さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

最大限の健闘も、力及ばず 加納陸、強打オラスクアガにKO負け

2024-07-23 00:03:43 | 関東ボクシング


ということで土曜日の試合、感想最後です。

アンソニー・オラスクアガ、加納陸を3回KO。
フィニッシュは右フックで加納の右腕をはじき飛ばし、そのスペースに左アッパーを打ち込むというもの。
それまでの展開と同様、力と技の両面で、彼我の差を見せつけるものでした。

加納は左のクロスや右返し、ワンツーなど、打つべき時にしっかり打って、ヒットを取ってはいました。
待っていてはどんどん攻め込まれる。しかし、オラスクアガの強打を恐れず、しっかり打って止めようと、最大限の努力をしていたと思います。

それはまさに健闘で、アタマに「最大限の」とつけたくなるものでしたが、結果は非情でした。
オラスクアガの強打が、全てを決めたという試合でした。


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試合中止の憂き目を見た田中恒成は、リングに登場して、ひとつずつ言葉を紡ぎ、ボクサーとしての決意、統一戦まで勝ち続ける、と語りました。
言うに言えない思いもあったことかと思いますが、ああして観客に、視聴者に語りかける場があって良かった。
単なる薄っぺらい「アピール」ではない。心の奥底から紡がれた言葉だったが故に。


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第一試合、本来配信予定の無かった荒本一成のデビュー戦、楽しみにしていたんですが、全体的に不調な印象。
体重もえらく重い設定だったし、試合ぶりも今ひとつ。
終わってから、眼窩底骨折でしたっけ?負傷もあったとかで、それは割り引いて見るべきなのかもしれません。
次からはミドルに落としてやるらしいですから、ひとまず保留、でしょうか。
ただ、もし今回の試合ぶりが実力そのままなのだとしたら、元トップアマというのは看板倒れというしかありません。奮起に期待します。


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これまでAmazonPrimeのボクシング中継、番組制作はフジテレビがやっていたはずですが、今回から日テレやG+、今はU-NEXTのボクシング番組制作をしている会社に変わっていましたね。
鈴木健さんのように、日テレからアナウンサーが来ることはこれまでもあったかもしれませんが。

そして、思い出そうにも忘れられない「トシオカニシオカ」事件でお馴染み、船越雅史アナウンサーも実況をしていました。
この人、よく知らんかったのですが、不祥事か何かで現場から引いていて、久し振りの復帰?なのでしょうか。
正直、いちいち大層であまり好きじゃないですが、今後はTV中継とは状況が微妙に違うことも鑑みて、修正してくれたらいいですね。

あと、この人はリングアナとして、選手のタイトル獲得歴などをコールに含める、ということを、おそらく日本で一番最初にやった人です。
それ自体はやり方ひとつで全然悪くないし、上手く整理してやれば良いと思っていたんですが、今、そのやり方を引き継いでいる人の中には、目立ちたいのか何なのか、時間の無駄遣いをする人がいて、辟易させられます。馬鹿かと思うこと再々です。


話は戻って、今後は日テレ系の会社制作で行くということなんですかね。
それとも、フジと交互に、なんてことも...それだけ、Amazonのボクシング配信興行がコンスタントに行われるということであれば、嬉しい話ではありますが。はてさて。


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最後に、こないなツーショットがありました。
今後に向けて良い話があったのだとしたら、嬉しいことですね。大いに期待します。




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4戦目でこれは充分、出色の出来 那須川天心、WBA4位をKO

2024-07-22 05:37:59 | 関東ボクシング



ということで短いラウンドでのKOが重なり、サクッと見られたAmazon興行、セミの感想を。


セミに置かれた那須川天心vsWBA4位ジョナサン・ゴンサレス戦は、試合直前の記事なんかで、バンタム級10回戦、と表記されているものがいくつかあり、あれ、118に落とすのかと思ったら、結局120ポンドでした。
今回も体重が綺麗に揃うとはいかなかったですが、それを差し引いても、那須川の出来は出色でした。
4戦目の試合としては、これ以上望めないだろう、と。

ジョナサン・ゴンサレスが対サウスポーボクシングの方針を何も持っていないように見えたのは事実です。
スピードのあるサウスポー相手に左フックで迎撃、というのは、正直悪手。
右ストレートリードでも、左フックリードでも良いが、左側に身体を逃がし、沈めて対応しつつ打っていくのがセオリーなのに、身体を残したまま迎え撃つ形。
また打つ度にバランスを乱すこともあり、那須川が速いワンツーをその軌道の下に通すと、まともに打たれそう。

