さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

呆れるほどの完勝

2008-06-30 23:26:03 | マニー・パッキャオ
情報シャットアウトで、先ほど録画を見終えました。
マニー・パッキャオ、完勝で4階級制覇でした。

もう、何と言うていいのかわかりません。
変な言い方ですが、少々、呆れ果てております。
4階級目の王座獲得試合が、キャリア最高の技術的勝利、ってのは
いったい何なんですかね、このお方は(^^;)

体格面でまさる王者デビッド・ディアス、まずは身体で押し込んで、
それをパッキャオが左の強いストレートで押し返しに来て、
パッキャオが前にのめったところを打ちたかったんでしょうが、
それ以前にパッキャオの右リードで突き放され、
立体的なボディワークに反撃も空転するばかり。
ダメージ溜める一方で、9Rには最後の弾を撃ち尽くした戦闘機が
撃ち落とされるかのようなイメージで倒されました。

今日の試合はサウスポー同士だったので、
右リードの巧拙がもろに試合を左右しました。
パッキャオと言えば左のストレートがKOパンチですが、
今日のパッキャオは、多彩な右リードとボディワークが冴え渡りました。

多くのボクサーやトレーナーが思い描く理想、
得意のパンチの数を少なくしても勝てる、
布石の部分が充実した、内容の濃いボクシング。
今回のパッキャオは、それを最初から最後まで実現しました。

そしてフィニッシュがまた見事。
完璧なタイミングと角度のカウンターパンチ。
あの勇利アルバチャコフが、国技館でムアンチャイを8Rに沈めた
完璧な右カウンターを思い出しました。

普通、3階級制覇試合でも苦しいのが常ですけど、
この人は間をいくつか抜かした4階級目の王座獲得試合で、
まだこんな試合をやってしまいます。
本当に、今まで見たことも聞いたこともない、トンデモさんです(^^;)
こういう凄い選手の活躍を、リアルタイムで見られることは、
本当に幸福なことですね(^^)

と、次の話が早速出ていて、エドウィン・バレロが有力なんだそうとか。
いやはや、真の英雄というのは、休み無くファンを興奮させるものなのですね...。

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祝福される挑戦

2008-06-24 10:28:32 | 関西ボクシング
石田順裕が世界挑戦者決定戦に出場とのことです。
相手は世界7位マルコ・アベンダーニョ。

昨年、石田のベストファイトといわれたハビエル・ママニ戦に続き、
またも世界ランカー対決です。
最近充実した試合を重ねている石田だけに、これは楽しみです。

しかし、この一戦が暫定王座決定戦になるかも、と聞くと、
ちょっと複雑な感情を持ってしまいます。変なものです。

試合の看板がなんであれ、カード自体は変わらないんだから、
それはそれ、これはこれで、試合として楽しめばいいようなものなんですけども、
やはり我々は、何事においても「かくあれかし」という姿を求めるものです。


最近「祝福されざる世界挑戦」とでもいうべき試合が相次ぎました。
止めどない世界王座の増加、挑戦資格の拡大等には、いい加減うんざりしています。
石田の場合、スーパーウェルター級という階級で、世界戦組むのも簡単ではなく、
仮に暫定でも何でも、贅沢は言っていられないというのが現状でしょうから、
その辺は割引いて考えねばならない、それはわかるのですが。

完敗、惨敗という結果が出た國重隆、戎岡淳一の世界挑戦、
彼らはそれぞれに得た挑戦の機会をモノにしようと、全力で闘い抜きました。
彼らを悪く言うことは何もありません。
しかし、彼らの世界挑戦は、多くのボクシングファンに祝福されはしませんでした。

その理由については、今更あれこれ書きはしません。
ただ、それと同じこと、似たようなことがが、
石田の試合にも起こるのだとしたら、とても残念なことです。
かなうことなら、彼の世界挑戦は、勝ち負け以前に多くから、
その挑戦自体が祝福される、そんな試合であって欲しいですね。

