さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

PBC、Amazonで配信決定 日本ではどうなる?

2023-12-09 06:24:11 | 海外ボクシング



お馴染み杉浦大介記者のX投稿です。
アル・ヘイモン率いるPBC、プレミア・ボクシング・チャンピオンズの試合放送配信は、ショータイムの撤退を受けて、複数媒体と交渉中と言われていましたが、AmazonPrimeでの配信が決定した、とのことです。





こちらはPBCのリリース。

最初のPPVイベントは来年、3月にも、という話が出ていますね。
PPVに関しては、プライム会員になる必要は無く、個別に購入、視聴出来ると。
PBCは此度の合意により、AmazonPrimeVideoの配信で、ファン待望のイベント、最高のスポーツをより広範に提供し...まあ、お目出度い感じですね(笑)。


しかしこれは米国の話でして、さて日本ではWOWOWが大半を録画、一部をライブ配信、生中継放送し、FIGHTSPORTSを通じてU-NEXTでも配信、という形を取っていたわけで、その辺の兼ね合いがどうなるのか。
我々としては気にかかるところなんですが、こういうニュースが出た、さあ大変だ、本田会長、今後どうなるんでしょうかー、とか言って、突撃取材をしてくれるメディアは、多分どこにもありませんね(笑)。
スポーツ報知あたりが、ぼちぼち話せる範囲で、如何でしょうか?くらいにやってくれるかどうか、というところでしょう。


まあ、こう決まったからといって、日本におけるPBCの試合視聴はこれこれこうなります、と即座に言えるわけもないでしょうね。
徐々に話が整えられていく、という感じでしょう。
DAZNとて、村田諒太の試合を抜きにしても、帝拳の関与があった時期を経て、今の素材そのままハイどうぞ、的な感じに落ち着いたわけですし。

しかし帝拳と日本のAmazonといえば、村田井上、今は拳四朗中谷、そして那須川天心などの試合で関わりがあるわけですし、話はしやすい関係ではありましょうね。
これがNETFLIXに決まっていたら、こっちはこっちで勝手にやりますわ、という感じで、DAZN同様にばんばんライブ配信する、ということになっていたかもしれません。


いずれにせよ、我々にとって理想的なのは、エキサイトマッチのような制作体制が維持された上で、毎月のようにライブ配信が見られる、という形です。
AmazonPrimeVideoでの配信なら、そういう形になることでしょう(WOWOWでの放送が継続されるとして、全部ライブ配信という形は、オンデマンドにおいても難しいような気がします)。
しかしAmazonがそこまで予算をかけられないとなれば、DAZN同様の英語実況そのまま、という形になりますね。

或いは、さすがにありそうにないなあ、と思いはしますが、日本のAmazonがPBCについては権利を持たず(持てず?)、或いは配信にメリットを見出せずに、従来どおりのWOWOW放送が続く、という形です。
その場合、当然、全部ライブでとはいかないし、録画放送が主になることでしょう。要は現状維持、です。
現実に、どのような形に収斂していくのかは、ちょっとわかりませんが、これらのパターンの間で、どの辺の落ち着くか、というところでしょうね。



PBCとAmazonの合意という大きな変化を受けて、海外ボクシングの視聴を一手に担っていたWOWOWエキサイトマッチも、さらなる変化、変容を強いられることになりましょう。
ジャンルを問わず、何かと厳しい話ばかりが聞かれる、放送配信コンテンツの話題ですが、なるべく、良い形で着地してもらいたいものです。


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最強の王者がなお「追い求める」闘い 井上尚弥、タパレス戦に改めて決意

2023-12-08 05:05:44 | 井上尚弥


井上尚弥、マーロン・タパレスとの一戦に向けて、Xに投稿しました。





この人、言を弄さず、端的に本当のことだけを言いますね。
普段は天然さんだとか、逸話?も色々ありますけど、ことボクシングについては実に聡明です。
ボクシングに絶対はない。その通りです、と頷くしかありません。例え井上尚弥であろうとも。