実際、2回終盤にこのパンチでぐらつき、耐えて倒れなかったものの、追撃されダウン寸前。
3回も同じパターンでワンツーを打たれる。左アッパー連打、左から右返しで倒され、カウントアウトされました。
一応不満のポーズを取っていたようですが、完全に体裁。レフェリーの呼びかけに応じられず、グローブを上げることもしていませんでした。


しかし、那須川のスピード、パンチの威力は、相手どうを置いても成長の跡が見えました。
追撃も、2回のチャンスは正確に相手の顔の中心、こめかみへとヒットが重なっていたし、3回は左アッパーでインサイドを崩して、左から右へと強打を繋げる。
いずれも、強くて正確な詰めを見せました。
デビュー戦の手打ち連打とはまったく違う姿に驚き、感心させられました。

それまでの攻防も、相手のアクションに対して、逐一反応して小さいバックステップを見せ、空振りさせるだけでなく、相手の手出しを事前に封じる場面もあり。
本人も色々語っているとおり、ボクシングを日々、しっかり学んでいるのだなあ、という印象です。
それも旧来のセオリーだけでなく、自分なりの闘い方に、それを上手く落とし込んでいる、というか。


正直言って、今回の相手は世界4位、という表現のレベルほどの選手ではなく、また体格のアドバンテージは過去3戦と同様に、前提として見えました。
しかしそれらを割り引いても、わずか4戦でこれ以上を求めることは出来ないだろう、というくらい、那須川の素質が、実際の戦力として形になり、それが見え始めた試合だった、と思います。
以前、堤駿斗の試合を見て、トップランク興行の若手枠にこの試合を置いても違和感がない、と書いたことがありますが、今回の那須川の試合にも、同様の感想を持ちました。


陣営は来年にも世界挑戦を、と考えているようですが、もう数試合するうちに、さらに成長し、厚みのある戦力を身に付けてから、になるのだと思います。
次は地域タイトルをという話になっているらしいですが、今日試合をする栗原慶太への挑戦になるのか、WBOアジア(空位決定戦になる?)のか。
正直、今の栗原は誰が相手でも勝敗が読めないところがあって、心配ではありますが。はてさて。



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壮大な構想、夢が広がる勝利 中谷潤人、1位アストロラビオをボディで一蹴

2024-07-21 05:05:45 | 関東ボクシング




そんなことで昨日のAmazonPrime配信は、短いラウンドのKO決着が続きました。
それは確かに、両選手の実力差の表れ、と言えるのですが、同時に、それぞれの試合に見るべきポイントがあり、見応えのある、印象的な試合ばかりだったように思います。


といっても、さすがにメインはあっという間でしたね(笑)。
中谷潤人、左ボディストレート、一撃で1位のビンセント・アストロラビオを初回に沈めました。

遠目の位置から右リードもあったし、左から入って突き放す、というのもあったが、基本、序盤は見る感じだった中谷。
しかし、そうこうしているうちにも、ちゃんと目のフェイントで上下に目配りをしていたのでしょうね。
最後の左ボディストレートは、アストロラビオにしたら、両手で、ヒジで受けられる、と思っていたのかもしれませんが、その下を綺麗に通って、衝撃が内臓に伝わる一撃でした。

正直、試合前はこの相手、勝敗自体が逆になるとは思わない反面、荒いし馬力あるし粘るから、長引くかも知れないし、その過程で「もたつく」感があったら嫌だなあ、みたいに思っていたんですが、蓋を開けたらこの通りでした。
まあ、強いんだからしょうがない、というのが結論になりましょうか。脱帽するしかありません。
バンタムに上げて二戦目ですが、コンディションは抜群に良いみたいですね。
5連続KO防衛の頃の長谷川穂積、パヤノを初回に右一撃で沈めた井上尚弥など、過去のバンタム級名王者の姿を思い出す、衝撃、驚きのKO防衛でした。



今後は井上拓真戦を希望、とのことですが、拓真がもし堤聖也の挑戦を受け、次に指名挑戦者となるであろうアントニオ・バルガスと対戦するとしたら、来年半ばか後半以降、ということになってしまいます。
堤戦と指名試合の間に統一戦を入れられるか、でしょうか。

AmazonPrimeVideoとしては、井上尚弥を独占できない(数試合に一回、という取り決めになっている?)以上、那須川天心が世界挑戦へと進む間の大イベントとして、中谷潤人を軸に、バンタム級世界王者や上位コンテンダー、その所属ジムに対し、どんなカードでも組むように要求したいところでしょう(出来れば西田凌佑も混ぜてあげてほしい...)。
そして、業界の側も、それには概ね抗えないのだとしたら、実現の可能性は大いにあり、と見て良さそうですね。
ただ、大橋会長にしたら、さすがに分が悪いと思うでしょうし、厳しい決断ではありましょうが。


