さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

善し悪しあれど、懸念は消えず

2012-12-23 17:12:56 | 長谷川穂積

昨夜は長谷川穂積の再起二戦目を観戦してきました。
悪いのか良いのか、判断のつきかねる10ラウンズだった、というのが率直な感想です。


まず一番強く印象に残ったのは、相も変わらずというか、今まで以上に頻繁に、
ロープ際に下がり両手を下げるシーンが目についたことでした。

アルツロ・サントスは当然、手を出せる展開をタダで与えられたのですから、連打してきます。
その大半を外し、連打で反撃して押し返す場面が何度かあった反面、
当然ながら全部は外せず、左を好打されてもいました。

ロープ際へ下がる回数が多かった反面、以前ほど「長居」しなくなったかな、とも見えました。
反撃の連打も、アウトサイドの無力なパンチが以前よりは減り、インサイドを突く好打が
いくつか見られたのは好材料です。

ただし、往年のパーネル・ウィテカーほど完全に目で外せるわけではなく、
また、試合展開を完全に掌握したとも言えない場面で、あのような誘いをする必要が無いのに
ああいうリスクを背負う必要があるのか、率直に言って疑問です。

本人が折に触れて語っているように、自分のボクシングを、防御面で見直したいという気持ちで、
ある程度劣勢になるのも構わず、自分から引いて相手に攻めさせていたのでしょう。

しかし長谷川に期待するのは、こういうのは今日限りにしてくださいね、ということです。
この試合だけの話なら、少々打たれても破綻はないのかもしれませんが、
今後闘うであろう相手に、こんな頻度でロープを背負っていては、結果がどうなるかは目に見えていますから。


次に攻撃面ですが、まず、試合前に左足を痛めていたと、後に知りましたので、
見た直後に思ったこととは少し印象が変わっています。

全体的に、やはり攻撃の精度に欠けた印象でした。
右に関しては以前と余り変わらず、パーリー7割、ジャブ3割という感じ。

個人的には、ここにもっと大きな、目に見える変化が欲しかったですね。
もっと良いジャブをリードにして距離を維持することは、防御勘の確認以上に、
ボクサーとしての護身に大きな益があるはずです。ここに一定の進歩を見たかったのですが。

速い左ストレートがジャブ代わりという感じで、左で探るようなパンチが多く、
そして、その左は、ヒットがあってもほとんどが浅い印象でした。
散発的に好打はありましたし、防御感も冴えた場面がありはしましたが、
それが次の展開につながらない、組み立てがいちいち崩れ、細切れになり、
また一からやり直し、の繰り返しでした。

それはやはり、足の負傷で蹴り足が弱かったせいもあるのでしょう、
ジャブより速い左ストレートで相手を突き崩し、その手応えを元に
攻防共に歯車が噛み合っていくという、好調時の長谷川ボクシングは、
今回、完全には実現されなかった、という印象です。


この試合の限りでいえば、まずまず良し、という部分もありましたが、
次にも組まれるという世界戦に視界良好、というような試合には見えませんでした。
長谷川本人が、課題を見いだしたことを前向きに語っていることは救いだとしても、
過去への回帰のみが主眼として語られ、新たな基軸を打ち出そうという風が見えないことに、
不安、不満、懸念を持たざるを得ません。

世界挑戦の相手は報道によると、スーパーバンタム級ではアブネル・マレス招聘は困難で、
WBCフェザー級王者ダニエル・ポンセ・デ・レオンの名前が挙がっていましたが、
おそらく年明けのIBF、WBO認可により、そのほかの可能性も出てくるのでしょう。

しかしどんな選択がなされるにせよ、この試合で見いだした課題を元に、
長谷川穂積が自分のボクシングをいかに磨き上げて、三度世界に挑むのか、
その姿に注目せずにはいられません。

そして、その勝敗が、長谷川の才能と闘志が十全に発揮された末のものであってほしい。
長らくその姿を追い続けて来た者のひとりとしての、せめてもの願いです。


そういう意味では、やはり、昨日の試合は...でしたね(^^;)



