さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

あまりに端的な欠落と不足 日本の元王者ふたり、中国で敗れる

2019-05-27 13:42:05 | 海外ボクシング




ということで、昨日はWOWOWオンデマンドにて、夜も生中継が見られるということで、昼間の無念を引きずりつつ、何とか良い試合を、と期待して見ていました。
しかし、配信は夜8時を大きく過ぎて始まり、しかもアンダー込み、第1試合から。

まあ、それはそれで、普段見ることのないものを見られるので、のんびり眺めておりました。
場内の雰囲気、観客が盛り上がるタイミング、その頻度などなど、いろいろ興味深くはありました。

で、日本の元タイトルホルダーふたり、久保隼と木村翔が出たダブルタイトルマッチですが、結果は共に敗戦。
まあそれは仕方ないにせよ、内容的にも、それぞれに「如何なものか」という印象が強く残りました。


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WBAフェザー級第二王者のシュー・ツァンは、4回戦の頃に来日経験あり。
そのときは金沢のリングに上がったのですが、ウェルター級の体重で試合をした、と。
それから徐々に身体を絞り、階級を下げてフェザー級、という、なかなか珍しい経歴の持ち主です。

体つきを見ると、長身、リーチに恵まれる上に、筋肉質で厚みもある。
スーパーバンタムから上げて来て、見るからに痩身、という久保隼との差は歴然でした。


初回は、久保のインサイドへのヒットを採れるか、という印象でした。
左ショートがガードを破り、左ボディアッパーは再三決まる。
シューの反撃に場内沸くが、正確に当てているのは久保、と見てもいいかと。

しかし久保、再三好打するものの、過去の対戦相手の中で、大沢宏晋以上に大柄なシューにダメージを与えられるものか、見ていて不安になってくる。
しかも、打った後、動いて外して、そこから別の手立てで試合を組み立てる、という普通の動きを見せず、打った後に止まってしまう。
なら、その位置に踏ん張って、そこからさらに打ち続けるのかというと、そうではない。
当然、シューが打ち返して来て、打たれる。

シューにしても、良い角度で当ててくる久保の左上下は、まったく堪えないわけではなく、もっと変化をつけた組み立ての上に、あの好打が重なれば、打たれて耐えるにも、限度があったはずです。
しかし攻め口は最初から全部同じで、右リードで距離やタイミングを測ったり、変えたりするでもないので、体格や耐久力の差もあり、耐えて打ち返せた。

そして久保が、過去の試合を見れば明らかな通り、長身とリーチを生かして距離で外す選手であるにも関わらず、互いに打てる距離に留まり、シューと比較すれば「防御率」で劣るガード、ブロックを主体に防御して打ち合ったこともまた、シューを大いに助けていました。
ことに久保の右ガードは、このレベルで、この距離での攻防においては甘いと言わざるを得ず、シューの左フックを再三打たれていました。

5回、このパンチで倒れる前にも、右リードが少し出た後は、後続の左など、良いヒットもあったのですが、これなら倒せるという手応えでもあったならともかく、現実に打ち返してくるシューに対する対応が実に悪く、相手がまさっている打ち合いの展開を続けてしまいました。
結果、6回でストップとなりましたが、闘い方の選択、相手との相性をどう見ていたのか、等々、単に優勝劣敗の話以前の部分で、首を傾げたくなるような試合でした。

セコンドの指示と、選手の闘いぶりが一致しないような場面も散見されましたが、単に相手があることだから、という話で済むものとも思えません。
試合前の段階で、様々な面での「合意形成」がないまま、陣営と選手がリングに上がってしまっている、という印象でした。
もっともそれは、久保隼の試合ぶりを直に何度か会場で見たときに、程度の差こそあれ、どの試合にも通じて抱いた印象でもあるのですが。


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木村翔は、一階級下げて、こちらもWBAライトフライ級第二王者カルロス・カニサレスに挑戦。
日本でやるよりも、比較的好条件での挑戦だったのでしょうが、カニサレスの止まることのないフットワークに、終始苦しんだ試合でした。

序盤のうちこそ、重みを感じる左のボディーブローを組み込んだ左のダブル、トリプルなどを好打していた木村でしたが、右の追撃は、ヒットがあっても浅い。
対するカニサレスは、序盤早々から、ジャブで木村を止められないとみるや、打つたびにいちいち呻き声を上げ、オープン気味の左右を外から引っかけては足を使う、という、良く言えば懸命、悪く言えば見た目構わず、なアウトボクシングに徹する。
ポイントはカニサレスに流れているだろうが、「絵」として見て、木村はこれなら捉えて打ち込める、という自信を持っているのでは、と思ったのですが、カニサレスの足がなかなか止まらない。

ここでパワーの差を生かして攻め上げられなかったのが、後々に響いてきます。
木村の攻め手が減っていき、6回にはカニサレスの右カウンターが命中。
木村が堪えて前に出続けるが、ダメージあった模様で、これ以降見るからに鈍り、フォームが乱れ始める。

手応えを感じたか、カニサレスは逃げ一辺倒から、機を見て右を打ち込んでくる流れに。
7、8回、木村は右ロングを浅くヒットさせるが、カニサレスの動き止まらず、ヒットは増える。
9回、カニサレスの右またヒット。木村はアゴを気にする仕草、口も開き加減。

終盤になると、木村がボディを打ってもカニサレスが怯まなくなる。
10回、空振りで体勢崩す木村、カニサレスはまた右を決め追撃。木村堪えてボディ返す。
ラストふたつは木村、さらに苦しそうで、自らよろめいてコーナーへ下がり、攻められる場面も。

判定は大差でカニサレスでした。さうぽん採点も10対2、というところ。
仮に中国で大人気だという木村が、彼の地で優遇されている面があるのだとしても、これではやりようもない、という内容でした。
もちろん、最初からそんな事実は無いわけですが。


立ち上がりは、木村の様子に変わったところは見えませんでしたが、徐々に、もっと攻めていけないものかな、と見え始めました。
この辺は、やはり階級を下げたことの悪影響だったのでしょうか。
加えて、一度足使うと決めたら、とにかくそれに徹するカニサレスの足捌きが止まらなかったこと、そして中盤以降打たれたダメージが重なって、木村にとっては何とも苦しく、もどかしい12ラウンズだったことでしょう。
最後の方は、空振りして身体が一回転、というような場面もありました。もう、自分の身体を支えることも難しくなっていたのでしょう。
試合終了後、判定を待つまでの間も、勝利のアピールひとつせず、コーナーに座り込み、精も根も尽き果てた、という様子でした。