とはいえ、それも業界全体の総意として、井上尚弥が次に東京ドームで闘うための相手として、中谷潤人を第一候補と見ているならば、今回の中谷は、前回以上に強烈な印象を残しましたし、これで井上拓真を下そうものなら、そうした情勢は決定的なものになるでしょう。
単に凄い試合だっただけでなく、今後に向けても壮大な夢が広がる、そんな勝利でした。


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3回の切り換えが奏功 宇津木秀、ライバル鈴木雅弘を返り討ち

2024-07-20 09:34:41 | 関東ボクシング



ということで今日は夕刻からダブル世界戦。田中恒成の無念たるや、とちょっと辛い気分でもあります。
私は今回、自宅観戦ですが、これもし会場行く予定だったら、と思うと、怖い気もしますね。
荒本一成のデビュー戦が配信に入り、開始時間も18時からになるそうですが。


とりあえず昨日のU-NEXT、鈴木雅弘vs宇津木秀の再戦感想ですが、両者激しいラリーで始まった試合は、3回に宇津木が構え直してジャブを多用し、間を取って、打っては外し、の攻防にシフトチェンジしたことが、明暗を分けました。

前回の試合は半ばワンサイドでしたが、要は宇津木が打っては動き、当てては外し、という攻防を積み重ねていった結果。
この流れになれば宇津木が良いが、今回は初回、2回と、フックやアッパーの交換が多い、ラリーが繰り広げられました。

この展開なら鈴木の良さが出る。五分五分か、徐々に鈴木に傾くかだ、と思っていた3回、最初から宇津木ががらりとやり方変えました。
この後は徐々に宇津木がヒットを重ねて抜け出し、5回にダメージ与えてから、軽いラッシュを続け、反撃の手も止まりかけた鈴木を見て、レフェリーがストップ。
最後の決定打こそ受けていませんが、その前に何度も動きが止まるクリーンヒットを受けていて、仕方ないところでした。


鈴木はロルダン・アルデアと比国でドロー、日本で初回KO勝ちという過程で、いよいよライト級でも納まりが良くなってきた感があり、実際今回も強打をカジュアルに繰り出す(変な表現ですが)スタイルが出来上がってきたと見えました。
しかし宇津木は、その相手の良さが出る展開を、途中から回避する切り換えが出来た。これが勝利に繋がりました。見事な闘いぶりでした。


なんか、U-NEXTの興行で、来月日本王座の防衛戦がある、三代大訓とのチャンピオン対決は既定路線になっているような感じですね。
もちろん三代が次戦に勝たねばならないわけですが、年内に、かつて同門だったライバル対決が見られるかもしれません。これは楽しみです。


メインは非常に中身のある、それでいて激しい攻防が見られ、大いに満足しましたが、ひとつだけ不満。
あまりにも両者のトランクスやシューズの色が似通っていて、本当に見分けにくい。いくらグローブの色が違うからといって、これはちょっと...と。

試合契約時に、両陣営で話し合って、大まかにで良いから、トランクスやシューズの色を違うもの、対照的なものに決める、くらいのことはしてもらいたいです。
タイトルマッチ、メインイベントであり、有料配信される試合なんですから。
この辺、まだまだ「見せる」「見られる」ことへの意識が低いのだなあ、と改めて実感させられました。プロ意識の欠如、とも言えましょうか。
三代と宇津木の試合でも、また似たようなことが起こりそうで、ちょっと心配です。


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畑中会長、見識を示す 田中恒成、防衛戦中止 挑戦者が再計量を放棄で決断

2024-07-19 15:57:59 | 関東ボクシング




最近はもう耳慣れた話と化しつつある計量失格ですが、今回もまた。
これだけ試合の数が多いと、中にひとつくらい、こういうことが起こったとて、さもありなん、みたいになってしまってますね。

明日、田中恒成に挑むジョナ「タ」ン・ロドリゲス、なんと2,9キロオーバー。
二時間以内の再計量で落とせるか否か、というところです。





畑中清詞会長も驚き、立腹のご様子。そらそうですよね。この辺の人にしてみれば、考えられないことでしょう。
田中恒成はフェイスオフ、そして握手に応じていましたが、そんなことせなならんのか、と傍目に腹立たしいくらいで、本人も腸煮えくりかえっていることでしょう。

