。

解説は、ボクシング芸人こと、やすおかだいごさんと、姫路木下ジム石津マネージャーのふたり。
常日頃見る、TV局による中継ではまず出てこない「○○ジムは今年に入って何勝何敗」
「○○ジムはこれこれこういうスタイルのボクシングで」というようなコメントは、
有料配信ならではの価値がある、という印象。
通り一遍の流れ作業で作られている、としか言えない、従来型のTV中継との差別化をはかるためにも、
このレベルのコメンタリーを継続起用してもらいたい、と期待します。難しいことも多々ありましょうが。


あと、メインイベントに入ってから、まあこれはこちらの接続状況にもよりましょうが、
4回ほど画像が止まりました。一度画面を閉じて、もう一度繋いだら見られましたが、
ラウンド序盤10秒ほどが見られない、という事態が続きました。
これは今後、ちょっと不安ですね。


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明日生中継/井上の「参戦」より先に/早い復帰/笑顔と笑顔

2016-07-14 19:50:33 | 話題あれこれ



DANGANシリーズの動画配信が始まる、というニュースは少し前に見ていましたが、
今月は二興行を生中継、その他地方の試合も録画配信があるとのことです。

明日のフライ級タイトルマッチに、25日のダブルタイトルが生中継。
その他六島ジムの興行は録画だそうですが、後日配信とのこと。
これで月額980円。当たり前ですが、ホールに出かけて見るよりはずっと安価です。
とりあえず申し込んで、見てみることにしました。


細川vs斉藤戦は観戦予定ですが、同日一部の丸田陽七太戦が難しそうなので、
是非こちらも見られたら嬉しいんですが。
と思っていたら別記事に、8月7日大阪府立二部のメイン、田中一樹vs坂本英生戦の配信もあり、と。
まだHP自体には情報が出ていませんが、これもありがたいですね。
当日は一部の拳四朗vs大内淳雅戦を観戦しますが、二部は難しいかもしれませんので。


これから、こういう動画配信サービスがどの程度、ビジネスとして成立していくものかは不明ですが、
出来れば業界挙げて協力体制を敷き、スケールメリットを生かした展開が出来れば良いですね。
画質、音質その他、今は限界があっても、今後発展していく可能性は充分にありましょう。

私としては、どうしても会場で直に見たい、という場合は馬鹿をやるにしても、
見てみたいけどそこまでは出来ないか、という場合は「Boxing Raise」で、有り難く観戦することにします(^^)


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決まりました、クアドラスvsロマゴン。9月10日フォーラムで。
すんなり決まるかどうか、と思っていましたが、杞憂に終わって良かったです。

かつて「グレート・ウェスタン・フォーラム」の名称で知られ、
メキシカンの名勝負といえば大概ここ、という会場です。
メキシコ国内で人気急上昇中のカルロス・クアドラスが、最強ロマゴンを迎え撃つには
最高の場所、ロケーションでしょうね。
おそらく当日、場内は大観衆の熱狂に包まれることでしょう。

ロマゴンが115ポンドの体重で、独特の下肢から刻むリズムで繰り出す連打を
これまでと変わりなく繰り出せるものか、その辺が気になるところですが、どうなりますか。

しかし、井上尚弥が国内で試合をしているうちに、世界はどんどん先へと進んでいくんだなぁ、
という気持ちにもなる、決定の報でした。
まだ若いとはいえ、いつまでものんびりしてる場合ではないですよね。


あと、記事によると米国ではHBOが当日、英国でのゴロフキンvsブルック戦ともども生中継するそうですね。
さて、我らがWOWOW様はどうなりますか。是非に...と思います。さすがに難しいかも知れませんが。


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パッキャオ復帰、という話。
早いでんな!とは、誰の心中にも思い浮かぶツッコミでしょうが。

基本的には、それなりに長くボクシングを見てきた上で「ボクサーの言う引退なんて、真に受ける方が馬鹿」と
一応わかってはいたつもりではありますが...。
先の試合のあと、例えば一年くらい経ってからなら、こういう話も出てくるかな、と思いますが、
あまりにも早すぎやしませんか、と(笑)

よくは知りませんでしたが、税金その他、あれこれ大変らしい、ですね。
先の試合は結局「引退ごっこ」だったのかなぁ、というところです。
別に腹が立つというわけじゃないですが、いくらなんでもなぁ、とは思いますね。


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いったい、どういう話を通じてか知りませんが、ええ顔で笑ってはります、お二方

両者のコメントを読むと、言葉というのは悪い意味で「言の葉」に過ぎんのやな、とげんなりしますね。
モノは言いよう、なんていうのを遙か彼方に通り越してます。

ま、いったいどんな施策がでっち上げられるものか、どんな展開があるのか、のんびり待つとしましょう。
結果、また乾いた心で笑いが漏れる、というようなことになるのやもしれませんが。



