さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

白面の鬼神、統一戦に挑む 田口良一、メリンド戦決定

2017-11-20 05:13:24 | 関東ボクシング



ということで先週、ばたばたっと年末興行のカードが発表されました。
時期的にもそろそろ発表しないと限界が、という感じでしたが、
業界内では思わぬ動きがあったようです。

30日、横浜文体は大橋ジム主催、フジテレビ放送の試合で、
井上尚弥がフランス人挑戦者を迎え撃つ一戦

井上は来年2月、ロスでのSuperfly第二弾興行出場にも意欲を見せているとのことで、
言ってみれば壮行試合の趣あり。
つまるところ、この試合は、様々な業界事情を乗り越えての、井上尚弥の世界進出、
統一戦への紛れもない意欲と自信を見るための一戦、なのでしょう。

井上拓真vs益田健太朗は好カードなれど、拳四朗の選択防衛戦、
清水聡のOPBF戦も下位相手と、タイトルマッチの数はあれど、
内容的には会場規模相応の興行かな、という感じもあります。

しかし、なんといっても井上尚弥の闘う姿を見ること、それ自体が
カード以前の、別の価値を持っているというべきでしょうね。
将来的に、マニー・パッキャオのように、母国での試合と米国での試合の数が
逆転してしまうような状況になる...可能性もないではない井上です。
その姿を直に見ることが、貴重な機会になる、ということになれば、
嬉しいような、寂しいような、複雑な気持ちではありますが...。

何にせよ、年末を快勝で飾り、来年以降への景気づけ、というのも悪くはないでしょう。


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しかし、年末の主役というか、メインカードとなったのは、田口良一の試合でした。
ワタナベジムがTBSと契約し、田口や京口紘人の試合を中継、という、
業界内では大きな出来事が起こったが故に、実現したマッチメイクなのでしょう。

今まで、各局の中で、一番ボクシングに大きな予算と枠を与える局と言われていたTBSですが、
井岡ー八重樫統一戦、リゴンドー招聘(天笠尚の奮戦に救われたものでもある)、
小國以載の戴冠といったヒットはあるものの、亀田兄弟や井岡一翔の詐欺的「世界戦」などには、
馬鹿馬鹿しい、予算の無駄遣いや、と思うことが多かったのも事実です。

しかし今回の田口良一vsミラン・メリンド戦は、大晦日枠に特別予算を組むなら、
普段と違う、普通では組めないカードを、というファンの期待に、真っ正面から応えるものです。
これはもう、ファンとして素直に感謝し、拍手したいと思います。

しかも、直近の試合で1位挑戦者ロナルド・バレラを、鬼気迫る攻撃で攻め落とし、
その力を示した田口と、あの八重樫を初回で倒し、強豪バドラーにも勝ったメリンドが
WBA、IBFのタイトル統一を賭けて闘うんですから、闘う時期としても最高でしょう。


予想となると...田口にとって容易ならざる強敵でしょう。
体格、リーチでは田口がまさりますが、それを生かして突き放す、という
ロングの距離での精度がない田口にとっては、あまりアドバンテージでもない。

さすれば、中間距離での攻防、接近しての打ち合いで、より小回りが効き、
精度も高いメリンドが抜け出す、というのが、普通の予想だと思います。

しかし、その展開の中でも、ボディブローなどでダメージを与え、
メリンドが少し離れたがるところをジャブやストレートで追って休ませず、
さらに打ち合いで上下に連打を散らして攻め上げる、我慢比べに持ち込めれば。
そしてメリンドを疲弊させた上で、後退させる展開が作れれば。
相当苦しい過程を経ることになるでしょうが、田口の勝機はそこにあることでしょう。


これまでの試合でも、理屈を越えた気迫、というより「鬼気」を撒き散らしつつ、
数々の激戦を勝ち抜いてきた田口良一にとり、田中恒成戦に匹敵する、
待望の大試合となる一戦です。
結果どうあれ、その姿から目を離すことは出来ない、そう思わせる彼の姿が、
より多くの目に触れる機会でもあります。
願わくば、その結果が、勝利であることを...と思わずにはいられません。

