さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

安易に見えるが困難もあり 名城信男、真夏のタイで背水の一戦に挑む

2013-06-30 19:26:33 | 名城信男

知った瞬間、あまり明るい気持ちにはなれない話でした。
名城信男vsデンカオセーン決定、の報です。

スポーツ報知の記事にあるような「物議」うんぬんには、全く興味がありません。
暫定王座の話に関しては、本人も陣営も、そんなものを獲ったところで、
それが世界王座としての価値があるとは思っていないでしょう。

この試合は、単にWBA王座への指名挑戦権獲得のための一戦であり、
正規王者リボリオ・ソリスや、彼への挑戦が噂されるあの兄弟の誰かとの
対戦への布石、ということなのでしょうね。

私が明るい気持ちになれなかったのは、暫定どうこうの話よりも、
再起した名城には、正規王者ソリスや、WBC王者シーサケット、或はアルゼンチン遠征?とか、
他にも挑む対象というか、険しいながらも行く道はあったはずで、
それを外して選んだ道がこれか...と思ったからです。


しかも、安易な選択と見えはしますが、実際は勝利へのハードルが高そうです。
過去に経験済みとはいえ、いまだ日本人ボクサーが勝利したことのないタイでの「世界戦」、
しかも時期が真夏。会場が仮に屋外だったりしたら、本当に大変そうです。

名城のスタイル自体は、前回のスリヤン戦でも証明されたとおり、
佐藤洋太のようなボクサータイプよりは、敵地での闘いに向いているといえそうですが、
それでも競った試合をしたくらいでは、判定勝ちを得られそうにはないですし、
かなり明確に打ち込むか、倒すかしないと勝てない可能性が高いでしょう。

普通に世界に挑むような評価は、負ければもちろん、勝っても得られそうにない。
にもかかわらず、試合自体の困難さは、ある意味普通の世界戦以上のものがある。

考えれば考えるほど暗い気持ちになる試合です。
名城にとっては、この試合、とにかく勝たねば、後にはそれこそ何も残らない、背水の一戦ですね。

もちろん、敵地で強打爆発、「通過点」をきっちり突破、となってくれれば最高ですが、
なかなかそうも行かないのではないか、と心配です。


それにしてもこのスポーツ報知の見出しには、思わず失笑してしまいました。
一見、ジャーナリストの見識による批判精神なのかと思いますが、
実際は帝拳がWBAからほぼ完全に手を引いた状態にあるから、
こうした事例をちょこちょこと突っつくようになっただけのことです。
立場の弱い業者のことなら、いかようにも書けるが、他にいくらでもある
批判すべき事例には何も書かない。よく躾けられた犬の仕事ですね。

それにしても、「えっ」という口語を見出しに使ってまで、読者に伝えたいことはいったい何だったんでしょう?
「物議を醸しそう」とありますが、何で今だけ、この件だけに、そんな言葉を使うのでしょう。
こちらが「え?」と不思議に思ってしまいましたね...。

コメント (2)

僅差が詰まるか、大差を生むか メイvsカネロ決定

2013-06-27 17:27:56 | フロイド・メイウェザー

この試合決定を知ったときは、だいたい皆さんと似たような感想だと思うのですが
「あれ、思ったよりあっさり、早くに決まったなあ」という感じがしました。
メイウェザーの試合って、大きなカードほど、決まるまでにうだうだうだうだうだうだうだうだ、
うんざりするほどあれこれあるのが常で、悪くすると結局やんない、とかいうこともあったりするので。

メキシコの若き天才カネロ・アルバレスは、昨年連敗のマニー・パッキャオにとって代わり
打倒メイウェザーの一番手と目されています。
実際、ここまでの試合を見ると、若さと勢い、強打や馬力だけでなく、天性の勘の良さに加え、
若くして試合数を多くこなしてきた経験から来る、試合運びの巧さ、判断の確かさも備えていて、
どの角度から見ても、コレはモノが違う、といえる大器です。

先のオースティン・トラウト戦、絶妙の距離感でトラウトの右リードの大半を外しつつ、
ほとんど相手を休ませない、楽をさせないプレスをかけ続け、それに耐えかねたトラウトが見せた
一瞬の綻びを即座に突いてダウンさせ、判定勝利。
トラウトの技巧と粘りもさすがでしたが、楽勝ではないが完勝、という、
ある意味、強敵相手に対する理想的な勝ち方で、さらなる成長を感じさせました。

しかし、この試合を見て、カネロの実力に感心したと同時に、
それでもまだ、これよりもひとつ上のレベルにあるのが、メイウェザーの防御勘であり、
相手の防御を様々な方法で狂わせ、隙を生じさせては打つ攻撃技術ではないのか、と感じもしました。

リーチぎりぎりの離れた位置ではやや低め、距離が詰まれば高く掲げるガード、という棲み分けを
実に繊細に行うカネロの防御をも、多彩なトリックで徐々に狂わせ、打つパンチの組み合わせ、
長短、内外、緩急を自在に変えるコンビネーションでメイウェザーが打ち崩すのではないか。
どうも今のところ、そんな想像が勝っています。

