さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

熱情の技巧派、真の頂点に クロフォード、宿敵スペンスを圧倒

2023-07-31 05:05:26 | 海外ボクシング




そんなことで、オンデマンドからTVと、WOWOWをはしごする日曜日。
全試合張り付いて見ていられたわけではありませんが、追っかけ再生なども駆使しつつ「メイン」はしっかりライブで楽しく見ておりました。


技巧のスイッチヒッター、テレンス・クロフォードが、痩身のサウスポー、しかし修羅の如きアタッカーであるエロール・スペンス相手に、サウスポーで構えて立つスタート。
これは結局、終始固定のまま。結果として完全なサウスポー対決となりました。


クロフォードの右リードパンチの正確さ、威力は圧倒的で、2回半ばには、他人事のような表情で闘うのが常のスペンスに、動揺の色が見える。
これまたポーカーフェイスが売り?のクロフォードは、大きな目でじっとスペンスを見ている。
この回、右ボディジャブの応酬から、僅かにバランスを崩した瞬間を逆ワンツーで叩かれたスペンスがダウン。

スペンス、3回から挽回を図って出るが、打つ度に逆ワンツーが来て打たれる。
4回は逆ワンツーのみならず、クロフォードが左フック、ワンツー、ボディへ返し、離れた間はジャブで埋める、という具合に、ワンサイドの様相。
あのスペンスが早々に劣勢、鼻血も出て顔も真っ赤。信じられない光景。


サウスポー対決は右リードジャブの優劣で決まる、という言い尽くされた言葉通りの攻防。
クロフォードのジャブは頻繁に入り、スペンスのそれは効果が乏しい。
スペンスは5回、左フックをクロフォードの首あたりにヒット。6回は身体を寄せてボディから連打と、懸命に攻める。
しかしクロフォード、完全にペースを掴んでいるせいか、動じない。


ポイント劣勢、ヒット数で圧倒され、しかしスペンス攻め続ける。
まさに手負いの虎、というに近い感じだった7回、左を振るって攻めたその出鼻に、クロフォード、ロープを背負った位置から、身体を逃がしもせずに、小さい右アッパーをカウンター。
もう一発左を振ったスペンスが、直後に小さい右をもう一つ当てられ、はじけ飛ぶようにダウン。

スペンス立ち上がって続行するが、クロフォードは長短のパンチを上下に散らし、ヒットを重ねる。
この回終了間際、軌道を変えた右フックを二発決め、ダウンを追加。
ダブルパンチコンビネーション、ではなく、浅いヒットの後、当たったパンチをもう一度外回りから打ち直す、という形。スペンス、もんどり打って倒れる。


この二度のダウンシーンから見えたテレンス・クロフォードというボクサーの内実は、もう、単に巧いとか狙いが鋭いとか言う話ではない。何よりもその冷静さに恐怖しました。
スペンスのような相手であろうが、自分の思う試合運びに乗せてしまえば最後、どんなに強振してこようが恐るるに足らず、単なる標的でしかない、ということか。
そして、このように闘い抜くことこそが、長年に渡り培ってきた、テレンス・クロフォードのボクシングであり、それが今まさに、結実しようとしているのだ、と実感もしました。


8回、絶望的な状況ながら、スペンスは左右の強打を振って迫ってくる。
しかしクロフォード、右リードで突き放し、9回はボディから右フック、左返してまた右フック。
上体を折ったり、揺らいだりするスペンスを的確に続けて捉えると、レフェリーがストップしました。




試合後のクロフォードは、ご陽気な(笑)家族の皆さんと踊ったときを除けば、我々がイメージするアメリカ人的な、周囲のことなど気にせず喜びをまき散らす、という風には見えませんでした。
とりあえず四方に勝利をアピールし終えたら、スペンスの元へ歩み寄って、何ごとか言葉を連ねていて、インタビューでもどこか控えめな印象でした。

世界超一流の力を認められながらも、プロモーターの壁に阻まれ、ビッグマッチに恵まれなかった苦労人。
この試合で敵として戦いながら、対戦合意に至る過程において、敬意や共感の対象ともなったエロール・スペンスへの思いあったが故、なのかもしれません。

オマハという、ボクシングタウンとは言い難い地の出身から、ここまで這い上がってきて、まるで氷のように冷静な闘いぶりでもって、シュガー・レイ・レナードやドン・カリー以来のウェルター級統一王者となっても、しかしその姿には、心中に秘めた、熱い思いが垣間見えたような気がしました。



それにしても、真に世界の頂点を争奪する闘いというのは、どんな展開になっても、その闘いの崇高さが土台にあるが故に、見る者の心を引き付け、平静を失わせ、熱くするものなのだなあ、ということです。
予想外のワンサイドマッチと言えばそうだったしれませんが、敗れたエロール・スペンス(正直、歴戦のダメージも感じた部分はありました)の、終始消えることがなかった果敢にも、闘う男の、王者の誇りが見えたような気がしました。
それはスティーブン・フルトンと井上尚弥の試合でも同様でしたが、ボクシングファンとして、こういう試合は良いものだなあ、と改めて思いました。




あと、個人的にはあまり気にはしない方ですが、P4Pの順位がどうこう、という話は、残念ながらこの人が1位獲っちゃうんだろうなあ、というのが、率直な感想ですね。
解説の村田諒太が、フロイド・メイウェザーでもかなわないのでは、と言っていましたが、本当に同じ時代にいて、闘っていたら?という気になりました。
まあ、メイウェザーなら、相手の良いときは外して組むから(笑)あまり意味のある想定ではなかったりするわけ、ですが...。


そんなことも考えると、改めて、ぎりぎりのタイミングだったかもしれませんが、今回の二人は、実際に闘って見せてくれたのですから、何よりでした。
テレンス・クロフォードとエロール・スペンス、ふたりの偉大な王者に感謝、そして拍手したいと思います。