そして、TBSさんには、例の「ツヨかわいい」は、パスしていただきたい、と
それも切に願いたいところではあります。もう勘弁してほしいです、あれは...。
あれこれ注文するわけではないです、普通にやっていただければ、それでもう。


京口紘人は、カルロス・ブイトラゴとの試合、これは指名試合だそうですね。
世界上位に長い選手ですから、経験ではだいぶ差がありますが、
パワーとスピードでは京口が上回ると思います。
初防衛としては、楽な相手ではないですが、このくらいを厳しいと言いたくもないですし、
戴冠戦で見せた、魅力ある攻撃ボクシングで、押し切ってもらいたいものです。


ひょっとしたら、WBO王者、山中竜也との統一戦があるのかも、と勝手に想像していたんですが、
さすがに指名試合を後回しにしてまで、というのは無理なんでしょうね。
山中の方は、1位挑戦者としてタイトルを獲っているから、選択試合が出来る立場ではありますが、
さりとて下位を選んで、興行になるかというと苦しいのが現実でしょうし。
そうなると、いかにもありそうな話としては、原隆二戦か...?よくわかりませんが。



これだけタイトルホルダーが増えると、いよいよ肩書きだけでなく、
誰と闘って、どのような内容で勝ったか、で選別、格付けが行われる、という時代が、
少なくともボクシングファンの間では定着してきた感があります。

その中で今回、田口良一は間違いなく、一段上に立つチャンスを手に入れました。
年末の世界戦スケジュールや、叩き込みの強引なマッチメイクについて、
色々批判もしてきましたが、改めて、こういう特別な試合ならば、大歓迎です。


今年の年末は「よほどのこと」がない限り、TVで済ますかな、などと
ガラにもないこと(笑)を考えていたりもしたんですが、こうなってくると...。
さて、こちらも色々準備せねばなりませんな。むむむ。





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「優勝候補」の枠を越えた逸材 森武蔵、デビュー4連続KO

2017-11-15 17:19:02 | 新人王戦



ということで日曜日、府立の地下に行ってきました。
新人王西軍代表決定戦です。


もちろん、新人王戦、それも各地区決勝ともなれば、それだけで充分見物なのですが、
以前、デビュー戦動画を貼って紹介したことのある、薬師寺ジム期待のサウスポー、
森武蔵が大阪にやってくる、というので、彼をお目当ての観戦でもありました。

何しろデビュー戦の時点で、相当な評判になっていて、動画を見れば、速攻のKO勝ち。
その後も3戦目までKO勝ちで、今回が4戦目。
迎え撃つはグリーンツダの木村テミン、こちらも4勝3KO、無敗対決となりました。


初回、締まった構えから、スピード、切れのある右ジャブ、左ストレートのワンツー、森。
木村が出て距離が詰まると、またワンツー、この「ツー」が、小さく切る左フックに変わる。

森は手足のみならず、判断のスピードが速い、という印象。
木村は手を出すが、森がそのたびに見切って外し、徐々に手数が減る。

2回、場内から木村に、左から、手数出して、と声援が飛ぶ。
距離が近くなれば手は出るが、大きく離れる、というでもなく、少し間があれば
森が目で外し、後退して外し、という具合で、なかなかその通りにはいかない。

しかし森は、セーフティーに外すというより、時に止まって、詰めた間で「やらせる」感じも。
森がそういう感じで、ちょっと打ち合いも見られたあと、少し離れた間から、
わずかにゆったり、スピードを落とした動作をフェイントに使い、左一発。
これが木村にまともに決まり、ダウン。

相手の神経の中枢を断ち切ってしまっている、切れと威力を兼ね備えた一撃。
リングサイドから、木村の頭がキャンバスにバウンドするのが、真正面に見えました。
信じ難いことに、木村はそれでも立とうとしました。これはもう、本能としか言えません。
しかしかなわず、膝がぐらぐら、ダメージ甚大。試合は終わりました。


森武蔵、評判通りの才能を見せてくれました。
メスト・エジルを和風にしたような風貌、日本酒みたいな名前のサウスポー。

緩急の効いた、切れのある動き。判断のスピード。見切りの良さから来る余裕。
緩急の「急」をひけらかすのではなく「緩」の動作を、
ワンパンチによる、戦慄的なKOに繋げるあたり、並の新人とはレベルが違います。