とりあえず再計量待ちですが、まあ二時間で落ちる数字でもないし、仮に落としたらドクターストップがかかる状態になるかもしれず。
結局、当日何時に何キロまで、という条件設定をして試合する、というオチになるんでしょう。
私は試合前30分に、最初の計量で出た数字と同じ体重でリングに上がれ、と決めてほしいくらいですが、実際は甘いというか緩いというか、ふわふわした話になるんでしょうね。


というか、これで試合させる前提の話になっていること自体、狂っているわけですが。
本当に、ここらで一発、前例を残した方が良いんじゃないですかなー。
数少ない試合の機会を失い、おそらく補償らしいものもない、田中恒成が損しかしない話ではある、というのも事実で、簡単には言えないところ、ですが...。

それにしても、何より久々に酷いオーバーです。2.9ポンドじゃない、キロですからね。いやはや。


※記事追記します。
明日の試合は中止とのこと。畑中清詞会長が決断しました。


まず、畑中清詞会長の決断を支持します。見識を示された、と見ます。
ロドリゲス陣営は、再計量を待たずしてこれ以上落とせないと連絡してきたとのことですが、理由など口ではどうとでも言えますからね。
これだけ大幅なオーバーをしておいて、なおかつ健康上の理由(ふざけた話ですが)で、体重を落とす努力を放棄するというのは、対戦相手として信を置いてはいけない対象である。
改めて、適切な判断をされた、と思いますね。
こんなことになって、田中恒成のことを思えば、残念としか言えませんが。

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決定力の差を、攻勢だけでは埋めきれず 富施郁哉陥落、増田陸に連敗喫す

2024-07-18 21:45:28 | 関東ボクシング


ということで何しろ配信三連戦、しかもそれぞれメイン単体のみならず、見どころ十分の興行が並ぶので、簡単に感想書いていきます。


富施郁哉は雪辱を期す初防衛戦でしたが、増田陸に結果として連敗。4回KO負けでした。
初回は先手で左をヒットしていくも、増田の左フックでふらつき、ポイントを落とす(と見ました)。
2回、増田が正確で強い右リードを押し立てて、左の後続打に繋げる。
3回、富施が奮起して手数を出し、攻勢点を取った上、増田の右瞼カット。パンチによる、と裁定。けっこうな幅の傷。場所も悪い。

4回、富施が勢いに乗る流れかと思われ、実際攻めていたが、左を当ててなお、追って打ちかかるところに、増田の右フック一発、富施ダウン。
立ったがレフェリーがダメージ深いと見てカウントアウトしました。


結果として、前回同様、互いにヒットは奪えるが、一打の威力の差、決定力の違いが出た試合になりました。
攻勢を維持しつつ、防御でも相手を上回れるか、が富施のテーマだったと思いますが、KOシーンでも攻める体勢のとき、はっきり左ガードが下がっていたし、増田がそれを逃さずに打てたことと併せて考えると...必然の結果だったのでしょうね。


増田陸、日本チャンピオンとなりましたが、その強打の威力は素晴らしいものの、課題もあることが見えた一戦でした。
今後世界を目指す上で、上相手でも充分通じる、と見える長所の陰に、やはり少ない試合数なりやなあ、と見える不足も確かにある。
いずれバンタム、ないしはSバンタムで王者たちを攻略するには、攻撃で相手の力を削ぐ、強者の闘いのみならず、時に巧者と見えるような試合運びが出来るようでないと難しい。
その部分をどう改善していけるか。期待と共に注目したいと思います。



ライト級のアジアトーナメントは、今永虎雅がマービン・エスクエルドを2回に、キドニー・ブローすれすれの脇腹打ちで倒し、KO勝ち。
齋藤陽二は中国のウー・ハンユンに手数で劣り、ヒットを喫しながら4回に左ボディで倒し、KO勝ち。
共にボディブローがフィニッシュになりましたが、内容的には今永が圧倒的に上。
齋藤はインタビューでの語り口からするに、自分が一番よく分かっているんでしょうが、不出来な内容でした。
決勝で激突となる両者、もちろん別の試合ですから別の話になる、という見方もありましょうが、今のところ今永有利の予想が多いでしょうね。
齋藤の奮起がまずは求められる一戦となりそうです。


金城隼平は元トップアマの技巧と安定感を見せ、平井乃智をリードした8回、終了間際に打ち込んでTKO勝ち。
井上尚弥の幼馴染みにして元Jリーガー山口聖矢は、長身の本多俊介とダウン応酬の熱戦でしたが、最終回を抑えられ判定負け。
また、昨年フェザー級新人王戦で本命視されながら敗れた山川健太、長身で大柄な北本慶伍のリーチを克服出来ず、打ち込まれて2回TKO負け。
山口、山川と大橋ジムの若手が敗れました。新人王戦ともなると相手を選べず、共にやりにくそうな相手と当たって負けた、という試合でありました。