そして、最強の王者と誰もが認める今も、追い、求めるものがある、という。
あれほどの強さを既に、何度も繰り返し証明していて、なおも...驚嘆するしかありません。

12月26日のリングでもまた、我々は試合の結果以前に、彼が追い求めるものとは何か、その答えの一端を、或いは全貌を、様々な形で見ることになるのでしょう。
改めて厳粛な気持ちになりますね。



さて、ボクシングマガジン増刊号が、14日発売ということです。
スーパーバンタム級特集、ということで、当然井上尚弥を中心に、階級の歴史なども遡り、語られるのでありましょう。
当の井上尚弥がリポスト、っていうんですか、取り上げています。律儀。






で、以前少し取り上げたこともある、森合正範記者の著書「怪物に出会った日」についても、リポストしてます。







これはもう買って、一読しましたが、数年前からネット上で、そしてTV番組でも取り上げられていた選手以外で、オマール・ナルバエス親子の話や、アドリアン・エルナンデスの現状など、新たに興味深く、驚かされる部分がありました。
もちろん従来の部分にも大幅加筆がされていて、深く掘り下げて読めます。

ボクシング本、というよりもスポーツノンフィクションとしては、かなり売り上げが伸びているみたいですね。
何しろこのジャンルの本、絶望的に売れないのが常らしく、出版するだけでも大変らしいですが...これもまた、森合記者の労と共に、井上尚弥という対象の大きさ故、でもありましょうか。



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要は顔ぶれと、そのための準備が大事 大橋ジム、ライト級でもトーナメント主催へ

2023-12-07 05:42:12 | 関東ボクシング



今年行われたバンタム級トーナメントに続き、大橋ジムフェニックスプロモーションが、ライト級でも賞金トーナメントを開催するとのことです。





日本とアジアのベルトの価値がどうというのは今更ですが、要は日本国内の上位選手を集めてトーナメントをするということですね。
WBAアジアとか、WBC傘下のABCとか、IBFパンアジアとか、その他もろもろ、二桁くらいあるんじゃないかというのを全部込みにした話では無い。
それこそJBCインター、という揶揄にも届かないような事例もあるOPBFやWBOアジアパシフィックの王者を含めて、真の日本一を決めよう、という意味合いの方が強いのでしょう。

そして、Leminoのフェニックスバトルがほぼ毎月のように試合を配信するようになった今、その軸となる企画が必要であり、また、そのための予算も確保出来ている、のだと思われます。


ただし、今年のバンタム級トーナメントが、タイトルホルダーや上位陣勢揃いとはいかず、言えばA級賞金トーナメントや、B-Tight、最強後楽園といった過去のトーナメントよりも、さらに若手中心の顔ぶれになり、日本チャンピオン堤聖也の参戦と、帝拳のホープ増田陸の台頭なくば、かなり地味なものになっていたことを受けてか、賞金額は半分になっています。
想像ですが、バンタム級での構想が出た際の、Lemino側の受け止め方と、業界における「実際」に、かなりの食い違い、或いは乖離があったのでしょう。


来年のライト級において、その辺りがどう変わるのかが、一番の注目です。
単に賞金と出場給はこれこれです、出場お待ちしています、と待って、来た者に対し、来た者なりの条件で、とやるだけの話なのか。
それとも本気で「世界への登竜門」たり得る顔ぶれを揃えるために、主催者が出場選手に要請し、それに応じた者に相応の条件を出す、という意志があるのか。


来年、出場選手の顔ぶれが揃えば、その時に概ね、答えは出ることでしょう。
相変わらず世界への、とか、日本、アジアチャンピオンの権威がどうとか、お題目は大層ですが...「実際」がどういうものなのか、そこが問題です。
というか、今のところ、疑わしく思う気持ちの方が勝ちますね。




さて、先日、帝拳の浦川大将を下し、日本チャンピオンへの挑戦権を獲得した三代大訓、Xに投稿。





バンタム級でも、堤聖也の防衛戦はそのままトーナメントの一環として組み込まれましたので、仲里周磨(或いは村上雄大)と三代のタイトルマッチも、同じようになるのかもしれません。
だとしたら、仲里と三代の出場なる、ということで、二つの枠が決まりますね。
もっとも、初戦でどちらかが消えることにもなりますが。