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井上尚弥「せやねん」にコメント/あっという間に決戦の日

2023-07-30 00:02:00 | 井上尚弥



井上尚弥勝利を「せやねん」が特集。番組向けにコメントをしています。






長谷川穂積の時代から、放映権がどうとうかいうのを抜きに、プロモーター、放送関係者が「あ、せやねん、ですか。それなら」という感じで取材させてくれるらしいですが(笑)井上尚弥も同様なのだとしたら、大変な事ですね。

「怖いのは、負けることより挑まないこと」という言葉には、感心するばかりです。
ボクサーたるもの、誰もがきっと同じ思いなのでしょう。
長谷川穂積も同様かもしれません。「挑戦シリーズ」においては、また別のことを思いもしますが...(笑)。



============



さて、火曜日の試合で燃え尽きた感もありますが、あっという間にもうひとつのビッグマッチがやってきます。
クロフォード、スペンス戦だけでホントならお腹いっぱいなのに、ドネアの試合までスライドしてきて、また大変ですね。
若い猛ファイター、サンティアゴ相手というのは、色々心配でもありますが。はてさて。



こちらはもう、大きな話題になっている、計量での様子。
最近のボクシングでは珍しいかもしれません。昔はこういう感じ、けっこうあったみたいですが。
アリの時代から、段々減っていった感じですかね。






クロフォード有利の予想が多いですが、両者共にブランクとか年齢とか、不確定要素が色々とあって、何とも言えないですね。
スペンスの絨毯爆撃ボクシングが、クロフォードを捉える可能性も充分ありそうです。
しかし、やっと実現した大一番で、クロフォードが技巧派の誇りを見せつける試合になるかもしれません。
はてさて、どうなりますかね。本当に楽しみです。



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明暗くっきりのメダリスト対決 清水聡、ロベイシー・ラミレスに完敗

2023-07-29 00:02:03 | 関東ボクシング


25日の感想、最後です。
セミのメダリスト対決、ロベイシー・ラミレスvs清水聡戦は、大方の予想を覆すことのない内容と結果を残しました。

この日は井上尚弥と清水聡が世界タイトルマッチの青コーナーに立ち、対するチャンピオンがPBCとトップランクが抱える軽量級タレント、という、まさに画期的な興行だったわけですが、そのプレミアム感は、ロベイシー・ラミレスがリングに上がった瞬間から伝わってきました。
正直、フルトンvs井上戦だけでもなかなか...なはずなのに、延期のおかげ?で、アメリカではあり得ない揃い踏みが実現してしまったわけです。


しかし、試合自体は厳しいものでした。
サウスポー対決、長身の清水聡が、右リードジャブ、左ストレートを突き立てようとするが、ラミレスは高いガードを維持しつつ、時に小さい動作で、時に膝から身体全体を動かし、自在に外しては打ちやすい位置に立ち、力まずに、しかし正確なパンチを当ててくる。

長身の清水相手に、ボディを打つのかと見えた左が、途中で軌道を変えて顔に届く「変化球アッパー」が早々に出る。
清水がガードを前で絞ると、左右から頭部を軽く叩き、かと思ったらまた真ん中へ。
ポンポン、とリズムで打っているかと思ったら、清水のジャブを速い動作で躱して左クロス。
左アッパーと右フックのパターンでヒットを取り、当てて離れるのみならず、懐入ってボディ攻撃の応酬でも打ち勝つ。

2回が終わる頃には、ヒットの精度、数で圧倒的に差がついている。
3回、清水の左が単発ながらヒットしたが、すぐリターンが来て、相殺という以上のダメージを受けてしまう。

4回、清水前に出て打っていくが、ラミレスはこの辺りになると、動いて外す必要を感じていないのか、ガードで受けて対応。
すると清水のボディブローが入る。普通なら「舐めすぎ」となるが、ラミレスはこのヒットをきっかけに逆襲。
左右フックにアッパーと、無理なく打てるパンチを連ね、清水をロープに追い立てる。
なんとかしのいだ清水だが、ラミレスは清水のパンチを外し、右リード一発で食い止めてしまう場面も。






ラミレスは好きな位置に立ち、打ちたいパンチを打ちたいように打っている。
一発ずつの威力はさほどでもなく、また力を入れて打つ回数は少ないが、テンポ良く、上下左右どこからでもパンチを通し、清水の防御をほとんど意に介していないような風情。

対する清水は、序盤から顔が赤くなり、両まぶたともに腫れている。
見た目の印象に反して、頑健な清水が、足を踏み換えねば踏ん張れない場面も。

4回が終わった時点で、もう棄権すべきではないのか、と思ったほどでした。
何しろヒットの数が違い、精度が違い、通り道の数が全然違う。防御の比較をしても、片方はもう、無理に外すまでもない、という構えで、片や「空いたとこ」を好きに叩かれている。
軽めのパンチをテンポ良く打たれ続けていて、これは強打されるよりもある意味悪いというか、ダメージの蓄積という意味では、こちらの方が危ない場合があるのでは、と。

しかし、心配も長くは続きませんでした。清水のダメージは限界を超えていたのでしょう。5回、アッパーを組み込んだ連打で清水ダウン。
ラミレスの追撃に反撃の手が出せず、レフェリーがストップしました。


五輪連覇のロベイシー・ラミレスと、日本では貴重な五輪銅メダリスト清水聡の対戦でしたが、内容は大きな差がつくものになりました。
まだ若いラミレスに対し、プロ入り時点で30歳でありながら、勝負の試合まで長い時間を要し、しかも世界挑戦するに相応しいキャリアを築くことが出来ないまま現在に至る、清水聡の現状が、そのまま内容と結果に反映されていた。
きついようですが、そういう試合に見えました。

清水聡の五輪銅メダル獲得は、ボクサーとしての偉大を証明するものですが、その力を、良さを、プロのリングで上手く生かせぬまま、プロボクサーとしての活動を終えてしまった。
残念ですが、これも仕方ないことなのかもしれません。