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野望への期待

2012-12-20 21:54:04 | 長谷川穂積

明後日は、神戸にて観戦予定であります。

長谷川穂積の相手は、北京五輪メキシコ代表、ベスト8進出のアルツロ・サントス。
今年、モンティエルと2-1の試合をしていて、YOUTUBEでも動画が見られました。

ぱっと見た印象、堅実、骨太、しかし愚直、勝ち味が遅いと言われるタイプという感じ。
26歳と一番良い時期かもしれませんが、ビート誌面には「アマ時代がピーク」という声もある、と。


しかし、今の長谷川穂積にとって、この手の選手、果たしてどうなのかなと、やや不安です。

一段とばしのフェザー級での戴冠、転落を経て、トレーナーを外部から招いての再起初戦はやや苦戦。
その後、改めて山下会長とコンビ復活、122ポンドに落としての初戦。本人は「打たせずに打つ」宣言。

バンタム級最後のモンティエル戦以降、どうも長谷川の行く道が定まらないなぁ、と
いろんな意味で、そう思えてならないですね。

まず階級の選択。興行面その他の事情で、バンタムから一段飛ばしでフェザー級に転じ、
初戦で世界戦を闘わねばならなかったこと。そして今回は飛ばしたSバンタムに降りての闘い。
このクラスで世界を狙うのかと思いきや、フェザーも視野に、という陣営のコメント。

この試合を勝てばという仮定ですが、来年になればIBF、WBOも視野に入ってくるのでしょうが、
様々な選択肢を持つのは良いとしても、階級に関してもまだ定まっていないということでしょうか。
「せやねん」の動画を二つ、紹介しておきますが(その1その2)最初の方で長谷川が言及しているように、
Sバンタムにとどまるか、フェザーに転じるか未定のノニト・ドネアへの対戦を視野に入れている?
というのなら、頼もしい限りではありますが...残念ながら拙速、非現実的と言わざるを得ないでしょう。


先日、ホルヘ・アルセを「斬殺」したドネアと、今の長谷川との間には、
米大陸での知名度、商品価値というのを抜きにしても、力の差が相当あると感じました。

1992年、ロッキー・リンに快勝したリカルド・ロペスと、
チェ・ヒヨンに辛勝した大橋秀行くらいの差、という例えだとわかりにくいでしょうか(^^;)
かたやスピード、切れ味、強打が最高レベルで共存し、
かたやそのような過去を再現できず試行錯誤のさなか、というか。


そして、長谷川のボクシングそのもの、スタイルの選択というのも、今回の試合でどうなるか。

先のフェリペ・フェリックス戦では、フランク・ライルズの指導の下、基本重視のスタイルを目指し、
序盤はまずまず、終盤はやや型くずれ、という印象でしたが、今回は山下会長とコンビ復活、
「打たせずに打つ、顔を腫らさず試合を終える」という、どうも聞けば聞くほど不安になるコメントが出ています。

確かに防御重視、バランスに留意した闘い方を考えてほしいとは、私のみならず長谷川のファンならば
誰もが思うところではあります。
しかし、今回また指導体制が元に戻ったことの不安が、どうしても先に来ますね。
そもそも、そういう方向性を持っていたのが、ライルズの指導だったのでは?という気がしますが...。


いずれにせよ、明後日の相手、サントスは、見映えのする選手ではなさそうですが、
長谷川が軸足の定まらない状態でリングに上がれば、その揺らぎを突き崩すだけの力は
充分持っているように思います。
ここ数戦、見ていてどうも据わりの悪い長谷川ですが、そういう印象を打ち消す「確かさ」をまずは見たいですね。
打たせずに打つとか、顔を腫らさずに、という枝葉末節の話はこの際、どうでもいいです。

自分の決め手が何であるか、布石の部分が何であるか。
それをいつ出し、いつ伏せるか。
そのために必要なパンチ、ステップ、防御の組み立てを...
長谷川ボクシングの全体像を、まずはしっかり見せてほしい、というところです。

