さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

中岸、無念の敗北

2005-12-19 21:34:29 | 新人王戦
ということで万難を排して、全日本新人王決勝戦を観戦しました。
日曜開催ということで、翌日は本来仕事や所用が重なり、
非常にタイトなスケジュールを強いられ、青息吐息で帰ってきたところです。

で、結果を見れば西軍代表の2勝9敗。
MSN messengerのウィンクに、ボケた顔の犬がいなかっぺ大将みたいな涙を流す
「しょんぼり」というのがあるんですが、今まさにあの心境であります(T_T)


今年の西軍は、全日本決勝での星取りはさておいて、
例年になく個性的で、それぞれに見所のあるメンバーが揃いました。
しかし、それぞれの個性、才能を、いかにして勝利に結びつけるか、という戦略の点で、
総じて東軍の代表たちの方がまさっていた、というのが、全体的な印象です。

その典型が、スーパーバンタム級代表、中岸風太の敗戦だったというのは、
風太ファンの私にとっては痛恨でありました。


相手の、双子新人王(考えたらこれもすごい話っすね...)なるかと話題になっていた
杉田祐次郎は、のちの本人がコメントした通り、「技術では勝てない」という自覚のもと、
ときに巧みに、ときにラフに、中岸のスピードが生きない展開を作って闘いました。

中岸はアタマを当てられたり、ジャブの打ち終わりをリターンで突かれたりしているうちに、
強気な性格が悪い方の目を出してしまった感じで、やや冷静さを失っていました。
スピードを生かす距離を作れないまま、強いパンチを当てよう、当てようとし過ぎるうちに、
体格、パワーでまさる杉田と打ち合ってしまい、ボディも打たれて失速気味となり、
最後は手数、攻勢とも劣って、敗れました。


杉田選手を貶めるわけではなく、実際のところ、スピードやセンスでは圧倒的に
中岸の方が上だったと思います。
試合が始まって中岸が数発ジャブを放つと、私の後ろにいた杉田応援のファンの方が
「うわ、これは...」「速い...」と言ったきり、しばらく言葉を失っていました。

しかし、ボクシングが面白く、そして厳しいのは、だからといってそれだけでは勝てないからなのでしょう。
そういうボクシングの奥深さが、自分の応援している選手に厳しい結果を与える様は、
あまり見たくはないと思っているのですが、昨日はしかとそれを見せられてしまいました。

中岸は、まさにそのようなボクシングの厳しさのただ中にいました。
4R開始時、中岸は、劣勢に立つ自分に渇を入れんと、
キャンバスを踏み鳴らして雄叫びを上げました。
その姿が、一日経った今も、目に焼き付いています。

あまりに痛々しく、そして美しく、それ故に哀しい姿が、私に敗北感を与えました。
ああ、彼は今日、初めて敗れるんだな、と、そう確信してしまったのです。


若き才能の、若さ故の敗北。
そして、それを「たかが一敗」と片づけられない例を、沢山のボクサーが見せてきました。
しかしまた、重い敗北を、のちに「たかが一敗」だったことにしてしまった
幾多の英雄たちが存在するのも、また事実です。

今はただ、中岸風太にとって、この敗戦が、良き血肉となることを願っています。

同じく、昨日、苦杯を舐めた他の西軍代表選手たちにとっても。
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チャッチャイ敗北

2005-12-16 21:31:16 | 関東ボクシング
12日のOPBFライトフライ級タイトルマッチのセミで、
三迫ジムの相澤国之が、元WBCフライ級王者チャッチャイに挑みました。

チャッチャイの試合は、昨年3月に岐阜の商工会議所で見ておりまして、
岐阜の闘魂宇野スナオを相手に、技巧の冴えを見せて快勝しておりました。

ま、関西から来たレフェリーと、中部のジャッジひとりが冗談判定をしたせいで、
チャッチャイはありもしないダウンをスコアされ、
完勝の試合も2-1と判定が割れたわけですが...(;-_-)ノ

それはおいといて、チャッチャイ、さほど衰えてないというか、
体つきは思いのほか、がっちりとして引き締まっており、
多彩な左、宇野をダウンさせた右アッパー、
そして再三見せたカウンターの右クロスなどは、
往年のキレがほぼそのまま残っているようにさえ見えました。

ところが、この日リングに上がったチャッチャイの身体を一目見て、
「アレ?」と思ってしまいました。
昨年3月に比べても、明らかに身体に締まりがないというか、
たるんで見えたのです。