まるで、新人選手たちの中に、ひとりだけ世界ランカーが混じっているかのよう。
単に、新人王戦優勝候補、という枠には収まらない期待をしてしまう、そんな選手でした。


ただし、この日の試合運びが、見切りの良さからくる余裕に満ちていたことは、
優れた才能の証明とはいえ、それが今後、何らかの形で陥穽となる可能性もありましょう。

東日本新人王、8連続KO中の大柄なパンチャー、ジロリアン陸との対戦なり、
その先の試合なりで、才能故の高度な試合運びに身を投じようとするあまり、
その時々の、キャリアの段階に見合わぬ、不要なリスクを背負い込んでしまうのでは、と危惧もします。

しかし、冷静な展望を持つマネジメント、適切な技術指導によるトレーニングにより、
この選手の才能が十全に開花したら、まず間違いなく、中部ボクシングの新たな「星」となることでしょう。
いや、ことによると中部のみならず...。


とりあえず、次の全日本決勝が楽しみですね。
G+生中継があると思いますので、大いに注目です。

動画ありましたので紹介します。




別アングルです。





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この日はスーパーフライ、フェザー、ミドルの3階級が棄権により中止。
少し残念でしたが、全体的に熱戦、接戦が多く、今年、この階級はアカンかなー、と
思うような試合はなかったように思います。
とはいえ、全日本での勝算は、あくまで相手次第というところでしょうが。

試合結果はこちらに出ていますが、スーパーフェザー以外の感想を簡単に。


ミニマム級は井上夕雅、仲島辰郎とも、スタイリッシュなボクサーファイター。
スピードで井上、パンチは仲島がややまさり、一進一退、ドロー。
井上勝者扱いでしたが、レベルの高い熱戦でした。


ライトフライ級は堅実な中村圭吾と、サウスポー長井佑聖が、2回にダウン応酬。
しかし全体的に、中村がサウスポーを苦にした展開。2-0で長井。
中村は以前も見たことがあり、好選手でしたが、ヒットの差で敗れました。


フライ級はボクサー型の白石聖に、蟹江ジムのファイター近藤冬馬が肉迫。
近藤は好打もあったが、白石の手数と足を止めきれず。3-0で白石。
しかし蟹江ジムは例年、しっかり鍛えられた選手を送り出してきます。
敗れたとはいえ、近藤の奮戦が光りました。


バンタム級は小柄なサウスポー、というかスイッチヒッター徳山洋輝が
長身サウスポー高井一憲に左を決め、先制。
しかし高井が迎え撃つ左のヒットを返し、徐々に接戦に。
徳山が序盤のリードを守って3-0で逃げ切ったが、際どいところでした。


スーパーバンタムは長身サウスポー、ちょっと見た目亀田昭雄風?の
下町俊貴が、ファイター干場悟を迎え撃つ。
おそらく右利き?の下田、ジャブやショートの右フックなどに威力あり。
干場は手数を出し猛攻するが、ボディを攻められ苦しい。
しかし最終回はまた攻める。2-0で下町でしたが、熱戦でした。

個人的には下町には期待したいところです。
未完成ですが、体格に恵まれ、前の手のパンチが強いサウスポー。
上手く育てば、面白いと思いますが。


ライト級、井岡弘樹ジムの小西帝士(これで「ミカド」って読むらしいです)が
大分のダッシュ東保ジム、小畑武尊と対戦。
現役時代対戦した両会長の育てた選手の激突となりましたが、
サウスポーの小畑が攻めきって勝利、会長の雪辱を果たし?ました。


スーパーライト級、長身の宮本康平が、平仲BSのマーカス・スミスに
2回にぐいっと踏み込まれ、真っ直ぐ下がってしまったところを
サウスポースタンスからの連打を浴びて、KO負け。
スミスはこなれた感じは全然ないが、打ち込めたらパワーはある模様。