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期待以上の激闘でした

2008-06-15 22:46:09 | 大場浩平

大場浩平vs児玉卓郎の試合を見に行ってきました。
写真はこちら

今日は4回戦も好ファイトがあり、
そうかと思えば肩の脱臼による初回ストップがあり、
東海ジムのハメド伊藤康隆敗戦などなど、
前座もけっこう見所がありました。

その後にあるはずだった岡橋龍一の試合が、
岡橋の体調不良とかで中止になりまして、
セミが大場vs児玉でした。
まあ、カードの格から言えばこればメインなんですけど。
(ちなみに所用の為、メインの和賀vsマルファは序盤で失礼しました)


さて、初防衛戦の大場ですが、前回に増して絶好調。
岐阜の壊し屋、破壊王と言われるタフネスと強打を誇る児玉が
ものすごい圧力をかけてきても動じず。
初回、ややロープ際で止まってしまいましたが、
2回以降はフットワークのスピードを上げ、ジャブを突き刺し、
左フックで回してはアッパー連発。
大場の華麗なボクシングに、さらに厳しさ、力強さが加わっていて、
これではさすがにタフな児玉といえど、最後まで保たないと思いました。

実際、7回までは大場完勝のプロセスでした。
しかし8回、左右のボディブローで児玉の動きを止めた大場が、
さらに追撃し、そろそろこの試合止めないと、なんて思った
まさにそのとき、児玉の固そうな右拳が炸裂。
大場ぐらつき後退、児玉追撃、場内騒然。まさかまさかの展開でした。

9回、大場は立っているのがやっと。足が完全に止まり、
ロープ際に詰められて打ち合いになるのですが、打ち合いは完全に児玉の勝ち。
さっきの回とは逆で、これレフェリーによっては止める人おるで、
というほどの大場劣勢でした。

10回、なおも児玉追撃、大場がしかし反撃。
両者、死力を振り絞っての打ち合いで、大歓声の中ゴングが鳴りました。

判定は3-0で大場の勝ち。しかし場内、児玉にも大喝采を送っていました。

正直、大場が児玉に押されつつもヒットでまさり判定勝ち、という展開を
想像していましたけれど、もっと静かな試合だろうと思っていました。
しかし大場が速く巧く、そして力強いボクシングを見せてくれて、
そしてその大場相手にあわやの場面を作った児玉の凄さも見せつけられた、
良い意味で事前の想像を裏切る、凄い試合でした。


大場は8回の「被弾」が反省材料でしょうし、批判もされるかもしれませんが、
その後の大ピンチを凌いだことは、今後のため、良い経験だったとも言えます。
7回までの闘いぶりは素晴らしく、あのタフな児玉を厳しく撥ね付けていました。
全体的に見て、評価を下げる試合ではなかったと見ます。
次期挑戦者ですが、姫路木下の川端賢樹から挑戦状が出ていました。
これまた、関西贔屓で、かつ大場ファンの私にとっては、心に染みるカードですが...。

児玉卓郎はもう、本当にすごいファイターです。
8回の猛攻には、度肝を抜かれました。
9回の追撃を見ていて、大場KO負けの映像がアタマに浮かびましたものね。

この児玉、4回戦時代の三谷将之戦を見ていまして、
その敢闘ぶりに感銘を受け、名前を覚えました。
そのときに受けた印象どおりに、凄まじいファイターになったものです。
今回、タイトル奪取はなりませんでしたが、
今日、会場で試合を見ていた人は、児玉卓郎の姿を忘れることはないでしょう。


ということで、見に行って良かったです。
やっぱ、忙しくても会場には行くもんやね、というのが、
毎度ありがちな私の結論なのでありました(^^)

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偉大なる関光徳

2008-06-14 00:12:49 | 関東ボクシング
関西の朝日放送ラジオ、木曜日午後の番組「酸いも甘いも」にて、
司会の桑原征平が、関光徳の一代記を熱く語っております。
ここで聴けますので、みなさん聴いてください。
tetsujinさんのご紹介で聴いてみたんですが、
実に素晴らしいのでここで紹介させていただきます。

