さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

国際試合は当面無理か 中谷潤人の試合、また延期

2020-07-29 17:16:23 | 関東ボクシング




昨今の情勢を見ていると、余裕持って組んだつもりの日程でも無理かも、と思っていましたが、やはりというか、またしても延期になりました。
中谷潤人、ジーメル・マグラモ戦。8月21日開催予定だった一戦です。

それにしてもこの試合、延期何回目でしたっけね。
試合というものは、様々な事情を踏まえて組まれるもので、当然延期という事態もあり得るものでしょうが、こう何度も繰り返しでは。
そもそも無観客という条件がついて、それでもまた。

中谷もマグラモも、心身ともに大変だろうと思います。
この先、といってもどのくらい先か見当もつきませんが、この一戦が晴れて行われた際の、両者の健闘を祈るしかありません。


以前、井上尚弥のビザ取得手続きが止まっているため、なかなか決まらないジュンリエル・カシメロ戦、ことによると国内でも、なんてちょっと話題になったこともありましたが、これではカードの大小にかかわらず、当面国際試合など組めそうにもないですね。
当面、国内カードの充実に舵を切るしかないでしょう。

世界戦、それも統一戦、ダブルタイトルになるカードが組める階級もあったりしますが、日本のボクシング「業界」は、この状況においてもなお、個々のご都合、勝手でしか動けないのだろうか、それとも...まあ、こんなことは思うだけ時間の無駄ですかね。


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クリンチはあくまで「次善の策」であってほしい 中川健太、初防衛

2020-07-28 16:14:27 | 関東ボクシング




中川健太、ユータ松尾戦の映像も見ることが出来ましたので、簡単に感想。


記事にもあるとおり、誰より本人が自身の出来を厳しく捉えています。
そして、残念ながらそのとおりの試合内容でした。

サウスポー中川が動いて左を当て、かなえば右の返しを当て、松尾が追って攻めるがクリンチで止められる。
基本的に、9回のバッティングによる負傷ストップまで、試合展開はこの繰り返しでした。

ボクシングのルールを改定して、クリンチは禁止にしたら良い、という極論を語る人が、ファンの一部のみならず有力関係者の中にも複数いる、と以前聞いて、少し驚いたことがありますが、こういう試合に出くわすと、確かにそんな気分にもなります。そんな試合でした。


パンチという、もっとも端的で鋭い攻撃手段に「特化」して闘われるボクシングにおいて、クリンチというものが「次善の策」として存在するのは仕方ないことだ、というのが私の意見ですが、それを「軸」に置いた闘い方は、安易に是認していいものではない、とも思います。
自分が不得意な距離の攻防、接近してのヒット・アンド・カバーを「一切」遮断するためのクリンチ駆使、その頻度の高さは、やはり度を超していた、と言わざるを得ません。

さらにいうなら、松尾の頭を嫌った、という面もあるにせよ、もう少し右リードを出して相手を止め、そこから左を決める、という段階が踏めれば、より効果的な攻撃が出来、あれほどの頻度でクリンチに頼る必要はなくなっていたはずです。
クリンチ自体もそうですが、その部分にも不足を感じます。

日本のタイトルマッチで、それも、二度目の戴冠となるベテラン選手と、挑戦者決定戦を勝ち上がってきた1位とのカードで、当然、しっかり10ラウンズあるわけですから、そのくらいのグレードは最低限、求めたいですね。


もちろん、減点対象にはなっておらず、ルール上は何も問題はありません。
しかし、「観客に見せられる試合じゃなかった」という表現で中川が自己批判したように、もし自分がこの試合を、暇割いて身銭切って見に行ったとしたら...と考えると、今日は外れたな、という言葉で自分の気持ちを抑えるしかなかったでしょう。残念な試合でした。


===================


アンダーでデビューした木村蓮太郎は、60キロ契約の6回戦デビュー戦、2回TKO勝ち。
大柄なサウスポーで、この日はほぼ、攻撃面しか見られませんでしたが、左の強打、好機の際の迫力、ことに右アッパーが鋭く織り込まれた「詰め」には目を引かれました。
このご時世、試合を組むことがまず大変になりそうですが、なんとかコンスタントに試合の機会を得て、大きく成長してほしいものです。