今後については、試合の間隔がタイトであるにも関わらず、階級を変えて失敗した今回を踏まえて、慎重なマッチメイクが必要だと思います。
本人が、プロとして高い条件を求めて闘う、と言っていること自体は極めて正しく、ある意味清々しいとさえ思いますが、それをもって、コンディショニングに対して慎重さに欠けた決断をするのは、本末転倒です。それが招いた結果が、今後の「条件」に大きく響くわけですから。

残念ながら、今回の木村には、その辺が原因としか言い様のない、力の不足が見て取れました。
やはり、階級は元に戻して、試合に至るまでの調整を、もう一度見直した方が良いのでは、と思います。


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そんなことで、一曲。
the pillows「雨上がりに見た幻」。






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邪魔な右足に終始苦しむ 伊藤雅雪、力を空費して陥落

2019-05-26 14:29:46 | 海外ボクシング



率直に言って、この程度の相手に、こんな感じで負けるとは、と残念です。
しかし、初回早々、結果が見えたとは言いませんが、今日は相当難しくなるな、とは思いました。


伊藤雅雪が、対サウスポーにどのような戦略を持ってリングに上がったのかはわかりません。
しかし、長身で、上体を立たせて構えるサウスポーのジャメル・ヘリングの、前にせり出させて置かれた右足が、伊藤の左足の踏み込みを、厳しく制限しました。
伊藤が、初回早々、その位置関係を押しつけられたというか、受け容れさせられた、という言い方にもなりましょうか。


ヘリングの右足の前までしか踏み込めない位置関係を「設定」されてしまった伊藤は、その後、左ジャブは届きそうにもないから出せず、右ストレートからリードしても、上体だけが前に出てしまう、という繰り返しでした。
当然、右ボディストレートから入ろうとしても同じ。

時折、左アッパーから入る攻め口がありましたが、そういう展開になる前に、それを遮断すべく、ヘリングの右ジャブが伸び、時に左ストレートが続く。
けっして攻めに厚みがあるでも、一打の切れがあるでもない、しかし適時、適切に配置、配分された攻防が、伊藤を不利な位置関係に縛り付けました。


当然、伊藤とて展開を変えたいと思い、果敢に懸命に闘っていましたが、相手の右足がとにかく邪魔でした。
また、それを避けた位置に踏み込もうとしていないように見えたのが、何とも歯痒く思えました。
外(左)に踏み込んで右リード、或いは内(右)に踏み込んで左ジャブから、というパターンをやろうとせず、浅い踏み込みしか出来ない正面から、右で入っては前にのめり、という展開を、いつ変えられるものか、と思っていましたが、結局、そういう展開の変化は、最後まで起こらず終い。

ヘリングがそれを巧く封じた、という感じでもなく、伊藤が不利な位置関係に「布陣」したまま、力を空費させられて敗れた。
苦しい展開に倦まず、果敢に闘い続けた精神力は、かつてのイメージを良い意味で覆すものでしたが、試合運び自体は、伊藤にしては驚くほど効率が悪く、持てる力をほとんど、有効に生かせなかった。


改めて初回の立ち上がりが惜しまれます。伊藤が、ヘリングとの「陣取り」を、何か、あっさりと譲ってしまった感じがして「そこ、譲っちゃいかん!」と、思わず声が出てしまいました。
終わってみれば、それが中盤まで、というに収まらず、最後まで祟ってしまった、という感じです。
あそこを肝心と見て、集中して、厳しく前足の位置取りを争って欲しかったですが、そういう構えではなく、ひょっとすると、そういう認識でもなかった、のもかもしれません。
心身共に、充実期にあったはずの伊藤雅雪だけに、何とも惜しい、勿体ない負け方をしてしまったなぁ、と強く思う試合でした。


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採点は、大差だろう、と見ました。
公式採点は伊藤の攻勢をかなり好意的に見ているな、と感じたくらいです。私は8回以外、伊藤に迷い無く与えられる回があるのかな、と思いました。
迷う回、さらに言えば内容の乏しい回を、全て伊藤に振っても「8対4」には届かない、と見ました。

しかし、WOWOWの実況解説陣は、伊藤に慮った内容のコメントを連発していました。
少なくとも、勝ち負けを競るような内容ではない。それは明らかなように思えましたが、ESPNの途中採点などは、けっこう競った数字でもあったようです。
ただ、有料放送なのだから、もう少しシビアな内容であっても良い、と思います。視聴者の意識は、送り手のそれよりも、何歩か先を行っているのが現実だ、とも...。

江藤光喜の無効試合と共に、今週の生中継は、めでたしめでたしとは行かない、厳しいものでありました。
はてさて、夜の中国ダブル世界戦、オンデマンドの方はいかなる展開となりましょうか。


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ということで、本日の一曲。
大沢誉志幸 “CAB DRIVER” です。







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強敵の「決意」をも、早々に粉砕 井上尚弥、ロドリゲスをKO!

2019-05-19 07:16:21 | 井上尚弥



ということで待望の井上尚弥、同年代のタイトルホルダーとの王者対決、でしたが、
またしても...なんかもう、試合のたびに同じ事書いてますが、
毎度の通り、とりとめもなく。



試合前に、予想というか展望というか、まとめて書けば良かったんですが。
当然、どんな試合にも不安とか懸念はあるもので...
ただ、井上尚弥に関しては、過去にことごとく、そんなものは無意味であった、
ということが繰り返されていて、こちらもなかなか書きにくかったりしますが。

とはいえ今回は、功成り名を遂げた名王者、元王者、という類いではなく、
共に上昇期にある年齢とキャリアの、IBF王者エマヌエル・ロドリゲスが相手。
その過去の試合ぶりも、正統派でパンチもあり、手強そう。

直近の試合が苦戦だったこともあり、少々軽く見られている風でもあるが、
一見スピードでは井上に劣りそうに見えても、全体のリズムがゆったりとしているだけで、
動き自体は滑らかで、かつ打ち込む時の一瞬の速さは、充分なものがあり。