それを確かに感じられるところがいくつもあれば、まず判定でも、静かな試合でも構わない、と
相手のレベルも考え合わせて、今はそんな風に思っています。

もしそうなってくれれれば、例え鮮やかな試合、勝ち方ではなくても、
彼がこのクラス近辺の多くのボクサーと同じく、心中に秘めているであろう
「打倒ノニト・ドネア」という野望に、一歩を踏み出したと感じることが出来るでしょう。

明後日、神戸の会場で、そのように感じられることを、密かに、期待しています。

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健闘に期待、でも心配なのは

2012-12-14 21:41:06 | 関東ボクシング

大晦日世界戦、最後はWBAのスーパーフライ級。

もう、この団体の王者増やさんといてほしい、という願いもかなわず、
大阪でふたつ、東京でもふたつ、開催されるわけですが、
その中でもちょっと意外というか、考えてなかったなという試合がこれです。

テーパリットはてっきり、大阪の茶番でセミファイナルに出るのかと思ってたんですが、
そっちには持って行かれなかったんですね。これがまず意外。

そして挑戦者が河野公平、これがまた意外。
直近の試合で、ゴーキエットジム所属の世界ランカーに勝って再浮上したそうですが、
その試合を見る機会がありませんでしたので、今、どんな感じなのかよくわかりません。

最近、レコーダが検索で拾って録画しているTV東京系のニュース番組で、
ちらほらと河野の姿が見られますが、試合ぶりはわからないとしても、
相変わらず充実した練習を重ねているようで、ホントに凄い体つきしてますね。

あまりガチガチに筋肉をつけるのは良くないかも知れませんが、それにしても。
少なくとも、何となくやっててチャンスが来た、って風では全くないようで、
本人は3度目の挑戦での戴冠に意欲充分、というところなのでしょう。


過去に世界戦で名城、ロハスに敗れた試合、その後佐藤、戸部に敗れた試合などを見ると、
テーパリット相手に有利の予想は立たないでしょうが、タイプや体格、距離などの面では
相性的には悪くないのかな、という印象です。
テーパリットは全体的なまとまりはあるものの、ロハスほど遠くはないし、
かつての名城ほど強打者でもないです。少なくとも健闘は期待していいと思います。
河野が執拗に食いつく展開の中から、チャンスを掴めるかどうかですね。


でも一番の心配は、この試合、TV放送の枠に収まるんかいな、ってことだったりするんですが。
確か9時半放送開始、という話でしたから、はてさて...というか、そもそも無理か...。

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好カードなれど、期待は半々

2012-12-13 21:37:30 | 関東ボクシング

さて、大晦日、残りの2試合は共にスーパーフライ級。
まずWBCの方から。


佐藤洋太vs赤穂亮は、二年前に東洋、日本のダブルタイトルとして組まれたが流れた一戦。
このときは好カードがひとつ潰れたな、と惜しまれましたが、なんと大晦日の大舞台で実現。
注目度も普通にホールでやるのと段違いでしょう。

この試合、TBSとTV東京が仕掛ける大晦日複数世界戦イベントの舞台に、
通常、後楽園ホールで行われる好カードをそのまま引っ張り出してきて、
「世間一般」に見てもらう試合だ、という観点で、興味を持っています。

つまり、日本のボクシングの持つ等身大の魅力が、普段ボクシングを見ない層に、
どのように受け止められるのか、この試合を通じて問われる一戦である、と。


予想は王者佐藤がロングの距離を維持してストレートパンチで突き放せるか、
赤穂が飛び込んで左右のフックで攻め込めるか、というところなんですが、
個人的には赤穂のラフな攻撃が試合自体を壊しはしないかな、という危惧の方が強いです。