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矢吹正道、初回KOで日本王者に

2020-07-27 16:52:02 | 中部ボクシング

刈谷市の日本ライトフライ級タイトルマッチ、矢吹正道が佐藤剛との決定戦に初回KO勝ち

残念ながらライブ配信などはありませんでしたが、ツイッターに動画あり
BoxingRaiseでも見られます。
芝力人戦でも見せた、体格とリーチを生かし、なおかつ、次のパンチを巧く隠して当てる連打、そして強打で締め括る攻撃が、今回も見事に決まりました。


日本の軽量級、この近辺のクラスには、世界を目指す中谷潤人がフライ級にいて、その中谷に敗れたものの、共に日本王座を獲得して「猛追」するユーリ阿久井政悟と矢吹正道がいて、そして土曜日、OPBF王者となった歴戦の雄、堀川謙一がいる。
WBC1位の元日本王者、久田哲也を加えると、どの組み合わせも面白い。充実してきたなあ、という印象です。

矢吹は堀川の名前を挙げた他、ライバル達に対しても強気の発言をしているようです。
大柄で、攻撃的で、パワーを秘めたサウスポー。フライ級でも十分やれるでしょうし、この選手を実力以外の理由で「隅に置く」ことなく、どんどんと「使って」いって、新型コロナに苦しむ日本ボクシング界の新たなスターとする、というくらいの勢いが欲しいものです。

ここまで、新人王戦、国内若手対決、ランカー、そして海外の強豪(マテヨン等)との闘いを重ねてきての日本王座獲得だけでも千金の価値あり、ですが、今後も色々と期待できそうですね。


しかし、有観客興行だったんですね、これは。うっかりしていました。
もっとも、刈谷遠征は元々無理でしたが...。



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巧くて「雄弁」なボクシング 堀川謙一40歳、冨田大樹に完勝

2020-07-26 01:50:47 | 関西ボクシング


ということでYouTubeで配信あったOPBFライトフライ級王座決定戦、堀川謙一が10回、TKO勝ち。
若い冨田大樹を、巧さで攻略して、最後は強烈に仕留めました。

序盤の回で、鼻血を流すシーンがありましたが(冨田の左でしょうか)、冨田の左に右をリターンし、その次に左、という「逆ワンツー」を巧く当て、その左を上だけでなく、ボディへも決めていく。
冨田は速いワンツーを当て、勢いに乗って攻めるパターンになると強いので、手数を出させないように、軽いパンチで良いから返し、気持ちよく攻めさせない、という堀川の狙いが、序盤から見えました。

5回、ボディの打ち合いでまさり、この回、そして8、9回は打ち勝ったあと、ラスト10秒以降に攻め込むパターンが続く。
こつこつ当てられた上へのヒット、ボディのダメージ、思うように闘えない心身の疲弊を抱えた冨田を、10回に猛攻。
最後は堀川の右で冨田、身体ごと飛ばされるようなダウン。レフェリーが飛び込んで来たが間に合わず。
失礼ながら、堀川謙一らしからぬ?強烈なTKOシーンでした。


40歳になり、色々難しいことだらけの状況にあって、なおその技巧を維持するのみならず、さらなる意欲、闘志が伝わってくる闘いぶりでした。
かつて、練習環境や好待遇、試合の機会に恵まれず苦しんでいたボクサーだからこそ、今、この時に闘うこと、闘えることに込めた思いのようなものがあるのかも知れない。
そんなことを思わせる闘いぶりに、終始惹き付けられました。

普段の人柄までは知りませんが、少なくともこの日、リングの上で、堀川謙一は極めて雄弁でした。
この試合が多くの注目を集めるものかはわかりませんが、その姿は、ボクシングファンならば、陳腐な表現ながら「感動」を覚えるものだった、と思います。