好機を掴んだときの攻め、特に左フックのダブル、上下の打ち分けでなく、
効かせたときに「上上」と二発、同じところに打つ攻撃など、なかなか怖いなと。
プエルトリコの先達、ウィルフレド・バスケスを、より多彩にした攻撃力の持ち主、
というようなイメージを持っていました。

もちろん、機動力、という面で井上が優位ではあろうが、
パンチ力も体格もあり、左フックの強打を狙う井上が、同じ間合いに捉えられた場合、
危機に陥る可能性も充分ある。試合前はだいたい、こんな風に思っていました。



初回、ロドリゲスの体格が、一階級分くらい、井上を上回っているように見えました。
井上がこの回に数度見せた左の空振りは、体格に押されている選手の空振りの仕方そのもの。
左ジャブを当て、右クロス、動きで外して左。しかしロドリゲスも際どく右を飛ばし、左フック。

ヒット、という食い方はわずかなれど、かすめるようなのも含めると、けっこう危ない感じ。
ポイントは、よく見ればより正確に井上の方が当てている、という内容でしたが、
ロドリゲスの体格、圧力が、さらに言うなら、早々に自ら「出て」、攻めて行こう、という闘い方を
選択したロドリゲスの、この試合に賭ける「決意」が、井上を時に危ない距離、位置に追い詰めてもいました。


今日という今日こそ、序盤のKOなどはない。際どい展開が続くかもしれない。
外して打つ流れで、強打するより正確に当て、セーフティーに外せるか、
大橋会長の言う「技術戦」で巧くやれるかが問われる試合になりそう。
攻め崩しに出られるとしても、中盤以降ではないか。
初回を見終えて、そんなことを思っていました。


毎度の通り、なのですが、全くの的外れでした。
井上尚弥は、こちらの思うところにすんなり収まるようなボクサーではない、
それを改めて、思い知ることになりました。


2回早々、速いスリーパンチ、左フックが上に返り、追撃。
次の攻めが、インサイドに入って右ボディ。返しの左が、低く抑えた軌道を描き、
ロドリゲスのガードの隙間に、カウンター気味に突き刺さる。ダウン。

ロドリゲス立つが鼻血が見える。井上追撃。まさに「残忍な」意図を秘めた左右のボディ。
二発目の右は、腹筋を締めるタイミングを外されていて、見るからにきつい。
洒落じゃないですが「胃の上」に入った?ようにも見えました。
ソーラープレキサス・ブロー、ってやつでしょうか。

倒れたロドリゲス、立とうとするが、初回に見えた「決意」は完全に打ち崩され、
コーナーに向けて弱気そのものの貌をさらしてしまっていました。
再び立ったものの、ここからは蛇足でした。三度目のダウン、ストップとなりました。


まあ、言い訳というかなんというか、初回3分、あの展開を見たあとで、
2回以降を、外しにかかるんではなく、切り込んで行って、すぐに懐取って、
そこからカウンター取って倒して、なんて、ちょっと想像しませんでした。
こんな展開の変え方、ありますかね。びっくりしました。

まあ、井上尚弥を語るのに「普通」の考えなど、無意味なのだというのは、
過去に何度も思い知っているはずなんですが、それでも改めて驚かされました。
中立地である欧州、スコットランドのリングで、同年代の対立王者、
しかも、水漏れ無しで仕上げてきた相手が、一歩も引かぬ決意を押し立てて向かってきた。
にも関わらず、その決意を早々に打ち崩しての、衝撃のKOを実現してしまう。


やっぱり、この人は凄いとしか言いようがありません。
試合後、決勝で対戦するノニト・ドネアと顔合わせをして、
互いに敬意を語り合っていましたが、
本当に、若い頃のドネアに匹敵するか、ことによると超えているか?とさえ思います。

今後について、トップランク社と契約か、という話も出ていたようですが、
米国のリングで継続的に試合が組まれるようなら、井上尚弥はドネアやロマゴンのキャリアをなぞる、
或いはそれを超える成功を掴むことだって、充分出来そうに思います。
マニー・パッキャオと同様、とまではさすがに難しくても、軽量級としては、
過去最高のスターボクサーとなりうるのでは、と。


それにしても、こんな試合を全世界注視の中でやってしまうと、
その評価は、いよいよもって「捨ておけん」レベルにまで高まってしまいそうですね。
ドネアとの決勝戦、日本でやってくれたら、当然見に行くところですが、
これまた試合前に出ていた、サウジアラビア開催、という話とはまた別に、
これなら充分、米国でも興行になるんではないか、という機運にもなりそうです。
それはそれで、困ったなぁ...という感じですね。


試合前は、当然期待するところ大、しかし何しろ真剣勝負、何があっても不思議なし、
という、まあ言ってみれば普通の前提で、楽しみだったり心配だったり、というところでしたが、
終わってみれば、やはり井上尚弥は偉大でした。
この試合に賭けられた、リングマガジンベルトを肩に微笑む井上の姿は、
我が国ではファイティング原田以来、史上二人目の「世界バンタム級チャンピオン」そのものでした。


欧州の試合を生中継で見るというのは、サッカーなどを愛好する方々にとっては日常なのでしょうが、
我々ボクシングファンにとっては、ちょっと不慣れな行いだったりもします。
しかし、今朝は本当に、清々しい朝のひとときを過ごすことができました。
井上尚弥に改めて脱帽、そして感謝です!お見事でした!