懐を取る、というより体当たり、接近戦で頭を動かしてパンチを外す技術が(或いは、意志が?)無いから
即座に揉み合い、という、ボクシング技術を蹴たぐったような展開が、過去の試合でも頻繁に見られましたし、
ましてリーチ、懐の深さを生かして闘う佐藤相手に、攻め手を失ったらどうなるのかな、という感じです。

こういう悪い想像に反した内容、佐藤が築くジャブの障壁に、赤穂が正当な有効打で迫る、という
当たり前にボクシングとして白熱した、ボクサーとファイターの熾烈な攻防が見たいと思います。

また、そういう試合になってこそ、大晦日の複数世界戦イベントの舞台に、
普通に後楽園ホールでやれば、一定の評価や成功が見込める
このカードを持ち出してきた意義がある、というものでしょう。


実のところ、好試合になるかどうか半々という感じで見ているカードですが、
是非とも、良い方向性が感じられる試合になってほしいですね。





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偉大なり、マルケス!

2012-12-09 21:47:40 | 海外ボクシング

恥ずかしながら、何が起こったのかわかりませんでした。

マニー・パッキャオが右で煽って左、と見えた直後、前のめりに倒れ、びくともしない。
ファン・マヌエル・マルケスが両手を挙げて歓喜のステップを踏んだのを見て、
カウンターが入ったのかと思いはしましたが、今のアクションの中に、
どんなパンチを入れる隙間があったのか?と困惑しているうちに、試合は終わっていました。

スローで見て驚愕。パッキャオの重心が浮いていたとはいえ、右の煽りを躱して、
拳いくつか程度の小さい振り幅、でも肩がしっかり入った右カウンター。
ファン・マヌエル・マルケス、39歳にして生涯最高の一打が、4度目を数える
仇敵との対戦、実に42ラウンド目にして、遂に出ました。

あれこれボクシング見てきて、スロー再生見て膝が震えたのは、今日が初めてかも知れません。
ボクシング史に残る、強烈なKOのひとつに数えられるフィニッシュシーンでした。
少なくとも、今年のリングマガジンベストKOは、これで決定でしょうね。


最後だけじゃなく、そこまでの過程もまた、ものすごい展開でした。
共にロベルト・デュランの如き、殺意に満ちた攻撃と、天賦の才能が迸る防御の競い合い。
打っては外し、打ち終わりを狙う、高度なリターンとカウンターの応酬が間断なく続く。
これぞまさしく世界の超一流、誇り高き英雄同士の闘いでした。



見終えて思ったのは、パッキャオが前戦の、消化不良の果てに喫した敗戦を、
深く反省し過ぎたのかな、ということです。

最近放送されたドキュメンタリーでも、過去の自分に回帰した闘いを見せて、
ボクシングに対する取り組み方への疑念を払拭する、というコメントをしていました。
そのせいか、最初から積極的に攻め続けていましたが、若干、その意欲に縛られすぎていて、
過去の試合で見せた柔軟性、或いは「遊び」のようなものが全く感じられませんでした。
後付けの感想ですが、倒された場面にも、その影響があったのかも知れません。


それにしても、歴史上、何度も対戦を重ねたライバル対決数あれど、過去3度の対戦において、
片方に勝ち星がないにも関わらず4度目が実現したこと自体、
今回勝者となったファン・マヌエル・マルケスの偉大さの証明だと言えます。

39歳にして、過去3度闘って勝てなかった相手に挑むことに費やした彼の労苦、
その心を支えた、自分自身が培ってきたボクシングへの誇り。
その膨大さ、崇高さの前には、どのような言葉も無意味でしょう。

...と、試合前からマルケスについては、だいたいこんなことを思っていたのですが、
その上結果が勝ちで、内容があれで、終わり方もあれですから。
私は本当に、文字通り、しばし言葉を失っていました。


恐るべし、そしてやはり偉大なり、ファン・マヌエル・マルケス。
とりあえず、こんなことくらいしか思いつきません。
衝撃的、かつ感動的な、至高の一戦でした。



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あの試合はダブルタイトルだった

2012-12-08 07:27:34 | 関西ボクシング

関西ボクシングのファンとして、ちょっと驚いた、という話です。

今月16日、最近少しずつ活発化してきた?韓国で興行があるのですが、
そのメインカードがWBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ。
王者が大沢宏晋、挑戦者がインドネシアのジェイソン・バター・バター。
BOXRECのスケジュールに記載があります

