世界挑戦資格の規定が出来る、のだそうです。
以前も取り上げた話題ですが、基本的には、私の見解は変わらないです。
規制より先に、或いは同時に、他に見直さねばならぬこと、顧みなければならぬことが
放ったらかしであるのなら、こんなものに意味はない、というのが私の見解です。
しかし、現実に4団体認可が行われるからこそ、こういう具体的な話が出てくるんでしょう。
そういう意味では、やっとか、と思う反面、喜ばしい話ではありますね。
=======================================
ついでに語っておこうと思うんですが、王者乱立で世界王者の価値が落ちる、と
心配する声がある、という話。
確かに軽量級においては、王者がたくさん誕生するかもしれない、というのは
可能性としてはある話です。
例えばミニマム級なんかだと、それこそ4団体独占になってしまうのでは、とか。
しかし私は、まずそんなことは起こりえないと思っています。
例えばここ一年の日本のミニマム級ボクサーを実力順に並べたとして、
便宜上、井岡、八重樫、高山、三田村の順だとしましょう。
で、この4人で105ポンドの王座4つを独占出来るか、という話です。
私は、100%不可能だと断言します。
世界にいる4人の王者の中、日本の一番手である井岡が攻略したのは、
実質世界の三番手の王者であるオーレドンでした。
八重樫は、悪いですが四番手と見ざるを得ないポンサワン。
最強と言われていたヌコナシチ・ジョイ、それに次ぐドニー・ニエテスやラウル・ガルシアを
井岡や八重樫が攻略したわけではないのです。
つまりは、日本の一番手が世界の三番手や四番手を攻略したに過ぎないわけで、
では井岡や八重樫で、ジョイやガルシアに勝てたかどうか、というと、
普通に考えて五分五分以上の予想にはならないでしょう。
先頃メキシコ遠征で敗れたIBF王者ジョイですが、その試合展開は
逆転負けを喫するまではほぼ完勝のプロセスだったと聞きます。
ましてこれより上のクラスで、このような状況が起こりえるでしょうか。
少なくとも、王者が生まれすぎて価値がなくなる、という心配は、
残念ながら?無用のものだと私は予想します。
もし世界王者の価値がなくなるのだとしたら、それは対戦相手の質の低下、
それを見越したマッチメイクの乱発と、それに伴う試合内容の乏しさが原因でしょう。
上記の世界挑戦資格規制案というのは、あくまでこれを問題視したものであるはずです。
そうであれば、もう少し具体的なところに踏み込んだ案であるべき、だとも思います。
私はやはり、以前と同じように、こうした通り一遍の規制には、100%賛同は出来かねます。
余談ですが、今、4つの王座のうち、日本人が二つを占めているスーパーフェザー級は、
そういう意味では、近年希なる奇跡のクラスと言っていいのかも知れません。
内山がサルガド、ソリスを、粟生がタイベルトを明白に下しており、
内容面でも充分、国際的に評価されうるレベルにあると思いますね。
======================================
沢木耕太郎氏、西岡を激励。
若い人だとこの人の書いたボクシング関連の作品を知らない、という向きも多いのでしょうね。
好きなものも嫌いなものもありますが、いずれにせよ読み応えのある作品ばかりでした。
この方は帝拳の長野マネージャーとも良い関係にあるようで、
考えてみたら長い間ボクシングについて書いていないことが不思議なくらいですね。
もっとも、昨今のボクシング界が提供する試合の、内容と題目の乖離について、
かなり厳しい見解を持っている節があり、それが原因なのかもしれませんが。
しかし、そういう沢木氏ですら、要注目と語る一戦が、もうすぐ行われるわけですね。
西岡もこういう激励を受けて、ますます気持ちが燃えてくるんじゃないでしょうか。
======================================
井上尚弥、デビュー戦間近、ということで、毎度のとおり色んな話があります。
「3戦目世界挑戦」とかなんとか、まあ毎度のことですが。
それにしても、こういう話題を提供しているのが、あの大橋秀行だというのが、
何とも痛いというか、複雑な心境になりますね。
トップアマからプロ入りし、デビュー7戦目で世界に挑み、完敗を喫した人が、
ジム会長となって自分の選手をまた7戦目で世界戦に出して敗れて、
それでもなお、新たな有望選手が現れたらコレですものね。
単なる話題作りに過ぎない、と見れば良いのかもしれませんが、
話題作りだったら他に、もうちょっともっともらしいハッタリを考えてもらいたい、
というのが、私の正直な気持ちですね。
毎度毎度、おんなじ事ばっかり、飽きもせんとようもまぁ...。
そして、ロンドン五輪出場まであと一勝に迫った19歳のボクサーが、
プロデビュー戦からけっこうなキャリアのある選手と、難しそうな試合を控えている時に、