この番組は、仕事でクルマ乗ってるときはよく聴いていますが、
この日は聴けませんでした。
tetsujinさん、教えていただいてありがとうございました。

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期待通りの勝利でした

2008-06-12 23:04:42 | 長谷川穂積
かつて、長谷川穂積と同じく、技巧派サウスポーの名チャンピオンだった
川島郭志氏が、その才能、実力に見合った人気を得られず、
それを周囲が憂慮したのか、4度目と6度目の防衛戦で、
見るからに楽勝と見られる挑戦者を選んだことがありました。

4度目の相手はインドネシアのボーイ・アルアン。
はっきりいって、技術も何もなく、世界戦に出すようなシロモノではない上に、
相手が川島郭志ですので、どうにもこうにもなりませんでした。
結局、ラフなパンチで川島を怒らせる以外何も出来ず、TKO負け。
しかも最後、カッカしてた川島がダウンしたアルアンに上からパンチを打つ場面もあり、
どうにもこうにも見栄えのしない試合になってしまいました。

6度目の相手はドミンゴ・ソーサ、ドミニカの選手。
二階級下で世界戦経験のあるベテランでした。
川島は序盤から良いパンチを決め、コンビネーションで切り込んで、
何もさせずに2回にストップしてしまいましたが、
この試合はソーサの方にも、川島には及ばないにせよ
ボクシング技術があり、攻防のリズムがあったので、
見た目にも鮮やかな、ボクシングらしい勝ち負けが見られました。


さて、今日の長谷川の試合、どっちになるかな、と思っておりました。
結果は川島vsソーサ戦の方でした。
やっぱ、世界チャンピオンが出ていないとはいえ、南米の国ですね。

相手のファッシオは右がけっこう強そうで、伸びもありそうでしたが、
何しろ長谷川が速いんで、当てる感覚を掴めませんでした。
そこへ長谷川の、ジャブより速い左ストレートが伸びてきて、
それにも対応できず。2回になって距離が近い攻防で、
懸命に打ったところに、長谷川の左フック一発、ダウン。

この攻防では、改めて長谷川の凄さを見せつけられました。
両者、共に左を打とうと始動したのに、長谷川の判断の速さ、
そしてパンチの速さがあいまって、ファッシオが打ったパンチの途中に
もう長谷川の左が決まっていました。
ああいうの、先手のカウンター、とでも言えば良いんでしょうか。
相打ちよりも先ですものね。

そのあとの詰め方があまり巧くないのはご愛敬ですが、
まあ完全に効いてて、あれ以上は無理でした。

ということで快勝の長谷川、お見事でした。
勝つだろう、倒すだろう、鮮やかにやるだろう、と期待されて、
その通りにやってしまうことは、実はたやすいことではありません。
しかしそこは長谷川、しっかりと期待通りに勝ちましたね。


ただ、今日の試合は相手のパンチを見切れたからでしょうが、
ほとんど右リードはなかったですね。
長谷川が言う攻撃的志向のボクシングをするならば、
それこそ右リードで槍衾(やりぶすま)を作るくらいの気持ちで
右を突いて、自分の距離を守らないと、米大陸のトップクラス、
スターボクサー達は、ファッシオのようなわけにはいかないとも思います。

まぁ、今回はそういう意味での試金石となる相手ではなく、
快勝を期待して選んだ相手でしたから、言うのもヤボなんですが。

なんにせよ、長谷川の今後に、大いに期待をしています。
長谷川穂積の名を、文字通り世界にとどろかせてほしいです。
そろそろ勝負に出てもらいたい、と思います。
実際、色々難しい事情はあるのでしょうが、そこをなんとか...。


もうひとつの世界戦、バレロvs嶋田ですが、
やはり力量の差はいかんともしがたい、という印象でした。
嶋田は右を当てて左に動き、そこで左フックをかぶせて前に戻り、
また右を、という繰り返しが出来れば、それこそ柴田国明だったんですけど、
右一発だけで後はクリンチばかり、試合の流れがそこで切れるので、
見ていて楽しい試合でもなかったです。

バレロは、最後は余計なことをしましたが、それ以外は普通に強い、
ラフに見せといて小さく鋭いパンチを狙う、いつもどおりのバレロでした。
しかし、ずーっと口が開いてるのはなぜなんでしょう...。