ロベイシー・ラミレスについては、将来的にトップランク社が井上尚弥との対戦を視野に入れているのは明らかです。
ボブ・アラムもそのようなコメントを出していたようですし。

ただ、その技巧は素晴らしいものですが、真のフェザー級トップクラスの強豪と闘って、どのような内容と結果を残せるものなのかは、まだ未知数です。
大橋会長がこの辺りも睨んでか、慎重に、スーパーバンタムにしばらく留まる方針を表明してもいて、将来的にフェザー級で井上と相まみえる高みに居続けられるものかどうか。
もちろん、どんなボクサーにも当てはまることですが、リングの上では、己の力以外に頼るものなく、誰も何も保証をしてはくれませんから。


しかし、日本語でTwitterを更新していたり、トランクスに「電車」とロゴが入っていたり(ニックネームが「エル・トレイン」というそうで)、ちょっと日本向けの営業というか、意識している部分があって、なかなか面白い人やなあ、と思わせます。
誰か「超特急」「快速」くらいに意訳してあげたらよかったのに、と思うところですが。
最近のキューバ人ボクサーには、ちょっとがっかりすることも多いですが、彼にはホエル・カサマヨールのような、プロの世界でも納得感のある闘いを見せられるボクサーになってほしいものですね。



==============



さて、Lemino配信についてですが、アーカイブをチェックしたら、話題になっていたとおり、セミとメインは照明の加減か、カメラの角度によっては画面が青みがかって見えて、ちょっと見にくかったですね。
前回バトラー戦のときは、会場で見ているとリングの上が妙に黄色くなっていて、でも画面を見ると綺麗に見える、という具合でしたが、今回は会場で見ていると普通、画面で見ると...という、逆の現象が起こりました。

今回は、前回のような大規模なトラブルは起こらず(それでも、方々で切れた、止まった、という事態はあったようですが)、まあ何とか収めたのかと思ったら、またこういう感じか、と...詳しいことは知りませんが、もしTV局が中継してて、こんなことになったら、担当者は何らかの責を負わされるんじゃないでしょうか?
ネットだから、または無料だから仕方ない?という基準でやっているわけでもないでしょうが、どうも締まらないなあ、と思うばかりです。

当然、将来的にはもっと収益を上げるべく、当然月額視聴料の範囲内に入れたり、それこそPPV別料金を、という構想もしていることでしょうが、こんなことでは難しいんじゃないですかね。
批判しよう、というところに気持ちが届かない、というか、本当に心配になるくらいです。大丈夫かいな、と。


しかし、青みがかったところ以外の映像は、アーカイブで見た限り安定していました。
当日夜にはアーカイブも視聴出来るようになっていて、この辺は改善されていました。
あと、第一試合から3試合、ライブ配信に入らなかった試合を、ハイライトにして流したのも良かったと思います。
忙しく、手間もかかることですが、良い仕事でした。ちゃんと良いところもありました、ということで。



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最後に井上出すから文句言うな? 有明アリーナ観戦記(その2)

2023-07-28 00:06:26 | 関東ボクシング




そういうことで8回戦、3つめは武居由樹が登場。田中恒成との対戦では完敗したものの、強いところも見せていたロニー・バルドナドとの対戦。
井上尚弥の存在もあり、スーパーバンタムからバンタムに下げることも視野に入れての、54キロ契約の試合でした。

しかし、見た印象ではあまりよろしくない。
プレスかけて強打を見せ、バルドナドを下がらせてはみたが、そこから先に攻めの組み立てが無い。
上に強打を振ってミスし、上体がのめる、という具合で、バルドナドの右ストレートを好打される場面も。

2回までは、減量の悪影響か、と見えました。下にパンチ散らして目先を変え、自分のバランスも修正しないと、と思っていた3回早々、左ボディストレートかアッパーか、視認しにくいパンチが何しろ下に入って、それで試合が終わりました。








オールKOレコードをまた伸ばした武居ですが、バンタム級での展望については、正直、この試合では測りかねます。
キックボクサーの経験は充分、勝負度胸も武器(強打)もあり、しかし「ボクサー」としての精密さなどは、キャリアの浅さ故に、まだ高望みは出来ない...今後、那須川天心を通じても見えてくるかもしれない、歪な部分が、階級を下げることで露呈されなければ良いけど、という心配の方が、若干勝っています。



続いてセミセミ、日本ユースのライトフライ級タイトルマッチ、坂間叶夢vs堀川龍。
戦績で言えば7戦7勝6KOの坂間が良いが、闘ってきた相手の質、中身でいえば格上は堀川の方。
しかし痩身ながら長身、リーチに恵まれ、無駄のないジャブ、ストレートの攻撃に徹する坂間が主導権を握り、堀川の反撃もありつつ、徐々に抑え込み、捉えていく流れ。
最終回、左ダブル、トリプルのボディ攻撃などもあり、ダメージを蓄積した堀川を、坂間が捉えてTKO勝ちとなりました。






坂間は新人王の時から目を引く素質の持ち主でしたが、堀川龍から上げたこの勝利は、ホープとしての存在をアピールするに申し分の無い内容と結果でした。
井上岳志や竹迫司登など、重いクラスに強いワールドスポーツジムですが、軽量級でも良い選手が出てきましたね。




さて、ある程度覚悟していたこととはいえ、この前後から試合ごとにざっくりと休憩が入るようになります。
坂間、堀川戦が18時頃から始まったのでしたかね。この前もけっこうな時間が空いたように思いますが、それが終わって、さあ、なかなか次が始まらない。
世界タイトルだから色々ある、という範疇の話ではなく、要は最初からこのあたりと決めた時間設定があって、その通りにやっているだけ、なのでしょう。
だったら最初から、その時間(目安でいいので)を知らせてくれたらええようなものなんですが...。

