知った瞬間、あまり明るい気持ちにはなれない話でした。
名城信男vsデンカオセーン決定、の報です。
スポーツ報知の記事にあるような「物議」うんぬんには、全く興味がありません。
暫定王座の話に関しては、本人も陣営も、そんなものを獲ったところで、
それが世界王座としての価値があるとは思っていないでしょう。
この試合は、単にWBA王座への指名挑戦権獲得のための一戦であり、
正規王者リボリオ・ソリスや、彼への挑戦が噂されるあの兄弟の誰かとの
対戦への布石、ということなのでしょうね。
私が明るい気持ちになれなかったのは、暫定どうこうの話よりも、
再起した名城には、正規王者ソリスや、WBC王者シーサケット、或はアルゼンチン遠征?とか、
他にも挑む対象というか、険しいながらも行く道はあったはずで、
それを外して選んだ道がこれか...と思ったからです。
しかも、安易な選択と見えはしますが、実際は勝利へのハードルが高そうです。
過去に経験済みとはいえ、いまだ日本人ボクサーが勝利したことのないタイでの「世界戦」、
しかも時期が真夏。会場が仮に屋外だったりしたら、本当に大変そうです。
名城のスタイル自体は、前回のスリヤン戦でも証明されたとおり、
佐藤洋太のようなボクサータイプよりは、敵地での闘いに向いているといえそうですが、
それでも競った試合をしたくらいでは、判定勝ちを得られそうにはないですし、
かなり明確に打ち込むか、倒すかしないと勝てない可能性が高いでしょう。
普通に世界に挑むような評価は、負ければもちろん、勝っても得られそうにない。
にもかかわらず、試合自体の困難さは、ある意味普通の世界戦以上のものがある。
考えれば考えるほど暗い気持ちになる試合です。
名城にとっては、この試合、とにかく勝たねば、後にはそれこそ何も残らない、背水の一戦ですね。
もちろん、敵地で強打爆発、「通過点」をきっちり突破、となってくれれば最高ですが、
なかなかそうも行かないのではないか、と心配です。
それにしてもこのスポーツ報知の見出しには、思わず失笑してしまいました。
一見、ジャーナリストの見識による批判精神なのかと思いますが、
実際は帝拳がWBAからほぼ完全に手を引いた状態にあるから、
こうした事例をちょこちょこと突っつくようになっただけのことです。
立場の弱い業者のことなら、いかようにも書けるが、他にいくらでもある
批判すべき事例には何も書かない。よく躾けられた犬の仕事ですね。
それにしても、「えっ」という口語を見出しに使ってまで、読者に伝えたいことはいったい何だったんでしょう?
「物議を醸しそう」とありますが、何で今だけ、この件だけに、そんな言葉を使うのでしょう。
こちらが「え?」と不思議に思ってしまいましたね...。