さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

大場の次/逸材は名古屋にも/内輪ノリ/書き手の匙加減が変わってきた/二週連続!(^^)!

2014-02-23 05:51:59 | 話題あれこれ


大場浩平がIBFイリミネーションバウトに出る、という話です。

日本タイトル防衛戦のTV放送とかで、IBF挑戦交渉という話は出ていましたが、
直に王座挑戦、或いは挑戦者決定戦出場、いずれにせよ英国勢との対戦かと思っていたら
意外なところと当たるんですね。

ランディ・カバジェロ、20勝12KO無敗、23歳。
元はWBO1位で、そちらに行くのかと思ったら違いました。
その辺の事情は少し前に話題になっていましたが、IBFに転じて大場と、とは。
randy caballero で検索すると動画があれこれ出ますが、とりあえず最新試合、昨年11月。



この試合は相手がサウスポーということもあってか、頻繁にスイッチします。
ずっこいやっちゃな、と思わんでもないですが(笑)
試合ぶりは派手さはないですが、要所でパワーをためて打つパンチは重い印象。
ボディ打ちが決め手になる試合もあります。
以前、スーパーバンタムでWBCユース王者だったことがあり、身体は大きい方かも。
ぱっと見て、ずば抜けて強い強豪とは見えないですね。若さと体力で粗を隠している感じもあります。

ただ、地元カリフォルニアでは結構人気者みたいで、場内には黄色い声援も飛び交ってます。
試合はおそらく敵地になりそうですが、相当クリアに勝たないと、という不安を感じますね。
最近、攻撃的なボクシングで、日本ランカーを連続してKOしている大場ですが、
このレベル相手に攻めて勝とうとするなら、より厳しい攻撃、好機での追撃をして、
その上で防御にも留意した、間違いの無い闘いが求められるでしょう。

とはいえ、彼が二度闘ったツニャカオやロリーと比べれば、せいぜい同等かやや落ちるか、
というくらいの選手でしょう。ここは何とか勝って、念願の世界戦に進んでもらいたいですね。

※4月4日、神戸中央体育館で決まったようですね。これは朗報です(^^)

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名古屋のスーパールーキー田中恒成、大阪に来てたんですね。
六島ジムでスパーリングを重ねたのだとか。

二戦目もWBA15位が相手、今度は8回戦。
最短記録に意欲、とのことですが...選手は闘志でものを言いますし、
いつでも世界戦持ってこんかい、くらいに思っていること自体は、頼もしいことではあります。
しかし、こういう、疑いの無い素質の持ち主である選手には、そういうことよりも
もっと、本当に意味のある、大きな夢のある話が聞きたいものです。

そういうファンの思うこととのギャップを、陣営の方々には、是非とも上手く埋めてもらいたいですね。
実際はそういう風にはならんことの方が多いんですが...。

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その田中恒成の出稽古先、六島ジム選手のリングネームのお話

このジムの選手、新人王にもえらい名前の選手がいますが、本当に、ほどほどにした方がと思います。
ボクシングの公式試合を見せる興行に、なんというか、内輪の宴会のノリを持ち込んでますけど、
私は正直言って、こういう感性には、ようついていきません。あれこれ言う気にもなれません。

まあ、数あるジムの中に、こういうところがあったとて仕方なく、価値観は人それぞれなのかもしれませんが、
不思議なのは、こういうリングネームの申請を、コミッションが次から次へと受理していること、ですね。
一言「ふざけなさんな」と言える人が、コミッションには存在しないんでしょうか。
事の是非以前に、それが不思議でしょうがないです。

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お仲間による言い訳がひとつふたつ

事実関係がどうかなんて、この目で見たり聞いたりしたでなし、
実際どうなのかなんてさっぱり分かりませんが、話の取り上げられ方、書かれ方には、
やはり以前とは違った印象があります。

> 「今回(の会見)は個人的な意見」としながらも、まるで亀田側の代弁者。ただ「大毅は試合後まで(負けても防衛を)知らなかった」と、亀田陣営の認識と矛盾するなど、援護はパンチ力を欠いた。

