さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

単なる先送り?/独立/国内ならこうなる/トーナメント希望

2018-03-30 06:08:55 | 話題あれこれ




故意ではないから、肉に含まれてるから、という言い訳を言うたり聞いたりしとる時点で、
ボクシングは所詮...と他のスポーツ愛好者に笑われとるんやろうなあ、と
暗い気持ちになるばかりだったところへ、世界規模の大試合にまでこんな話か、と
追い打ちをかけられたような、カネロ疑惑について、三浦勝夫氏の記事

ネバダ州のコミッションは、4月10日に公聴会を行う。
厳しい処分が出る可能性あり。
ダン・ラファエルは、6ヶ月のサスペンドを予想。
5月は上位陣とのカードに変更される可能性あり。
HBOはPPVの予定を変えていないが、劇場中継は予定を抹消している。

チケットの払い戻しも受け付けられているとのことですが、意外な?感じもあります。
話としては、まっとうな方向ですし。

ただ、公聴会までの期間の空き方は、やはり悪い想像をしてしまうものであり、
厳格と評されるネバダのコミッションとて、どういう裁定を下すものか。
ダン・ラファエルの予測通りなら、単に半年先送りするだけの話です。
三浦氏の「無事」ゴーサインを、という締めも、首を傾げてしまいますが...。

何にせよ、多少なりとも、まともな話を聞きたいものです。
正直なところ、あまり期待を持てはしませんが。どうなりますやら。


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マニー・パッキャオの次は、マレーシアのクアラルンプールで開催。
ルーカス・マティセに挑むとのこと。

かつて、相手選ばず、強豪を倒しまくった頃とは、明らかに違う活動方針、と見える
最近のパッキャオではありますが、この相手選びはかなり危険な部類に思えます。
もちろん、往時の神がかった巧さと強さがあれば違いますが...。

また、周辺事情もだいぶ変わっているようですね。
トップランクから独立、というのも、試合以外の些事が増え、余計な負担でしょうが、
加えて指導体制まで変わるとなると...。

ウェルター級の、真の頂点とはいえずとも、単純に悪くはないカードかもしれません。
しかし、ジェフ・ホーン戦のような「取りこぼし」では済まない、
決定的な何事かを見ることになるのかもしれない、そんな悪い予感もありますね。


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大森将平戦を軽量失格となったコーチ義人、所属ジムが無期活動停止を発表
これはひとまず、角海老ジムが良識を示した、ということでいいでしょう。

試合自体について、JBC様は果断にも中止という決定をなさりました。
国内ならこうなる、こうできる、ということですね。
問題は、世界戦で、何度も「こうならない」事例ばかり、ということなんですが。

ここが変わるには、結局は世界が変わらないと無理なんでしょうね。
ネバダのコミッションが、厳しい範を示してくれたりしたら...というのは
所詮、淡い期待でしかないのでしょうか。


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大森戦興行のメインでは、久我勇作が小坂僚を初回、二度倒しTKO
久我は立ち上がりから「当たるパンチ」を見つけ、積極的に打っていき、
小坂はそれに対し、冷静な対応ができずに、仕留められてしまいました。

試合後、和氣慎吾が対戦アピールとのことで、これはもう、内々に話があったんでしょうね。
このあたりは、TBSの企画でもあるのでしょう。
いい話ですね。是非実現してもらいたいです。

ついでにというと失礼ながら、TBSの枠でいえば、大竹秀典と大森の対戦などもやってほしいです。
で、この二つのカードの勝者同士がさらに対戦し、大晦日の世界戦出場者を決定する、と。
トーナメントの決勝戦ですね。

大森が再起戦をできなかったことで、試合勘の部分で不安はありますが、
TBSには、こういう企画を実現して、大晦日をさらに盛り上げてほしいです。
田口ーメリンド戦の実現など、普通なら難しいカードを提供できる枠組みがあるのだから、
そこに向けての、準備段階の充実に期待したいものですね。



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確かに強かった/五輪の再戦ではなく?/身体健康/王子逮捕

2018-03-27 20:18:21 | 話題あれこれ



今日は大森将平再起戦のはずが、また相手の計量失格と、これは残念です。
BoxingRaiseで視聴しようと、楽しみにしていたのですが。
しかも、タパレス戦から、二試合続けてとは、いくらなんでも。「不憫」の域ですね。

まあ、良くないこともありますが、とりあえず話題あれこれと。


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山中慎介、正式に引退発表、会見。
今更多くを語ることもありません。一番詳細な記事、一問一答を貼っておきます。

「強かったよ」とは、ほんとにまあ、そのまんまというかなんというか。
日本のボクシング史に数多いる、サウスポーの名選手の中でも、
かの海老原博幸に匹敵する、驚異のソリッドパンチャーでした。

あと、辰吉丈一郎に憧れてグローブを握った、最後の世代なのかもしれません。
彼が残した忘れ難き熱狂の「直撃世代」とでも言えるのでしょうか。

長谷川の「王朝」を引き継ぎ、それをさらに上回る強さを見せ続けてくれた、
名王者に改めて感謝したいです。お疲れ様でした。


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会見にも出席した村田諒太ですが、来月15日横アリの次は、
五輪決勝の相手、エスキバ・ファルカンで決まりみたいに言われていたのが、
必ずしもそうとは限らない、という話が出てきました。

五輪決勝はもちろん見ましたし、プロ入り後の動画もちらほら見ましたが、
その限りでいうと、悪いですが村田以上に、世界上位との差は大きいとしか見えませんでした。
このカードはそれこそトップランク社のお手盛り、という印象がぬぐえず、
もしも、違うカードがあるなら、それでも構わないと思います。

問題はその相手が、上か下か、なんですが。
村田自身は、王者クラス、「上」との対戦を望んでいるらしいですし、
それこそファルカンのことは眼中にない、という噂も聞きました。
それが本当なら、周囲がその通りに動いてくれればいいだけ、です。
はてさて、どうなりますか。