あとはWBOアジアパシフィック王者の保田克也、次戦でOPBF決定戦に出る鈴木雅弘(引き分けたロルダン・アルデアとすぐに再戦)、そして吉野修一郎らが候補でしょうか。
若手では大橋ジムということで、今永虎雅が浮かびますが、負傷の回復が間に合えば、というところでしょう。
もし今永が出るなら、保田は出ないとかいう話にもなる、のでしょうか。
あとは宇津木秀、関西からは丸田陽七太といった、元日本チャンピオン組の参戦にも期待です。


しかし、応募してきてくださいね、という構えだけで、これだけの顔ぶれが揃うとも、到底思えません。
主催者が、どの程度、自ら口にしたお題目に対して本気なのかどうか、というところが、やはり問題ですね。はてさて。



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円満、不満はない? こちらはいかにもボクシング界、というお話

2023-12-06 05:18:50 | 関東ボクシング



なーんにも知らんかったですが、WBCミニマム級、団体内の王座統一を果たし、晴れて正規の王者となった重岡優大が、試合報酬の支払いを受けておらず、インスタグラムで不満を表明したら、その翌日に振り込みがあった、というお話です。


話としては今時、ではありますね。昔なら選手の不満表明を大半のメディアが黙殺したでしょうし、取り上げるところがあったら、それはジムとの決別、イコール引退を意味したわけでしょうから。
しかし今はSNSというものがある。選手が不満を表明し、それがきちんとした語り方で、内容もまっとうなものなら、ジム側に非あり、と世に知らしめることになります。
そして、今は有力選手ならずとも三年契約が切れたら、移籍してしまうわけですので、滅多な事も出来ない...はずなんですが。


重岡優大の10月の試合報酬が、プロモーターからジム(マネージャー)に支払われたタイミングがどうなのかなど、わからない点が多いですが、いずれにせよ試合から二ヶ月も経って、SNSで言われたから、慌てて振り込む、とは...まあ、ワタナベジムならではの仕業やなあ、と一言で済ますことも出来ましょうが、ホンマに子供やないんやから、とは子供さんたちに失礼やな、と思うくらいです。

このいい加減さは、普通の神経では信じがたいものがありますね。
こんなジムの会長さんが、協会長までやっていたんですから、日本のボクシングはまだまだあきませんな、と言うしかありません。

記事に出ているコメントも、本当に正気を疑うくらい、酷いものです。
「選手の気持ち」「災い転じて」?ここに来て精神論です。非常識にも程があります。カタギの情緒で、出てくる言葉じゃないですね。いやはや。


重岡優大は、こんな相手に筋論で押しても無駄と察しているのでしょう、ひとまず矛を収める、的な話をしているようですが、こんな話を聞かされた記者がまた、それをそのまま書いておしまい、というのも、ジム側と同じレベルで非常識です。
円満?不満はない?アンタ、務めてる会社から、給料を二ヶ月遅れで払われて「災い転じて」とか言われたら、どう思うんや?と訊いてみたいです(笑)。


井上尚弥という規格外の、真の世界チャンピオンにまつわる話は、従来のボクシング界では聞けない話がいくらでもありますが、それと平行して、こういう、いかにも日本のボクシング「業界」ならではやなあ、というお話も、変わることなく聞こえてきます。
さて、日本ボクシングの真実の姿は、どちらの光景から見て取るべきなんでしょう、かね。


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ボクシングでもこういう話が 井上タパレス戦、チケット転売確認される 

2023-12-05 04:54:36 | 井上尚弥



詳しいことは知りませんが、芸能人のライブやコンサートやなんか、最近だと野球のWBCなんかでもあったんですかね?
チケット転売にまつわる話が、ボクシングにも、というか、井上尚弥限定の話ではあるでしょうが、聞こえてきました。


以前、誰の試合か忘れましたがホールに行ったとき、ジャニーズの誰かのコンサートが東京ドームであって、周辺にはヒッチハイクみたいに、「チケット求む」などと書いた段ボールやスケッチブックを手にした女性ファンが溢れていたことがあります。
聞けば3日くらい連続でのステージだそうで、それでもチケットが買えない、でもどうしても見たい。大変そうでした。
ボクシングではダフ屋の民間街頭販売のおじさんが昔はよくいたものですが、逆やなあ、という。