敗れた冨田大樹は、山口隼人戦での成長ぶりで大いに注目していましたが、技巧衰えぬ堀川の前に、完敗を喫しました。
しかし、堀川が今の「境地」に辿り着くまでの道のりを思えば、彼にはまだまだ時間がある、と思います。
もちろん、それは、こういうご時世であろうとなかろうと、簡単に言っていいことではないのでしょうが、それでも、という思いです。



試合の様子は、アンダーから全部、明日の午後からこちらのチャンネルで再度、動画がアップされるそうです
味わい深い、良い試合でした。なおかつ、フィニッシュはなかなかの迫力でもありました。
未見の方は是非見ましょう(^^)



※試合動アップされました。ご紹介。






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ようやく話が動き出す? 井上尚弥、大使館へ

2020-07-24 14:26:21 | 井上尚弥



いろいろごちゃごちゃ書いてある記事で、いつもなら読み流すだけですが、ひとつだけ読みどころあり。
井上尚弥vsジュンリエル・カシメロ戦実現に向けて、最大の足止め要因であった、大使館でのビザ発給業務が、どうやら動き出したようです。
ボブ・アラムのコメントですが、米国大使館での「面接」を経れば、渡米出来るという段階だそうで。


ここさえクリアになれば、あとは試合に向けての諸条件、ということになりますね。
渡米してからの滞在期間中、どのような形で調整が出来るものなのか、気になる部分もありますが。

相手側の話も色々書いてありますけど、ここはそっちの勝手にしはなれ、というところでしょう。
おそらくカシメロが来るとは思いますが、条件どうこうに関しては、お互いに小芝居半分、ホンマの交渉半分、というところでしょう。知らんけど(笑)


無観客でも何でも良いので、とりあえず試合させてあげてほしいですね。
当然、今から試合日程を決めて、誰かと闘うとなっても、一年近いブランクになるのは確実で、その相手が別のタイトルホルダーとの大試合、というのは、色々不安ですから、弱い相手との調整試合があってもいい、と思うくらいですが...。

先日の無観客試合で、それこそ比嘉大吾や栗原慶太あたりと、エキシビションでもやれたら良かったかもしれません。
弟さんとやると、喧嘩になってしまうようなので、それは無しとして(笑)。




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25日神戸の試合、YouTubeでライブ配信

2020-07-22 03:36:19 | 関西ボクシング


残念ながら無観客試合となってしまった、25日神戸のOPBFライトフライ級タイトルマッチですが、当日のセミとメインをYouTubeでライブ配信するとのことです。
山下会長ブログに記載ありました

ライブ配信のみなのか、アーカイブに置かれて、その後も閲覧出来るものかは不明ですが、何とか見たいと思います。
予告動画ありましたんでご紹介。






以前も書いたとおり、冨田と堀川の新旧対決は、要注目の一戦と言って良いでしょう。
普段なら、おそらく神戸の会場に足を運んで観戦しているところです。
しかしこうして、ライブで見られるのだから、有り難いことです。
皆さんも是非見ましょう(^^)


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25日神戸の試合、無観客になる模様

2020-07-21 13:23:24 | 関西ボクシング




以前、紹介した、今週土曜の神戸における有観客試合興行ですが、どうやら無観客試合になった模様。
出場選手の一人である、勝輝ジムの竹島海刀選手がツイッターでそう書いています
今のところ、プロモーターによる正式な発表はまだのようですが。

それにしても...選手がチケットを自分で売っているから、その払い戻し作業なども自分でやらざるを得ないわけですね。
試合、今週土曜日なんですけども。

こういう現状に危機感を、というより「異様なこと」だと捉えるような人が、一人でも多く「プロモーター」として台頭してきてほしい、と改めて願う次第です。




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初の有観客興行、沖縄で開催

2020-07-20 17:06:10 | 関西ボクシング



沖縄で、国内最初の「有観客」興行が行われたというニュース

写真を見ると、関係者はマスク着用、セコンドは手袋も。
客席は閑散としていて、収容人数の10分の1くらいの客入れだったとのこと。

米軍基地でのクラスター発生などが伝えられ、不安も抱えている沖縄ですが、ひとまず無事に終わった、という書き方になっています。
ただ、試合後もしばらく、選手や関係者の様子を見て、初めてそう言うべきかな、とも思います。
もちろん、様々な困難あっての試合開催、お疲れさまでしたと労いたい気持ちですが。