結局7時半くらいになり、ロベイシー・ラミレスと清水聡の試合が始まりました。
この試合が5回で終わる。20時前後になっていたか。その後、リングアナがメインの時間について何か言ったのですが、音声が不明瞭で、何と言ったのか、聞き取れず。


そうこうするうちに、大型モニターに、見覚えのある映像が。
先日Leminoで配信があった、井上フルトン戦プレビュー番組が流れ始める。
時刻は20時10分過ぎ。あれ、この番組、正味28分くらいあるぞ、と。これ、今から全部流すわけ?
さすがに開いた口が塞がりませんでした。

で、結局たっぷり全部流れて、終わったら場内、やっとかー!ということで、拍手が沸き起こる。
しかしまだしばらく、何も始まらない。しばし経ち、やっとリングアナや関係者がリングに入り、セレモニー。
スティーブン・フルトンと井上尚弥が闘い始めたのは、結局21時くらいになっていました。






まあ、平日夜のライブ配信ですから、多くに見てもらおうと思ったら、20時台よりも21時台の方が良いんでしょう。
日本でも、昔日の世界戦は22時からゴングだった例もあると聞きます。
海外ならもっと遅い時間に始めるのはざらですし。

しかし、それも交通の便が良かったり、それまでの時間潰しが出来たり、余裕のある快適な空間があるからこその話です。
交通の便が良いとはお世辞にも言えない会場で、狭くて暗い座席に長時間。
我々は安い席だからまだ仕方ないと言えば言える。
しかしリングサイド22万円の席も、別に両側に肘掛けがあるでもない、大して変わらん椅子に座っている。
誰ぞ怒り出す人おったりせんのやろうか、と。昔なら逆に、その筋の怖い人を怒らせたらいかん、早うせな、てなものだったんでしょうが...。


本当に、観客軽視もここに極まれり、というしかありません。
「そんなに配信の方が大事なら、後楽園ホールでやってそれを流せば良い」と友人が憤っていましたが、そんなわけいかんとわかっていても、言いたくもなろうというものです。
なんならリングサイド100万円でも取ってやればいい。南側の一番上で20万円くらいか。
そうなれば、私も潔く諦めて、家で配信を見ることでしょう(笑)。


本当に、最後に井上尚弥さえ出せば文句ないだろう、とでも言われているような気分でした。
実際、その通りでもあるので仕方ないんですが、さすがに次回からは、こちらも対策をしないといかんな、と思い始めています。
アンダーに良いカードが組まれれば、それも直に見たいのはやまやまなれど、40分、50分、或いは1時間というサイズの休憩を二度、三度、四度と挟まれるのは、心身ともに厳し過ぎる。
会場入りの時間を遅くして、最後の方の試合だけは会場で見て、アンダーは配信でチェックするとか。
不本意でもありますが、そうでもしないと、やってられません。

本当に、私のような者に、こんなことを考えさせるというのは、相当なものです(笑)
以前、名古屋で石原英康の世界戦を見たとき、メイン前に1時間10分休憩というのを食らった経験がありますが、全体のボリュームで言えば、比較にすらなりませんね。


そして例の如く、帰り道は出口一カ所限定、会場を出てからも照明が不足していて暗いため、階段のある出口を封鎖しており、スロープのある狭い通路に人を集中させる導線により、なかなか人が捌けず、えらく時間がかかる。
完全に「詰まって」しまう時間帯もけっこうあって、苛々させられました。

このイベントの主催者は、本当に、人の都合や時間というものを、いったい何だと思っているんだろう?と首をひねってしまいます。
まあ、プロモーターといっても所詮は「会長」と称される、正体不明、責任不明瞭の存在であって、イベントや興行の良し悪しなどを問うに値しない者でしかありません。
ですので、こんなことも言うだけ時間の無駄、なのですが。


そういうことで、井上尚弥は素晴らしい、しかしイベント、興行としては最低最悪の部類でした。
井上尚弥が出ていなければ、絶対に会場に足を運びはしなかった。改めて、そう断言出来ます。下の下、でしたね。



えー、ロベイシー・ラミレスvs清水聡戦の感想は、また後日ということで。
まあ、特に皆様と違うことを思っているわけではないのですが。あくまで簡単なものです、ハイ。



写真提供は「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。いつもありがとうございます。



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昭和の大問題シーン、令和の世に再び 有明アリーナ観戦記(その1)

2023-07-27 16:07:34 | 関東ボクシング



そんなことでまたしても行ってきました、NTTの殿堂有明アリーナ。
メインについては、十分な満足、納得感を得られるものでしたが、それ以外についてはもう...毎度の通りまとまりませんが、順番に書いていくとします。






まず、何しろ猛暑のさなかです。普通なら大した距離でもないものの、会場最寄りの新豊洲駅から少し歩くのもえらいなあ、と嘆いていたところ、会場前に「有明小中学校前」というバス停があり、東京駅丸の内南口から都営バスに乗れば行けます、と前日に友人が教えてくれました。

これは有り難い、と思って、当日午後、東京駅から都営バスの「東京ビッグサイト行」に乗り込みました。
ところが普段はそんなこともないのでしょうが、やはり目的地を同じくした方々が、国際展示場、有楽町、新宿、と停車するごとに大勢乗り込んできて、あっという間に満員。
それ以降はバス停に並んでいた人が乗り込めず、という事態が続きました。こちらは幸いにも最初から乗れたわけですが、このバス情報を教えてくれた当の友人が、途中から乗り込もうとしてかなわず、結局他の移動手段で会場に向かうことになる、という...何しろ大変な状況でした。


そういうことで会場前のバス停(前回は、こんなのあることも気付きませんでした)に降り立ち、会場内へ。
ちょっとしか歩かなかったんですが、それでも日差しは強烈。駅から歩いていたら全身汗だくだったことでしょう。