まあ、ボクシングにもようやくこんな話が出るようになった、さすがは井上尚弥や...とか言ってちゃいかんですね。
おそらく、お金で人集めて抽選に応募して、当選したチケットを売りに出しているグループがいるのでしょうし、そういう組織的な動向を確認してもいるのでしょう。
単に見に行けなくなった、という都合で、少数の人間が個別バラバラにやっている程度のことなら、こんなコメントなど、出さないでしょうし。

最近はリセールのシステムを整備してひとつに集約し、それ以外の転売はノー、という方法を採るところもあるらしいですが、ボクシングではこういうパターン、残念ながら希なことでしょうし、なかなか急に対応できないでしょうね。
大橋会長のコメントのように、基準を示さず漠然と「入場いただけない場合があります」で通る話かというと、多分違うでしょうし、難しいところです。



それにしても、この手の話、最近よく見聞きするようになりましたが、世の中いよいよ厳しく、苦しくなってきているんだなあ、という気がします。
単にモラルを捨て、利を追う者を責めて済むだけの話ではないのだろう、と。

二つに分かたれた、持てる者と持たざる者の世界で、22万円のチケットが飛ぶように売れるボクサーが登場し、しかしその価値に一瞥もくれず、手段を選ばず利を得ようとする者がいる。
ボクシングをただ好み、見るという普通の価値観からすれば、実はどちらも「遠い」世界の出来事ですが...別に未来を全て悲観する主義でもなく、哲学も持たない凡人たる自分でも、どうもよろしくない風景だと感じます。



ところで今回ですが、井上尚弥の試合観戦、久々にパスします。
ことが井上尚弥の試合となれば、平日だろうが馬鹿と笑われようが、と気合い入れてまして、今回もそのつもりだったのですが、12月26日という日程はよりにもよって、というか...どうにも具合がよろしくない。
大抵、28日か29日が仕事納めで、その数日前に平日いちんち休めるか、というと...いっそ30日や大晦日、元日とかなら馬鹿もやれるが、というところで、今回は諦めました。
それどころか、当日のLemino配信をリアルタイムで見られるかどうかも怪しい、という状況です。無念。



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海外情報?続々 1月拳四朗阿久井、2月拓真に中谷潤人も?

2023-12-04 07:55:45 | 関西ボクシング


井上尚弥vsマーロン・タパレスの大一番が迫って来た年の瀬ですが、来年1月2月と、相次いで世界戦の話が噂になり、海外からの報道というか情報?が目に入ってくるようになりました。

BOXINGMASTERさんのブログで、1月23日か24日か、大阪で寺地拳四朗の世界戦あり、という記事が出ていました。
海外報道でもあったのかなと探してみましたが、見つかったのはXの投稿。






拳四朗の相手は、ベルムデス戦のKO負けから再起し、ダニエル・マテヨンに負傷判定勝ちでWBAの挑戦権を持っているという、元王者カルロス・カニサレス。
日本では田口良一、小西伶弥との激戦で知られ、中国リングでは木村翔を破っているお馴染みの顔です。
WBCのヘッキー・ブトラーに続き、今度はWBAの元王者にして指名挑戦者を迎える、ということになりますね。

そして、東京より近いという意味で、応援の方々にも良い話でしょうか。岡山の雄、ユーリ阿久井政悟がアルテム・ダラキアンに挑む試合がここに入ると。
あとは那須川天心三戦目がセットされると。相手はWBOバンタム級14位のルイス・ロブレスという選手。


情報源としては心許ないのかな、と思ったりもしたんですが、一応継続してXの投稿をチェックしておこう、と思っていたら、今朝になってこんな投稿が。






2月24日、国技館で井上拓真vsジェルウィン・アンカハス。ジョナス・スルタンvs増田陸。
延期になった11月のカードのうち、ふたつがここにセットされる。
そして、走り込みキャンプの取材で、バンタム級転向の可能性を語っていた中谷潤人の次戦も、2月頃、というコメントのとおり、ここに置かれる、と。
さらに別の試合もあり、とも書いてあります。
ポスターというかビジュアルぽい画像もありますが、公式のものではない?一見して粗いですね。よくわかりません。