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日曜日のDAZN生中継は、無冠時代のアンソニー・ジョシュアを最も苦しめた男、
WBCシルバー王者ディリアン・ホワイトが、元WBA王者ルーカス・ブラウンを6回KOした一戦でした。

ブラウンは諸問題の影響もあり、ブランクがちで、もう38歳ということもあり、
精彩を欠きましたが、それを差し引いても、ホワイトの好調さが目につきました。
スピードに乗って、ワンツー、左フックを決め、2回にはもうブラウンが出血。
6回、返しの左フックで見事に仕留めました。

ところで、ホワイトのベルトラインには、でかでかと「身体健康」の四文字が。
確かに「クスリ臭さ」の無い、自然な体つきではありましたが...。
海外では、漢字というものが、我々の理解や情緒とは違う形で受け入れられ、
流行っているとはよく聞きますが、これはさすがに、意表を突かれました(笑)

次回、DAZNさんはどの試合を配信してくれるのでしょうかね。
4月以降というと、あれかな、これかな、といろいろ考えるのも楽しみではあります。
新年度から、新たな展開があるのかないのか、ということも含め、大いに期待...したいところですが。


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またしても、実によろしくないニュースです。
湯場忠志、ストーカー容疑で逮捕

現役時代、何度も直に試合を見たこともありますが、
熱狂的なファンから「王子」と呼ばれたルックスの良さと、
圧倒的な天与の体格、強打、そしてスリリングな試合ぶりは、
数々の熱狂を、我々の記憶に焼き付けました。
日本初の五階級制覇、という記録、お題目を飛び越えた、忘れ難い存在です。

ことの次第は詳らかになってはいませんし、実際のところなど、
知れようはずもないですが、父の夢を息子が引き継ぎ、ボクサーとして闘っている今、
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。あまりに残念です。





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再来日=再来阪?/強打者再起/坂は名古屋で/政治とボクサー

2018-03-20 12:33:52 | 関西ボクシング


事前の期待以上の内容で、好評が多かった神戸の二試合ですが、その後と、その他あれこれ。

WBA「正規」王者となったカルロス・カニサレスは、8ポイント勝ちと主張
さすがにこれはないとしても、思ったよりカニサレスにポイントが行った印象ではありました。


長谷川穂積の評によると、WBAの採点は独特である、として、村田諒太や久保隼の試合を例示しています。
この辺、総会などで採点基準の独自性を打ち出したりしているのでしょうか?よくわからないですが。

長谷川は山中竜也についても、山中の技術を称えながらも、それを超越するスピードがある選手との対戦が
今後の課題、と厳しく指摘しています。
ちょっと顔が似ている、往年の矢尾板貞雄さんのような、鋭い批評ぶりですね。


話は戻ってカニサレス、また来日したいと言っているようですが、ランキングを見ると
WBAの3位には、久田哲也が上がってきているんですね。
4月14日に、板垣幸司を退ければ、次は...なんでしょうか?


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CSフジNEXTの生中継には入らなかったですが、
ボクシングモバイルのライブ配信では見られたらしい、仲村正男の再起戦
タイ人をKOしたそうですが、まずは無難にというところでしょう。

かつてジャッジ要らずの強打で売り、金子大樹戦では、リングマガジン最高試合に
ノミネートされたこともあるなど、スター性抜群の選手ですから、
彼の復帰は、ファンとして素直に嬉しいものです。
徐々に調子を取り戻していって、また上を目指してほしいものです。


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関西、強打者、再起というくくりでは、坂晃典の再起戦も、少し前に決まりました。
話題に取り上げるのを忘れておりました。

4月30日、場所は名古屋、国際会議場。
緑ジム主催のヘビー級、竹原虎辰vs大和藤中のアンダーで、
薬師寺ジムから緑ジムへ移籍した、力石政法と8回戦、とのこと。

6回戦デビューで2勝(1KO)のあと、3戦目で坂に当てるのですから、
ジム側も相当評価し、期待しているのでしょうね。

坂の側から見ると、キャリアでは当然上ながら、油断ならない相手かもです。
緑ジムのブログによると、ライト級8回戦、という表記があり、これも気になります。
135ポンドではなく、もう少し下の数字で契約するのかな、とも思いますが。

これはデビュー2戦目?谷本涼戦のKOラウンド動画。
サウスポーで、パンチ力は、階級のことをいう以前に、相当ありそうです。





ちなみに、この選手の兄は矢吹正道といって、デビューから3連続初回KO。
4戦目、全日本新人王フライ級決勝で、中谷潤人に敗れた選手です。
しかしその後3連勝で、次は4月8日、岡山でユーリ阿久井政悟と対戦とのこと。
これも要注目ですね。


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政治とボクサーの話。

先月ですか、パッキャオが来日し、石破茂氏と30分、短いながらも会談とのこと。

記事にもあるとおり、パッキャオ側に、日本における自身の知名度や、
政治情勢への認識が不足しているのかな、と思いますが、
それはおいて、やはり彼の現状は、かなりの部分、政治家への比重が高いものなんでしょうね。

次の試合についても、あれやこれや話が出ているようですが、果たしてどうなるものやら。
まして日本で引退イベント、と言われても...小原佳太と試合してくれるのなら
東京でも駆け付けるところではありますが。




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真正ジムの両雄、揃って予想以上の試合内容 山中竜也完勝、小西伶弥大健闘

2018-03-18 23:06:20 | 関西ボクシング




今日はCSフジNEXTにて、神戸での「ダブル世界戦」の生中継を見ました。
「セミ」から、簡単に感想を。


日本ミニマム級王座を返上した小西伶弥ですが、その次に、一階級上げて
いきなりWBA1位、カルロス・カニサレスとのWBA「正規」王座決定戦に出る、と聞けば、
ボクシングファンとしてはご多分に漏れない、厳しめの感想しか、持ちようがありませんでした。