15時半くらいに入ったので、アンダーの6回戦途中。インターバルを待ち、席を探して着席。
前回はもう、昼間から真っ暗でしたが、今回は多少、マシだったように思います。まだ、明かりが届いていた印象。
この辺、我ら下々の声が主催者に届いたのでありましょうか(笑)。


今回のタイムスケジュールは、JBCがまた、機械的に試合時間を順番に書き並べていくPDFをアップしていたせいで、一部惑わされた方もおられたようです。
しかしアレは本当に無意味で、メインが19時台開始というのは、平日夜のLemino視聴者数獲得を考えれば、絶対にあり得ないことです。
ただ、せめて20時過ぎくらいから始めてくれんかな、とかすかな望みを持ってもいました。前回のバトラー戦もそうだったので。

今回は第一試合14時40分開始でしたが、Lemino配信は16時から。ここでさっそく、けっこうな休憩時間が発生しました。
この二段階スケジュールとでもいいますか、この時点で、どうやら観客の都合など全部後回し、という構えであることを、改めて痛感した次第、です。
4回戦と6回戦、計3試合は結果として、ハイライトで休憩の合間に流されました。


で、16時になったものの、あれこれとあって、大橋ジムの若手ホープ、サウスポー今永虎雅が実際に闘い始めたのは20分過ぎ。
要するに、3試合目が終わってから4試合目まで、正味一時間近く空いたことになります。

今永、インドネシアのヘビ・マラプという選手(戦績は良くて、18勝1敗とか)に判定勝ち。
会場で見ていると、小柄で強振してくる相手に引きっぱなし、カウンター合わせしかやれず、見方一つで負けもあるのでは、と思うくらい。
実際、採点は割れて2対1でした。4戦目ですから仕方ないと思いつつ、がっかり。
しかし帰宅後、アーカイブを見ると、どこかで顎を負傷していたらしい、という情報が。うーむ、ならば少し見方も違うかな、というところでした。




この辺りは、割とすんなり次に行き、駿河男児ジムの岩下千紘が、千里馬神戸の高原裕之と対戦。
この組み合わせが、この興行であるのか、と若干意外性のあるカードでしたが、いざ始まったら大問題発生。

初回、サウスポー岩下が左ストレートから右フック返し、高原がロープ際にダウンしたところで、レフェリーが手を上げてダウン宣告をしているのに、さらに岩下が左アッパー、右フックを強打。
両方ともまともに入る。
まるで具志堅用高vsアルフォンソ・ロペス戦の、大問題KOシーンをそのまま再現したかのような場面。


まさか今時...昭和も平成も終わった、令和の世にこんなものを見ることになろうとは...と思っていたら、なんとレフェリーが立った高原に、そのまま続行させる。
は?減点は?休憩は?ていうか、これはもう、そのまま失格やないのか?と思っていたら、高原がスリップし、なんとそこにまた岩下が追撃。
しかしこれまた何も無しで、そのまま初回終了のゴング。

2回開始前に、さすがにコミッション席も座視出来ずということか、岩下に減点1を科す。
しかし岩下に悪意はなくとも、悪質に過ぎる行為が二度立て続けにあったのに、それで済ませるとは、どういうルール運用か。
しかもレフェリーの権限を、言えば侵してまでコミッション、インスペクターが裁定したにもかかわらず、結局は「ほどほどに」収める意味合いしかないものになっている。
もし、反則打によるダメージを抱えた選手が、その後の闘いでさらに打たれ、事故にでも遭ったら、一体誰がどう責任を取るというのか。

結果、岩下の右フックが再三決まり、高原の抵抗も通じず、岩下の4回TKO勝ちで試合は終わりましたが、正直、まともな気持ちでは見ていられず。
一言、最悪の気分でした。


私の意見としては、初回終了間際で試合は打ち切り。岩下の失格負け。考慮したくもないですが、まあ、百万歩譲っても無効試合。
そして、この試合の裁定に関わったレフェリー及び、試合管理の責任者には、何らかの処分が下されるべきである、と思います。
そういう試合でした。



えー、またしても長くなりそうですので、一旦切って続きは後日です。
あまり良い話は無いのですが、なるべく暗くならないように...というところで。



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知略で掴んだ攻略の端緒 井上尚弥、技巧フルトンを倒し4階級制覇

2023-07-26 20:01:12 | 井上尚弥



そういうことで昨日は有明アリーナで観戦してきました。
会場や進行、アンダーカードなどについては色々言いたいこともありますが、とりあえずメインから感想です。



待ちくたびれた末に初回のゴングが鳴って、驚いたのが井上尚弥の、左を下げた構えでした。
いわゆるL字ガード。どっちがアメリカの選手で、どっちがアジアの選手かわからないような「絵」。
試合展開次第でこういう構えをすることがあるとしても、まさかスタートからこの構えで立つとはまったく想像しておらず「え?何で?」と。

スティーブン・フルトンの左をいかに外し、防ぐか。それが序盤の鍵かと思っていたのですが、右ストレート、クロスを打ってこい、と誘っているようにも見える。
予想外の「オープン」な展開を、井上が望むのか、と。それほどに、左の差し合いになっても自信があるのか。

この構えはフルトンにとっても予想外だったのではないでしょうか。
まず遠い位置からジャブを突いて動く、というスタートを切るべきだったはずのフルトンが、若干前に出て、右を当ててみようか、と迷っているように見える。
そしてその分、本来頼りの、頼みのはずの左が良いときのように伸びず、切れもない。

この若干の狂い、乱れに乗じて、左の応酬で、井上がより正確に、深く踏み込んで当てている。
元より技巧派というものは、自分と同等か、より巧い相手が嫌なものでしょうが、井上は単に技巧のみならず、予想外の構えで立つという知略でもって、フルトンを相手に、早々に優勢の立場を手に入れてしまったようでした。