内山高志vs阪東ヒーローは、内山が勝利しましたが、
阪東も右決めたりして、頑張ってたみたいですね。

実は阪東ヒーローは後楽園ホールで見かけたことがあり、
本当に、ビックリするくらいの男前でした。
それも単に姿形が綺麗なだけじゃなく、愛嬌があって人の良さそうな顔でした。
で、試合ぶりがあれですから、そりゃ人気もあるわなという感じです。
ああいう選手が世界でも獲れば、どえらいスターになるんでしょうが、
やはり内山はがっちりしてて、崩れませんね。


ということで久々の?地上波生中継ボクシング、大いに楽しみました。
とりとめもなく書き連ねまして、毎度のことですがどうもすいません。
視聴率、どうなんですかね、そこだけが心配です。
メインがさっさと終わってしまったのがどう出るか...。

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あと二日です

2008-06-10 23:38:47 | 長谷川穂積
長谷川穂積のV6戦、調印式が行われました
いよいよ明後日ですが、平日の東京開催では、観戦は不可能。アウトです。
TVも生中継は見られそうになく、録画で見ます。

長谷川については、パワーアップのため、腕立てを頑張ったという話もあります。
世界戦を間近に控えて、それでもなんかのんびりしてますね。
いかにも長谷川、といいますか...(^^)

今回はブランク明けでもなく、相手も上位ではなく、スイッチもなさそう。
長谷川自身の調子も良く、すでにリミット切ったとかいう話もあります。
相手のクリスチャン・ファッシオは未知数ですが、
長谷川には好試合の末、きっちりと勝利してもらいたいですね。

しかし、米国進出アピールが云々、という話もあってのことでしょうけど、
長谷川が最近口にする攻撃志向が、ちょっと気にはなります。
上記のような好条件が揃った今回の試合ですが、
長谷川本来の持ち味が生かされれば、結果判定であっても、
私はそれで満足だし、米国のリングでも充分に闘えるし、
それこそが何よりの「アピール」なんだと思いますが...。

まぁ、技巧派でかつ倒せる選手、というのなら、なお良いのは事実ですし、
他ならぬ長谷川穂積にそれを期待しないでどうする、という意見もわかりますが。

なんにせよ、いきなり切ってしまった前回とは違って、
長谷川穂積のボクシングを大いに堪能できるような試合になってほしいですね。
あと二日。楽しみです(^^)


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関光徳氏死去

2008-06-07 22:39:47 | 関東ボクシング
数年前でしたか、ワールドボクシング誌のジョー小泉氏のコラムに
関光徳について語った記事がありました。
「今の若いファンは、現役時代の関光徳の凄さを知らない」という
オールドファンの多くが同感したであろう前置きのあと、
当時の東洋、世界のトップクラスを相手に、数々の名勝負を繰り広げた
関光徳の業績を紹介し、称える内容でした。

私が見た関光徳の映像は、「代表作」のビセンテ・サルディバル二連戦、
そしてジョー・メデル、シュガー・ラモス戦のKO(負け)シーンくらいです。
しかし、今ならちょっとした世界タイトルに匹敵したであろう
当時の東洋王座を12度も防衛し、10階級しかなかった世界王座に挑み、
その後も世界の超一流相手に伍して闘い続けた、真のトップボクサー、
関光徳の凄さは、それなりに理解できたつもりです。

今、メキシコの闘牛場に出向いていって、例えばバレラやモラレスやマルケスに
一発かましてブチ倒し、彼の地の大観衆を恐怖のどん底に叩き込む、
そんな日本人ボクサーの姿を想像することは、ちょっと難しいのが現状です。
しかし昔、日本には現実にそれをやったボクサーがいたわけです。
今は日本じゃなくて、フィリピンに一人、途轍もないのがおりますが...。

突然の訃報に、古き良き(そりゃ、悪しき面だって多々あったでしょうが)
往年の厳しくも美しいボクシングを知るオールド・ファンの皆さん、
きっと悲しんでおられることでしょう。
私はそういう皆さんと完全に同じ感情を持っているわけではないのですが、
また一人、偉い人が亡くなってしまったなぁ、と思っています。
謹んでご冥福をお祈りします。

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