ただし、両者の差は、決して大差ではなく、僅かなものだという気もします。
ボクサーの実力を数値化などできないのは重々承知で、あくまで例えとして言うと、
全盛期、例えばアルツロ・ガッティを寄せ付けもせず破ったメイウェザーをベスト、100点だとすれば、
現状は僅かに落ちて、95~97点というところか。
で、カネロはというと、先のトラウト戦における、緻密な攻防を最大限に評価すれば、
90点前後、というところまでは来ているのではないでしょうか。

この、ほぼ5点差くらいの実力差、確かに僅差、ではあります。
しかしこの僅かな、と見える差が、いざ試合を終えたとき、
極端な話、120対108のスコアを生むことだってあり得ます。
僅差の戦力差も、その僅かな差が積み重なれば、そういう結果になる、それもまた、ボクシングの一面です。

そして、逆に言えば、この僅差が、両者の上昇、下降によって重なる場合もあり得る、ということでもあります。
若く、試合ごとに成長を見せるカネロが、その力を伸ばし、対するメイウェザーが僅かながら落ちるとすると、
両者の力が、95点前後のポイントでクロスする、ことによると逆になるかもしれません。


うだうだ何を書いてきたかというと、要するに、今回の試合は、最近いくつかあったメイウェザーの試合、
やる前から、余程のこと(トラブルやアクシデント、大幅な戦力の減退など)がない限り、
相手との技量、力量差が明白で、どう見ても逆には転びそうにもない、という試合とは
全く違う、戦力的に僅差の相手との戦いである、ということです。
オルティス戦、ゲレロ戦は言うに及ばず。昨年のミゲル・コット戦なども、コットを弱いとは言いませんが、
あの時点では既に、確実な差が感じられたのも事実でした。

そして、その僅差が、いつも通りに大差を生むのか。
それとも、何かの理由で、僅差が詰まり、逆転が起こるのか。
私は今のところ、前者の可能性をより強く感じていますが、
同時に、カネロ・アルバレスは、フロイド・メイウェザーの対戦相手として、
久々に現れた、大きな可能性の持ち主だと思っています。


ということで、当然WOWOW生中継でしょうから、これは楽しみですねー、と
ただそれだけを言いたいわけですが(^^)
今年に入って、WOWOWの生中継試合は、あまり盛り上がらない試合になる、という
言われてみれば「ほんまやね」と言わざるを得ないジンクスがあるようですが、
この試合だけは、蓋を開けたら...といういつものパターンが覆るかもしれません。

そうなれば、一筋縄ではいかないほど複雑な、メイウェザーへの愛憎渦巻く私ですけど、
ひとまずそういうややこしいことは置いて、うおーと盛り上がってしまうと思います(^^;)
もちろん、いつもの通り「今日も世界は何も変わらず」となるのかも知れませんけど。
はてさて、どないなりますやら...。

コメント (3)

懸念の払拭さえあれば 長谷川穂積、次もノンタイトル戦

2013-06-27 00:15:26 | 長谷川穂積

更新をさぼっていた間に、いろいろ決まった試合や話題について、
ちょこちょこと書いていこうと思います。
当然、関西のボクサー中心です(笑)

まずは、もはや「御大」という感じの、長谷川穂積について。
次の試合もノンタイトル戦となり、8月12日、山中&八重樫ダブル防衛戦の前座とのこと。

世界タイトルマッチがなかなか組めない中、試合間隔を開けないのは良いことですね。
相手は軽めの選手、というか、まあ普通の選手になるのでしょう。

前のタイ選手との試合が、ちょっと打たれてあれれ、みたいな試合だったですから、
まあ鮮やかに勝てれば良し、無難な感じでも良し、と思って見るとします。
今更、実力を試されるという段階の選手でもなし、それよりは調整、
或いは感覚的なものを確かめる、という感じで十分だと。

ただ、ここ数試合、見てる我々も、本人も、試合のたびに感じているであろうもどかしさ、
不安、懸念というものは、いくつもあります。

以前ならほとんど食わなかった、オーソドックスの右、ことにロングのパンチを
ダッキングし損なって食っていること。
以前と違って上体だけしか動いておらず、足が止まっているように見えます。
また、右リードから攻めるとオフ・バランスになる傾向が、以前よりも強まっていること。
ダイレクトの左からの攻めにキレが失われ、後続の「合わせ」の技に繋がらないこと、等々。

ちょっと甘いというか、そんな都合のいい、と言われるかもしれませんが、
私はこのタイミングで、格下、或いは、割と露骨に「噛ませ」的な相手との試合でも構わないので、
こうした不安があまり見えないような、鮮やかな勝利がひとつくらいはあった方が良い、と思っています。
そういう意味では、世界戦がなかなか組めないことは、ある面では幸いなことだ、とも。
もっとも本人や周囲にとっては、そんな呑気な話ではないのかもしれませんが。