そして頼もしいことに、転級初戦の井上尚弥122ポンドは、フルトンと比べても見劣りしない、堂々たる体格に見える。
スピードも落ちてはいない。若干、下肢に硬さが感じられるが、階級のハンディキャップは心配要らなさそう。


2回、早々に井上ワンツー、次はスリーパンチ、ボディへさらに2発おまけ。速い。続いて右強振、フルトン外すが大わらわ、という風。
フルトンも右を返すが井上、足で外してアゴを指し「ここだよ」と余裕のジェスチャー。井上、ガードの上でも右を叩いて追い立てる。

井上、完全にフルトンを呑んでかかっている。
フルトンがヤワなボクサータイプだったら、早々に打ち崩せる流れ。

しかし3回、フルトンが前に出る「布陣」。しっかり踏ん張って、攻め返そうとする。早々に立て直しを狙う。この判断の早さはさすが。
フルトンのチョッピングライトに、井上左ダブルで対抗。ジャブを突くが井上が右クロス被せる。さらに左ボディジャブもまともに入る。
この回、フルトンの頑張りが見えるが、劣勢は変わらず。だが4回、フルトンのジャブに伸びが見え始める。
井上のワンツーが際どく飛ぶなど、ポイントは井上だが、フルトン僅かずつながら立て直してくる。

5回、両者ジャブを飛ばし、外し合う。最後に井上が連打、左ボディ。しかしジャブの応酬自体は、フルトンが互角にやれるところまで持ってきている。
フルトンのジャブに、井上4連打で脅かす。しかしフルトン、ワンツーをクリーンヒット。無駄に速くなく、当てるための適切な調整をしたパンチ。
なおかつ、ワンの左は正面から、ツーの右は外から斜めに来る軌道。井上まともに打たれる。井上のワンツーに、フルトン右ダイレクト。
井上さらにワンツー、フルトン左グローブで受け、ロープからサイドへ逃げる。格好良くはないが、きちんと避けている。


この回、ポイント微妙な印象。振り分けてフルトンかもしれない、という回。
試合が終わってから思ったことですが、もしこの内容が初回に来ていたら...この試合、どうなっていたかな、と思ったりもしました。


6回、互いに息を詰めて探り合う。井上左フック飛び込み。ワンツーから前に伸ばす左アッパーのスリーパンチ。
井上右クロスかすめる。左フック応酬。フルトンジャブ決めるが、井上前に出ながら小さいフックの連打。しかし締めの左フック強振は、フルトンがダック。

両者、攻防の切り替えが鋭く、それが連続して見られる。狙いを持ち、それを読み合い、外し合う。
ヒットとリターンによる、得点と相殺の連続。数多ある世界とつくタイトルマッチの中で、これは本物中の本物だと、この一連を見るだけでわかる、そんな場面。

7回、少し消耗が見えたフルトンだが、井上のパンチを小さいバクステップで外す防御が冴え始める。
井上のジャブを外して右フック。耳の辺りに入った?クリーンヒット。井上ロープに追って連打も、ほぼ外される。

この回はクリアにフルトン。場内、これは簡単に倒せる相手ではない、というに収まらず、徐々に井上尚弥が苦境に追いやられるのではないか、という緊張も、少なからず広まっていたように感じていました。


8回、井上左ダブル外される。しかし左ジャブをボディに散らし、しっかり当てて行く。
これだけでは後続打で捉えるまではいかないだろう、と思って見ていましたが、後に思えばフルトンも、7ラウンズの間、井上尚弥と対峙しての疲弊と、当然ながらダメージも多少、と言えないものを抱えていたのでしょう。
井上の左ボディジャブで「ピン留め」しておいての右ストレート、上下ワンツー。これがマトモに入ってフルトンよろめく。ダウンかと思ったが踏ん張る。しかし、そこに井上が左フックで飛び込んで来た。
普通、ワンツーまでは当たっても、3つめがこの流れで当たるものではないが、そこが井上尚弥の天性か。フルトン、ダウン。








終わったと思ったら、驚いたことにフルトンが立ってくる。しかし目線を井上から外し、ロープ際へよろり、と...止めるかと思ったが再開、井上がコーナーに詰めて左ボディフック。
斬るように当たったこのパンチで完全に止まったフルトンに、左右の連打が飛び、レフェリーがここで止めました。







試合後のインタビューでは、フルトンを引かせず、出て来させたかったがために、構えも変えて、ペースも上下させて、という旨を語っていたようですが、見ている最中は、正直そのような意図は読めず、少々重い気持ちもありました。
転級初戦で、肝心要のスタートを見事な知略でもって成功させ、ペースを掴んで、フルトンの技巧を、好ペースを封じた試合展開は、フルトンの巻き返しがよほど爆発的なものでない限り、井上の勝利をほぼ確定させていると見えましたが、同時に今日は判定であろうし、終盤に向けてのコントロールがどのくらいのレベルで可能なのか、というところに、目が行っていました。

また、入場時にモニタに映った井上尚弥の表情は、なんとなく不安の翳りがほの見えた気もして、何かコンディションの面で不安でもあるのかな、と心配もしていました。
序盤はその不安を忘れる好スタートでしたが、井上の攻防、細かい攻めの足捌きはあまり出ていないようにも思い、相手に追いつかれることはなくとも終盤、苦しい場面があるかも、と思っていた矢先に、強烈なエンディングがやってきたわけ、です。


余計な心配は、この試合に関しては無用だった、と言えるでしょう。
しかし今後のことばかりは...井上は「減量やリカバリーの方法など、改善の余地はある」と言っていましたが、この辺り、今回の試合では伏せたまま戦い終えられた何ごとかが、彼の身に起こっていたのかもしれません。