こういう方向の書き方って、以前は全くなかったものですね。
以前の試合で、あのおやっさんが、相手の選手やセコンドに対し、本場モンの巻き舌全開で
絡んでいった様子を「熱血史郎氏!」と書いた新聞もあったくらいですから(笑)

悪く言えば、マスコミなんて所詮、良いときに持ち上げて儲け、
悪く回れば落として儲け、最終的に二度儲けるのが商売ですから、
このご一家にも、二度目の儲けの種にされる時がやってきたのかも知れませんね。
別に、快哉を叫ぶつもりもないですが、ツケは必ず回るものやね、というところでしょうか。

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さて、最後に嬉しくて楽しい話題。
来月2日と9日は、WOWOWオンデマンドにて二週連続生中継です!(^^)!

2日は、クリアカンの撃墜王、チャベスさんのドラ息子こと、ジュニアさんの登場。
契約体重が試合日までに40回変わったという(←ウソです)前回の試合を受けて、
ブライアン・ベラとの再戦であります。

正直、たいそうに再戦するような試合か、と思わなくもないですが、まあ野次馬的に見るとして、
やはり要注目はセミファイナル、オルランド・サリドvsワシル・ロマチェンコですね。

いくらなんでも、そんな無茶な、というのが、改めて思うことです。
最短記録狙いは国内外ともに、あまり好きではないですが、それにしたってこれは。
まして、タイプ的に、一番選んではいけないチャンピオンやないの、と思うんですが。

ただ、実際の試合では、アマチュアではライト級のロマチェンコが、巧さ速さだけでなく、
体格でも優位かも知れませんし、それで序盤からリードして突き放し、或いは逃げ切りという
展開になりそうな気はします。ただ、それでも粘るサリドが、持ち味を出し始めたら...と、
そこから先は、見てのお楽しみ、というところですね(^^)

果たして史上最高の天才王者か、歴史的無謀か、私たちはこの日、どっちを見ることになるのでしょう。


9日はカネロ再起戦、相手は首輪のかわいいリングの猛犬アルフレド・アングロ。
で、前座にホルヘ・リナレスvs荒川仁人ですね。

この試合は後楽園ホールで見たかった、という心の狭い了見はこっちに置いといてですね(/^^)/
生中継で見られるんですからねー。有り難いことです。

荒川の不利は否めないでしょうが、前の試合同様、諦めずに食らいつき、
なおかつ前の試合では上手く回らなかった展開を、いかに自分のものにするかの工夫を
荒川には求めたいと思います。
そしてホルヘ・リナレスにも、勝負の年となる今年の初戦において、
その才能を十全に発揮して、闘い抜いてもらいたいですね。

ということで昨夜のマカオ興行を皮切りに、我々ボクシングファンにとっては
相次いで会場やTVやオンデマンドで、大きな試合を楽しめる時期がやってきた感があります。
怠惰な私にも、ブログ更新をするきっかけがあれこれあって、大変ですが有り難い限りです。
大いに楽しんで参りましょう(^^)



※ちなみにWOWOWオンラインによりますと、オンデマンド配信開始の時間は
共に午前11時予定ですが、試合進行により配信開始が早まる可能性があるとのこと。
ことに9日の方、リナレスvs荒川戦は、あちらのPPVの枠に入らないらしく、
早い時間から始まるのだそうで、要注意です。
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改善と集中が見えた三戦目 村田諒太、マカオでKO勝ち

2014-02-22 22:25:20 | 海外ボクシング


試合が始まってすぐに、お、今日は動いて立ったな、というのが見えました。
過去二戦ではほとんどなかった左右へのステップがあり、ジャブが目に見えて増え、
身体の移動を伴った、膂力のあるワンツーも数回。

ここ数年の、強引なプレッシングが中心のスタイルとは全然違いました。
高校時代の村田って、こんな感じやなかったかなという印象でもありましたね。
普通のボクシングに寄せている、というか。


