ということで万難を排して、全日本新人王決勝戦を観戦しました。
日曜開催ということで、翌日は本来仕事や所用が重なり、
非常にタイトなスケジュールを強いられ、青息吐息で帰ってきたところです。
で、結果を見れば西軍代表の2勝9敗。
MSN messengerのウィンクに、ボケた顔の犬がいなかっぺ大将みたいな涙を流す
「しょんぼり」というのがあるんですが、今まさにあの心境であります(T_T)
今年の西軍は、全日本決勝での星取りはさておいて、
例年になく個性的で、それぞれに見所のあるメンバーが揃いました。
しかし、それぞれの個性、才能を、いかにして勝利に結びつけるか、という戦略の点で、
総じて東軍の代表たちの方がまさっていた、というのが、全体的な印象です。
その典型が、スーパーバンタム級代表、中岸風太の敗戦だったというのは、
風太ファンの私にとっては痛恨でありました。
相手の、双子新人王(考えたらこれもすごい話っすね...)なるかと話題になっていた
杉田祐次郎は、のちの本人がコメントした通り、「技術では勝てない」という自覚のもと、
ときに巧みに、ときにラフに、中岸のスピードが生きない展開を作って闘いました。
中岸はアタマを当てられたり、ジャブの打ち終わりをリターンで突かれたりしているうちに、
強気な性格が悪い方の目を出してしまった感じで、やや冷静さを失っていました。
スピードを生かす距離を作れないまま、強いパンチを当てよう、当てようとし過ぎるうちに、
体格、パワーでまさる杉田と打ち合ってしまい、ボディも打たれて失速気味となり、
最後は手数、攻勢とも劣って、敗れました。
杉田選手を貶めるわけではなく、実際のところ、スピードやセンスでは圧倒的に
中岸の方が上だったと思います。
試合が始まって中岸が数発ジャブを放つと、私の後ろにいた杉田応援のファンの方が
「うわ、これは...」「速い...」と言ったきり、しばらく言葉を失っていました。
しかし、ボクシングが面白く、そして厳しいのは、だからといってそれだけでは勝てないからなのでしょう。
そういうボクシングの奥深さが、自分の応援している選手に厳しい結果を与える様は、
あまり見たくはないと思っているのですが、昨日はしかとそれを見せられてしまいました。
中岸は、まさにそのようなボクシングの厳しさのただ中にいました。
4R開始時、中岸は、劣勢に立つ自分に渇を入れんと、
キャンバスを踏み鳴らして雄叫びを上げました。
その姿が、一日経った今も、目に焼き付いています。
あまりに痛々しく、そして美しく、それ故に哀しい姿が、私に敗北感を与えました。
ああ、彼は今日、初めて敗れるんだな、と、そう確信してしまったのです。
若き才能の、若さ故の敗北。
そして、それを「たかが一敗」と片づけられない例を、沢山のボクサーが見せてきました。
しかしまた、重い敗北を、のちに「たかが一敗」だったことにしてしまった
幾多の英雄たちが存在するのも、また事実です。
今はただ、中岸風太にとって、この敗戦が、良き血肉となることを願っています。
同じく、昨日、苦杯を舐めた他の西軍代表選手たちにとっても。
日曜開催ということで、翌日は本来仕事や所用が重なり、
非常にタイトなスケジュールを強いられ、青息吐息で帰ってきたところです。
で、結果を見れば西軍代表の2勝9敗。
MSN messengerのウィンクに、ボケた顔の犬がいなかっぺ大将みたいな涙を流す
「しょんぼり」というのがあるんですが、今まさにあの心境であります(T_T)
今年の西軍は、全日本決勝での星取りはさておいて、
例年になく個性的で、それぞれに見所のあるメンバーが揃いました。
しかし、それぞれの個性、才能を、いかにして勝利に結びつけるか、という戦略の点で、
総じて東軍の代表たちの方がまさっていた、というのが、全体的な印象です。
その典型が、スーパーバンタム級代表、中岸風太の敗戦だったというのは、
風太ファンの私にとっては痛恨でありました。
相手の、双子新人王(考えたらこれもすごい話っすね...)なるかと話題になっていた
杉田祐次郎は、のちの本人がコメントした通り、「技術では勝てない」という自覚のもと、
ときに巧みに、ときにラフに、中岸のスピードが生きない展開を作って闘いました。
中岸はアタマを当てられたり、ジャブの打ち終わりをリターンで突かれたりしているうちに、
強気な性格が悪い方の目を出してしまった感じで、やや冷静さを失っていました。
スピードを生かす距離を作れないまま、強いパンチを当てよう、当てようとし過ぎるうちに、
体格、パワーでまさる杉田と打ち合ってしまい、ボディも打たれて失速気味となり、
最後は手数、攻勢とも劣って、敗れました。
杉田選手を貶めるわけではなく、実際のところ、スピードやセンスでは圧倒的に
中岸の方が上だったと思います。
試合が始まって中岸が数発ジャブを放つと、私の後ろにいた杉田応援のファンの方が
「うわ、これは...」「速い...」と言ったきり、しばらく言葉を失っていました。
しかし、ボクシングが面白く、そして厳しいのは、だからといってそれだけでは勝てないからなのでしょう。
そういうボクシングの奥深さが、自分の応援している選手に厳しい結果を与える様は、
あまり見たくはないと思っているのですが、昨日はしかとそれを見せられてしまいました。
中岸は、まさにそのようなボクシングの厳しさのただ中にいました。
4R開始時、中岸は、劣勢に立つ自分に渇を入れんと、
キャンバスを踏み鳴らして雄叫びを上げました。
その姿が、一日経った今も、目に焼き付いています。
あまりに痛々しく、そして美しく、それ故に哀しい姿が、私に敗北感を与えました。
ああ、彼は今日、初めて敗れるんだな、と、そう確信してしまったのです。
若き才能の、若さ故の敗北。
そして、それを「たかが一敗」と片づけられない例を、沢山のボクサーが見せてきました。
しかしまた、重い敗北を、のちに「たかが一敗」だったことにしてしまった
幾多の英雄たちが存在するのも、また事実です。
今はただ、中岸風太にとって、この敗戦が、良き血肉となることを願っています。
同じく、昨日、苦杯を舐めた他の西軍代表選手たちにとっても。