ただし、この辺、もうあれこれ言い尽くされた部分を外して、
単にカードとして見れば、転級初戦で、元日本王者が世界上位ランカーに挑む、という一点に絞る、
という前提で、見ものではある。そういう風にも思いはしました。


カルロス・カニサレスは、田口良一と引き分けた試合を直に見たのですが、
足が良く動き、攻めればまとめて打てる、しかし多彩さはまだ、それほどではないか。
全体的には、世界ランカーとしてはまずまずの力あり、と見ていました。
小西は体格面でも不利だろうし、スピードでも劣りそうで、
どのように食らいついて「降りて」きてもらえるかだろう、と思っていました。


しかし実際試合が始まると、小西が体格、パワーで見劣りせず。
初回はヒット数でカニサレスが上でしたが、小西は打たれても怯まず、堪えもしない様子。
2回には執拗なボディ攻め。ローブローも散見されるが、レフェリーは注意せず。


カニサレスは田口良一戦でも、快調なスタートを切るが、ボディを打たれてから、
足を使い出す場面があり、真正ジム側は当然それを見ていたのでしょう。
カニサレスは打っても止まらず、逆にボディから打たれ、表情が早々に弱気になっていました。

ただ、小西は「これならやれる、攻められる」という、良い方の自信と同時に、
「これなら少々打たれても大丈夫」という、悪い方の自信、
善し悪し両方の自信を持って闘っているな、という印象も持ちました。
そして、打つ際、小西のガードが下がり、戻りが遅いのも目につきました。
日本タイトルまでの相手なら、この隙を鋭く突ける選手はいなかったでしょうが、
カニサレスならここを打てるだろう、とも見えました。


3回、カニサレスのコンパクトなワンツー、打ち下ろしの右が決まり、小西ダウン。
ダメージ甚大の小西、立ったがクリンチが出来るようになるまで、だいぶ時間がかかる。
その後はクリンチ、ホールドで食いつき、ゴング間際にはボディ打ちも出せるまでに回復しました。

「倒しどき」を逃したカニサレスに、豊富な練習量を思わせる回復を見せた小西が逆襲。
4回、右から左ボディ。カニサレスの膝が僅かに落ちる。
5回から7回、カニサレスは右カウンター、一本狙いで、後は足使うが、ボディ打たれて失点続き。
小西はボディ攻撃以外にも、6回は左フック、7回は右カウンターと、上への好打もあり。


このまま押し切れるか、もう一発、切れのあるヒットがあれば勝てる、と見ていましたが、
解説の長谷川穂積の「疲れてきつい展開に、カニサレスが慣れてくる」という指摘が、
終盤に向けて、徐々に現実になっていきます。

8回、カニサレス奮起、手数を出す。対して小西、やや手数減る。
9回、カニサレスは半ば背中を見せる「逃げ」足ながら、動いて手を出す。

10回開始前、カニサレス陣営はマウスピースを敢えて入れずに選手を出す。
レフェリーがチェックして、マウスピースを入れるよう指示。
セコンドが白々しく、マウスピースに水をかけ、カニサレスの口に入れて、再開。

10回、小西の左ロングフックがヒット。小西が取ったと見えたが、
11、12回は、もう足を使う余裕もないカニサレスが、打ち合いで手数を出す。
対する小西は、疲れからかスタンスが乱れ、打つフォームを作れない時間帯あり。
休みなくヒットとミスブローが飛び交い、場内歓声に包まれ、試合終了。


カニサレスの方に、ダウンを奪ったアドバンテージはあれど、
どちらがよりダメージを相手に与えていたかとなると、それははっきり小西の方だと見えました。
これは小西が勝ったなと思って、自分の採点を見返すと、114-113でカニサレスの勝ちになっていて、
自分の仕業に、自分で首を傾げていると、公式採点は3-0で同じくカニサレス。
しかも、思った以上にカニサレスにポイントが行っていました。

えー、そうかなー、と思いながら、自分の採点でも結果は同じ、でも得心いかん、という、
どこまでもアホな話ではありますが、見終えてそんな感じでした。

小西がボディ攻撃のダメージを与えて取った回はかなりあったと思いますが、
別の回でカニサレスが苦しいながらも当てて動けば、ボディのダメージは採点とは関係ない、
という、ラウンド一つずつが独立した採点対象である、という見方を厳密に適用すれば、
こういう数字にもなりうる、ということなのでしょうね。
というか、自分でそのように採点しているのだから、でしょうねも何もあるか、という話なんですが...。


いずれにせよ、小西伶弥はこの試合内容でもって、その評価を大幅にアップさせたと思います。
ミニマムの時よりも、減量から解放された好影響か、良い体格、体調を作っていて、
防御には課題あれど、田口良一と引き分けたカニサレス相手に、堂々たる奮戦ぶりでした。
世界を言うなら、せめて久田哲也と闘ってからにしろ、と内心思っていましたが、
充実期にある久田にも引けを取らない実力を示した、脱帽ものの試合内容でした。


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メインの山中竜也は、WBO4位のモイセス・カジェロスに8回TKO勝ち。
絵に描いたような「完勝」での初防衛でした。

カジェロスは福原辰弥戦しか見ていませんが(メキシコ向け放送の動画でした)、
アウトサイドからのパンチを執拗に、上下に散らし、打ち合いに持ち込むファイターで、
山中竜也がどれだけ巻き込まれずに済むかだ、と思っていましたが、
山中の自在な動きが、攻防共に光りました。


山中は以前見たときより、上体が大きく見えて、力みなく動き、
小さい動きで外し、小さい振りの左を当てていく、好スタート。
2回には左から、右アッパー。カジェロス接近するが、サイドに回って外し、打つ。

3回、カジェロスは左ボディ。しかし山中、左に回って追撃を外す。
4回、山中が左でコントロール。ジャブ、ボディから、右カウンター。
5回、カジェロス少し攻めるも、山中がボディから上とヒットを重ねる。
カジェロス両手を挙げて強がるも、こういうときは大抵...としか見えず。