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会見など動画/下限ぎりぎり/アムナット五輪へ/まさかの一段飛ばし

2016-07-10 09:39:16 | 長谷川穂積



長谷川穂積のウーゴ・ルイス挑戦決定ということで、毎度お馴染み「せやねん」で
会見の様子やインタビューなどが放送されました。

会見場へ向かうタクシーの中でちょっとした「事故」に遭ったりもしておりますが(笑)
まあ常日頃、我々が思う以上に頻繁に、こういう目に遭っているんでしょうねえ。
何とも言えない表情してました。

ということで動画紹介しておきます。数日で消しますのでお早めに。





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昨夜、深夜の録画放送で辰吉寿以輝の5戦目が放送されました。

会場は府立の地下、対戦相手はインドネシアのランカー、リオ・ナインゴランという選手。
5戦目にして一応メインイベンターという形での登場となった辰吉、
大きく振ってくる右は本気なれど、他には何も無いナインゴランをボディ攻撃で3回KOしました。

メインイベンター、或いは関西ローカル録画とはいえTV放送される試合としては、
下限ぎりぎりのレベル、というのが率直なところです。これでも甘いかもしれませんが。
本人も周囲も重々承知していることを、敢えて言うこともないかもしれませんが、
これまでの試合ぶりからすると、「タツヨシ」の名がついていなければ、さほど注目されることのない選手です。
ボディ攻撃を中心に、新人としては攻撃力がある方、という感じでしかありません。

もっと地道に、試合数を重ねて実力をつけていくべきだと思うんですが、もうメインに「抜擢」してしまうんですね。
記事を見ても、そういう指摘をしようという気は誰にもさらさら無く、右手回した、とかいう見出しまで。

ある意味、なんと無慈悲で残酷なんだろう、と感じます。ボクサーやボクシングへの愛情や敬意など、欠片も無い。
「商売でやってはるんやから、書くこっちもそれ相応にやるだけやがな」というところなんでしょうか。

今後しばらくは、こういう路線でいくんでしょうね。
試合数はそこそこのうちに、何か体裁を整えられるような形に持って行くんでしょう。
業界全体で、いろいろと扱えるタイトルの数を増やそうという動きもあるようですしね。
その過程で、本当の実力がうまく身についてくればいいんですが。


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リオ五輪最終予選、結局リボリオ・ソリスは出場せず、なんとアムナットがライト級で出場権獲得
他にも数名、プロが出ているようです。

今回は出場可の決定から時間がなかったせいもあってか、僅かな動きにとどまったようですが、
次の東京五輪までに、いったいどんな情勢の変化があるのか。
4年という時間は、物事が大きく動くには十分な期間のように思えます。
何事もゆっくりしか動かない?日本という国が、よりによって次回開催国であることというのも含め、
どんな展開があるのか(ないのか)、楽しみなような、ちょっと怖いような気持ちでもありますが。


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ゴロフキン次戦決定、はいいのですが、対戦相手が「ブルック」と目に入ってきたときは
「え、ブルックって、どこのブルックさん?」と、一瞬意味がわかりませんでした。

ミドル級の上位を、片っ端から「掃除」してしまってるゴロフキンの対戦相手選びが難航しているとはいえ、
まさかこんなところから引っ張ってくるとは。びっくりでした。

ケル・ブルックもまた、キース・サーマンやダニー・ガルシアら、米国のビッグネームとの対戦が
ポーター戦以降なかなか決まらず、困っている様子だっとはいえ、まさかの一段飛ばし、とは...。

もし、両者の体格面に大きなハンデがないのなら、好カード実現と諸手を挙げて喜ぶところですが、
実際リングの上で対峙するまでは、その判断もつきません。
たぶん、かなり身体の厚み自体に差があることでしょうが...。

しかし、世界のリングでは、勝てば掴める大きな成功を目指す選手や陣営が常にいますね。
ある段階では、微妙な術策をこねくり回して、変なことになっている人もいるにはいますが。

さて、これはWOWOWで生中継あるんでしょうか。
欧州の試合ですから、やるにしても日曜早朝か。早起きしてでも見てみたいカードではあります。

※よく考えたら飛ばすのは「一段」が正しいと気づき、訂正しました(^^;)






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府立二大決戦!/東でも/プロ転向/まさかの引退/こちらも、最後の挑戦?