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「日本対世界」の厳然たる差、されど 黒田雅之、ムザラネに判定負け

2019-05-15 20:37:55 | 関東ボクシング




ということで、所用のための上京にかこつけ、この月曜日、ホールで観戦してきました。
さすがにきついスケジュールで、今頃感想文になりますが、簡単に。


川崎フロンターレのサポーター有志も多数ご来場、水色のシャツが目につくホールは、
思った以上の盛況で、積極的に送られる黒田への声援も相まって、なかなか良い雰囲気でした。
その空気感の中、黒田雅之はなかなかの好スタートを切った、と見えました。

立ち上がり、今までにない、とは言い過ぎでも、力の抜けた、伸びやかな動きから、
左ジャブ、右クロスが飛び、左フックが返り、インサイドに右アッパーをのぞかせ、
ボディブロー、上下の散らしも。大半がブロックの上でしたが、それも承知、というところか。
良い軌道でワンツーが出た、と思ったら、その次のパンチが出るのが早い。
一言で、リズム良い、リラックスしてる、と見える動きでした。

王者モルティ・ムザラネは、見て立った感じでしたが、ブロックの上で撥ねる
黒田のパンチが、単に強いというでなく、リズムに乗っていて、厳しいものだと感じたのでしょう。
初回半ばにはもう「これは思っていたのと違う」という感じで、構え直した、という風。
探りでなく、鋭く狙うジャブを飛ばし、右クロス。黒田を「抑え」にかかりました。


初回は微妙、ヒットの精度でムザラネ?。
2回、3回はムザラネのジャブが鋭いが、黒田の左ボディ好打に振れるか?というところ。
黒田は左ボディから右アッパー、或いは右クロスの対角線コンビも出始める。
4回も黒田が攻めるが、左ボディはムザラネのガードに防がれるか、その下へ。

5回、ムザラネのワンツー好打。当たるコンビをまとめてくる。この辺が巧い。
黒田出血、パンチによる。かなり打たれ始める。
6回、ムザラネはさらに逆ワンツー含め、攻める。最後に黒田の右ヒット。
7回、ムザラネの左がほぼ支配。黒田の左レバーパンチが出ると場内沸くが、ほぼ防がれている。
8回、黒田は劣勢を覆そうと、左右ボディで攻める。ムザラネ軽いが速い連打。
黒田右ヒット。この回は微妙か。

9回、黒田劣勢の色濃く、ムザラネのジャブ、連打が支配。
10回もムザラネが、インサイドに正確なヒットを重ねる。黒田のガードが目に見えて崩れている。

11回、打ち合いになるが、黒田のパンチはムザラネのブロックの上で撥ね、
ムザラネの拳は、黒田の腕の間をすり抜けて入る。
この回最後に、果敢に攻める黒田の右ストレートが入り、ムザラネが慌ててホールドに出る。
しかし間もなくゴングが鳴る。

最終回、場内の声援に押され、黒田が果敢に攻めるが、ムザラネの正確な連打が決まる。
黒田の連打に、ムザラネがクリンチに出る場面もあるが、挽回には遠く、試合終了。



判定は116-112×2、117-111の3-0でムザラネ。
さうぽん採点は、ム黒黒ム、ムムム黒、ムムムム、117-111でムザラネ。
試合後、同道した友人ほか、各方面から「感動採点だね」と笑われました(ーー;)
良いじゃないですか、黒田頑張ったんだし、と反論?しましたが、
そういうものじゃないんだよ、と。そりゃ、そうかもしれませんが...。

実際、内容的には完敗でした。客観的に見て、フルマークの採点が無かったことを、
意外に思ったりもしました。案外甘いんやな、と。
...言えた義理か、というツッコミは甘んじてお受けします、ハイ。



それはさておき、黒田雅之は、日本王者として、世界上位の強豪ムザラネ相手に、
及ばずとも健闘、と言える試合をしたと思います。
違う言い方なら、持てる力を全て出し切って闘い終えた、ということでしょうか。
立ち上がりから、良い感じで拳が、肩が、腰が回り、打ち抜きの利いたパンチを、
矢継ぎ早に打ち込んで行って、ムザラネに一種の緊張を強いた立ち上がりの展開に、
それだけである意味「ああ、これを見せてくれだだけで充分かな」と思ったものでした。


しかし、その後、試合が進むにつれて見えてきた「日本対世界」の差もまた、
違う角度から言えば、見られて満足、しかし黒田応援の視点から言えば、
現実はかくも厳しい...と実感させられるものでもありました。


両者、一見して堅牢に見える構えながら、徐々に「防御率」の差が明白に見え始める。
黒田の強い左ボディーブロー、ことにレバーを狙ったパンチは、
場内のファンを再三沸かせていましたが、リングサイドから見ていると、
その大半がムザラネの右腕の上で撥ね、或いはヒジの下へと「追いやられ」ていました。

時にボディ中央に入ったパンチがあったように見えましたが、数が少ない。
上へのパンチは、時にヒットもありましたが、その途中でガード、ブロックに
引っかかっているものも多い。本当に強打したのは11回終盤の一発くらいだったか。

対する黒田の防御は、高い構えでスタートしたものの、ジャブの戻りが遅く、そこにリターンを食うし、
中盤以降はダメージも疲弊もあり、敢えて高く構えるのを諦めた、という時間帯もありました。
半ば捨て身で、ムザラネを誘う意味もあったのでしょうが、当然、その狙いは奏功せず終い。

総じて、果敢に攻め続けたものの、ムザラネの心技体、いずれをも崩すには至らず。
逆に言えば、36歳のフライ級ボクサーとしては、最後まで攻防共に精度が落ちず、
体力的にも、フォームがぶれず、安定したまま闘い終えたムザラネを、驚異として語るべき、なのでしょうが。


黒田雅之は、日本チャンピオンとして、持てる力の全てを出し切った、と思います。
しかし、世界との差は、様々な面において、歴然と存在し、それは試合展開の中において、
余すところなく見られました。
しかし、モルティ・ムザラネにとり、技や力を出し惜しみ、楽をして流せるような試合でもなかった。
それもまた、確かなことだと見えました。

日本開催、場内の雰囲気などのロケーションが、例えば先のアンカハス、船井戦と違い、
黒田雅之に幸いした、というか、少なくとも健闘、奮闘を「させてもらえる」ものだった、という
事実も理解した上で、甘いと言われようと、私はこの試合を「健闘」と見たい、と思う側です。
見終えて、様々に納得感のある試合だった、清々しい印象が残った、そういう試合でした。



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ということで、一曲。
Eve「君に世界」。






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世界注目の大一番は「どっちも負け」 カネロ&ジェイコブス、諦観と失望の12ラウンズ

2019-05-06 00:03:08 | 海外ボクシング



見終えた後は「アホらしい、時間の無駄やった」としか思いませんでしたけど、
まあ一応、思うところなど書いとこかな、とは思ったので、簡単に。


試合前、カネロ・アルバレスの左膝にサポーター。肌色で目立たないが、けっこう大きなサイズ。
ゴロフキン戦ではこんなの着けてなかったけど、ロッキー戦はどうだったかなー...
と思っていると、レフェリーの注意を聞く際、カネロは右肩を前に、斜に構える。
何だか妙な様子やなぁ、と気にしているうちに、試合開始。

序盤、両者の体格差はやはり明らかで、肩一つ、ダニエル・ジェイコブスの方が高い。
それでもカネロが出て、ジェイコブスが足使って捌く流れ。
初回はカネロの手数があまりに少なく、少し連打したジェイコブスか。
2回カネロ少し出るが、ジェイコブスがボディ攻撃して離れる。これもジェイコブス?