こりゃ、あかんのんちゃうかと思ったら案の定。
時折見せる左ジャブはまあまあ良いのですが、
1、2Rと、若い相澤の攻撃に対し、受け身の展開が続きます。

しかし3R、チャッチャイ一瞬だけ切れ味が戻ります。
攻勢に出た相澤に見事な右クロス。カウンターで入り相澤ダウン。
しかし追撃をかけられずにゴング。

このチャンスののち、中盤は相澤が捨て身のボディ攻撃で活路を拓き、
チャッチャイも反撃するものの押され気味。
結局、小差ながら判定を失いました。

相澤、持てる力を出し切った好ファイトだったと思います。
巧さでまさるベテランに対し、果敢なボディ攻撃を仕掛けて押し切りました。
チャッチャイの衰えがあったにせよ、劣勢の試合を自分からの仕掛けで
ひっくり返したのは立派でした。
実況が言うような「世界云々」はまだ遠いにしても、いいキャリアになったでしょう。


しかし、矛盾するようですが、この試合は期待はずれな試合でした。
一体、この試合に何を期待していたかというと、
それは往年の力をある程度維持しているチャッチャイの強さであり、
それに対してホープと言われる相澤がどのように抗えるのかを見たかった、
ということです。

しかしチャッチャイは、前日計量で100gオーバーし、
それが再計量までになかなか落ちなかったらしく、その影響もあったか、
彼の実力からすれば不甲斐ないと言える試合でした。

正直、チャッチャイの力があまり落ちていないと思っていただけに、
このカードを知ったときは、すごいマッチメイクだと思ったのです。
しかし、リングに上がったチャッチャイの身体を一目見た瞬間、
その前提が崩れ去ってしまい、そのあとの展開は、ほぼ想像通りとなりました。

相澤は次の試合で、名城信男が返上した日本王座の決定戦に出るそうです。
その後がどうなるか、誰にもわかりはしませんが、後に振り返ったとき、
今回のチャッチャイとの試合が、もっと厳しい試練とならなかったことを
惜しむことになるのではないか。そんな気がします。
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引き続きスカイA観戦

2005-12-08 23:12:00 | 高山勝成
あー、そんなことで残りの試合も見ました。

メインの高山勝成再起戦は、相手のロレンデル・カスティーヨなる若いフィリピン人が
なかなかのがんばりを見せました。
高山は相変わらずよく動いて連打してましたが、一発パンチがないせいもあり、
カスティーヨの粘りを許したところもありました。

次は日本タイトル挑戦、小熊坂に挑むそうですが、労を惜しまず動きまくり打ちまくり、
ギブアップKOに持ち込んでほしいと思います。
ただ、ほんとやりにくい相手ですからねー。どないなりますやら...ちと不安もあります。


セミの丸元は、人呼んで「大型マーカ」ことドンドン・スルタンに敗れました。
終盤まで丸元のリードだったんですが、9R、右アッパー喰ってよろめかされたあと、
スルタンの左右フックからまた右アッパーでダウン。
立ち上がりましたが試合続行かなわずでした。

実況を聞いて気付いたのですが、同日、後楽園ホールではかつて丸元を下したふたり、
日高和彦とレブ・サンティリャンが激闘を繰り広げていたわけです。

丸元はこの勝者に雪辱するためにも、強敵スルタンに勝ちたかったわけですが、
その思いはかないませんでした。
しかし丸元はスルタンの巧いボクシングに対し、懸命のファイトを見せていました。
試合後、観客に礼をした丸元に送られた大きな拍手が、全てを物語っていたように思います。


しかし、見所ある試合、熱い試合が多くて、
こういう興行はやっぱ会場行って観戦せんとなー、って感じです。
TV見てごちゃごちゃ言うてる場合やないですわー...くそう。

あ、でもスカイAって、ほんとありがたいとも思っております。
これからもますますの健闘を祈っております(^^)


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久高寛之、世界7位をTKO

2005-12-06 23:11:54 | 久高寛之
もひとつ前座試合。
久高寛之がWBA7位のサウスポー、バート・バタワン(フィリピン)を、
2R、見事な右ストレートのカウンターで倒し、連打で追撃、ストップ勝ちでした。

結果は知っていて見たわけですが、久高には誠に失礼の極みながら...<(_ _)>
「今の久高に負ける世界7位ってなんなん」などと思っておりました。

しかし試合始まったらバタワン、雰囲気あっていかにも強そう。
余裕たっぷり、かつ鋭い表情(どんなんや)で久高に迫り、
ぐいぐい踏み込んで、長い左ストレートを飛ばします。

おーい、コレどうやって勝つんやー、と思っていましたら2R開始早々。
右でフェイントを入れてから右アッパーを狙ったバタワンに、
久高渾身の右ストレートがカウンターとなって、まともにヒット。
バタワンぶち倒れ、頑張って立ちましたが久高の追撃になすすべなく、
レフェリーが大慌てで試合をストップしました。