こういう記事を書き散らかしている人たちの存在には、本当に溜息しか出ませんね。
まずは勝ってもらいたい、その中で光るものが少しでも見られたら良し、というところです。
とはいえ、ひとつ良い話も書いてあります。当日深夜、TV放送があるようです。
早晩、どこかで動画も見られることでしょう。楽しみですね。
======================================
「16フィートの真夏」ってご存じでしょうか。
田中誠一さんがその昔「ナンバー」に寄稿したジャッカル丸山の記事を元に、
後にヤングサンデーに掲載されたボクシング漫画です。
上京して日々の生活に追われる中、ボクシングと出会って生きがいを見出した若者が
同じジムにやってきたエリートボクサーと衝突し、紆余曲折を経てタイトルマッチを闘う、という
ドラマを越えた劇的な現実のストーリーが展開されます。
で、その物語のクライマックスたる一戦ですが、YOUTUBEにて発見したので、
動画紹介しておきます。
私も今回初めて見たんですが、漫画に描かれていた以上に凄い試合で、びっくりしました。
とにかく、ジャッカル丸山が巧くて強い。
よく左が出るから、距離の測定が出来ていて、ショートとロングの打ち分けにミスがない。
前に出る選手にありがちなオフ・バランスも少なく、リズムに乗って手数が出せる。
古口哲のフットワークと、速いストレートパンチをほぼ無力化して攻め込み、
5回、厳しい詰めで見事なフィニッシュでした。
後に見せた、逆転、逆転、また逆転の壮絶な試合振りばかりが喧伝されるジャッカルですが、
この試合では、経験豊富なファイターの、巧くて強いボクシングを見せています。
貴重な動画ですので紹介してみました。
後に鬼塚勝也のトレーナーとして、自分の果たせなかった、
世界奪取を果たした古口哲ですが、この敗れた試合だけを見ても、
「ボクシング界の江川卓」と言われた素質がよくわかります。
しかし、ジャブ、ストレートの速さを生かせない距離での闘いに引きずり込まれ、
ジャッカルに常に先手を抑えられての完敗でした。
この試合が確かデビュー6戦目。結果として、先を急いだキャリア構築の失敗例、とも言えますね。
...まあ、最近は成功例も多いとはいえ、やはりこういう試合を見てしまうと、
上記の井上のことも心配ではありますね。
もっとも、現代のリングには、ジャッカル丸山の再来たりうるようなボクサーは、
なかなか存在しないでしょうが、それが幸いと言えるのかどうか、私にはよくわかりません...。
以前も取り上げた話題ですが、基本的には、私の見解は変わらないです。
規制より先に、或いは同時に、他に見直さねばならぬこと、顧みなければならぬことが
放ったらかしであるのなら、こんなものに意味はない、というのが私の見解です。
しかし、現実に4団体認可が行われるからこそ、こういう具体的な話が出てくるんでしょう。
そういう意味では、やっとか、と思う反面、喜ばしい話ではありますね。
=======================================
ついでに語っておこうと思うんですが、王者乱立で世界王者の価値が落ちる、と
心配する声がある、という話。
確かに軽量級においては、王者がたくさん誕生するかもしれない、というのは
可能性としてはある話です。
例えばミニマム級なんかだと、それこそ4団体独占になってしまうのでは、とか。
しかし私は、まずそんなことは起こりえないと思っています。
例えばここ一年の日本のミニマム級ボクサーを実力順に並べたとして、
便宜上、井岡、八重樫、高山、三田村の順だとしましょう。
で、この4人で105ポンドの王座4つを独占出来るか、という話です。
私は、100%不可能だと断言します。
世界にいる4人の王者の中、日本の一番手である井岡が攻略したのは、
実質世界の三番手の王者であるオーレドンでした。
八重樫は、悪いですが四番手と見ざるを得ないポンサワン。
最強と言われていたヌコナシチ・ジョイ、それに次ぐドニー・ニエテスやラウル・ガルシアを
井岡や八重樫が攻略したわけではないのです。
つまりは、日本の一番手が世界の三番手や四番手を攻略したに過ぎないわけで、
では井岡や八重樫で、ジョイやガルシアに勝てたかどうか、というと、
普通に考えて五分五分以上の予想にはならないでしょう。
先頃メキシコ遠征で敗れたIBF王者ジョイですが、その試合展開は
逆転負けを喫するまではほぼ完勝のプロセスだったと聞きます。
ましてこれより上のクラスで、このような状況が起こりえるでしょうか。
少なくとも、王者が生まれすぎて価値がなくなる、という心配は、
残念ながら?無用のものだと私は予想します。
もし世界王者の価値がなくなるのだとしたら、それは対戦相手の質の低下、
それを見越したマッチメイクの乱発と、それに伴う試合内容の乏しさが原因でしょう。
上記の世界挑戦資格規制案というのは、あくまでこれを問題視したものであるはずです。
そうであれば、もう少し具体的なところに踏み込んだ案であるべき、だとも思います。