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明日から三連戦 バンタム級世界戦線に加わるのは富施か増田か

2024-07-17 18:56:23 | 関東ボクシング



ということで明日はLemino、明後日はU-NEXT、明明後日はAmazonと、ライブ配信三連戦の週末がやってきました。
とりあえず明日のLeminoは、日本バンタム級タイトルマッチ、富施郁哉vs増田陸の再戦です。


前回はモンスタートーナメントで対戦し、増田が初回に左のショートクロスで倒し、2回にもアッパーで効かせ、7回に左でダウンを追加。追撃でストップという流れでした。
増田がデビュー3戦目だったこともあって、このキャリアで富施を倒すとは、増田強し、の印象が強く残った試合。

しかし、内容的には、富施の左ストレート、右フックのヒットもかなりありました。しかし一打の威力に差があった。
なお、増田の攻撃にはアッパーの数もかなり多く、インサイドをより鋭く打てるものでもありました。

再戦では、富施がこの内容をどう省みて闘えるか、に全てがかかっていると思います。
パンチが当たらないわけではない。問題はそれ以外の「敗因」をどう潰していけるか、だと。

もちろん内容次第ではありますが、勝った方は、バンタム級世界戦線へ浮上、と目される可能性が高い一戦です。
要注目ですね。
ありがたいことにLemino無料配信です。高山涼深、青山功戦が中止になったのは残念ですが、この一戦だけでも充分、見応えはあると思います。


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明後日のU-NEXTは、OPBFライト級タイトルマッチ、鈴木雅弘vs宇津木秀、こちらも再戦。
しかも前回と立場を入れ替えて、という点も同じです。


前回はスーパーライト級から落として初戦の鈴木が、宇津木の左フックでダウンを喫し、5回以降はほぼワンサイドに打たれ続け、8回に右カウンターが入ったところでストップ、という試合でした。
宇津木の多彩で正確な攻撃パターンが存分に出ましたが、鈴木もライト級にフィットしてきて、ロルダン・アルデアとの連戦を経ての雪辱戦となります。
そして宇津木の方も、日本王座を失ってからの捲土重来を期す試合。こちらも激戦必至、ですね。
ライト級も国内に好選手揃いですが、その中でも注目のマッチメイク、と言える一戦。楽しみです。



土曜日の国技館は、こちらで少し触れているとおり、付け加えることは特にないですかね。
何しろこれだけ並んで、全部ライブで見られる安心は、TV中継の時代では得られなかったものです。
大いに楽しみたいです。荒本一成の試合も、出来たらやってもらいたかったですが...それだけが残念ですね。
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圧力かけるが手数は出ない 保田克也、ワンパンチKOで防衛

2024-07-10 12:38:47 | 関東ボクシング


ということで昨日のFODプレミアム、簡単に感想。


メインの保田克也は、WBOアジアパシフィック、ライト級王座を8回KO勝ちで防衛。

プレスコ・カルコシアに、右から入って左フックのパターンで打たれ、ぐらつく場面はあったが、徐々に立て直し、試合を膠着させていく。
双方とも手数が少なく、アクションの乏しい試合。じりじり出て、索敵しながらプレスするのは保田だが、手は出ない。
手を出すのはどちらかと言えばカルコシアの方。なのにこちらが徐々に疲弊し、失速していく。

フジの実況(田淵幸一の息子さんでしたっけ)が7回終盤「この回も見せ場はありませんでした」と、普段なら言わないであろう表現をする。
と、その次の8回、カルコシア疲れ、ボディ攻撃も効いた?ところへ、保田の振りの小さい左ショート(「ジャブ」と表記すべきかも)がカウンターで決まり、カルコシアがダウン。
思った以上のダメージと、その蓄積が見えるカルコシア、何とか立ったが苦しそうに再び崩れ、試合が終わりました。


試合として派手なものではなく、間延びした展開は厳しく評されるだろうなあ、という試合でした。
良い体格、プロポーションを持ちながら、構えて索敵している?時間が長いボクシング。
しかし数少ない攻撃ながら、左のストレート、クロスにはけっこう力感がある。
ただ、慎重な構えのボクサーでありながら、左打つと前にのめり、相手のリターンを防げないので、なかなか打っていけない。
基本、相手の「出待ち」。カウンターなら、バランスは崩さずに済むから。

そして、たまに自分から打つと、すぐクリンチにいく。この辺が見た目にも、内容的にもよろしくない。
この試合では中盤以降、左ボディアッパーが決まっていて、それが予想外に、相手を弱らせていたが、いかにも数が少ない。


アメリカの気忙しい観客なら、早々にブーイングを飛ばすだろうなあ、などと思いつつ試合を見ていましたが、途中からは違うことも考えてしまいました。

確かに傍目には間延びして退屈な試合だが、かと言って、打てる、当たる、反撃も外せるという確信もなく打っていけるものでもないだろう。
だとしたら、勝敗の後にもたらされるものを、全て背負うことになるボクサー本人に対し、何も負うことのない(せいぜいチケット代か、視聴料金程度)いち観客が、それ以上のものを求める権利などあるのだろうか?