そして、それもこれも引っくるめての話ですが、やはり転級初戦で、階級最高の王者と認められたスティーブン・フルトン相手に、判定になっていても問題無い優勢を手にし、その上で強打を決めてフィニッシュしてしまう井上尚弥は、改めて驚異の存在です。
パワーやスピード、テクニック、どの面でも上回っていて、それに加えて、その優位性を確立するインテリジェンスの面でも、あのスティーブン・フルトンより一枚上手だった。
なんという凄い選手だろうか、と。この選手の試合を、同時代に生きてリアルタイムで見られることの喜びを、また体感することが出来ました。






試合後、日本人ボクサーによるアフロ・アメリカンとの世界タイトルマッチの対戦は、浜田剛史のロニー・シールズ戦が初の勝利だった、と友人に教えてもらいました。
あの試合が勝利なのか、という重大な問題はさておくとしても(さておくんかい)その後、辰吉丈一郎(グレグ・リチャードソン戦)村田諒太(ロブ・ブラント再戦)に続き、4つ目の勝利を、井上尚弥は手にしました。
米国のメディアや関係者の間でも、井上尚弥の声名は、ますます高まることでしょう。
この日曜日の、「世界」ウェルター級王者決定戦の内容と結果に、なんだかんだと左右されないわけはない、と思いはしますが、例のP4Pランキングでの1位返り咲きも、現実的な話となるでしょうね。



敗れたスティーブン・フルトンは、試合後、井上と直接言葉を交わすことは、見ていた限りではなかったように思います。
彼にとり、生涯最大のビッグマッチでの初黒星であり、その内容が、おそらく彼の想定を越える部分も含めての完敗だったことに、少なからずショックを受けていたことでしょう。
しかしその試合ぶりは、押しつけられた劣勢の中でも、常に懸命でした。
ニックネームに反し、全てを冷静にコントロール出来ているわけではないと見ていた選手ではありますが、避ける動作が不格好であろうと、それもこれも受け容れた上で、彼は井上尚弥と正対しての攻防で、苦しい中でも倦む事無く、最善の手を尽くして闘い続けていたように思います。

試合前に、彼について色々と書いたことで、外れていたこともありますが、思っていたとおりの部分も色々見えました。
やはり、いかな井上尚弥といえども、序盤のうちに打ち込んで、畳んでしまえるような、ヤワなボクサーではなかった。
試合を見ていて、この時間は本当に濃密なものだなあ、と実感すること再々でしたが、そういう試合が見られたのは、間違いなく、このフィラデルフィアからやってきた、一流のボクサーの存在あらばこそ、でした。

井上尚弥と、スティーブン・フルトンの両者に拍手を送ります。
本物の「世界」タイトルマッチを、充分に堪能させてもらえた喜びに、まさるものはありませんね。



※写真提供は「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。
いつもありがとうございます。



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遂に決戦 井上尚弥、久々の挑戦、見てきます!

2023-07-25 05:04:25 | 井上尚弥



そんなことで、遠足当日です。
暑いさなかですが、仕方ありません。頑張って見てきます。


ジェフ・チャンドラーvs村田英次郎戦のような試合になるか、或いはグレグ・リチャードソンvs辰吉丈一郎の再現となるか。
ギジェルモ・リゴンドーvsノニト・ドネアほど、王者の側に強度は感じないが、さりとてアルフォンソ・サモラvsエウゼビオ・ペドロサのような圧勝劇も...あっても不思議はないですが。

まあ、色々と思いを巡らす道中になりそうです。

今日、明日は記事をアップ出来ないかもしれません。コメントいただけるようでしたら、とりあえずこの記事にお願いします。
ハイ、相変わらずの強行軍です。平日開催は厳しいですねえ...。



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両者計量パス 井上尚弥、闘志の中にも余裕?

2023-07-24 14:55:59 | 井上尚弥

ということでスティーブン・フルトン、井上尚弥他、明日の出場選手の計量がありました。
Leminoでチェックしましたが、両者余裕を持って計量パス。
お定まりのフェイスオフも...と思っていたら、ちょっと気が入っていたのは井上尚弥の方でしょうか。
こんな記事がありました




私は関東、首都圏のどの地域の風土がどうとうか、雰囲気がどうとか、全然知らないし、海外のリングアナが、ジムの所在地だからということで「YOKOHAMA、JAPAN」とコールするのも、何とも思わず聞いていましたが、現地(というか、近辺在住)の方に聞くと「尚ちゃんの地元、言うては何だけど、けっして行儀の良い子が多数を占めるという地域ではないですよ(笑)」という話、でした。

なんか、その辺の印象もちらっとほの見えるような(笑)。
故・エディ・タウンゼントの言う「ケンカ坊主」になろうと思えば、いつでもなれる。それもまた、井上尚弥の真実かもしれません。
良い意味で前向きというか、朗らかなイメージでもありますが。
総じて言うと、私も関西人の端くれ(穏健派、と自認しておりますが...)ですんで、これはこれで嫌いではないです(笑)。


こちらは計量とフェイスオフ(日本語では「メンチ」ですかな)を短くまとめた動画。






井上尚弥、闘志の中にも余裕あり、というのが、一見した印象です。
さて、いよいよ明日ですね!