まあしかし、これまで出ていた話や噂に沿った情報というか「話」ではありますね。
概ね、このような路線で動いているんだろうなあ、と思うのも確かです。

国内の試合についても、Leminoフェニックスバトル、2月のカードが発表され、なかなかやなあと思ったばかりですが。
日程的には、2月の22日と24日(25日かも?)というのは、随分近いなあと思います。

まあ、どこまでホンマかわかりませんけど、出来ればどれも実現してほしいなあ、と思うカードばかりです。
個人的には、大阪で拳四朗プラス、阿久井の世界戦というのは、心惹かれる話ではありますね(笑)。
あとは、中谷潤人のバンタム級での試合というのが、世界戦になるのか否か、というのが気になるところです。




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接戦、激闘、若手に試練 ダイナミックグローブ20時半終了

2023-12-03 09:33:44 | 関東ボクシング



ということで昨夜はダイナミックグローブ、U-NEXTで楽しく見ておりました。


メインは日本ウェルター級チャンピオン、坂井祥紀が二度目の防衛。
サウスポーのシーサー皆川は、4回と7回に左アッパーの好打で坂井をぐらつかせましたが、3回にダウンを喫したあと、4回のバッティングによる負傷箇所からの出血にも悩まされ、終盤は攻勢に出られず、坂井に攻められました。

シーサーは筋の良いフォームから、二度も好打を決めましたし、喫したダウンも、肘で押されたプッシング。
とはいえ、スローVTRで見たらそうわかった、というもので、アンラッキーでした。
ラスベガスの試合で以前あったように、映像チェックして、インターバルでダウン取り消し、とかやるなら、そうなっていただろうと思いますが。
あとは出血も響いたし、途中採点もやや坂井に幸いしたかなと。

とはいえ、シーサーの健闘、とまでは言えない展開でもあり、それは共に出血しながらも、堅牢なガードと圧力、そして焦らず構えて、限定された攻めの回数を、しっかり前進、攻勢の「絵」に変えていく、坂井の強かさ故、でした。
日本のウェルター級は、小原佳太を破った佐々木尽が負傷で休養中なので、一度坂井に勝った豊嶋亮太が、来年のカーニバルで坂井に挑む再戦が、ひとつの目玉カードとなりますね。



セミは大激戦。新人王対決でもありましたが、タイトル二度挑戦の経験がある強打、梶颯が、サウスポー篠田将人の左アッパーでぐらつくも、最後は捉えて、7回に左フックでKO勝ち。
梶はタイトル戦連敗、KOからも遠ざかっていて、力は確かにあるものの、闘い方に迷いもあり。
篠田がそこを果敢に攻めて打ち込みましたが、正対して左へ動き、左の好打はあったものの、右への動きと右フック引っかけ、という、ベタなサウスポーの技があまり見られなかったことが、試合を力勝負中心の展開にしてしまい、梶の反転攻勢を許した、という面もあるように思いました。その辺はちょっと惜しかったですね。
でも、試合としては劇的で、目を惹かれるものでした。両者の健闘に拍手です。


セミセミはミニマム級のベテラン、リト・ダンテが、高見享介に判定負け。
しかし一見して、かなりの体格差があり、これはダンテ、今日は難しいだろうという印象で、試合はその通りの展開で進み、終わりました。

実況は日テレ、G+の流れにある人選なのでしょうか、目の前に何が起こっているかを伝えるより、ある程度決まった「絵図」に沿って言葉を積む、という「社命」大事、という語り口で、高見をさも凄い選手のように語り、ダンテに勝つことを偉業のように言い募っていました。
しかし、あれほどの体格差と、そこからくる距離やパワーの優位性がある、言えば甘い設定の試合で、あの程度の勝ち方しか出来ないというのは、到底褒められたものではない...とは言い過ぎでも、絶賛されるようなものではない。
それは誰の目にも明らかなことです。にも関わらず...この辺は媒体がU-NEXTに変わっても、相変わらず「前身」の古臭さそのままやなあ、と。

本田会長は帝拳の選手に対し、好待遇を与える代わりに厳しい「評定」をすることで知られますが、もし今も現場に対して意見をすることがあるならば、かなり厳しい見方をするのではないか、と思います。そういう試合、でしかありませんでした。