保田克也の試合は、ボクシングファンの勝手をふと我に返らせるようなものでもありました。思わず謙虚な心持ちに立ち返れるというのか。
もちろん、部分的には皮肉です。でも、半分くらいは本心です。いやホンマに。ホンマですよ。



セミの石井渡士也は、ライトフライ級で世界挑戦経験あり、その後はスーパーフライでも世界をうかがっていたエドワード・ヘノを4回TKO。
来日は4度目で、過去は沖縄の萩藤盛太に1勝1分け、広島の板垣幸司に1勝。ただ、いずれもライトフライ級の話。
正直、Sバンタムの石井と闘うというイメージが湧かない選手でしたが、場面毎を見れば、反撃の鋭さは見えました。
ただ、やはり石井がパワーでまさり、鋭さでも負けていない。フック、アッパー上下、右ショートを決め続ける。
ヘノ、闘志は見せていましたが、打たれたパンチの数が相当で、4回、レフェリーが止めました。フィニッシュシーンのないストップですが、妥当だったと思います。

見終えて、体格差どうはおいて言うと、やっぱり石井は良い選手だな、という試合でした。
ただ、ヘノの反撃、その鋭さや数は、格下との試合ではないもので、時折ヒットを喫していた点も含め、今後に向けて、良い経験が出来た試合でもあり。
しかし、問題は相手が同一階級で、このレベルの相手だったらどうなるか、というところにありますね。



大橋ジムの再起組三人は、揃ってKO、TKOで勝利。
田中湧也の相手は、一見してこれは...という感じ。左カウンター、一発で倒れて終わり。
石井武志の相手プラチャナは、フライ級ということで、石井より長身、大柄。右アッパーの迎え撃ちもあって、少し骨がある...と思ったが、石井がボディ攻撃を重ねて、3回KO。
森且貴の相手パリニャ・カイカンハもフライ級、大柄。さらに森が元々小柄。
しかし速いジャブで組み立て、攻め込んで行って、6回にボディ攻撃から攻め立ててTKO。

田中の相手はともかく、石井、森の相手は、実力で劣る分、体格で少しまさる相手を当てることで、カードとしてのバランスを取った?感あり。
少なくとも3分保たず、もう無理です~、みたいなのとは、少しだけ違いました。試合にはなっていました。

しかし、そんな褒め方せなならんか、というところに立ち返れば、やっぱり...まあ、揃って再起組ですから、とりあえず今回は勝ってよし、ということにして、次以降は、時に厳しい結果になろうと、外国人と組むなら、フィリピンの選手にしてほしいものです。


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序盤の被弾に懸念はあるが 岩田翔吉、KO勝ちで前哨戦クリア

2024-07-07 12:28:21 | 関東ボクシング



ということで今日はアルゼンチンの小旗を持ってTVの前に陣取る日ですが(←嘘です)、その前に昨日のU-NEXT配信試合、簡単に感想を。


メインの岩田翔吉は、やっぱり大柄でリーチのあるジャージール・トリニダードの間合いに、序盤少し苦しみました。
2回に右ストレート、返しの左フック、さらにアッパーを食ってよろめく場面あり。
その前にも左フックが思いの外遠くから来たのか、距離の測定が出来ていない序盤、ヒットを喫していました。

3回も右アッパーが来て、もつれてスリップしましたが、徐々に左ボディブローで反撃し、次に左アッパーを上へ返す飛び込み打ちで、トリニダードをダウン。
4回になると、トリニダードのジャブに対し、右クロスの合わせが決まる。距離の測定は出来た模様。
ジャブは少し邪魔だが、右ボディストレート、右アッパー、左ボディなどヒットを重ねて行く。

5回、トリニダード奮起して反撃。若手だが無敗だけあって、意地を見せる。
しかし岩田は、攻められても身体ごとぶつけるようなボディブローを打ち込み、好打すれば追撃にボディを打ち、という具合。ボディ攻撃の選択肢が多い。
6回、しっかり踏み込んで右ボディストレート、左アッパー、左フックと追撃して二度目のダウンを奪い、連打で詰めてストップでした。