3回、カネロ出て右、連打。ジェイコブスはL字ガード気味の防御で大半を外す。
ジェイコブスの攻めは残り40秒くらいから。右アッパー込みの連打も浅い。挽回に至るかというと?
ややカネロ?
4回、カネロが上体を振り、アタマを動かしつつ攻める。出鼻に叩く右アッパーも。カネロか。
5回もカネロの攻めが上回る。カネロ。

6回、ジェイコブスがスイッチ、左構えから少しヒット。カネロ単発ながら返す。ジェイコブス?
7回、ジェイコブス、ロープ際に押して左右連打。精度に欠けるが、まとめたことはまとめた。ジェイコブスか。

8回、ジェイコブス、ショートで上下連打。カネロ左フックカウンター。
ジェイコブスは連打まとめたら離れるべきだが、近い距離のまま。カウンターのぶんカネロ。
9回、カネロ右リードで釣って左フック。ジェイコブスも返し、右構えに戻してジャブ。ジェイコブス?

10回、少し打ち合い増える。上下の連打応酬。微妙。
11回、カネロがカウンター決めて抑えたか。
12回、両者、勝敗をどう読んでいるのか不明。散発的に打ち合う。カネロ手数、ジェイコブス地味にボディ。


公式採点は115-113×2、116-112の3-0でカネロ。
さうぽん採点は、迷う回、というか、どっちにもつけたくない回がたくさんあったので、
申し訳ありませんが保留、というところでご容赦ください。


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表題のとおり、思ったことは「どっちも負け」な内容やなぁ、ということでした。

全世界注目のビッグファイト、とされる試合で、双方ともに、こんな試合内容のまま
闘い終えてしまって良いと思っているのだろうか、と疑問でした。

とにかく、ほとんどの回で、決定的に抑えた、という攻撃が双方共に無い。
何も打ち合えとか、倒しに行けとか言うのではなく、それ以前の問題で、
どちらに転んでも不思議ではない流れを変えて、勝利を決定づけようという意志が、
双方から感じられない、ほとんど伝わってきませんでした。

ことにカネロ・アルバレス。高額の長期契約をDAZNと結んで2試合目、
別にひとつ、盛り上がらない試合をしたところで、彼のファンベースが揺るがず、
DAZNの視聴者数が維持されるのならそれで良い、
危険を冒して攻めて、悪い結果になってしまうよりは...とでも?
金持ちとて闘いはするが、限界は弁えている、ということでしょうか。

その裏には、ほどほどに収めて、破綻無く終えれば、判定に背かれることはない、という確信もあるのでしょう。
対するジェイコブスが、その辺をどう考えていたのか、という点だけは、
どうにも不思議というか、理解に苦しむところではありますが。

何にせよ、どちらのボクサーにも心惹かれるところのない、不足だらけの一戦でした。
カネロ・アルバレスは、名王者攻略を果たした新王者というよりは、
ポスト・ゴロフキン時代の、過渡期に咲いた、裕福な徒花でしかない、というのが、
現時点での彼に対する見方として、こちらの心中に存在するのみです。
モラル面の話を取っ払って言っても、到底好ましく見られる対象ではなくなってしまいましたね。



DAZNでライブ配信されたこの試合、試合前のドキュメントや会見が事前に配信されるなど、
DAZNも、日本における海外ボクシング配信の目玉と位置づけ...ていたのか、
それとも、今後の方針を決める物差しとして見ているのか、その辺は定かではありませんが、
それなりに力を入れている風ではありました。

しかし、結果として、賭ける「タマ」が弱かった、というに尽きるでしょう。
村田諒太が昨年、結果に恵まれなかったのに続き、DAZN日本のボクシング取り扱いは、
今のところ、良い結果にはなっていないように思われます。

我々ファンにとっては、WOWOWがDAZNの脅威?を感じてか、
WOWOWメンバーズオンデマンド配信を含めて、ライブ配信や放送を
目に見えて増やしてくれていて、それは大変有り難いことではあります。

しかし、DAZN日本の今後における、ボクシング配信はどういうものになるのかというと、
現状の「コストがほどほどに済むものを、月に1~2回くらい」という感じで、
当分は推移するのみ、だろう...という予見さえ、一番甘い考えのように思ったりもしますね。


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今日は、WOWOWの方で見た船井龍一の試合や、
DAZNのセミに出た肩幅の広い若い者など、
他の試合の印象の方が、遙かに強く残った一日ではありました。

船井は右から攻めていく展開において、打ち終わり、対右フックの防御が悪く、
ことごとくそこを打たれたのが痛かった。
ジェルウィン・アンカハスは、復調と言って良いのかどうか迷う部分もありますが、
4回に勝負を賭けて、試合の趨勢を決めてしまった迫力には感心させられました。
あそこを粘って凌いだ船井も頑張りましたが、やはり厳しかったですね。

バージル・オルティス、という若者の試合は、今日初めて見ましたが、
あれこれ言うのはまた今後、ということにして、非常に楽しみなハードパンチャーです。
13勝13KOということですが、この試合数の段階としては、充分過ぎるほど魅力的です。
かなうことなら健やかに、順調に伸びていってほしいものです。


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ということで、本日の一曲。
花田裕之「あの娘にはわからない」。







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果敢に挑むも「一枚上手」の強打に沈む 安達陸虎、強打クドゥラにKO負け