2016-07-06 19:57:53 | 話題あれこれ




ということで、しばらくあまりあれこれ書こうかという気にならず、
更新が滞りがちだったんですが、最近になって一気にあれもこれも、という感じです。
観戦予定も立て込みそうです。この夏は盛り上がっていきましょう(^^)


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ということで山中慎介、長谷川穂積のダブル世界戦は府立。9月16日。
長谷川はウーゴ・ルイス挑戦山中はモレノ師匠との再戦を、敢然と受けて立ちます。

予算的に、こんなカードふたつ並べられるもんかな、たぶん山中は他の相手とやって、
来春に師匠と再戦するんやろうな、と勝手に思っていたんですが...。

昨年、この試合だけのために、ヒコーキ乗って大田区の体育館まで行ったことを思えば、
本当に見に行くの楽です。ありがたいことでございます。
これは当然、外さず観戦です。またおいおい、あれこれ取り上げていきたいものです。


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ダブル世界戦、といっても中身的にどうかいな、コレを「世界」と言わせといてええのかね、と
思うようなのが含まれている場合も多い昨今ですが、今回の東西ダブルは、これまでよりはそのへん、
質的改善が見えます。西の方は上記の通りですが、東の方も、これまでよりはかなり良い方でしょう。

何よりルイス・コンセプション来日ですからね。確かにカルロス・クアドラスに敗れて、
いよいよ正念場であるのは事実でしょうが、河野公平にとっては、やはり強敵です。

河野にとってはリボリオ・ソリス戦以来の強敵相手の試合です。というか、過去最高の強打者相手でしょうか。
防御に難があり、ある程度打たれることを織り込んで闘う以上、強打の相手に有利の予想は立てようもありません。
しかし、相手が強いほど、河野の粘り強いスタイルと、倒す間合いを掴んできた右の威力は光るはずです。
そういう面では、楽しみな試合でもありますね。


田口良一は宮崎亮との対戦です。日本上位で活躍した時期が少しずれた二人が、世界戦で激突ですね。

頑健な長身のパンチャー田口、小柄ながら柔軟なカウンターパンチャー宮崎、双方ともに
特徴がはっきりしていて、対照的な部分も多い、面白い組み合わせです。これも楽しみなカードです。

しかし、宮崎亮がやれ1位だ、指名挑戦者だというのには、正直かなり違和感があります。
残念ながら、ファーラン戦のKO負け以降、彼が闘ってきた相手の顔ぶれを見れば、
何でこれで世界ランキングが上昇するのか、わかりません。誰もまともに説明できる人はいないでしょう。

そういう状況のまま、不器用ながらもよく鍛えられていて、対戦相手も世界上位相手ではないにせよ
その少し下くらいの相手と戦い続け、被弾もありながら結果はKOやTKOで勝っている田口に挑むとなれば、
やはり明るい展望よりも、暗い想像が先にきてしまいますね。

宮崎亮の世界再挑戦は、もう少し「満を持した」ものであってほしかったです。
かつての、才気に溢れ、闊達なボクシングが、田口良一を相手に再現されれば...というのは、
やはり希望的観測に過ぎるような気がします。そうなってほしいという思いではありますが。


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これまた、普通に大ニュースですね。ずいぶん前からあれこれ話題にはなっていましたが。
清水聡、大橋ジムからプロ転向

井上兄弟、八重樫、細野とメインイベンターを多く抱えるジムですし、試合数も多く組めるでしょうから、
まずは収まりの良いところに収まったかな、という感じですね。
アマチュアが長く、年齢もいってますから、プロの試合形式に早く慣れられるかどうかがカギでしょうか。

左で、長身で、懐深く、一発のパンチが重い、というのが五輪などで見た大まかな特徴ですが、
フェザーからライト近辺で、日本の上位と闘うところまで来れたら、まずはそのあたりでいろいろ楽しみですね。


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その「近辺」の選手のひとり、仲村正男がまさかの引退表明とのことです。

WBA王座挑戦交渉中、という話が専門誌に出ていたくらいですから、唐突ですね。
理由は、本人がブログで書いた心情的なものだけだとは思えませんが...。

とにかく、勝っても負けても懸命で、スリリングな数々の試合ぶりが目に焼き付いています。
観客を興奮させることが出来る、真のプロ、スター選手でした。
好機を得たときの強さは、まさしく世界を狙えるレベルで、期待もしていたんですが。
本当に驚きましたし、残念です。


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千里馬神戸の松下拳斗(玉越強平)が、尾川堅一挑戦決定とのこと。

内藤律樹に敗れた後、日本ランキング表から名前が消え、代わりに「松下拳斗」という名前が出たときは
「あれ、またフィリピンから選手連れてきたのかな(懲りもせんと...)」と思ったんですが(^^;)
戦績を見て、玉越の改名と気づきました。
そうか、まだ現役続行するのか、しかも名前変えてまで...と思い、正直に言えば複雑な気持ちにもなりました。

その後の試合の様子は、YouTubeで見たくらいで、会場では見ていないのですが、
おそらくこれが、かつてジムメイトだった長谷川穂積同様に、今度こそ、最後の挑戦となるのでしょう。

