この週末はTV観戦こそ大いに楽しみましたが、観戦はかなわずでした。
関西関連の試合や話題もあれこれありますが、一番の話題は、やはりリゴンドー来阪?の件でしょうか。
ふたつ前の記事コメント欄にてあれこれ書いておりますが、もし本当にこの場所、この対戦相手と組むのなら、
あらゆる意味で唐突、無理、場違い、という印象が勝つ話です。
ファンの思い描く「かくあれかし」という構図、ボクサーの状況をほぼ無視した、業界人の独善、と見えます。
TV局にケツかかれたか、或いは放送枠を埋める実績欲しさか体裁作りか、何か知りませんが、
TVの放送枠に振り回されているボクシング業界人の愚かしさは、遠からず彼ら自身の首を絞めそうです。
それ自体は別に知ったこっちゃないですが、その前後には必ず、立場の弱い者に理不尽なしわ寄せが行きます。
それがどうにも割り切れなく、もやもやした思いが残るのが常です。
今回の話が、そういう思いから遠いものであってくれれば、どんなに良かったか、と思いますが...。
それにしても、正式発表もそろそろ行わないと、いよいよおかしなことになってしまいそうです。
実現の可能性については、どうも懐疑的にならざるを得ません。本当にやるんでしょうかね。
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今日、高山勝成vs大平剛のIBF王座決定戦が正式発表されました。
またえらく内向きな話やと思いますが、今回は仕方ないのでしょうね。
ランキングや王座の情勢がこうなった以上、という。
前回、敵地メキシコで熱闘の末惜敗した高山にとっては、思った以上に早いタイトルマッチの機会ですし、
この試合単体を見れば、大歓迎とはいかないカードでも、前回があれだったんだから、とも思います。
まあこれが日本タイトルマッチとして行われるなら、評価や印象も違ったのは事実でしょうが。
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試合順、「メイン」「セミ」などの呼称がどうなるかは知らず、同日大晦日府立では、
井岡一翔と宮崎亮の試合も行われます。
井岡の対戦相手については、正直に言えば知った瞬間、驚き、呆れてしまいました。
ジャン・ピエロ・ペレスというのは、数年前に突如、大した実績もないのにWBAフライ級ランキング上で
何故か上位に大躍進したボクサーで、それと前後して亀田興毅の対戦相手候補として頻繁に名前が挙がったことから、
「亀田用」ランカーなのでは、と噂された曰く付きの選手です。
ロートル化したカルロス・ムリージョ(山口圭司に連敗、ジョマ・ガンボアに初回KO負け)に勝ち、
ヘスス・ヒメネス(この時点で32勝7敗)を破ってWBA暫定王座を獲得した以外は、
ラファエル・コンセプション、レベコ、ミラン・メリンド、コムパヤック、ダビド・サンチェスら
有名どころに軒並み負け続け、その後、今年に入ってからは試合無し。
「元WBA暫定王者」はウソでは無いにせよ、現状は推して知るべし、です。
前回の試合、KOは無かったものの、一定の評価を得た再起戦だったと思うのですが、
どうやら大晦日、世界戦実現はならなかったものの確保したTV放送枠を埋めるために、
肩書きは大層だが現状は目も当てられない、という相手に、派手な勝利を収めよう、というのでしょう。
ますます、往年のスカ屁兄弟そのまんまの方向性と見ざるを得ません。
せっかく前回は好評もあったのに、残念です。
井岡一翔自体が好選手であることに疑いはないですし、何も大晦日、無理に世界戦をやる必要も感じません。
しかし、前日同日に世界戦が目白押しの中、TVの枠を埋めるための試合の方向性が、
考え得る中で一番安易な、易きに流れたものになったことは、やはり井岡一翔の声名を傷つけるものです。
もうそろそろ、陣営の方々も、TV局との誼や視聴者層への喧伝だけでなく、それ以外の部分にも関心を持ってほしい。
フライ級ボクサーとしての彼に、性急に「結果」を求めるつもりはないですが、せめてそのくらいは...と思いますね。
宮崎亮の試合については、世界戦交渉という話もあったようですが、こちらも無冠戦とのことです。
こちらについては、弱いの相手でも良いから徐々に復調を、という段階にあると思っています。
来年以降に期待ですね。出来ればフライ級がいいと思いますが。
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この日曜日は大阪でふたつ興行がありまして、住吉で昨年全日本新人王MVPの前原太尊がKO勝ち。
相手はWBCユース王者のタイ人だったそうですが、完勝だったそうです。
IMPでは元全日本王者の中澤奨が、ジュンリエル・ラモナルに8回判定勝ち。
和氣慎吾、大橋弘政との対戦がある選手に、無難な勝利を収めました。動画発見したのでご紹介。
左が良く出て、多彩で、ボディも打てる。5戦目で初の判定でしたが、全体的には充分整っている印象です。
このくらいの相手と数戦やるうちに、より鋭く研がれ、緩急もついてくるんじゃないでしょうか。
今後も注目していきたいところです。
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で、避けようも無いプロテストの話題です。
TVや一般マスコミは辰吉ジュニアに話題を集中させていますが、B級で合格した丸田陽七太の方こそ、
実は大きく取り上げられるべき存在なのでしょうね。
少し前の紹介記事ですが、なんだかえらくスター性のある選手みたいです。
読み進むうちに、腹が立つやら羨ましいやら、あまり応援したくないなぁとか思ってしまうエピソードもありますが(笑)、
実力的にもかなりのものがあるようですので、楽しみですね。
渡米してトレーニングしたあとにデビュー、という計画については、期待半分不安半分、ですが。
そしてC級合格の辰吉寿以輝です。関西ローカルだと思うんですが、ふたつ動画がありますのでご紹介。
率直に言って、TV局がデビュー前から追い回すほどの逸材なのかどうかは、この映像では不明です。
それよりも何よりも、息子を案じる辰吉丈一郎の姿の方が、強烈な印象を残しました。
あれこれ語り出すと長いので止めておきますが、時は流れたのだなぁ、と...。
そして、ふたつめの最後にキャスターが語った言葉も、同様に重く響きました。
辰吉丈一郎の息子である、という現実に、プロボクサーとして立ち向かう覚悟の重さは、
彼が今後出す結果以前に、まず称えられ、認められるべきものだと、私も思います。
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追記:明日のOPBFフライ級タイトルマッチは、こちらで生中継されるそうです。
ありがたいですね。何とか見たいと思います。