6回以降もワンサイド、山中離れてよし、くっついてよし。
7回ジャブから右アッパー、離れて4連打。
8回左フックのカウンターで、カジェロス「決壊」寸前のぐらつきよう。
この回終了後に棄権、TKO。極めて妥当な判断でした。



山中竜也、難しいとされる初防衛戦とはいえ、昨今の事情は昔日のそれとは違うし、
相手との相性もあったでしょう。
しかし、それを割引いても、見事な勝利でした。

小まめに動いて位置を変えつつ打つ多彩な左、右アッパーも有効でしたし、
今、何打てば当たるかの取捨選択に、ほぼ間違いがなかった。
以前見たときよりも、総合的にレベルアップしていた印象でした。
この内容を見せられると、京口紘人陣営が構想しているという「統一戦」もアリかな、と思います。



山中竜也、小西伶弥は、勝敗では明暗を分ける形でしたが、
揃って、予想を上回る「出来」を見せました。
世界タイトルとしてどうこう、という点では、言えば不足も言えるのでしょうが、
今回の二試合は、真正ジムにとり「成果」と言いうるものだったのではないでしょうか。

共に今後が楽しみですが、山中は次、指名試合ということらしいです。
1位のロベルト・ランデロは、21歳で16勝11KO無敗とのことで、
これを乗り越えての「先」に期待です。
小西伶弥は、この試合内容で評価を上げたと思いますが、それを確定させるためにも、
世界再挑戦への過程で、久田哲也や、それに類する強敵との対戦を期待したいですね。



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MSGで集大成/自主計量/対策なるか/王国の規律/次回のDAZNは

2018-03-15 02:42:54 | 話題あれこれ




ホルヘ・リナレス、一時実現が危ぶまれたワシル・ロマチェンコ戦が決まったとのこと
放送する局のアナウンスだし、間違いないでしょう。

場所がマジソン・スクエア・ガーデンで、ESPN全米生中継、相手がロマチェンコ。
文句なしの大試合です。リナレスにとり、ボクサー人生の集大成とも言える一戦でしょう。

確か、辰吉丈一郎がカムバックしたセーン・ソープルンチット戦のアンダーで
プロデビュー戦をやっていて、それを見たのが2002年。
確か、ジュニアフェザー級だったような記憶があります。

あれから、いくつかの挫折も含め、長年に渡り闘い続けてきた、その一事だけでも偉大です。
にも関わらず、英国での三試合など、長い拳歴による疲弊を感じさせない充実ぶりでした。

ここ二試合、ロスでの連戦で、負傷が伝えられ、試合内容も若干、苦戦気味なのが気がかりでしたが、
そういうときに限って、なかなか決まらなかった大試合が、先方の不都合(TV放送がどうのこうの)を
強引に調整する形で決まったことには、勝負の世界の禍々しさを感じたりもします。
英国での三連勝直後だったら、こういう話の流れになったものかどうか、と。

しかし、もう決まった以上、勝負するしかないでしょうね。
体調面の不安、対サウスポーの組み立てが、ハンドスピードのある右から、という型であることなど、
対ロマチェンコの試合展開を考えると、厳しめの想像をしてしまいますが、
もう、そういうことじゃないでしょうね。持てる力を全てぶつけて、大舞台で思い切り暴れてほしいと思います。

TV放送は当然WOWOWがやるんでしょうが、あちらではゴロフキンvsカネロ再戦の再放送の都合で
少し早まるとのことですね。日本時間で日曜の午前中になるのでしょう。
日曜ですが普通に起きて、TVに釘付けですね。


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次の日曜日は、神戸でダブル世界戦
残念ながら日曜夜、神戸は少し遠いので、観戦は厳しいところです。

山中竜也は、福原辰弥と接戦を繰り広げたモイセス・カジェロスと防衛戦。
小西伶弥は、田口良一と引き分けたカルロス・カニサレスと対戦です。

4選手とも公開練習。カニサレスは練習後、自ら家庭用の体重計に乗ったとのこと。
こういうの、あんまり聞いたことないですね。
先日の一件の後だけに、何とも言い難い気持ちになってしまいますが...。

この二試合に対する評は、試合前から厳しいものが多いでしょうし、
私もご多分に漏れはしないクチですが、少なくともこの選手には、
妙な企みなど無く、まっとうな勝負が見られることは確かなようです。
まあ本来、それが当たり前なんですが、なんか、ちょっと心が明るくなる話題でした。


ところでこの試合、真正ジムお得意の?民放BSではなく、CSフジNEXTでの生中継とのこと。
よりにもよって、視聴料の高いトコに...と思わずボヤキも出ますが、まあ仕方ないのでしょう。
ここは一発、大胆にDAZNに売るとか、持ち前の営業力をそういう方向で発揮してほしかったですが、
まあそれは今後への期待ということで...。


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米国拠点で活躍するライター、杉浦大介氏による、体重超過防止を考察した記事

杉浦氏は、米国の有力記者や作家ら、有識者の意見を紹介してくれていて、
米国でも体重超過に対する懸念は広がっていると知れますが、
残念なことに、実際に試合を興行し、それを管理運営する立場の人たちが、
どういう認識を持っているのか。この記事からはわからないですね。

防止策、その案はあれど、それが実現されるかどうか...。
ファンの不満、メディアの懸念、それが今後、現実に何かを変えうるものなのか、ですね。


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メキシコの有名マネージャー、ラファエル・メンドサ死去

記事にもあるとおり、手がけた選手は一流揃い。
また、総じて闘う男の風格を感じさせる、乱れたところのない選手が多いような気もします。
私生活の乱れから、思ったより転落が早かった、故ヒルベルト・ローマンくらいでしょうか、例外は。

