さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

接戦、激闘、若手に試練 ダイナミックグローブ20時半終了

2023-12-03 09:33:44 | 関東ボクシング



ということで昨夜はダイナミックグローブ、U-NEXTで楽しく見ておりました。


メインは日本ウェルター級チャンピオン、坂井祥紀が二度目の防衛。
サウスポーのシーサー皆川は、4回と7回に左アッパーの好打で坂井をぐらつかせましたが、3回にダウンを喫したあと、4回のバッティングによる負傷箇所からの出血にも悩まされ、終盤は攻勢に出られず、坂井に攻められました。

シーサーは筋の良いフォームから、二度も好打を決めましたし、喫したダウンも、肘で押されたプッシング。
とはいえ、スローVTRで見たらそうわかった、というもので、アンラッキーでした。
ラスベガスの試合で以前あったように、映像チェックして、インターバルでダウン取り消し、とかやるなら、そうなっていただろうと思いますが。
あとは出血も響いたし、途中採点もやや坂井に幸いしたかなと。

とはいえ、シーサーの健闘、とまでは言えない展開でもあり、それは共に出血しながらも、堅牢なガードと圧力、そして焦らず構えて、限定された攻めの回数を、しっかり前進、攻勢の「絵」に変えていく、坂井の強かさ故、でした。
日本のウェルター級は、小原佳太を破った佐々木尽が負傷で休養中なので、一度坂井に勝った豊嶋亮太が、来年のカーニバルで坂井に挑む再戦が、ひとつの目玉カードとなりますね。



セミは大激戦。新人王対決でもありましたが、タイトル二度挑戦の経験がある強打、梶颯が、サウスポー篠田将人の左アッパーでぐらつくも、最後は捉えて、7回に左フックでKO勝ち。
梶はタイトル戦連敗、KOからも遠ざかっていて、力は確かにあるものの、闘い方に迷いもあり。
篠田がそこを果敢に攻めて打ち込みましたが、正対して左へ動き、左の好打はあったものの、右への動きと右フック引っかけ、という、ベタなサウスポーの技があまり見られなかったことが、試合を力勝負中心の展開にしてしまい、梶の反転攻勢を許した、という面もあるように思いました。その辺はちょっと惜しかったですね。
でも、試合としては劇的で、目を惹かれるものでした。両者の健闘に拍手です。


セミセミはミニマム級のベテラン、リト・ダンテが、高見享介に判定負け。
しかし一見して、かなりの体格差があり、これはダンテ、今日は難しいだろうという印象で、試合はその通りの展開で進み、終わりました。

実況は日テレ、G+の流れにある人選なのでしょうか、目の前に何が起こっているかを伝えるより、ある程度決まった「絵図」に沿って言葉を積む、という「社命」大事、という語り口で、高見をさも凄い選手のように語り、ダンテに勝つことを偉業のように言い募っていました。
しかし、あれほどの体格差と、そこからくる距離やパワーの優位性がある、言えば甘い設定の試合で、あの程度の勝ち方しか出来ないというのは、到底褒められたものではない...とは言い過ぎでも、絶賛されるようなものではない。
それは誰の目にも明らかなことです。にも関わらず...この辺は媒体がU-NEXTに変わっても、相変わらず「前身」の古臭さそのままやなあ、と。

本田会長は帝拳の選手に対し、好待遇を与える代わりに厳しい「評定」をすることで知られますが、もし今も現場に対して意見をすることがあるならば、かなり厳しい見方をするのではないか、と思います。そういう試合、でしかありませんでした。



アンダーでは小川寛樹が初黒星。
中国人ボクサーのヤン・チェンチェン、母国では連敗中だったとのことですが、厚みのある身体から強打を振って、正面から距離を詰め連打してくる小川に打たれながらも耐え、3回に左フック、右から左返しフォローで、小川をダウン。
まともに打たれて倒れた小川、立ったもののダメージ甚大で二度ふらつき、レフェリーが止めました。

小川は、小柄だが強振してくる相手が元気な序盤の内から、正面から強弱付けた連打で打ちかかり、時にお返しが来ても、さらに攻めて抑え込もうという風で攻め続け、しかし打たれて倒されました。
一発好打が即、ダメージを与えたり、ダウンシーンに繋がるレベルのパンチ力がないと成立しない組み立てやなあ、大丈夫かなあ、と思って見ていたら、案の定でした。
もっとも、相手が耐性低く、反撃にも力の無い噛ませさん相手なら、あれで通ったのでしょうが、中国から来る選手の中には、そうではない選手が多いのが現状で、無理な攻め方をしていたら、当然のようにこういう結果もあり得る、ということなのでしょう。



この日は村田昴が欠場、そして4回戦もひとつ中止になったようで、8試合予定が結局6試合に。
それもあって、17時開始の興行、メイン終了は20時半くらいでしたか。早めの終了になりました。
まあ、土曜日だしこれで充分かなと思います。観戦に行っていたら、観戦後の行動にも余裕があるし、取材する立場の方々も同じく、でしょうしね。
この時間設定は、現場に行く方々にとって、良いものだと思います。
問題は配信を見る視聴者の動向ですが、こればかりは情報が開示されることもないので、何とも言いようがない部分ですが...実際、どうなんでしょうかね。


コメント
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