アンダーでは小川寛樹が初黒星。
中国人ボクサーのヤン・チェンチェン、母国では連敗中だったとのことですが、厚みのある身体から強打を振って、正面から距離を詰め連打してくる小川に打たれながらも耐え、3回に左フック、右から左返しフォローで、小川をダウン。
まともに打たれて倒れた小川、立ったもののダメージ甚大で二度ふらつき、レフェリーが止めました。

小川は、小柄だが強振してくる相手が元気な序盤の内から、正面から強弱付けた連打で打ちかかり、時にお返しが来ても、さらに攻めて抑え込もうという風で攻め続け、しかし打たれて倒されました。
一発好打が即、ダメージを与えたり、ダウンシーンに繋がるレベルのパンチ力がないと成立しない組み立てやなあ、大丈夫かなあ、と思って見ていたら、案の定でした。
もっとも、相手が耐性低く、反撃にも力の無い噛ませさん相手なら、あれで通ったのでしょうが、中国から来る選手の中には、そうではない選手が多いのが現状で、無理な攻め方をしていたら、当然のようにこういう結果もあり得る、ということなのでしょう。



この日は村田昴が欠場、そして4回戦もひとつ中止になったようで、8試合予定が結局6試合に。
それもあって、17時開始の興行、メイン終了は20時半くらいでしたか。早めの終了になりました。
まあ、土曜日だしこれで充分かなと思います。観戦に行っていたら、観戦後の行動にも余裕があるし、取材する立場の方々も同じく、でしょうしね。
この時間設定は、現場に行く方々にとって、良いものだと思います。
問題は配信を見る視聴者の動向ですが、こればかりは情報が開示されることもないので、何とも言いようがない部分ですが...実際、どうなんでしょうかね。


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伊藤雅雪、本日の見どころ語る/返上返上/女子世界戦Leminoで

2023-12-02 05:33:18 | 関東ボクシング



今日はU-NEXTで、17時開始のダイナミックグローブ、ライブ配信。
伊藤雅雪プロモーターも動画で、見どころを語ってはります。





坂井祥紀の強みと弱み、シーサー皆川の来歴と、実際の試合ぶりについて、わかりやすい話が聞けます。
こういうの、普通に見聞きしてから試合を見ると、楽しみが広がるんでは、と思いますね。


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大橋ジムの松本圭佑がWBOアジアパシフィック、フェザー級王座返上
同じくジムメイトの武居由樹も、OPBFスーパーバンタム級王座を返上、というニュースがありました。

松本圭佑の方に関しては、リドワン・オイコラ戦が決定戦だったと思うんですが、試合が12回戦になるんやなあ、という以外に、何の意味があったのか、と...元々ない話を何となく日本タイトルに乗っけて王座獲得、でも返上という流れは、まあ他への「たらい回し」の意味も含めて、なんのこっちゃこれは、という話です。



武居由樹の方は、記事によると、スーパーバンタムとバンタム両睨み、という感じですかね。
井上尚弥がスーパーバンタムに上げて来て、4本まとめてしまいそうだから当面、世界のチャンスがない、ならバンタムに下げられるなら下げて、ということなんでしょうが...言うたって井上も、今月勝つと仮定して、スーパーバンタムに3年も5年も居座る(つもり)かというと、そうでもなさそう。
なのに、何をそんなに急ぐのかな、と思います。
もし、バンタムで組める世界戦があったら、すぐに武居を出すつもりなんでしょうかね。

もちろん武居は強いですが、さりとて今、現時点でそんな選手かな?と思いもします。
そりゃ、相手次第で、一発で倒してしまう可能性はあるかもしれませんが...少なくともバンタムで、堤聖也を筆頭に、他の有力選手と闘って、国内最強の評や、世界への待望論を勝ち取ってから、という構えではないらしいです。
この辺はいかにも大橋秀行らしい...どこか、昭和末期や平成初期の頃の感覚というか「運び」ですね。