メイン、残念ながらイケメン選手は敗れた模様。
地元の選手の闘志、意気込みが報われた、ということでしょうか。


大阪では、発熱症状のあった3選手のコロナウィルス陽性が判明した、という記事が出ています
神戸、枚方などで予定されている有観客興行は成るでしょうか。
それこそ、自治体がストップをかけるような事態にならねば良いですが...。



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大阪のジムオーナーと選手の感染判明

2020-07-19 14:10:36 | 関西ボクシング




大阪のジム(おそらく会長)と選手、トレーナーなどが新型コロナに感染したとのこと。

どこのジムかは伏せてありますが、今後予定されている、有観客興行に関わっているところだとしたら、開催自体が危ぶまれます。
そうでないとしても、無観客での開催に話が戻る、ということもあり得るでしょう。
自覚症状なし、というならまだしも、しっかり症状もあるようですし。

ジムを閉鎖し、自宅で療養とのことで、間違ったことは今のところ無いようです。
重症ということでもないみたいですから、まだ幸いかもしれません。
皆さん、無事、回復されるよう願います。


しかし、色々と難しく、厳しい状況はなかなか変わらない、という現実を、改めて突きつけられたような気がします。
今さらですが、無観客でも多くに見てもらえる配信、放送のルートがあれば...と思わずにはいられません。
平時ならまあ、なんとか通じた話でも、緊急の事態においては...という現実を見て、改めて。




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見えないところにある傷と懊悩 井上浩樹、引退表明

2020-07-18 12:47:59 | 関東ボクシング




一昨日、初黒星を喫した井上浩樹、引退表明とのことです。


井上尚弥の試合をよく見に行くもので、彼の試合ぶりはデビュー戦から見ていて、足で外す防御と、スピードのある強打を持つ、優男なサウスポーの試合ぶりは、それはもう、溌剌としたものに見えました。
しかし最強後楽園のマーカス・スミス戦のあたりから、心身共に?「重く」見え、それは細川バレンタインを破って戴冠した試合も、それ以降も、勝ち続けてはいるものの、変わりませんでした。

右のリードを出し惜しみ、足も止まり加減で、引き込んで左カウンター、という狙いに比重が移った、と見える闘いぶりは、もちろん非凡なものを感じもする反面、それ「だけ」に収斂されていくボクシング自体の変容に、首を傾げることが多くなりました。

単に、相手の力量が上がるにつれて、傍目には見えない自信喪失のようなことが起こっているのか、それとも...と思っていましたが、昨日出た記事で少し触れられているように、何らかの(慢性的な?)故障を抱えつつ闘っていた、とのことです。

大方、拳か腰か、悪くすると膝か。はたまた内臓疾患か何か?などと思ってはいましたが、つまりは本人が思い描く理想を、リングの上で、という以前に、練習段階から実現出来なかったのかもしれません。
そういえば、会場で見た細川戦でも、年齢やキャリアからいっても、減量苦が心配になるくらいに、張り詰めた元気さのようなものが見えても良さそうな時期なのに、練習量を調整することが求められる段階のベテラン選手のような肌つやに見えたりもしました。


本人が淡々と?しているように見える、ツイッターでの引退表明ですが、その実、傍目が思うよりも長く、様々な懊悩があったのだと思います。
今回の、強敵永田大士に喫した黒星だけでなく、そこに至る過程において。

ボクサーが負う「傷」は、必ずしも傍目に見えるところにだけあるのではない。
この引退表明もまた、その現実を改めて、我々に思い知らせるものなのでしょう。


大橋会長が今後に含みを持たせているように、惜しい人材であることは確かですが、今は本人の思いを尊重するしかないでしょう。
いずれ、また...ということもあるかもしれませんし、そうなって然るべき心身を、井上浩樹が取り戻せる日が来てくれたら、どんなにいいかと思いもしますが、それはひとまず、抑えておくしかない、ですね。



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