私はやはり、以前と同じように、こうした通り一遍の規制には、100%賛同は出来かねます。
余談ですが、今、4つの王座のうち、日本人が二つを占めているスーパーフェザー級は、
そういう意味では、近年希なる奇跡のクラスと言っていいのかも知れません。
内山がサルガド、ソリスを、粟生がタイベルトを明白に下しており、
内容面でも充分、国際的に評価されうるレベルにあると思いますね。
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沢木耕太郎氏、西岡を激励。
若い人だとこの人の書いたボクシング関連の作品を知らない、という向きも多いのでしょうね。
好きなものも嫌いなものもありますが、いずれにせよ読み応えのある作品ばかりでした。
この方は帝拳の長野マネージャーとも良い関係にあるようで、
考えてみたら長い間ボクシングについて書いていないことが不思議なくらいですね。
もっとも、昨今のボクシング界が提供する試合の、内容と題目の乖離について、
かなり厳しい見解を持っている節があり、それが原因なのかもしれませんが。
しかし、そういう沢木氏ですら、要注目と語る一戦が、もうすぐ行われるわけですね。
西岡もこういう激励を受けて、ますます気持ちが燃えてくるんじゃないでしょうか。
======================================
井上尚弥、デビュー戦間近、ということで、毎度のとおり色んな話があります。
「3戦目世界挑戦」とかなんとか、まあ毎度のことですが。
それにしても、こういう話題を提供しているのが、あの大橋秀行だというのが、
何とも痛いというか、複雑な心境になりますね。
トップアマからプロ入りし、デビュー7戦目で世界に挑み、完敗を喫した人が、
ジム会長となって自分の選手をまた7戦目で世界戦に出して敗れて、
それでもなお、新たな有望選手が現れたらコレですものね。
単なる話題作りに過ぎない、と見れば良いのかもしれませんが、
話題作りだったら他に、もうちょっともっともらしいハッタリを考えてもらいたい、
というのが、私の正直な気持ちですね。
毎度毎度、おんなじ事ばっかり、飽きもせんとようもまぁ...。
そして、ロンドン五輪出場まであと一勝に迫った19歳のボクサーが、
プロデビュー戦からけっこうなキャリアのある選手と、難しそうな試合を控えている時に、
こういう記事を書き散らかしている人たちの存在には、本当に溜息しか出ませんね。
まずは勝ってもらいたい、その中で光るものが少しでも見られたら良し、というところです。
とはいえ、ひとつ良い話も書いてあります。当日深夜、TV放送があるようです。
早晩、どこかで動画も見られることでしょう。楽しみですね。
======================================
「16フィートの真夏」ってご存じでしょうか。
田中誠一さんがその昔「ナンバー」に寄稿したジャッカル丸山の記事を元に、
後にヤングサンデーに掲載されたボクシング漫画です。
上京して日々の生活に追われる中、ボクシングと出会って生きがいを見出した若者が
同じジムにやってきたエリートボクサーと衝突し、紆余曲折を経てタイトルマッチを闘う、という
ドラマを越えた劇的な現実のストーリーが展開されます。
で、その物語のクライマックスたる一戦ですが、YOUTUBEにて発見したので、
動画紹介しておきます。
私も今回初めて見たんですが、漫画に描かれていた以上に凄い試合で、びっくりしました。
とにかく、ジャッカル丸山が巧くて強い。
よく左が出るから、距離の測定が出来ていて、ショートとロングの打ち分けにミスがない。
前に出る選手にありがちなオフ・バランスも少なく、リズムに乗って手数が出せる。
古口哲のフットワークと、速いストレートパンチをほぼ無力化して攻め込み、
5回、厳しい詰めで見事なフィニッシュでした。
後に見せた、逆転、逆転、また逆転の壮絶な試合振りばかりが喧伝されるジャッカルですが、
この試合では、経験豊富なファイターの、巧くて強いボクシングを見せています。
貴重な動画ですので紹介してみました。
後に鬼塚勝也のトレーナーとして、自分の果たせなかった、
世界奪取を果たした古口哲ですが、この敗れた試合だけを見ても、
「ボクシング界の江川卓」と言われた素質がよくわかります。
しかし、ジャブ、ストレートの速さを生かせない距離での闘いに引きずり込まれ、
ジャッカルに常に先手を抑えられての完敗でした。
この試合が確かデビュー6戦目。結果として、先を急いだキャリア構築の失敗例、とも言えますね。
...まあ、最近は成功例も多いとはいえ、やはりこういう試合を見てしまうと、
上記の井上のことも心配ではありますね。
もっとも、現代のリングには、ジャッカル丸山の再来たりうるようなボクサーは、
なかなか存在しないでしょうが、それが幸いと言えるのかどうか、私にはよくわかりません...。