かつて、WBC1位だったダンテ・ハルドンを倒しながら、世界ランキング上位を得られなかった不遇を経て、
強敵相手に挑んで敗れてきた彼の前に、またも強打の王者が立ちはだかります。
予想がどうとか、もはやそういう心情ではありませんが、強いけど粗いところもある王者ですし、
なんとか攻略の糸口を掴んでもらいたいと思います。あと、頭も結構露骨な時があるので、充分に注意して...。



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強打を決める「型」がある 比嘉大吾、10連続KO勝ちで初の王座

2016-07-04 23:00:07 | 関東ボクシング


土曜日はG+の生中継で、比嘉大吾の見事なOPBF王座奪取を見ておりました。
今頃更新ですが、見事な勝ちっぷりだったので、簡単に感想を。


比嘉が初回から先手。
低い姿勢から伸びる左アッパーで切り込む。小さい右のボディストレートが良い。

2回はアーデン・ディアレの目で外す防御が出て、少し攻めあぐみ...と思いきや、
ロープ際でコンパクトな右ショートが頬のあたりに決まって以降、ボディから上、というパターンで猛攻。
左アッパーを脇腹から内側へ返し、直後に右の小さいストレートが上ではなくボディへ。
ディアレの読みを外した一打が効いて、ダウンを奪う。
福地レフェリーのカウントの仕草をストップと勘違いした比嘉がコーナーに駆け上がるが、
かろうじて立ったディアレ、ゴングに救われる。

3回は右クロスから左の返しで二度目のダウン。
4回、右から左のボディで止め、右クロス。三度目のダウン、ディアレ立てず。



歴戦の王者を三度倒したわけですが、この一戦で、比嘉のスタイルが少し見えてきました。

ボディ攻撃は、左のダブルを外(脇腹)から内(時に上)と打ち分けて、右クロスへ繋ぐことが多い。
単に対角線のコンビを下→上、と打つよりもさらに工夫がある。
相手のサイドへの動きを封じるための位置取り、ボディ打ちの左右どちらを打つかの選択が適切。

そして「崩し」の段階、序盤は上への右を、コンパクトに打つ。同じ振り幅でボディも打てる。
以前、川端賢樹が似たようなパンチを打ち分けていたと記憶していますが、
短躯のファイターが、攻めてインファイトをする流れで、相手のインサイドを、
上下ともに打てる、非常に有用なパンチを持っている。

ジャブは若干省略気味。いきなり左アッパーから攻めたりもする。
下半身の使い方が少し粗く見えるが、前に出て連打する流れの中で、独特のバランス「補正」をする。
「沖縄のロマゴン」という呼称は、このあたりがなるほど、確かに本家と似たところがあるせいか。


単に果敢なだけでなく、ボディを攻めて止め、上下のコンビで仕留める、という型をしっかり持っています。
スタイルは違えど、この「理屈」自体は、師である具志堅用高会長と、かなり共通していますね。
まだ若いし、積極的な闘いぶりが魅力的です。非常に今後が楽しみな選手です。


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しかし、具志堅会長が語った「年内に世界戦」という言葉には、一言、物申しておきたいと思います。

まず、たった10戦、しかも強敵と言える相手が見た限り二人くらい、というキャリアの選手が、
例えばカシメロ、アムナット、井岡、コムパヤックにスタンプといった世界上位を破ったならともかく、
その下に位置する選手に勝ったからといって、軽々に世界云々というのは、いかにも今時、当世風なお話に過ぎません。

ビートのコラムで尾崎恵一氏が書いておられたように、昔日の矢尾板、関の時代と違い、
OPBFが真のアジア最強を意味する時代ではないのです。
世界に数ある、下部団体王座のひとつに過ぎないのですから。


今回の勝利は確かに見事で、TVで見ていても快哉を叫びました。
が、それは「すぐにでも世界を」という意味ではありません。
「これは強い若手が出てきた。もう、日本王者の粉川と闘って、勝てば真の国内最強と言えるとこまで来てる」
と、具体的な内容は、こういうものでした。

まあ、それは当然、人それぞれに評価があることでしょう。
しかし、具志堅会長が言った言葉に対し、例えば試合後の取材などで「世界云々より、日本王者に粉川がいますが、
まずはそちらと闘って国内最強を証明すべきでは」と問い返すような記者は、ただのひとりも存在しないんでしょうか。

何も具志堅会長に限った話では無く、スポーツ紙はもちろん、専門誌記者や寄稿者の方々は「会長」という立場の人たちに、
常日頃から、あまりにも、いいように相撲を取られすぎ、という気がしてなりません。


まあ、年内だ大晦日だといっても、今のフライ級世界王座を巡る情勢を見れば、挑む先がそう簡単にあるとも思えませんが。
そういう話よりも、まずは粉川拓也戦じゃないんですかね、やるべきは。
これ、良いカードだと思うんですけどね。実現すれば、観戦を検討しないといけない、というくらいに(^^)

コメント (2)
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