ウェルター級は安達陸虎が、清利樹を2回TKO。
初回に左ダブルで倒し、2回に右から左、連打でダウン、ストップ。
良い体型で、攻めの切れ味、威力はなかなか。
森武蔵を除けば、全日本での勝利を期待したい最右翼ですが、相手がどうかですね。



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選手には、辞める以外の自由がない 井岡一翔の王座返上、ジムが発表

2017-11-10 08:52:04 | 井岡一翔




井岡一翔、WBAフライ級王座返上。本人不在の会見で、ジム会長が発表しました。
恒例となっている年末、大晦日TBS放送試合への出場もなくなる、とのことです。

以前から、あれこれ噂になったり、一部報道が出ていましたが、
4月の試合以降、東京に居を移し、井岡ジムで練習していない、と言われていました。
理由については触れていませんが、今回の会見で、それが事実であると明らかになりました。


会長のコメントからは、やる気が、モチベーションが、という「精神論」が語られていますが、
具体的なことは、いろいろ不都合もおありのようで、何も語られていません。
また、取材する側も、それ以上突っ込んだ質問をしていません。

これを、ジャーナリズムの力不足と批判するのはたやすいですが、
取材する側に、これはまともな社会常識の範疇にはない世界での取材活動である、という認識、
それが諦念であれ、蔑視であれ、そういうものが前提にあると考えれば、仕方の無い部分もありましょう。

もっとも、相手の言いなりに、結婚したから...みたいな印象を記事にしているところは、
あまりに低俗で、卑怯で、もはや論外としか言えませんが。



それはさておき。
噂に聞いたり、勝手に想像したりするだけですが、結局のところ、選手がジムに対し、
待遇その他諸々の不満を持ち、それが限界を超えた、ということなのでしょう。

そして、日本のボクシング界には、マネジメントとプロモートの権益を、事実上独占することが許された
「会長」と称される異形の怪物が数多存在し、数少ない例外を除けば、選手の意志や権利は無視されます。

井岡一翔を取り巻く状況がいかなるものか、本人のコメントもなく、つぶさに知れようはずもないですが、
実の親子だけに、逃れられない柵みがあり、身一つで新たな活動拠点を見つけられなかったのでしょう。
仮に移籍しての現役続行を、本人が望んでいたとしても、その実現はおろか、その意志があることを
公に発信することすらままなかったのではないか、とも。


そして、これまた想像ですが、おそらくはライトフライ級、フライ級において、
先日、村田諒太がゴロフキンの存在を念頭に語った「自分より強い王者」の存在を無視し、
ジムの興行、経済的事情を最優先した活動、キャリア構築に対して、
井岡一翔本人が、反旗を翻したという側面も、あるのかもしれません。

厳しいことを言えば、ライトフライ級においてローマン・ゴンサレスに、
フライ級においてファン・エストラーダに挑んでいれば、部分的に健闘し、
好試合を繰り広げることはあっても、最終的には敗れていた可能性の方が高い、とは思います。

そしてそれは、所属する井岡ジムが、TBSに「世界戦」を定期的に、安定供給する
「窓口ジム」の立場を、大きく揺るがす事態に、十中八九、直結したことでしょう。


こうした事情に縛られ、真の世界最強、ないしは団体内でも最強の座を争うことのない
井岡一翔の、王者としての価値については、私なぞがあれこれつべこべ言うよりも
もっときつい痛罵の声があり、それは本人の目に触れ、耳にも入ったはずです。

彼がついに、ジム側と離反したという話を聞いて、やはり彼の誇りは
このようなジムの舵取りでは満たされなかったのかもしれない、と思いました。
もしそうならば、彼がその誇りを満たす闘いの場を得られるように、なんとか移籍なり何なりの形で、
現役続行の道が開かれるように、と願ってもいました。


現状、というか、ジム側の会見のみの段階では、井岡一翔の今後は、
井岡ジム復帰か、引退か、という二択のみ、なのでしょう。

仮にジム復帰、現役続行となった場合、それは従来路線の再開を意味するのでしょう。
会見の記事を読む限り、自分の立場を、面子を最優先して、選手の側の精神面に
全ての原因があるかのような発言をしている会長には、何かを変える意志は見えません。
その結果、大晦日の興行における主導権を失うことになっているのですが、
それでも、何一つ譲歩しようという気がない。もはや本末転倒の域だと思います。