序盤、大柄な相手のリーチを読み切れない内に打たれたのは仕方ないとしても、一発じゃ無く連打されたことも含めると、世界戦に向けては、序盤の闘いぶりが懸念材料として残りました。
ジョナサン・ゴンサレス戦後、再起4連勝となりましたが、いいのもらって止まる場面は今回だけじゃなく、一度ありましたし。

もし先日紹介したハイロ・ノリエガ相手だと、良いの打たれたあと、簡単にボディ攻撃から反撃をさせてくれるかどうか。
KOが少なく怖さは無い反面、判定勝ちが多い選手というものは、試合のペースを掴んだら、それを簡単に譲らず維持すること長けている、とも言えますので。

しかし岩田の良さ、攻撃の鋭さ、ダイレクトの精度が高いこと、ボディ攻撃のパターンが多彩(攻める場面のみならずリターンやカウンターもある)という面もしっかり見られ、相手が闘志のある選手だったことも含め、前哨戦として悪くない試合、そしてKO勝ちでした。



セミは、あれ、こういう試合順なんや...と思って見ていたら、あっという間に終わり。
金子虎旦が、勝ちは全部KOというマイケル・カサマに、初回早々左フックを顔の真ん中に打たれ、右足が伸びて突っ張る。
追撃を受ける金子、ダメージで足がよれ、反撃の手がひとつも出ないまま、30秒以上攻められ続け、これではストップもやむなし。
致命的なフィニッシュになる前に止めてもらえて幸いだった、という完敗でした。

強打を持ち、アグレッシブに闘うが、防御に不安あり、という印象だった金子が、今回は立ち上がり、慎重に見ていた印象。
ところが、カサマの一発強打によって打ち崩されてしまいました。
相手に闘志があり、力があれば、こういうことも起こり得る、ということでしょう。言えば本当の勝負を見たのだ、という理解で良い。そういう試合でした。



村田昴はこれも無敗というブライアン・ジェームス・ワイルドが、その名の通りワイルドに振ってくる左オーバーハンド、左アッパーに対し、ボディブローから攻略。
4回、ボディでワイルドを失速させておいて、左アッパー顔面にヒット。え、これで倒れんか、と思う一発でしたが、さすがに効いていたようで、村田が速いパンチで追い上げると、コーナーで崩れてダウン。
キャンバスを叩いて悔しがり、立ってきたワイルド、5回攻められながらもロングのパンチを振って抵抗する。
しかし6回、速いパンチを上、ボディに強打という棲み分けで村田に攻められ、レフェリーストップとなりました。
日比の無敗若手対決でしたが、攻防のバランスを考えて闘う村田に、身体がのめるのも気にせず強振するワイルドと、両国のスタイルがわかりやすく見られた一戦でもありました。


高見享介とウラン・トロハツの110ポンド契約8回戦、というのは、どちらに幸いする「設定」なのだろう、と思っていましたが、トロハツが特にきつそうということもなく、体格を利して、時に高見を脅かす単発の反撃がありました。
高見はスピードと手数でクリアにリードして勝ちましたが、相手が元々一階級上で、その頑健さを打ち崩すには至らず。しかし弱い相手に快勝するより、余程意味のある試合でした。



アンダーの4回戦、鈴木丈太朗vs佐藤篤希の凄いKOも含め、全体的に見どころのある試合が並んで、充実の興行だったように思います。
強い弱いじゃなく「心配」な選手が出て、それが「びったん」「へちゃっ」と倒れるような試合がひとつもなかった。
単に国籍で分けられるものでもないでしょうが、やはりフィリピン人ボクサー、それも一定の力がある選手を連れてくれば、普通に勝ち負けの話になる、ちゃんとした試合が見られる。
その結果、時に今回の金子虎旦のように黒星を喫することもあるが、言えばそれが当然、当たり前です。ボクシングなんですから。


今後も、タイトルマッチとかじゃなくても、こういうカード編成を地味に続けて行けば、その中を勝ち上がった選手が、真のスター候補として支持されることでしょう。
そして、帝拳ジムという大手に属する好選手には「だからこそ」そのような路線を進むことで、そのプライドを示す場が与えられてほしい、と思います。


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岩田の世界はスペイン人相手? 技巧派ファイター、ハイロ・ノリエガ(ハイライト追加)