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潤沢な予算故?か、井上尚弥独占の勢いに乗って?か、好カード、好ファイト続出、外れ無しの定評も目前、というLeminoフェニックスバトルですが、偶数月だけでは収まらず、奇数月の興行も実施されるようになっています。
11月は先日の高田勇仁、森且貴再戦の激闘。今月は井上尚弥、タパレス戦と、バンタム級トーナメント決勝が一緒に見られる。
そして新年早々、1月12日は女子世界戦が複数入った、オール女子のラインナップが組まれました。





女子の試合メインの興行、会場に見に行ったのは記憶の限りでは2回だけだったと思うんですが、何しろそんなに詳しくありません。
ただ、今回の興行には、そんな私でも知っている名前、見たことある選手が複数含まれています。
世界戦が3つ、そしてアンダーもきっと、好カードなんでしょうね。

バブルと称する向きもある国内ボクシングのネット配信ですが、その恩恵が男子のみならず、女子にも及んできたということでしょうか。
好ファイト続出で女子ボクシングにもさらなる活況、となるかどうか。おそらく各選手、相当な意気込みなんだろうと想像します。要注目ですね。



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統一戦は難しい? 寺地拳四朗、次戦は1月下旬、大阪で

2023-12-01 05:27:33 | 関西ボクシング




WOWOWエキサイトマッチで、9月に闘ったヘッキー・ブトラー戦を「セルフ解説」した寺地拳四朗、次戦について言及


以前も話題になっていましたが、1月下旬、大阪で、那須川天心の試合とセット。
AmazonPrimeVideoによるライブ配信となるのでしょう。
たぶん、府立体育館だと思いますが...。

対戦相手については、記事にもある通り、WBO王者ジョナサン・ゴンサレスは二試合連続の「病欠」で、暫定王者を作られてしまい、新暫定王者レネ・サンティアゴとの対戦オーダーが出た、というところで話が止まっています。
ゴンサレスの王座が剥奪されたり、王座返上があったりすれば、正規王者に昇格するサンティアゴが来日して拳四朗と闘う、という運びになる可能性もあるかな、と思っていましたが、もう来月ですし、そうはならなさそうですね。


予想外?というか、下位の挑戦者にあっさり負けたなあ、と驚きがあったのは、IBF前王者シベナチ・ノンチンガで、新王者アドリアン・クリエルに2回で倒されてしまいました。
新王者クリエルには、こちらも記事によると再戦条項がある、ということですが、なんでそんなものがあるのか、あって良しとされているのか、不思議です。
まあ、米大陸の人気選手ならそんな勝手も通るんでしょうが、言って悪いがこのくらいの...あ、いやいや。


正直、どちらもそんなに招聘しにくいタイトルホルダーだとは思っていなかったんですが、この記事の感じだと普通の防衛戦になるかも、という感じに読めます。
それ自体は仕方ないことかもしれませんが...正直、よく知らんような選手を選ばれてもなあ、という気持ちではありますね。
「おお」と思えるような相手であってほしい、と。しかしランカー見渡しても、あんまりそういう選手いませんね。


AmazonPrime配信の試合で、甘いカードが許されるものか、という疑問もありますし、インパクトのある名前を、となると...カルロス・カニサレスやエルウィン・ソト、ダニエル・マテヨンやティト・アコスタといった元王者クラスなら、悪くはないんでしょうが。
ミニマム級で長期政権を築いていたワンヘン・ミナヨーティンなども、ぎりぎり許容範囲、でしょうか?
試合として面白くなるのはソトかアコスタでしょうね。手強いけど地味なんで困りものかもしれないのがマテヨン、というところか。

国内勢はというと、矢吹正道とのラバーマッチは、矢吹のコンディションを考えれば無理です。
岩田翔吉のランクが各団体でえらく上がっていますが、これもあり得ないでしょう。
ウルトラC?というか、重岡優大との世界王者対決なら充分「おお」ですけど。これもまあ...。



日程については、拳四朗、もうスパーリング練習に入っているということですし、来月下旬で間違いは無いんでしょうね。
那須川天心の拳か手首かの負傷も、このスケジュールで動いているということは、大丈夫なんでしょうし。
大阪でやるというなら、見に行きたいなと思っているんですが、平日開催で地味なカード持ってこられたら、うーん、という感じではありますね。
どういうことになりますか。注目していきたいところです。


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