2019-05-04 06:40:31 | 関西ボクシング



昨日は連休中だというのにあれこれあって忙しくなってしまい、
今年のGWは音無しで終わるかと思っていたのですが、なんとか会場に足を運ぶ時間が出来、
かろうじて府立に滑り込み、観戦してきました。
結果は残念だったものの、充実した内容の一戦をしっかり見ることが出来ました。


日本ユース、ウェルター級タイトルマッチ8回戦、
アフガニスタン出身、本多ジム所属のクドゥラ金子に挑むのは、
先日「せやねん」でも紹介されました、昨年の新人王西軍代表、安達陸虎。
全日本決勝では、苦手?のサウスポー戦で苦杯を舐めるも、それ以外は全勝。

ただ、新人王戦以降、強敵と闘うのはこれが初めてで、
体格とリーチを生かして、距離を長く維持出来るかどうかが不安でした。
正直、予想すれば不利と見ていましたが、実際の試合内容は、思った以上に
安達がよく闘い、強打のクドゥラと渡り合っていた、と思います。
しかし、やはり距離の維持が...というところは、予想通りでもありました。
簡単に経過を。


初回、安達が速いジャブから左フックのダブル。右ボディアッパー、ワンツーを当てる。
クドゥラは右クロスを二度ミス。しかし、徐々に照準を合わせてくる。空振りでも場内どよめき。
安達の回。

2回、クドゥラがジャブから出て、パワーのある右クロス。
クドゥラ、出ながらよく見ていて、安達の打ち終わりを狙っている。
安達がそれを感じてか、やや手数が減る。クドゥラ、コンパクトな右を上下に。クドゥラの回。

3回、共に警戒しつつ、鋭いパンチの応酬。スリリングな打ち合いが増える。
パンチの質は、速く鋭い安達、重く的確なクドゥラという対比が、はっきり見える。
安達の右ストレート好打があり、やや安達か、と見えたラウンド終盤、
クドゥラの左フックがクリーンヒット、安達ロープ際へ後退、一瞬腰が落ちる。
クドゥラが襲いかかると同時にゴング。レフェリーが割って入る。場内騒然。クドゥラが逆転で抑えた回。

4回、クドゥラよく見て外し、右クロスで安達を脅かす。
しかしダメージもありそうな安達が果敢に反撃。左ボディ決める。
この後左ヒットの応酬、ボディブローの打ち合いと、ヒットとリターンの激しい応酬。
安達が右ダイレクト、左フックのヒットのぶん、抑えたか?

5回、安達が出てヒット、鋭さはあるが、クドゥラと比べるとやはり軽い。
攻める分、距離が詰まる比率も増す。
クドゥラのリターンが強く、左フックがヒット。安達が懸命に動いて攻め、
拍子木が鳴った直後、クドゥラのワンツー、右が命中。
安達ダウン、立とうとするが身体が揺れ、ダメージ甚大。カウント途中でタオルが入りました。



現状の力で言えば、元日本王者の有川稔男をKOして浮上したクドゥラ金子と、
新人王戦以降、強敵、いや、同格の相手とも闘っていなかった安達陸虎の間には、
大差とは言わずとも、確かに差がありました。
明らかにクドゥラが「一枚上手」というべきカードで、組まれたと知ったときは、
井岡弘樹ジムがよく組んだなぁ、と率直に思ったものです。

そして、結果がこう出た以上「予想通り」と一言で済まされるのかも知れません。
距離を維持して、速さが生かせる展開を長く続けられれば違ったでしょうが、
レベルの高い、厳しい試合経験が不足している悲しさか、どうしても「水漏れ」あり。

要所で打たれて失点し、ダメージも負い、クドゥラの力が出せる距離で闘う時間帯が増え、
そこで決定打を食ってしまったのは、終わってみれば、攻防の質を高く維持し続けねば勝てない、
そういう試合を経験していない今現在における、キャリアの差、未熟さ、ということになるわけです。


しかし、実際に見た試合内容は、それだけでは語りきれない、安達陸虎の奮戦、健闘が光るものでした。
パンチの威力、精度には差があったものの、それを距離と速さの差で埋めようとした闘いぶりの中に、
安達陸虎の優れた素質、将来性が、充分に光っていたと思います。

ウェルター級というクラスにおけるパンチの威力なども考えれば、
安易に「これを良い経験に」と言って良いのか迷う部分もありますが、
若い安達にとり、試練の一戦となったこの試合は、これまで闘ってきた試合とは
比べものにならないほどの課題を残しました。
そして、それが「収穫」でもあった、と言えるときが来る、と信じたい気持ちです。
この近辺のクラスとしては、体格とスピードに恵まれ、闘志も充分に伝わってくる、
なかなかの逸材だと思います。今回は残念な結果でしたが、今後に期待します。


勝者、クドゥラ金子は、安達のスピードにやや苦しんだ感もあるものの、
じっくり構えて、打ち終わり狙いをしたかと思えば、果敢に打ち合って出たり、
立ち上がりは上ずっていた右クロスの「照準」を徐々に合わせ、
最後にはそれを見事に決めて倒したあたり、以前見た、たった一試合の映像のとおり、
単なる力頼みではない「出来」の良い強打者ぶりを見せてくれました。

先日、ところも同じ府立地下で、日本王者となった永野祐樹にとっても、
非常に手強い、脅威の挑戦者候補と言えるでしょう。
永野の左、クドゥラの右、どちらの強打が先に決まるか、という感じですが、
クドゥラは左フックの鋭さ、威力もなかなかのものがあり、
対サウスポーを極度に嫌うようなことがなければ、王座奪取も充分あり得ると見ます。



しかし、日本ユースタイトルというのは、出来ると聞いたときは「なんじゃそりゃ」でしたが、
こうして普通ならなかなか実現しないような若手対決が、地域の差を超えてどんどん行われ、
その内容も充実したものが多い、昨今の状況を見ていると、思わぬ「当たり」企画かもしれん、
とさえ思ってしまいます。

問題はこの活況が、そのまま日本タイトル戦線に持ち込まれるか否か、というところで、
何故か上に行くほどタイトルの数が増え、分散してしまうのが現実なのですが...。


※本日、さっそく「せやねん」で試合前後の様子も含め、紹介されていました。
トミーズ雅さんは、親かマネージャーか後援会長かという勢いで、何だかわからんことになっております(笑)