もしかしたら、選手生命を賭してでも、その部分に変化を求めたのかもしれない、
井岡一翔の今回の行動も、結局は何の意味も持たなかったのかもしれません。



そうなると、引退の二文字も現実味を帯びてきます。
井岡一翔というボクサーへの評価や好悪はさまざまにあれど、
こんな形で失われるには惜しい人材である。それは誰の意見も一致するところでしょう。

しかし、どのような不満があろうとも、移籍の道が閉ざされ、業界有力者の後ろ盾もなければ、
結局、選手には、辞める以外に、何の自由もない。
それが日本のボクシング界です。

そして、井岡のような有名な選手に限らず、そのようにして、失意とともに
この世界を去るボクサーは、ごまんといたし、今もいます。
その現実は、長年ボクシングを見続けていても、何も変わらないのだなぁ、と、
改めて見せつけられたような気がします。


日本のボクシング業界の構造的欠陥は、いよいよ限界に来ているなと感じることが多いですが、
これまた、あまり良い気持ちのしないお話ですね。





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激闘あり、強烈KOあり 大盛り上がりの週末ボクシング

2017-11-06 19:41:31 | 海外ボクシング




ということで先の週末は、土曜日、G+でホールの試合が生中継。
日曜はWOWOWオンデマンドでNYはブルックリンのバークレイズから生中継。
強烈KOあり、激闘ありで、見ていて楽しい限りの二日間でした。

これ以外にも、当初見に行く予定が、所用のため取りやめた姫路の試合や、
三田の大沢宏晋が出た興行など、各地で熱戦が繰り広げられました。

メキシコでは、牛肉大好きルイス・ネリーがアーサー・ビラヌエバをKOしたり。
英国のWBA第二王座戦のリマッチは、とほほな結末だったり。

まあ、色々あった模様ですが、改めて、こういうのをDAZNのようなプラットフォームで、
ぱっと見てもらえるような仕組みにしてくれたらなぁ、と思います。
姫路の清瀬天太vsジョー・テホネス戦は、BoxingRaiseで見られるとのことですが。


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土曜日のホールは、最初からKO祭りの様相。
デビュー4戦目のライト級、斉藤一貴は、身体もパンチも硬そうな比国ランカーをTKO。
渡部あきのりは比国王者をボディで沈め、次はロシア遠征とか。健闘を。


日本ミドル級次期挑戦者決定戦は、この日の白眉。
村田諒太のアマチュア最後の対戦相手、竹迫司登が、福本祥馬を初回KO。
いきなり「詰めた」展開に福本が応じたが、竹迫のねじ込むような右ショート一発。
福本のガードを割って決まった、見事な一打でのKO。
この辺は、トレーナー藤原俊志さんの指導のたまものか、と見えました。
来年のカーニバルが楽しみです。村田に続け日本のミドル級!ですね。


セミの石本康隆vs中川勇太は大激戦。
少し型を崩したスタイル、当て際で切れるパンチで中川が圧倒した序盤でしたが、
石本が半ば捨て身の反撃、接戦に持ち込む。場内大盛り上がりでした。
それでも中川の勝ちかなと思いましたが、好試合には違いなし。


メインのヘビー級は、WBO挑戦を目指す藤本京太郎がKO勝ち。
相手はヘビー級でなければ、とても見られた選手ではなかったですが、体格と馬力はそれなりに脅威。
とはいえ藤本、動いて外し、ボディから徐々に攻め込み、間違いを起こさせず、倒しました。


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日曜日、午前10時からのWOWOWオンデマンドでは、最初の試合で近藤明広が登場。
セルゲイ・リピネッツは格闘技のキャリアが長い強打者だそうですが、
近藤は5回、7回と好打を見せるなど、うまくすれば勝てるかも、と思わせる展開。

しかし、近藤は好打しても、空振りしても、その後が同じ。
追撃するでなく、動いて外すでもなく、間を空けてしまい、止まる。
そのたびに、リピネッツの大したことないリターンを受けて、相殺され、失点してしまう。