大沢宏晋が4月30日に堺の会場で、このタイトルの暫定王者だったらしい
インドネシアのロバート・コパ・パルエをダウン応酬の末、9回TKOした一戦は
会場で観戦していましたけど、WBO傘下の地域タイトルがかかっている、
というようなアナウンスは一切ありませんでした。

今頃になって、あれこれ検索してみると、ちゃんとこんな記事が出ていたんですね。

ご丁寧に大沢とWBOアジアパシフィック会長レオン・パノンチロ・ジュニアさんとのツーショット付き。
私ら、知らない間にアジア地域のダブルタイトル戦を観戦していた、ってことになるらしいです。
暫定とはいえ王者に勝った大沢を、その後何らかの事情でWBOが王者に認定したのか、とも思ったのですが、
何と試合直後の控え室でお墨付きが出ていて、JBCもそれを(しぶしぶながら?)認めた、と書いてあります。

いやはや、全然知らんかったです。
(しぶしぶながら?)認めた、って...認めたんかい!って話ですが、
当然、そんな発表も報道も、どこでも見たことがないですからねー...(^^;)


とにかく、来年早々にも認可されるというIBF、WBOへの、業界のアプローチは、
様々な形でもう始まっていて当然で、この話も、その一環なんでしょうね。

大沢陣営にしてみれば、あれこれ面倒というか障壁も多いWBA、WBC王座への挑戦交渉より、
WBO王座への挑戦を目指す方が得策だ、という判断なのでしょうね。
WBO王座に近づくためには、このタイトルはとても重要なものであるはずです。

地方の、大手とは言えないジムに、世界クラスの才能があるボクサーがいても、
結局は二大王座のどちらかに、国内の業界事情に縛られる形でしか挑めなかった過去に比べれば、
こうして選択肢が増え、独自のルートで四大王座のうちの一つに挑める可能性がある、というのは
四団体認可によるポジティブな一面である、と言えます。

もっとも、大沢の実力、実績をどう評価するか、というのは、また別の話ではあるのですが。
例えばこれまで、折に触れて書いてきたことですが、徳山昌守が現役のうちにこうなっていたらな、
というのと同じ気持ちを、大沢に対して向けられるかというと、現時点では否、です。
試合を見るたびに、成長を感じられる大沢の今後に期待、ですね。



ただ、各団体の下部組織、地域タイトルの認可って、どうなっていたんでしたっけ...?
基本OPBFのみで、ほかは国外なら与り知らん、という、いかにもな感じで落ち着くんでしょうか。

まあ、何事も過渡期とされる間には、いろんなことが起こるものですけど、自分が見た試合が、
思っていた以上の、というか、意外な意味合いを持っていたのだなぁ、と驚きつつ、
今更ながらに、自分の無知を恥じております(^^;)






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内山高志という救い

2012-12-07 19:50:53 | 関東ボクシング

大晦日、東京では三大世界戦挙行ですね。

内山高志の大晦日における暫定王者との対戦は二年連続です。
こんな行事?が恒例になってしまうのも困りものですね。

しかし先のバンタム級と同様、WBAは暫定王者ブライアン・バスケスとはまた別に
新暫定王座決定戦をセット、あのユリオルキス・ガンボアと、前回内山に挑んだ
フィリピンのマイケル・ファレナスが対戦するのだそうです。

要するに、理屈どうあれタイトル戦認定料がたくさん入ってくればよい、ということなんでしょうね。
WBAとは、つまりは「それ」以外に何も考えていない組織なのでしょう。
内山が王者として重ねてきた防衛の価値、コスタリカ初の世界王者としてバスケスが受ける母国での賞賛、
そういったものは一切関係なく、自分たちの実入りだけが大事である、と。