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この日はセミファイナルに、一昨年の全日本新人王MVPを獲った、
サウスポー下町俊貴と、ジュンリエル・ラモナルのフェザー級6回戦が、
ラモナルの「棄権」で中止。
代わりにジムメイトのスーパーフライ級、那須亮祐とのスパーが行われました。

那須は18日に、墨田総合体育館、田村亮一vs久我勇作(再戦ですね)のアンダーで、
元日本王者の中川健太と対戦するので、サウスポー対策の練習をしている最中?
ということもあってか、二階級上の下町相手に、好調な攻めを見せていました。

※ところでこの興行、12時半開始なんですね。今気づいた(^^;)
見に行かれる方、ライブ配信見る方は要注意です。


そういうことで全5試合が4試合に減りました。
セミは女子の54.5キロ契約6回戦で、ぬきてるみがカンチャナー・テュンタイソンを
初回から左右のボディブローで打ちまくり、3回に右フックでKO。
カンチャナーはWBCライトフライ級暫定の元王者、ということでしたが、
劣勢続きで敗れました。


後は4回戦が二試合。
ウェルター級、井岡弘樹ジム所属のフランス国籍、多分西アフリカのどこかの国ルーツ、
ムッチェ・ケニーという選手が、ミサイル工藤ジムの三浦将太を2回TKO。
共にデビュー戦、長身の三浦に対し、左フックで初回、2回と倒しました。

ミニマム級は寝屋川石田の福光彩斗と、伊豆ジム、大畑龍世の対戦。
デビュー戦の福光が、2戦目(1勝)の大畑に、序盤から果敢に攻めかかるが、
大畑は徐々に正確なヒットを返す。
2回、肩越しの右を決めた大畑がダウンを奪う。福光は果敢さを見せて反撃も、
3回、大畑がジャブ、ワンツーをボディに散らして、ヒットを取る。
福光は顔を朱に染めつつ出て、最終回は抑えるが、逆転はならず。
好ファイトでしたが、大畑の勝ちは問題なし。冷静さ、正確さで差がつきました。


メイン前には野中悠樹インタビューや、安達の地元の楽団による和太鼓の演奏があり、
安達の同郷ということでか、あの山中慎介が来賓として紹介されるなど、
試合数は少ないものの、なかなか賑々しい興行でありました。
なんとか時間が取れ、見に行けて幸い、満足感のある観戦となりました。



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そんなことで、一曲。
100s「希望」。






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清々しく分ける/離れて完封/才と甘さと/壮絶に逆転

2019-05-02 15:55:16 | 関東ボクシング



ということで、週末毎にあれこれとライブでボクシングを見られる昨今ですが、
我らがBoxingRaiseも、負けじとライブ配信戦線?に参入、奮戦してくれています。
令和最初の日、5月の配信予定が発表され、さっそくその日にライブ配信。
源大輝vs阿部麗也という注目カードを、ホールに行かずしてライブで見られました。
本当に有り難いことです。

他にもカード一覧の通り、18日、墨田総合体育館の日本タイトルマッチ、
田村亮一vs久我勇作戦をライブ配信する他、
どうにかして映像見たいなあと思っていたカードが、いくつも見られます。

3日のクドゥラ金子vs安達陸虎戦は、行くつもりだったけど難しくなり、
8日の小國以載、26日の坂本vs阪下戦などは、見たいけど、
とても会場には行けそうもない、という試合だったので。

BoxingRaise、今月は大盤振る舞いの様相です。これで980円はお得です。
未加入のボクシングファンの皆様、そろそろご加入されては如何でしょうか。
と、すっかり先方の回し者と化す私です(^^)

そんなことで、昨夜のライブ配信を始め、今回はBoxingRaise観戦記、感想文です。


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メインは日本フェザー級タイトルマッチ、源大輝vs阿部麗也

右左、ファイターとボクサー、雑草タイプと天才肌、
何から何まで対照的な上に、試合前からバチバチと煽り合って
大いに盛り上がっていて大変結構(^^)な、必見のカードでありました。

立ち上がり、阿部は、上体を立てず、こちらが思うより、少しだけ前がかり?な感じで、
前見たときの印象と違う、と感じた次第。リズミカルに動き、軽いが速いコンビ。
源はいままで見た通り、上体を左右に揺らし、翻しつつ、前に前に。

阿部が大過なく終わらせた、と見えた初回終盤、右の相打ち。
源が即座に右をもう一発、阿部がこれを食ってダウン。

ダメージはさほど、序盤だし、と見えたのですが、2回に入ると、
阿部が両足同時に撥ねるようなフットワークになっていて、
これは良くない、タイミングひとつ、一押しで倒れる、と思っていたら案の定。
源の右ロングで阿部、二度目のダウン。

序盤の大量失点、精神的にも阿部は迷い、揺らぐだろう、源ここは攻め時か、と思ったが、
3、4回、阿部が苦しいながらも立て直す。動いてジャブで触れ、速いコンビ。
ダウンシーン以外の展開を再構築。この辺は見た目以上に、心身共に「確か」だなぁ、と感心。

5回は源が左フックで阿部をのけぞらせ、脅かす。
しかし折り返しの6回、阿部の速く小さい左がクリーンヒット。源、初めて?自ら後退。
阿部が二度、源をロープに追う場面。源、左を空振りしてよろめく。鼻血も見える。

ここは阿部が強打で打って出られる選手だったら、と思ったところ。
阿部は前に出ることで「保たせて」いたが、けっこう厳しかったのでは。

7回以降も、両者、手法は違えどよく動き、打ちにくい的であり続ける。
しかし、阿部が右リードに力入れて打つ回数が増え、後半を支配。

ただ、8回だけは別。源が右で攻め込み、軽い連打で喫したヒットを上回り、得点。
これが終わってみれば大きかったか。
9、10回は阿部。10回は左アッパーの好打で、源が失速。
ここも阿部に一押しがあれば...と思った場面。


採点は95-94で、ひとりが阿部支持ながら、残るふたりが94-94、
マジョリティ・ドローというやつで、源の防衛。
さうぽん採点は、源源阿阿源、阿阿源阿阿、94-94でした。