日本で普段やっている相手なら、あの単調というか、悠長なリズムの試合でも問題ないでしょうが、
仮にも世界戦となれば、相手はそこを逃さず手を打ってくる。
その対応に対し、何ら修正出来ず、ずるずるとラウンドを重ねてしまった、という試合でした。

公式採点は多少、辛めではありましたが、さりとてこれを善戦健闘と言うべきかどうか。
内容、結果どうあれ、海外のリングに打って出て、そこで様々に感じることもあるでしょうし、
それを今後の糧にしてもらいたい、とは思いますが。


ショーン・ポーターは、相変わらず元気一杯、同時に「無茶しよんな」とも。
果敢な攻撃ボクシングですが、あの右、アタマ、左のコンビネーションはどうにかならんか、という。

西岡利晃が指摘したように拳を傷めたようで、ラストふたつは苦しみましたが、順当に勝ちは勝ち。
普通にやっても速いし巧いし強い選手が、こういう型崩れの味付けに走ると、やっぱり手に負えません。
かのアーロン・プライアーにも通じるところがありますね。


メインのデオンテイ・ワイルダーは、問答無用の初回KO。
以前対戦して判定勝ちだったステイバーンを右一発でぶっ飛ばし、追撃、追撃、
最後は殺す気か!というような絵で、レフェリーが割って入りました。

ボクシングのスタイルや作りと同時に、あの「興奮状態」が、
傍目にはどうにも得心いかん、と変わらず思うワイルダーですが、
そういうのを脇に置いて言うと、とりあえずまともにやりあったら誰もかなわん、でしょうね。
逆にいうと、ひとつ外せたら...という気もするわけですが。

ジョシュアとの試合は、果たしてすんなり実現するんでしょうかね。
共に大柄、大別すればボクサータイプ、しかし桁外れの破壊力、
それと同時に、オーバーペースで受けに回ると不安もある者同士の、英米対決。

あれこれつべこべ言いながら、やれば当然、目を離せるわけもありませんね(^^)
なんとか、早期に実現してもらいたいものです。



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力の論理に則って/やはり過剰?/手応え見えず/こちらも配信

2017-11-02 16:26:17 | 話題あれこれ



嵐の両国決戦が終わり、年末に向けてまた、あれこれと話題が...と思っていたら、
立て続けにあれこれ決まっていく、という感じではありませんね。
まあ、もう少し先の話なのでしょうか。

自身のブログで、益田健太朗が、井上拓真との対戦が決まったと「発表」しています。
12月30日横浜文体とのことですが、この日時と場所で、他にどんなカードがあるのか、ないのか。
色々噂も耳にしますが、はてさて。


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WBCはルイス・ネリーを処分せず。あれこれ条件はつけたが、無罪と見なしました。
そして山中慎介との再戦を指示。それを受けて?同日、山中が再起を表明しました

もはや、あれこれつべこべ言うのも空しい話です。
所詮WBCなんて、と我々なら思って済むところですが、世間はこの主語を「ボクシング」に
置き換えてしまいます。どうにもやりきれないものがあります。

それにしても、ネリーが無罪といいながら、一方では山中との再戦を指示する、というのは、
もはや理屈も何もあったものではありません。
公正なスポーツ統括機関の決定、というよりは、「手打ち」という方がしっくりくる、そんな話ですね。

そのような理不尽な状況の中、あくまで明るく、前向きに再起を表明した山中の心中は、
傍目からは推し量れない様々な屈託があるのやもしれません。
しかし、全ての感情を乗り越えて、力の論理で全てを勝ち取る以外、
自分に出来ることはないのだ、という決意こそが、この再起の真実なのだと信じます。

ここに至って、我々が出来ることは、山中慎介の再戦における勝利を願って、
精一杯応援することのみ、なのでしょうね。


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先の日曜日、初めて「DAZN」に加入、というか「お試し視聴」をしてみました。
早朝から、アンソニー・ジョシュアの試合がライブ配信される、と教えてもらい、
石田匠の試合も込みとのことだったので、それならば、と。