ファンなら誰もが思うことですけど、本当に、このヤカラ団体、すっぽ抜けにもほどがありますね。
ほかの団体にもそれぞれ問題があることはあるんでしょうが、ちょっと次元が違うように思います。
バンタム級の屁っ放り腰はどうでもいいとして、内山高志ともあろうものがいつまで、
こんな団体が送り込んでくる暫定王者の相手をしなければならんのか、という感じですね。

今回、決定戦でガンボアが勝てば、内山が世界のビッグスターと対戦出来るかも、
と話題になっていますが、なかなかあちらさんも簡単に、内山とやらせてはくれないでしょう。
それより、来年早々にもIBF、WBOが認可されるのなら、統一戦か何か組んで、
こっそり乗り換え、という方が、まだ現実味があるのかもしれませんね。
そういうことを考えると、返す返すも粟生隆寛の陥落は残念でした。


試合に関しては、当然内山が勝つであろうと思っています。
バスケスの試合は一試合だけWOWOWで放送されたのを見ましたが、執拗なボディ攻撃以外に
あまり印象はありませんでした。舐めてかかってはいけないでしょうが、順当なら内山でしょう。

WBAが絡むと、変な話があれこれまとわりついてきて、どうもいやな気分になりますが、
それでも救いなのは、内山高志の揺るぎない王者としての技量ですね。
リング外の諸々を忘れさせてくれるような、これぞボクシング、というものを、
昨年見せてくれたように、また内山高志が見せてくれることを期待します。

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応援はしますが、やはり残念

2012-12-05 21:20:34 | 関西ボクシング
大晦日世界戦、次は宮崎亮について。

待望の世界戦、ということではファンの見解は一致するんでしょうが、
階級がミニマム級というのは、改めて驚きであり、不安でもあります。

以前も少し触れましたが、A、C二大王座統一を果たした井岡一翔の、
王座返上にまつわる権益により、宮崎が出場出来るという流れで組まれた一戦なのでしょう。
ここ数試合、ライトフライ級でも体重調整に苦しんでいる宮崎を見てきた我々は、
世界戦でライトフライ厳しいのかも、フライ級に上げてはどうか、と思っていたくらいで、
いかなる事情があろうとも、さらに一階級下げるという決断があり得たことに驚いています。

まして冬場の、ただでさえ減量が難しい時期であり、対戦相手が元WBA王者ポンサワン。
八重樫東戦での異常なまでのしぶとさ、心身のタフネスは、宮崎がベストな状態であっても
一定の脅威を宮崎にもたらすでしょう。

八重樫のように序盤からスパートして、中押しして、逆襲をしのいでさらに打ち勝ち、詰め切る、
というような試合が出来れば、それはもう拍手喝采、大したものでしょうが、
宮崎の出来不出来の激しさ、そして減量を考えると、とてもじゃないが楽観できそうにありません。


ただし、過去には「あの選手をさらに下のクラスに下げるのか」と驚かれたパターンで、
見事な世界奪取を成し遂げた例もあるにはあります。

本人が「ジュニアライトに上げたい」と思っていたほど、筋骨隆々だった強打者、ロイヤル小林。
新設間もないジュニアフェザー級での世界奪取は、結果として厳しい減量を乗り越えての成功でした。

また、アマ時代からフライ、バンタムで試合をしていたという中島成雄も、TV朝日が正月三が日に抑えていた
ボクシング中継枠を埋めるための、急ごしらえの感もあった世界戦に出場し、ジュニアフライ級王者となっています。

どちらも、ボクサーにとって、どの階級が適正か、ということは、なかなか一概には言えない、という例でしょう。
ただ、残念なことにどちらも、王者としては短命だった、という共通点もあるのですが。