序盤、二度のダウンを奪った源の勝負強さがギラリと光り、
阿部もまた、ピンチを脱し、立て直せる「確かさ」を見せた。
双方の特徴、魅力を存分に見られたのみならず、共に「本物」であることを証してくれた、
見応え十分のタイトルマッチでした。両者に拍手です(^^)


試合後は、双方再戦を見据えながらも、互いを称えるコメントを残していました。
決着がついていない内から、そういうことを言うのは甘い、という意見もありましょうが、
そこはやはり、獣でも兵器でもなく、人間同士のやることだから、と思っておこうかな、
というのが、見終えた時の、率直な心境でした。

まあこれが、国際的な舞台であれば、源、阿部共に、また違った情緒が求められるのかも
しれませんが、日本タイトルマッチというのは、こういう空気感であっても良いでしょう。
見終えて、そういう寛大な気持ちになれる、清々しい内容の試合でした。
双方、ややこしいことも汚い真似も一切なし、真っ正直な闘いでしたしね。

重ねてこれをライブで見られたのは有り難いことでした。
BoxingRaise様々です。DANGAN万歳!というところでしょうか(^^)


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セミファイナルは丸田陽七太がコーチ義人を80-72×3で完封
試合全般を通じ、丸田のジャブが支配。コーチは距離を詰められず仕舞いでした。

どのボクサーにとってもそうでしょうが、自分の間合いより遠くから来るジャブほど
難儀で嫌なものはないでしょうね。この日のコーチは、まさに「ドツボ」状態。
それでも終始、緩まず抵抗し、反撃の機会を狙って、奮闘していました。


丸田は基本、遠くからジャブを当てつつ、少しずつ距離を近づけて、
違う攻め口を模索もしていた様子ではありました。

2回には一度、右サイドに出て攻めようとしましたし、
3回はジャブ、右ストレートでボディを狙いました。
4回は離れてジャブに徹し、6回はガード上げて少し前進。
7、8回はワンツー、右ストレートを狙っていき、ヒットもあり。
ただ、大きく局面が動くことはありませんでした。


内容も、採点上も完勝ですし、フェザー級に転じてまだ2戦目ですから、
このレベルの相手に十分な勝ち星、と言えるでしょう。
しかし、距離を厳しく維持し、ジャブで支配、ではその先は、となったとき、
正直言って物足りない部分が...という印象が残ったのも事実です。
丸田陽七太が好素材であり、転級も正しい選択だった、と思えるだけに、余計に。

ここからどのような上乗せがあるものか、或いは。
マッチメイクにも関わってくる問題でしょうが、要注目ですね。


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緑ジムのホープ、矢吹正道が、前日本ユース王者で日本2位の大保龍斗と
50キロ契約の8回戦で、6回TKO勝ち。

デビューから新人王戦を経て、厳しい試合の数々を闘っている矢吹が、
ランクでは上の大保を序盤から圧倒する好スタート。
余裕を持って足を使い、右ダイレクト、アッパーで迎え撃ち、大保早々に顔が赤い。
小柄な大保が果敢に出て、左ボディを決めるも、矢吹が即座に左アッパーで迎え撃ち。

2回まで快勝のプロセスだったが、3回、矢吹が手を下げ、足を止め加減に。
要らない余裕を見せる。大保が攻め込み、ヒットを取る。
4回は近い距離で打ち合い、ヒットの応酬に。ここで大保、ヒットにより出血。

距離を取れば、矢吹が打って外して終わり、ポイントも来ようというものなのに、
距離を詰めるものだから、互角の打ち合いでも、打ち終わりに手を出すのは大保の方に。
そのせいで、印象が微妙になってしまう。この辺、試合運びが、どうにもよろしくない。

天与の体格、当て勘、センスを持っている矢吹だが、
そういう人にいかにもありがちな甘さもまた、垣間見える展開でした。

5回も矢吹の正確さを見るが、場所も場所だし、大保の攻勢を見る向きもあろう、という展開。
6回、大保の出血にチェックが入り、TKOとなりました。
矢吹正道、素材としては変わらず楽しみな反面...まあ、このように「ままならぬ」人の姿を見ることもまた、
ボクシングを見ることなのだ、とアタマではわかっているつもりではあるんですが。


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日曜日、岡山の桃太郎ファイトも、BoxingRaiseにて後日配信で見られました。
岡山のヒーロー、ユーリ阿久井政悟が、昨年の全日本新人王技能賞、湊義生を初回に逆転KOしました。

初回早々、阿久井が右クロスを決め、湊がよろめく。阿久井が追撃、湊が応じて打ち合いに。
これが距離的に「噛み合う」感じ。阿久井の左フックで湊の顔が跳ね上がるも、
直後、今度は湊が、タメを作っての左フック。阿久井まともに食って、ドスン、と尻餅。

池原信遂レフェリーがカウント8まで数え、再開。
湊が出て、ボディを叩き、左アッパーをインサイド狙いで上に返す。
狙いの見える「詰め」に出るが、阿久井クリンチでしのぎ、右を振って反撃。

湊は左アッパーをボディに入れ、右クロス。良い攻めだったが、阿久井が右を決め、
追撃の連打を浴びせる。この辺は阿久井の真骨頂、湊ダウン。
左フックから右で、湊二度目のダウン。かなり効いていて、再開直後、
湊が右をミスし、阿久井が左から右を当てたところでストップとなりました。


短くも壮絶なノックアウトでした。
前回の試合は、腕の負傷などもあって無念の敗北でしたが、
今回は再起戦となる一戦で、若く手強い新人王を相手に、
打たれた点は課題なれど、逞しさと爆発力をまたも見せて、劇的な勝利でした。

以前ならあまり見る機会もなかったであろう、岡山での試合。
私も岡山での試合観戦は、確か二度しか経験がありません。
しかしこうして配信映像が見られるのですから、嬉しいことです。

ことにユーリ阿久井政悟の試合、果敢な挑戦そのもののマッチメイクの数々、
そして勇敢な試合ぶりは、かなう限り見て、影ながら応援したい、と
ボクシングファンなら心底から思えるはずの、貴重な輝きです。
何とか、中谷潤人への雪辱戦が実現するように、と願わずにはいられませんね。


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そんなわけで、一曲。
Galileo Galilei 「クライマー」。








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