2024-07-05 10:16:53 | 関東ボクシング



明日、U-NEXTではダイナミックグローブのライブ配信があります。
メインカードは、前回レネ・マーク・クアルトをボディブローで4度倒し、世界再挑戦へ前進した岩田翔吉が、フィリピンのジャジール・トリニダードと対戦。
11勝6KO無敗、スーパーフライでも試合をしたことがあるというので、大柄な相手なんでしょうか。
あと、村田昴、高見享介も出ます。高見は堀川謙一戦に続き、名のあるベテラン相手との試合になりますね。


各団体で世界ランク上位につけている岩田、寺地拳四朗とジョナサン・ゴンサレスが相次いで王座を返上した今、どのタイトルの空位決定戦に出るのか。
明日勝てば、次はほぼ間違いなく世界戦になるでしょう。
以前、海外の情報というか噂というか、WBOミニマム級王者オスカル・コラーゾが転級して、岩田とWBOライトフライ級王座を争う可能性も?というX投稿がありました。
しかし少し経ってから、こういう名前も上がってきています。



ハイロ・ノリエガ。スペインはバレンシア在住の31歳。右ファイター。14戦14勝3KO無敗。
WBOラティーノ王者。ライトフライ級でWBO2位、WBA4位、WBC6位。IBFはノーランク。
レコードを見ると、知ってる名前は日本で花田歩夢に敗れ、宮崎亮に勝ったアサエル・ビリャルくらい。

どういう選手が全然知らなかったんですが、動画探したら、ビリャル戦がありましたんで、貼ります。
今年の3月8日、両者にとっては中立地、ではあるが、実際はパナマ人、ビリャルの準ホームか、二ガラグアのマナグアで。
WBOラティーノ王座決定戦、12回戦です。





色白で小柄な方がノリエガ。オレンジ(バレンシア・カラー、でしょうか?)のトランクス。
長身の白トランクスがビリャル。

初回から激しいコンビネーションの応酬が見られるが、2回からはノリエガが動いて外す意識を持ち始める。
長身から繰り出す決め打ち連打のビリャルと、まともにやり合うのは得策では無い、という判断か。

3回以降はガード締めて、ブロックして小さいカウンターを返したり、そうかと思うと両手下げてアピールし、誘ったり。
ビリャルのパワーに圧され気味で、カウンター当てても身体が前に乗っていない。逃げ腰。当てるだけであまり効かない。

ビリャルは器用さには欠け、相手に動かれるとパンチのヒット率が下がる。
強打と前進のビリャルを、軽打ながら当てて外す効率の良さで、ノリエガが上回ったという内容。
判定は9対3が二者、8対4が一者の3-0、ノリエガ。

しかし、試合としては前半はまずまずでしたが、後半は内容が薄れていき、共に展開を変えられないこともあって、見ていて退屈するのみ。
12回戦でやるには、両者共に不足を感じた一戦でした。


ハイロ・ノリエガ、一見すると小柄ながら馬力のありそうな身体付き。しかし体力はともかく、パンチ力には欠ける。
しかしその分?防御はガード締めると良い構え。ブロック、即右ショートクロスカウンターが良い。振りの小さいパンチ。
あと、上体を動かす意識もあり、フェイント入れて飛び込み打ちもある。
左リードはフック、アッパー含めて巧い。もっとジャブが出てもいいが、リーチには恵まれていない。

しかしビリャル戦のみで判断すれば、当てる巧さはあるがパワーには欠ける。
カウンターも手打ちか逃げ腰か、という感じで、見映えは良くない。当たり所ひとつで効くことはあるかもですが。
パンチの効果で強い相手を抑える力はない。その分、攻防共に巧さがあり、それをアピールしつつラウンドを重ねる感じ。

ある意味、31歳という年齢で14戦、プロキャリア6年だが、ここ3年は年イチペースというキャリアから、こちらが勝手にイメージする、その通りの選手、という感じです。


さて、もし岩田翔吉と対すれば、ですが...総じて怖さはさほどなく(序盤は体力があるので「勝負」をしてくる可能性もありますが)、技巧と言ってもジョナサン・ゴンサレスと比べるとまだ御しやすい、と見えます。
岩田のボディブローに対する警戒は当然してくるでしょうが、具体的にそれを防ぎきる防御の手段を持っているかというと、どうでしょう。
振りの小さい右カウンターでお迎え、となるのでしょうが、それで足りるかどうか。


岩田翔吉と9月にも日本で対戦、と上のX投稿にはありますが、スケジュール的にもう少し先かもしれません。
まあ、何しろ明日勝たないと始まりませんので、まずは注目ですね。良い内容で勝てば、すんなり決まることでしょう。



※忙しい人のために、試合動画ハイライトもご紹介。ちょっと印象変わりますね(笑)。





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