クレイジー・キムの世界挑戦が、文字通り「
具体化」していますね。
話としては、ターゲットとする王者の前座で組まれた試合をして、
その結果と内容次第で、次の挑戦者に選ばれるかどうか、ということですね。
ずーっと地元で試合をして、そのうち王者を呼んで、地元で挑戦する。
これが日本のボクシング界では当たり前だったわけですが、
特に重いクラスの方だと、この常識は通じません。
今回のキムは、日本の常識に背を向け、世界の常識に沿った形で、
世界に挑もうとしています。
もちろん、非常にリスクの伴う試合でもありましょう。
次に闘うというPABAタイトルマッチの相手がどういう選手かわかりませんが、
敵地で、先方が用意した相手と闘うわけですから、楽ではなさそうです。
でも、そういう厳しい試合を乗り越えて、きちんと評価された上でタイトルに挑む。
これぞ、クレイジー・キムにこそふさわしい挑戦だと思います。
とはいえ、重量級だと、なかなか日本の選手にはチャンスがないのは確かですが、
キムのように、自分から外へ打って出て、チャンスをつかむ選手が
他にもどんどん出てきて欲しいなと思います。
先日、ニューヨークでの試合で、アイリッシュの人気ボクサー、
ミドル級世界ランカーのジョン・ダディがひどい地元判定で勝ちを拾いました。
もちろん、あれはダディにとり、例外的な不調だったのかもしれませんし、
ダディというボクサーがそもそも、あの程度の選手だったのかもしれません。
が、それをさておいて、もしあの試合の対戦相手が
江口啓二や佐藤幸治や鈴木典文だったら、どうだったでしょう。
充分勝てると思ったのは私だけでしょうか。
もしそうなっていたら、今頃、彼らのうちの誰かが世界ミドル級のトップテンに入り、
それこそケリー・パブリック挑戦が決まってたかもしれないのです。
現実には、そういう「世界への挑戦」は、皆無です。
もちろん手強い相手に手痛い黒星を喫することだってあるでしょうが、
そういうリスクを怖れていては、いつまで経ってもチャンスは来ないし、掴めない。
今回、キムの挑む世界前哨戦、その先のことがどうなるかはまだわかりませんし、
彼がライトヘビー級で世界に挑むこと自体も、ちょっと厳しいと感じますが、
出来ることなら、良い形で挑戦が決まってほしいと思います。
私がボクシングファンになった頃からすると、日本のいわゆる「重量級」、
ウェルターやミドルにも好選手が揃ってきた感があるだけに、
彼らがより高みを目指すときの好例を、キムに作ってほしいと思うのです。
ところで、先日、フィジーの選手とチューンナップファイトをやった模様が
スカイAで放送されまして、2回KO勝ちでした。
試合も試合後のインタビューも共に絶好調でした(^^;)
あえて再録はしませんが、なかなかに味わい深いというか。
しかし、どうでもええけど、誰か止める人おらんですか、あれ。
面白いっちゃ面白いですけど、ちょっと怖いです、ハイ(^^;)