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マインドゲームでキツめのカウンター 井上尚弥、揺さぶりにも動じず

2023-07-23 11:42:13 | 井上尚弥




そんなことで昨日、ブログをアップしたころにはもう、公式会見が始まっていたみたいですね。
スディーブン・フルトンと井上尚弥、ロベイシー・ラミレスと清水聡が揃って会見。

とはいえ、ざっと見て、別に盛り上げもなく、記者からも、ファンから見て「芯食った」質問が出るかというとそうではない、「シャンシャン」な感じなのは相も変わらず。
ちょっとだけ見て消したんですが、少し後でネット見ると、このような記事が複数、目に入ってきました。
良い話のタネとでもいうか、フルトン側のトレーナーが話題作りに貢献した感じでしょうか。


井上尚弥のバンテージについては知られるとおり、オマール・ナルバエスの陣営が試合直後にチェックを求め、中を見て納得して帰って行った件が有名ですが(これも全試合で義務づけたら良いのにと思う、そんな事例もありますね)、ワヒード・ライームは、井上のバンテージ巻きについて、動画だか記事だかで、論議を呼んでいる、という言い方をしていたようです。

これについてはコミッション毎にルールがあり、世界戦なら互いに陣営が立ち会いの下で行うのが通例です。
その上で、世界ではスター選手の勝手が通るというか、グレーゾーンやなあ、と思う話も、過去には何度となくあったらしいですね。

聞けばフロイド・メイウェザーは、最後の方の数試合で、慢性的に痛い拳を護るため、本来使ってはいけない緩衝材を入れていた、とか。
そうでもしないと打てない、当てることも出来ないほど、悪かったんだそうです。

日本では長谷川穂積陣営が、フェルナンド・モンティエルのバンテージ巻きについて、仕上がりがあまりに硬質なのに驚いたとか。
中にはバンテージの中に何か仕込んでいるんでは、と週刊誌に書かれた者もいます。また、そういうのに書かれてはいないものの、疑わしい者がいないわけでもないでしょうね。


しかし、全キャリアを日本で闘っているならまだしも、ロスで、グラスゴーで、ベガスで試合をしてきた井上が、どこでも問題視されていないのに、今頃何を言っているんだろう、というのが率直な感想です。
まして「論争が起きている」とは...。

要は心理的な揺さぶり、マインドゲームとでもいうんですかね、それも込みの話なんでしょう。
本当に公正さを求めるなら、会見で言うより、試合契約の締結時に言えよ、って話ですしね。


ただ、このあたりの記事を見たあと、Leminoで井上尚弥が反応するコメントのところを見てみたら、井上は本当に冷静で、呆れも含めた声色で「ナイーブだなあと」と返していました。
うわー、言うたなぁ(笑)と。ナイーブ、っていう表現は、日本で理解されているよりも、かなり厳しいニュアンスの言葉で、カウンターとしては「ど真ん中に命中」レベルの一撃です。

案の定、相手さんの方が心理的に揺さぶられて終わるという一幕になっていました。
この辺、井上の動じない様子は、頼もしい限りですね。言葉のチョイス自体は、深い考えはなかったのでしょうけど。

もっとも、腹ん中じゃ...なのかもしれません。
もしそうだとしたら、過去の事例で色々ありましたんで(笑)怒らせん方が良かったな、となる?



まあ、波風なく終わるよりは、こういう話題もあった方がいいのかもしれない、という見方も当然、ありましょう。
チケット完売、当日券もおそらくなし、そもそもチケット抽選の応募が10万超えていたって話ですから(事実なら、ドーム球場でも興行出来ますね)、今更盛り上がったところで、という話ではありましょうが。
あ、でもLeminoの視聴数がどうか、ですか。これも良い数字が出たら、公表して欲しいですけどね。


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メインと見るには不足あり/清水聡の挑戦/本日公式会見、配信予定

2023-07-22 11:54:30 | 関東ボクシング



ということで連日のABEMAライブ配信ですが、昨日書いたことに反し、アンダーには見どころある試合がけっこう多くありました。
この辺はもう、選手諸氏の健闘に脱帽するのみ、です。
ことに中井龍vs斉藤司戦は、闘う者同士の思いが伝わってくる試合でありました。


しかしメインは...そりゃ人それぞれなんでしょうが、一言、こういう試合は好きじゃ無いなあ、というに尽きます。


もちろん成否はまだまだ先ですが、ヘビー級にあの体格で挑むことに、どうも説得力がない。
筋力は鍛えているのでしょうが、スピードやパワーを瞬発的に出すのみで、持久力には自信がないのか、手を出し惜しみ、というのみならず「動き惜しみ」が目に余る。

遅い相手に合わせるのがベースで、時折速いだけ、というボクシング。今のところ、目先の試合に勝つことだけなら、これで足りてはいる。
しかしこの先この上、やれ世界だと、まあ一応口にしているプロボクサーなのだから、それに本気で取り組んでいるのだなあ、という納得感というか、説得力の部分で不足あり。


ヘビー級の稀少さ、試合数を重ねねばならない段階であること、諸々考え合わせても、中身としては「新人」の試合。
これをメインの試合と見て感想を持つレベルにないなあ、と。
これなら6回戦か、なんなら4回戦でもいいかなと。きついようですが、そういう感想でした。
それが但馬ミツロに対する、現時点での印象です。



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さて、25日が迫って来ましたが、メインのみならず、セミのロベイシー・ラミレスvs清水聡戦も、当然ながら要注目の一戦です。
Leminoでは、スティーブン・フルトンをフィラデルフィアのジムに訪ねたインタビューを含むプレビュー番組が配信されていますが、こちらの一戦も同じようなものが、YouTubeで見られます。





ロンドン五輪日本代表や、アマ時代の盟友たちの思いも背負って、清水も彼なりに意気込んでいる様子が伝わってきます。
ラミレスのインタビューも、短いながらあります。

松本好二トレーナーは、ラミレスに先行されるのを覚悟して、終盤に落ちてきたら勝負、という、大まかにまとめるとこういう戦略を語っていますが、さて今時のボクシングで、先行されることを受け容れての逆転がかなうものだろうか、と心配でもあります。
まあ、どんな展開でも慌てず、承知の上で、という風に闘えるなら、相手にとって嫌なことではありましょうが。



さて、本日はLeminoにて、フルトンと井上、もちろんラミレスと清水もですが、公式記者会見があり、Leminoで配信される予定ですね。
こういうの、見ていて面白いものかというと、私はそうは思いませんが、フェイスオフとかもあるし、明日には各メディアに色々記事も出ることでしょう。
そうなれば、いよいよ決戦直前、という空気になります。いよいよですね。


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