あと、これは井岡一翔の試合とも共通しますが、これもまた暫定王者の存在を無視して行われる王座決定戦ですね。
井岡にせよ、宮崎にせよ、こういう話にはなるべく関わってほしくはないですね。
それに、井岡は元のクラスに戻すから良いですが、宮崎が一階級下げて、そのクラスに長くとどまれるとも思えない以上、
「とりあえずタイトル獲って、それから強い奴とやっていったらええやん」と思うことも出来ません。

大阪の二大世界戦、どちらも勝ってほしいですし、応援はしますが、やはり引っかかりのあるカードになってしまいました。
これがローマン・ゴンサレスや、アドリアン・エルナンデスあたりとの試合であれば、勝ち負け抜きにして、
声をからして応援するために、TV東京放送の世界戦を見られなくても構わず、府立に駆けつけたんですけどね...。



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転級初戦として見れば

2012-12-04 21:36:30 | 井岡一翔

今日の試合、先ほど追っかけ再生を見終えました。

どっちも負け、ってな感じでしたね。途中から眠気が来ました。
彼の試合を見るのは久しぶりですが、相変わらず己を良く知っているな、というか、
相手が強いとされる時ほど、それに対していかに生き残るか、という方向での知性が見えましたね。

まあ、見る人によってはそれが見所やないか、という奇特な人もあるんでしょうが、
私はそこまで出来の良いマニアではありませんし、序盤から露骨に狙った頭突きを決めて、
それをちらつかせて相手を威圧する下品なやり口は、軽蔑の対象でしかありません。

ルイスのいかにもな無策ぶりと共に、これが世界統一戦やのなんやの....。
「四つイチ」時代の世界戦としても、そのレベルに来ていませんでしたね。


==========================================


さて、大晦日に全部で5試合、世界戦が組まれています。
今日からその辺について、予想とか雑感とか、書いて行こうと思っています。

まず大阪の方、井岡一翔です。
WBAライトフライ級の、いわゆる正規(レギュラー)王座決定戦に出るそうですね。
相手はあの(あの、って何だ)ルイス・イバネスが果たせなかったペルー初の世界王座奪取を成し遂げた
暫定王者アルベルト・ロッセルに敗れた、前暫定王者で今は3位だか5位だかはっきりしないという(?)
ホセ・ロドリゲス、というメキシカンなんだそうです。

そもそもローマン・ゴンサレスはどうなったんや、返上かスーパー昇格か、というのもわからず、
暫定王者もパスして上位同士で、というのも不可解な...とか、以前なら一生懸命書いたところですが、
もうすっかりこの手の話に慣れてしまって、WBAやしな、としか思わない自分がいたりもします。

ただ、今回、こういうカードが決まったと知ったとき、最初に思ったことは、
TV局って、やると決めたらどんなことでもやるんやなぁ、ってことでした。

考えたらこの局、ボクシングにおいて亀田兄弟を無理矢理スターにして商売した、というだけじゃなくて、
K1のような、大成功を収めていた格闘技に、曙なんかを出して無茶苦茶にしたこともあるんですよね。
大晦日の視聴率競争という熾烈な闘いにおいて、ボクシングファンの「かくあれかし」という心情なんて、
物の数ではないのだな、と改めて気づかされたというか。

あの井岡一翔が、そういう業界のシステムに組み込まれたような世界戦に出るのか、というのは
ファンとしてはなんだか、やりきれない気持ちになります。
ロマゴンの存在や、暫定王者ロッセルの話をいったん脇に置くとしたところで、
正式発表から一ヶ月しかない試合で、相手の選手がどんなコンディションで来日するんやら、
という一点において、まず無理矢理な話だと思います。

今回の試合は、王座がどうというところに、価値を見いだせる試合ではない、率直にそう思います。
ただ、井岡一翔にとって、ライトフライ級転級というか復帰というか、その初戦としては、
ちょっと厳しめの試合である、という感じで見れば、悪い試合でもない、というくらいには見られるでしょう。

今後、ロマゴンは上のクラスに去るとしても、それ以外に闘って然るべき相手との闘いに進めるかどうか、
そういう将来への期待と共に、井岡一翔の勝利を願うしかないでしょうね。



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