いやはや、どうにもこうにもケチのつけようもない、お見事な勝利。
恐れ入りましてございます...<(_ _)>

久高、そしてツダジム陣営は、デカイ賭け、大勝負に勝った感じです。
久高はスタミナ面など、まだまだ課題はありましょうが、もともとセンス抜群の選手ですし、
今後が楽しみになってきました(^^)
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本田猛、楠浩明をTKO

2005-12-06 23:01:23 | 関西ボクシング
本日放送あったスカイAの高山勝成再起戦放送を、今見ております。

前座に注目対決がありました。
フライ級6回戦の本田猛(尼崎)×楠浩明(グリーンツダ)です。

本田猛はデビューから4連続KO勝ち。
シャープなパンチでKOを続け注目を集めます。
しかし、新人王戦で明石の秋山にKO負けを喫し脱落。
翌年再チャレンジするも、久高寛之に僅差で敗れます。
その後岡山での試合も敗れるなど、ホープも輝きを失ったかと思われました。

対する楠浩明は、軽量級離れした強打で、デビューからKOの山を築くも、
西日本新人王決勝で高山勝成に敗れ初黒星。
その後、藤原工輔(鍵本エディ)とのホープ対決で戦慄的な3RKO勝ちを収めるも、
安田幹男(エディ)をKO寸前に追い込みながら、逆に左フックからの連打でストップされます。
その後はフライ級でありながらバンタム級のA級選手をKOするなど復調するも、
名古屋遠征で、天才大場浩平の右アッパーに沈められます。
その後引退を表明するも、やはりというか復帰を決意しました。

つまり、この試合は、かつて強打でファンを魅了しながらも、挫折を味わって
その未来を閉ざされたかに見えたホープ同士が、生き残りを賭けて闘う一戦でした。

是非会場に行きたかったのですが事情により断念。
TV放送を首長竜になって待ちました。

3Rまでは、楠が要所で右ストレートのボディブローなどをヒットし優勢。
楠は自分のガードの甘さを自覚しているかのように、いつになく慎重にパンチを当て、
本田を突き放して闘おうという風に見えました。

対して、打ったあとのバランスが良く、ガードへの戻しが速い本田は、
逆に打ったあとガードが開く楠の打ち終わりをじっくり狙います。

4R、一瞬の出来事でした。接近戦で本田の右がヒット。
クリンチで逃れた楠に対し、続けて楠の肩越しから本田の右、そして左フック。
一瞬、バランスを失った楠を、レフェリーが即座にストップしました。

やや早いストップに見えなくもなかったですが、まともに打たれていたのも確か。
あのままダウンだけ取って続行していれば、一発のある楠だけに...という気もしますが。

しかし勝負はつきました。本田は生き残り、楠は敗れました。

場内の客入りはあまり良いとも言えず、多くの注目を集めた訳でもありません。
しかし、未完成ながらも、それぞれに大きな可能性をファンに感じさせてくれた
若き二人の対決は、とてもスリリングで、興奮させられるものでした。

本田猛は、洲鎌栄一、仲宣明が去った尼崎ジムを牽引するスターになってほしいです。
そして楠浩明。見た試合はどれもこれも、勝とうが負けようが変わりなくスリルに溢れ、
強烈な印象を残すものばかりでした。
彼の今後について、何を言うことも出来ませんが、そのファイトぶりを、
ずっと覚えていようと思っています。
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サンティリャン王座奪回

2005-12-06 22:31:07 | 関東ボクシング
遅まきながら、日高和彦が、前王者レブ・サンティリャンに
凄絶なノックアウト負けを喫した
土曜日のOPBFウェルター級タイトルマッチについて。

敗れた日高のパワーファイター的なスタイルに対する是非論があり、
また前回KOした相手に雪辱を許したことから、
日高に対する評価を落とす声もあるようです。

しかし逆に、今回の敗北は、前回の勝利、サンティリャン攻略が、
いかに貴重で価値あるものだったか、ということの証明である、と
見るべきかもしれません。

サンティリャンは、東洋最強の実力を証明しました。
長身をしならせて打つパンチは、見た目以上に日高を痛めつけていました。
日本王者の大曲、そして3階級制覇の湯場との対戦を見てみたいです。

それにしても日高敗戦は残念とはいえ、スリリングで迫力に満ちた試合でした。
言葉は悪いですが、どこへ出しても立派に通じる「見せ物」たりうる、
こういう試合を、もっと沢山の人々に見てもらえる方法はないものですかね...。
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