オスカー・ラリオスのコメントは、選手を厳しく律していた姿を伝えるものです。
最近、失墜してしまった感のある、古き良き「王国」メキシコのイメージですが、
かつてはこのような人物もいたのですね。ご冥福を。


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DAZNの次回ボクシング配信は、3月25日、午前4時から。
英国、ロンドンの大箱、O2アリーナで、ディリアン・ホワイトvsルーカス・ブラウンです。
ヘビー級の「WBCシルバー」タイトルマッチ、なんだそうですね。

ホワイトはアンソニー・ジョシュアに敗れた一敗のみ、22勝16KO1敗。
ブラウンは薬物問題でWBA王座を剥奪されたが、レコードは25戦全勝、22KO。
上位ランカー同士のカードですね。

風の噂で、DAZNは来月あたりから、ボクシングの配信を増やしてくるのでは、ということです。
真偽のほどは不明ですが、現状は手探り、様子見...のさらに一歩手前、という風ですね。
出来れば噂どおりであってほしいですが「業者さん」は今、あれこれあって大変だったりもします。
はてさて、どうなりますやら。





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資格停止/箱庭の独裁者/「ミス」発覚?/マイペースの強み

2018-03-08 12:50:37 | 話題あれこれ




散々だった先週の観戦についてはいろいろ書きましたが、それ以外の話題をあれこれ。



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コメント欄にも少し書きましたが、例の試合翌日、WBCはルイス・ネリーを処分
無期限資格停止、報酬一部凍結とのことです。

関係者が「迅速で、重大な処分」と評している、と記事にもありますが、
この辺も、自分たちの都合というか、保身の悪臭漂うところです。

「受け入れがたい」2.3キロオーバーの事実が、計量の時点で発覚しているのに、
その翌日の試合出場は許可しておいて、どこが「迅速」なのですかね。

笑止千万、としか言いようがないです。馬鹿にするのもほどほどにせえよ、と。
こういう人たちの言動には、どうにも信頼が置けないですね。
今に始まったことではない、と言わざるを得ないのも事実ですし。


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プロ引退後、アマチュア選手としての活動を希望する高山勝成、
橋本聖子JOC副会長と面談
、とのこと。

これまた記事にもありますが、AIBAがプロ選手参加を許可しているのに、
日本は偉いさんの独断で駄目、というお話は、誰にも理解不能な異様さでしたが、
この偉いさん、AIBAの総会では、プロ選手の出場に賛成票を投じていた、のだそうで。
でも日本では認めない、「歴史」は変えられないから、と。

誰が歴史の話してんねん、今現在を生きとる選手の、人間の話をしとるのや、という
ツッコミは当然として、これがまかり通っている日連の異様さもまた、改めて浮き彫りになりました。


上記した件でも感じたことですが、プロアマ共に、ボクシングを公正に管理運営するには、
国の、行政の、さらなる関与が必要だなあ、と真剣に思うようになりました。
もちろんそれで万事OK、といくわけもないでしょうが、
民間の(ヤクザな事情も込みの)自主性など、結局は選手の権利や利益を後回しにするだけで、
もはや、一顧だにする価値も無い。
それが、今日の日本ボクシングの現実なのだと、改めて思わされる話ですね。


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またしてもメキシコ発、ドーピング陽性の話。今度はカネロ・アルバレスです。

メキシコでは「重量級」という範囲のクラスで、希なるスターボクサーであるカネロですから、
おそらく「故意では無い」「牛肉に含まれていた」という話で押し切るのでしょうが、
なんでこれまで出なかったものが、今回出たのか、ですね。

おそらく、検査の時点では出ないように調整していたものが、今回、失敗したのでしょう。
そのため微量の検出となった、というのが、実際に一番近いように思えます。

それにしても、外部の検査機関が入るようになったここ最近、まあ出るわ出るわ。
過去のボクシング界が、自主的にやっていた尿検査などが、如何に無意味だったか、ですね。

これが昔なら、地元判定、相手への妨害工作、下剤などの薬物使用など、
相手の力を削ぐ方向で不正を行ったのでしょうが、今は色々とやりにくくなってきた代わりに、
自身の肉体強化を不正に行う、という方向性、全体像が見えてきます。

しかし、せっかく、試合まで間がある時期に発覚したんですから、
厳しい処分を下し、ボクシング界全体に、アンチ・ドーピングのメッセージを行き渡らせる、
良い機会だと思うんですけどね。
どうせ「故意では無い」という、他のスポーツの世界では通らない言い訳に耳を傾け、
条件付きで試合は行われるんでしょうけど。

楽しみにしてた試合ではありますが、こういうのは、ホントに勘弁してほしいですね。



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拳四郎、京口紘人の対談
専門誌に載るのかと思っていたら、スポーツナビに出ました。

全体的に、細かいことに無頓着、マイペースな拳四郎と、
いちいち健気(笑)で、一生懸命な京口、という対比ですね。面白いものです。

この両者の「対決」は、アマチュアの試合ではなく、プロ転向後に、
スパーリングをやるのを見たことがあります。
昨年、拳四郎が世界挑戦のため、予定していた久田哲也戦をキャンセルした、
その興行のリングでのことでした。

最初は京口が攻めていたのですが、徐々に拳四郎が左を当て、
リズムに乗って、動いて外し、左リードから的確にコンビを当て、と
完全にコントロールする展開で終わりました。

この対談で、京口が称えるとおり、拳四郎の技巧の冴えは見事なものでした。
あの巧さ、安定感、冷静さを支える、拳四郎の独特の個性は、
一流の勝負師と言われる人々に通じるものだと見えます。


それにしても、京口が教示した「目を狙うジャブ」「大外からの左ボディフック」が
4月15日のガニガン・ロペス戦において、どのくらい見られるものなんでしょう。
普通なら、そんな急に、試合で出せるものじゃない、となるのでしょうが、
果たして拳四郎は...密かに、楽しみにしつつ、試合を見るとしましょう(^^)