ボクシング専門誌などでは、情報があまり目に入ってこないのですが、
個人の方のブログなどでは情報が出ていて、最近でも何度か、
DAZNではボクシングの配信があり、ライブもいくつかあったようです。

メイウェザーvsマクレガーは大きな話題になりましたが、それ以外にも
マイキーvsブローナーや、ジョシュアvsクリチコなど。
最近だと、ライブ配信だったかはわかりませんが、バンタム級の統一戦、
ザキヤノフvsバーネットが「見逃し配信」として、期間限定ながら見られました。

今回、加入手続きを取りましたが、手続きは簡単。
PCからTVモニタで視聴しましたが、思ったより使い勝手が良く、画質もまずまずでした。

ただ、試合二日前に加入したその翌日、つまり試合前日になって、
前座から配信される予定が、メインのみに変更になる、という事態が起こりました。
カリ・ヤファイvs石田匠戦は、結局、ライブでは見られず。
試合翌々日くらいに「見逃し配信」として、見られるようになっていました。

まあ、どえらい肩すかしもあるものです。料金の安さ、配信形態などを考えると、
こんなものか、と思うしかないのでしょうが。


で、肝心の試合は、カルロス・タカムの粘り強い闘いに、ジョシュアも鮮やかにとはいかず。
同時に、やはり彼の膨大な筋肉量、その過剰な身体作りが、本当にボクシングに適したものなのか、
という、クリチコ戦で抱いた疑問も、改めて顕在化したような試合だったと見えました。

終始パワーと体格で圧倒、4回にはダウンを奪い、しかし7、8回あたりはペースダウンし、
タカムの反撃を受ける、というか「許す」場面も。
クリチコ戦で危機に陥ったのと同様の失速は、今後さらなる強敵と対した際に、
大きな不安材料として残りました。


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で、後日視聴可能となった、カリ・ヤファイvs石田匠戦は、ヤファイが判定勝ち。
ヤファイの実力がどう、というより、石田があまりに消極的で、どうにもなりませんでした。

とにかく手が出ず、たまに軽く、浅いヒットがあったとて、敵地の観衆が反応するわけもない。
静かな雰囲気の中、実況アナ、解説の山中慎介と原功の両氏が、石田の数少ない攻撃のたびに
一生懸命言及する苦心惨憺のみが心に残る、そんな試合でした。

日本でやっていれば、場内の雰囲気も違い、石田ももっと積極的に闘えたのかもしれませんが、
実況解説にしたところで、もし石田が外国人だったら「この挑戦者はあまりに消極的です」と
遠慮せず酷評していたことでしょう。

帰国後、本人が次に繋がるとか、手応えがあったようなコメントをしているようですが、
百歩譲って、彼自身の手応え、内なる感覚が、嘘偽り無くそういうものだったとしても、
あの試合を第三者の目で見た者が、そんな印象を持つことはまず無いだろう、と思います。

ライブ配信なら見たい、勝ち負け以前に自分の良さを全部出し切ってほしい、と
色々思うこともあった一戦でしたが、終わってみれば、何とも残念な内容でした。


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こちらの記事によりますと、次の日曜、今度は米国のヘビー級戦興行があり、
これはWOWOWがオンデマンドで配信するとのことです。午前10時からですね。

デオンテイ・ワイルダーについては、正直いまだにピンとこない部分もありますけど、
ジョシュアとの対戦が遠からず実現するとしたら、それに向けてどう伸びているか、注目ですね。
そして、近藤明広のIBF挑戦、ショーン・ポーターの試合なども見られるということです。


それにしても、海外ボクシング放送といえば、老舗WOWOWの独占かと思っていたら、
DAZNのジョシュア戦配信にも、帝拳が関わってきたようですし、
90年代のWOWOW放送開始時に、がらりと変わったボクシング視聴の形態が、
また新たな局面を迎えるのかもしれませんね。

DAZNには、さほどメジャーでも無いスポーツまで、あれこれコンテンツに入っているようですし、
是非、国内のボクシング興行も、DAZNで手軽に見られるようになったら嬉しいですね。
どんどん売り込んでいってほしいものです。出来れば、業界全体で、可能な限りまとまって...。


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