それにしても、挑む対象かと思っていたWBC122ポンドクラスは、新王者ビクトル・テラサスに
前IBFバンタム級王者のレオ・サンタクルスが挑むということで、何だか大変そうですね。
何が大変かというと、西海岸のスター選手であり、長身強打のサンタクルスが勝つと、
まず挑戦すること自体が大変で、挑戦できたら今度は勝つのが大変、という、二重の意味で、なんですが。

この辺、ひょっとしたら標的変更もありうるんでしょうか。
まあ、どこ行ったって、簡単じゃないでしょうけども。


コメント (2)

試合後が一番盛り上がった ブローナー、転級初戦に勝利

2013-06-23 14:46:06 | 海外ボクシング

あれこれと話題はあったのですが、取り上げるにはもうひとつ、思うところが薄いかな、
なんてことばかり思っていたら、あっという間に更新が滞っておりました。
相も変わらず怠惰な自分に嫌気がさしますが、またぼちぼちやっていきます。


ということで今日は有難いWOWOW生中継の日(^^)
このカードを生中継とは、嬉しい反面、ちょっと意外にも思いましたが。

以前うだうだと書いたとおり、一段飛ばしでウェルター級に転じる
エイドリアン・ブローナーが、ウェルターとしては小柄でパンチ力に欠けるが
抜群のスピードと闘志を持つポール・マリナッジに挑む一戦。

ボクシングのブログをやっている身で、あまりこんなことばかり言ってちゃいかんのかもですが、
この組み合わせ、結果知ってて見るには、ちょっと退屈かも、と思っていたりしました。
そういう意味で、生中継は大歓迎でした。


ぱっと見た感じ、体格的にはマリナッジと同じくらいか、やや大きく見えたブローナー、
メイウェザーの模造品、と言うべきがどうかは置いて、相変わらずの巧さと勘の良さでした。

頭を後ろに引き、上半身は角度を変えて構え、手を下げる選手がこの世で一番怖れる
死角からの左フックを、相手に打たせない、打とうと思わせないための?独特の防御スタイル。
そこから相手の打ち終わりを狙う、当て際で爆ぜるような右ストレート、前に伸びる右アッパー、
引っかけが効いた左フック。
これらがマリナッジを終始脅かしてはいましたが、マリナッジの闘志と、階級の壁?に阻まれ、
やはり、ライト級までのような、鮮やかなノックアウトとはなりませんでした。

ポール・マリナッジは、闘志と才気にあふれるスピードスターですが、
「ボクシングの神は、彼にたったひとつ、パンチ力だけを与えなかった」という類の選手です。
体格面でも、ライト級上がりのブローナーに劣るくらいでしたが、持ち味を出して善戦、
予想不利の試合をスプリットまで持ち込みました。


全体として、やっぱりこんな感じか、という気持ちが先に立った、というのが正直なところでした。
ブローナーの才能、マリナッジの健闘、試合後の意地の張り合いなども含めて、
見どころはもちろんあったのですけど、その反面、ウェルターで一番小柄でパンチのない相手と
このくらいの試合をするよりも、群雄割拠の140ポンドクラスの強敵たちと闘うべきじゃないのか、
という思いが先に来ますね。

今後、ウェルターでどのような相手と、どんな試合が出来るのかわかりませんが、
これだけの才能と、独特のスタイルを持つ凄い選手だと思うからこそ、
現時点では、このウェルター級転向には、あまり意味を感じません。

また、今後、新たな「意味」が見出せるようなカードも、あるようなないような...
本人が「メイウェザーとは戦わない」と言っているのが本当になら、ますます、ですね。


メイウェザーに匹敵するか、或はそれ以上?とさえ思える才能を、
相手との距離をはぐらかす頻度が低い、密度の濃い攻防、展開の中で、存分に見せつけていた
ライト級までのブローナーには、心底驚嘆、感嘆、何と凄い選手か、と思ってばかりいました。

しかし彼もまた、メイウェザーらと同じように、ビジネス主導?の流れに乗って、
その結果、ボクシングの密度を薄めるような道へ進むのか、と、少々残念に思っています。
彼の今後の試合ぶりが、私のそうした思いを「早計だった」と思い直させてくれるものに
なってくれればいいのですが。


それにしても試合後、えらく盛り上がってましたね。試合後に盛り上がってどうする、って話ですが。
判定については、115-113でブローナー、と見ました。
しかし、見方によっては、ブローナーは受け身で、手数が少なく、防御しては首をひねっているだけで、
積極的にポイントを取っていない、という見解もあるのかも、ですね。

結局、見ていて一番盛り上がったのは、試合中ではなく、判定がスプリットだと告げられたときでした。
うわ、まさか逆あるの?という感じで。これもまあ、生中継の醍醐味と言えば言えますかね(^^;)

コメント (2)