※拳四郎vsガニガン・ロペス戦は、5月25日に大田区のセミで行われます
本日、発表されました。追記しておきます。



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転級初戦としては上々の標的、だがその先が問題か 井上尚弥、マクドネルと対戦

2018-03-07 11:48:27 | 井上尚弥




海外報道が先に出る、最近多いパターンでしたが、正式発表。
井上尚弥バンタム級転向初戦は、WBA「正規」王座への挑戦となりました。
5月25日、大田区総合体育館でジェイミー・マクドネルと対戦です。

マクドネルの試合は、何試合かちらほら見ています。
亀田三男との試合は、フルではないですが、YouTubeで見た覚えあり。

正直言って、印象は薄かったです。
昔ながらの「世界というには、大したことのない欧州の軽量級選手」のイメージでした。
ただ、対戦相手はそれなりの名前が並び、長身を生かしたアウトボクシングで勝ってきている。

今、世界バンタム級最強をゾラニ・テテと仮定し、次がライアン・バーネットとして、
ルイス・ネリーを「抹消」し、山中慎介が引退した現状でいえば、マクドネルは
WBAやIBFの元王者たちに混じって、上位につける存在ではあると思います。
そういう意味では、無名の選手と闘うよりは、当然ながら上々の「転級初戦」だとも思います。
また、テテやバーネットが英国で活動する選手なので、マクドネル攻略という事実をもって、
この先の展望が拓かれるのでは、という期待も出来るかもしれません。


予想としては、バンタム級への適応がすんなり行くかどうか、ですね。
井上の体格はバンタムでも減量が楽というほどではなく、パワー自体は通じるでしょうが、
自身の耐久力などは、まだ未知数でしょう。
マクドネルはバンタム級世界上位の中で、強打者とはとても言えない選手ですが、
それでも体格やパンチ力で、一定のところまでは、井上を脅かす可能性もあるでしょう。


...と、普通なら思うところですが、井上尚弥がスーパーフライ級初戦で、
一気に二階級上げた「あの試合」のことを思い出せば、そういう心配は無用なのかもしれません。
こういう「普通の心配」は、将来スーパーバンタムに上げることがあれば、
そこで初めて出てくる話だろう、と思いもします。
今回は、さらに良い体調で、そのスピードとパワーを十全に発揮する井上尚弥の、
「黄金のバンタム」進出初戦を、大いに楽しみたいものです。




ただ、この試合の話を聞いて最初に思ったのは、日本のボクシング界はホンマに
WBA第二王座、俗に言う「五つ目」が好きなんやなー、ということでした。
弱い選手ならまだしも、井上尚弥ほど強くても、まだこういう話になってしまうのか、という。

大橋秀行のマッチメイクを、強敵相手と闘えない現状を打破するために動いた、
みたいな書き方をしているところがありましたが、馬鹿もほどほどにしとけと言いたいです。
その現状に甘んじている責任の一端は、間違いなく大橋自身にあるのだろうに、と。

この試合を、バンタムにおける世界挑戦と喧伝するより(形式上、嘘ではないですが)、
元WBA王者のラウシー・ウォーレン、ザナト・ザキヤノフ、ファンカルロス・パヤノらと
ノンタイトルでもいいから対戦するほうが、バンタム級転向初戦として、
より世界的な注目を集めるだろう、とも思います。

しかし「世界」の看板をもって興行せねばならない、その一点で、
WBA第二王者との対戦が優先される。正直いって、げんなりする部分もあります。


今回は、WBCがあのようなことになり、他の王者も試合予定があり、
井上の試合間隔を考えれば、これしか選択肢がなかったのは事実なんでしょう。
それを考えると、今回はこれで仕方なし...となるかどうかは、今後にかかってきます。
はっきりと、これまでのレベルを超えた、一段上のマッチメイクを実現してもらいたいですね。

ただ、そこがどうも怪しいというか、これまで同様の「ご都合優先」で、
易きに流れた過去が繰り返されるのでは、という疑念が消えないのですが。




あと、ルイス・ネリーへの言及について、ですが。
井上自身は仮定の話として、冷静に答えただけ、という感じですが、
一部の記事には、この名前が記事の見出しに含まれているようなのも見ました。
しかし現状、あれは数の内に入らないわけですから、どんなものかと思います。

今回見に行った「チョロい」客の一人として、言えた義理ではないにせよ、
将来的に対戦があれば...なんて、勘弁してほしいです。
実際問題、もし将来、招聘するとしたら、ありとあらゆる事態を想定して、
契約でがんじがらめにしないと、危なくてしょうがないでしょう。
そんな試合、実現しようがありますかね。

まあ、そんな話よりも、数年経てば、おそらく何らかの形で身を持ち崩しているのでは、という気もしますが。
破滅型、という言い方もありますが、ある意味、すでに破滅しているようにも見えます、あの男は。




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様々な不備、そのしわ寄せは全て選手へ 山中慎介敗戦、無念の引退

2018-03-02 03:03:44 | 関東ボクシング



昨夜は会場にて観戦しました。

試合自体については、もう、見たままです。
ルイス・ネリーの背中が、山中慎介の上体より一回り、二回り大きく見え、
試合開始早々、山中が右リードから左と繋げているさまを見ていながら、
これでは勝負にならないだろう、という、暗い予見が心中に広がりました。

時間にして一分半か二分くらいか、ネリーが手を出し始めると、
いとも簡単に山中がダメージを受け、立て続けに倒される。
想像していたよりもさらに悪い、悪夢のような時間が過ぎ、試合は終わりました。



この再戦について、ドーピング問題を容認するようなものだから組むべきでない、
という意見がありました。帝拳も組むべきでない、山中も出るべきではない、と。
それはひとつの筋論である、と私も思いました。

しかし、ボクサーが、敗れた相手に雪辱したいと思うのは当然だし、
他のスポーツではあり得ない、ドーピング陽性に至った事情を斟酌する裁定が出る、
異様な現実を飲み込んでまで、再戦出来るものなら、それを闘うしかない。
山中慎介の心情はおそらくそういうものだったろうし、その一点において、
私はこの試合を、ボクシングの試合として、見ることにしました。



しかし試合前日、その前提が大きく崩れました。
前日のローマン、松本戦も観戦するがため、東京に着いた午後のことでした。

ことの推移は、ご存知の通りですので省きますが、現実の日時と数字を記せば、
「試合当日、試合開始の約8時間前に、128ポンド以下」なら、報酬減額なしで試合出場、という
これまた、異様な取り決めのもと、ネリーがリングに上がることとなったのです。

私はこの事実を知ったとき、ここで初めて「試合自体を中止にすべき」と思いました。
2.3キロオーバー、Sバンタムでもオーバーです。
キロかいな、ポンドやなしに?と驚きましたし(そりゃ、ポンドでもダメですが)、
ヘビー級の話じゃなく、バンタムでそんなハンデがついて、試合になるわけがないと。

しかも、上記のとおりの、きわめて低いハードルでの試合挙行。
本田会長が、誰とどんな経緯で合意したのかわかりませんが、
約10年前、ロレンソ・パーラが坂田健史との第三戦で計量失格した際は、
金平圭一郎会長が「試合当日、試合開始の約4時間前に、118ポンド以下」という
厳しい条件を王者に突きつけ、実行させた例があります。

今回、もしも夕方に126ポンドまで、という縛りをかけていたなら、
昨夜の試合があのように一方的になったかどうか。
結果はどうであれ変わらなかった、という意見もありましょうが、
少なくとも、見終えて納得感が違った、とは言えるでしょう。

今回、本田明彦会長の、山中のマネージャーとしての仕事には、
ファンの目には、非常に物足りない部分があります。
試合後のコメントも納得しがたいですが、何よりも、選手のために
出来ることは全てやる、という気概が、そうした行動を取った形跡が見えません。
高額報酬を支払うことだけが、選手への貢献ではないでしょう、と思います。

さらに、この当日計量が報道陣に公開されていない、というのも、異常です。
一度、関係者諸氏に聞きたい。「公開しない理由」は何なのか。
出来ればわかりやすく、人間の言葉で教えてくれ、と。



以前、もう10年、もっと前か、このような事例で日本の選手が負けた時に、
報酬減額、出場停止などを組み合わせた、罰則規定のようなものを作り、
統括団体などに提案してみてはどうか、と考えたことがありました。

しかし、その後、日本のみならず、世界でも起こるこうした事態については、
体重超過の度合いに応じて、興行的側面を含めて考慮され、
妥当と言っていいかどうかは別にして、その都度、合意形成の元、
試合が行われる事例を、数多く見てきました。

そして、今回の事例は、その「度合い」を大幅に逸脱しています。
おそらくですが、この試合がベガスで予定されていたら、ネバダのコミッションが、
絶対に試合を許可しないでしょう。1~2ポンドの話じゃないんですから。

つまり、あまりに酷い場合、罰則規定、ルール以前の問題として、そんな試合、やれるわけがない。
だから、ルールを定める必要などない。それが、世界のボクシング界の趨勢なのかもしれません。


そして、それを敢えて挙行せねばならない、日本のボクシング界には、
そもそもの構造的欠陥がある、と言わざるを得ないでしょう。
興行者は大きな試合ともなれば、TV局の枠内に固定される前提でしか動けず、
こうした問題を管理するコミッションも、興行事情に追随するのみ。
歯止めも決まりも何もない。ご都合と、体裁を繕う作業の繰り返しです。

或いは、今回の場合、海外なら、岩佐亮佑の防衛戦をメインに昇格させたかもしれません。
しかしこれまたご覧のとおり、13位の...という以上に中身のない格下挑戦者とのカードでは、
そういう仮定さえ成り立ちはしません。
これが仮に、和氣慎吾との対戦が組まれていれば、最悪メインが中止でも...と思えたかもしれませんが
(それも無理がある仮定だ、と言われればそのとおりかもですが)。


それにしても、前日計量制が定着して以来、もう何度も、こんな事態に直面していながら、
国内のボクシング関係者は、いざとなったら右往左往するのみです。
そして、そのしわ寄せは、結局、全部選手が被っている。

昨日今日始まった話ではないにも関わらず、そのための用意が、万が一の備えが
何一つなされておらず、そのために今回、山中慎介という名王者が、
こんな納得感のない試合を最後に引退する事実は、関係者諸氏が心底恥ずべきことであり、
断じて繰り返してはならないことです。




...毎度のとおりまとまりのない文章になってしまいました。
今回はひとまず、このくらいにしておきます。
他にも言いたいこと、書いておかねばならぬことはいくらでもありそうな気がしますが、
今はそこまで手が及びません。ご容赦ください。

しかし、本当に、この試合は中止にすべきでしたね。
そりゃ、遠路はるばるやってきて、メインが飛べば残念ではありますが、
こういう場合だけは、仕方ないと思います。
実際の試合(というか、試合じゃないですが、あんなの)がああだったから言うのではなく、本心から。




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攻防ともに「品揃え」の差、歴然 松本亮、初挑戦は大敗

2018-03-01 08:25:12 | 関東ボクシング



ということで昨夜はホールにて観戦してきました。

大橋ジムのホープ、松本亮は、WBA王者ダニエル・ローマンに大差の判定負けでした。

松本亮については、世界ランカー、或いは「保留選手」が多数存在するものの、
実現していない直接対決も多い、日本スーパーバンタム級の現状、
その中でも二階級下のOPBFタイトルを決定戦で獲っただけの松本は、
挑戦者に相応しい実績、という以前に、ボクシングファンの支持を
受けていない段階にある、と言わざるを得ませんでした。

私も多分に漏れず「世界タイトルマッチ」の価値、グレードを期待するより、
世界上位ランカーと見れば十分な実力のローマンに対して、
日本上位のメインイベンタークラスの選手が、どこまで通じるか、
という感じで、この試合を見ていました。

しかし、不足は様々に言えるにせよ、松本亮には普通の好選手とはまた違う、
スケールの大きさを感じていたのも確かです。
長身で、大柄で、伸びがあり強い、ストレートパンチ中心の攻撃力、というより
「破壊力」は、国内や東洋の中堅クラス相手の試合においては、目覚ましいものでした。

その反面、あまりに動き(足も、上体も、頭も)が乏しく、
長身とリーチから来る懐の深さがあるとはいえ、ほぼ止まって迎え撃つ型で
すっかり固まってしまった最近の松本の試合ぶりを見て、
果たしてこれで良いのか、それとももう変える段階は過ぎてしまったのか、と
疑問を感じてもいました。
このスタイルで、世界上位の相手に勝つとなると、それこそアルゲリョ並みの
精度と破壊力がないと難しいのではないか、と。

その松本が挑む相手が、見事に対照的というか。
目を引く一打の威力や、派手な技巧や速さがあるではないが、
攻防ともに多彩で、堅実な攻め口を見せるダニエル・ローマン。

ある意味、今の松本亮の「是非論」を語るのに、これほど適した相手はいない。
そんな風に思って、試合を見ました。


いざ向かい合うと、体格的にはそん色なし。やや松本が上背あり。
初回早々、距離としてはやや近め。松本はもう少し離れた方が、と見える。
そして、やはりというか、松本はあまり動かず、迎え撃つ型。

この型だと、松本は槍衾のように左ジャブを出せればいいが、現実には単発止まり。
ストレートパンチの距離を作れない。
ローマンはやや低い姿勢から攻め始める。下から上へと連打。
ボディを叩き、右フック2発ヒット。松本もう顔が少し赤い。

2回、松本は右ストレートを決め、同じパンチで追撃。
しかしその前後は、ローマンがボディブローを端緒に入り、上に右クロスを返し、
離れて松本のミスを誘って、打ち終わりをまた打つ、という繰り返し。

手数、ヒット数でローマン、単発ながら威力で松本、という具合で、
この2回は、双方持ち味が出た攻防、と言えました。

しかし3回以降は、初回の攻防がほぼ踏襲される繰り返しでした。

松本はジャブが少なく、右ストレートから左フック返し、というパターンが、
攻め口の大半を占める。
ローマンは松本の強打を恐れず距離を詰め、ボディを2発、3発と打ち、上に返す。
松本は単発ヒットを、倍以上のヒットで打ち消される。

4回は松本が少しリズムを取って動き、左ボディを決めるが、ローマン耐えて反撃。
5回少し均衡するが、ローマンが右ダイレクト、左右ボディで押さえる。

6回も松本、単発ヒットはある。
しかしローマンが目に見えて効いたり、止まったりせず、執拗なボディ攻撃で
手数を出している以上、過度に評価も出来ない。


折り返しの7回、松本ボディを相当打たれているが、ここからさらに馬力を出せるか、
或いは、単発ヒットのダメージをこらえてローマンが攻勢を維持出来るか、というところでしたが、
松本の左ボディが決まるも、ローマンはスイッチしながら連打。
8回ローマン肩ごしの右を決め攻勢。松本のタフさに感心も、やはり打たせすぎ。
この回、松本右の相打ちから連打も、ポイントは取り切れず。

9回は松本が少し離れてジャブ、ストレートで競り勝ったかな?と思う回。
しかし10回、松本また狙った右相打ちに失敗、逆に打たれて少しぐらつくも、
そこまで止まりで堪える。やはりタフ。

11回、単発とはいえ強打の松本を攻め続けているローマンにも疲れの色。
しかし松本も同様、両者手数少なめ、ミスも増える。

最終回、ローマン攻勢に出る。
ボディブローをリードに使っている、と言える風だったが、ここに来て上へのパンチを増やす。
「駄目押し」に来た、という印象。
松本、体が少し揺らぐが単発の右決める。しかし最後また押されて終了。


判定は大差でローマンでした。私は公式採点とほぼ同じか、やや松本に甘いか?
4回は松本でいいかなと(映像で見るとどうかわかりませんが)。
あとは9回を松本に振って、あと迷う回が...ひとつあるかどうか、でした。


攻防ともに精度が高く、ジャブから、右ダイレクトから、
そして左右ボディから上への返し、スイッチしての左ボディ、などなど、
あれやこれやと多彩で、なおかつ松本の強打を手数で相殺する執拗さ、
少し流れが悪くなっても巧みに引き戻す冷静さなど、
ダニエル・ローマンはやはり、世界上位の総合力を見せました。

対する松本亮は、ローマンと比して、あまりにも出来ることの数が少なく、
他にやろうと試みたこともあったでしょうが、それを実現する技巧で劣りました。
時折リズムを取り、足を使い、ジャブが出て後続もあり、という時間帯も、
ローマンが様々にそれを封じ、断ち切ってしまいました。


やはり現状、松本亮のスタイル「固定」は、世界上位には通じなかった。
結果と内容が、それを明らかにした、と思います。

「世界タイトルマッチ」として見るなら、批判されるべき内容なのでしょうが、
日本上位ランカーが、世界上位に挑んだチャレンジマッチとして、この試合を見れば、
この試合の意義は、松本亮の今後いかんにかかっている、という言い方は出来る試合でもあった。
そんな風にも思っています。

あまりに打たせ過ぎ、と終始感じながら、劣勢の中でも、
松本亮は果敢に、懸命に闘い、ローマンの側に緩みや揺らぎが見えれば、
その強打で形勢を変える可能性は、乏しくても、ゼロではない。そう示し続けてもいました。

その心身のタフネスが、この試合を経ても生きていれば、あとはこの大敗を糧に出来るか否か、です。
かなり険しい道のりになりましょうが、そんな気持ちにもさせられる、奮闘ぶりでもありました。



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