カルロス・ナシメントは、ちょっと身体が緩く見えましたが、
それでも村田が単調に、強引に考えなく押し込んで、そのまま押し切れるような感じでもなく、
序盤に見せたショートの打ち合いでは、なかなか良い狙いも見えました。
しかし村田のブロックで、アウトサイドのパンチはほぼ防がれていて、
インサイドにはカウンターが来るのであまり打てないという展開の中、
右クロスやボディ打ちを食い出して劣勢、3回に右アッパーから連打でダウン、
4回にストップという流れに抗う力は見せられませんでした。


もし、村田が二戦目のような隙を見せていたら、あれこれ巧さを見せて
村田を苦しめるだけのものがあったように思いますが、村田はそういう余地を与えずに
密度の濃いボクシングでナシメントを撥ね付けた、そういう印象でした。
全体的には好印象ですし、前回とは全然違った。集中し、引き締めてきたなー、という感じでした。


3回、事実上試合を決めた右アッパーは見事でした。タイミングも角度も、
相手の読みを外した組み立ても、そして高いガードからあのパンチがスムースに出たことも。
あと、右ストレートも、上下に散らす狙いがあって、ぎこちない感じもありましたが、良。

気になるのは左フックでしょうか。右からの返しのバランス復元がうまく出来てない。
左の膝が少し硬いか、身体を左側へ出さず(出せず?)に、軸を正面に置いたまま、
相手の右回りを追うので、どうしても力がかからない感じです。
ダウンを奪ったときのように、相手を打ち込んで崩して、正面か右側へ打つときは良いのですが...。


しかし全体としては、改めて好印象でした。ジャブを出そうという心がけがあれば、
それだけであれだけ次の攻め手があるし、パワーも生きる。
三戦目でこのキャリアの相手を圧倒し、4回にストップ出来る力量は、やはり流石金メダリストです。
中国の観客は「何だ、ゾウ・シミンよりずっと凄いじゃないか」と驚いたんじゃないでしょうか。

何にせよ、次の試合がまた楽しみになりました。
試合ごとに良かったり悪かったりは、これからも色々あるでしょうが、
一つの試合で課題が見えた後、目に見えて違いを感じさせる試合を出来ることは、
村田諒太の優れた素質の証明ではないか、と思えました。良い三戦目でした。


さて、四戦目は未定でしょうが、シンガポール登場という話が、試合後のインタビューで出ていましたね。
5月7日にマカオで決まったというドネアvsベチェカ戦興行にも、ひょっとしたら?ですね。
もっともこの試合は米国のプライムタイムに合わせるでしょうから、フジが日曜昼間に放送枠を
取るのかどうか、ちょっとわかりませんけれど。

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この後のカードでは、下田昭文がメルビン・ソンソナに3回KO負けを喫したとのことです。
これは残念無念。
比国の天才少年ボクサーと言われたソンソナ、挫折を経ても、その強さは失われていなかったのでしょう。
どんな様子だったのか、かなうなら試合映像を見たいものです。


フジテレビの放送については、香川さんがほとんどマネージャー状態だったのが笑えました(^^)
まあ、ボクシングを対世間に認知してもらうための、広報のような仕事をしておられるわけで、
それは大変有り難いと思いますが、もう少しだけ冷静にやっていただけるといいなぁ、と...。

試合後の別室インタビューは、ああいうことをフジテレビ的感性でやると、
とんでもなく寒いことになるんやないか(汗)と心配して見ていましたが、まあ破綻無く、無事でした。
冬季五輪も真っ青、スベり倒し全開やないかな、というのは杞憂だったようです。



と、試合後に流れているファイティング原田評伝ドラマを、飛び飛びで眺めながら書いていますが、
笹崎会長を演じる鶴さん、過去に原田を演じ、たこ八郎こと斉藤清作を演じ、今回は会長。
笹崎ジム完全制覇ですね。これであと、海津文雄でも演じれば隙無しですが(^^)


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明後日はマカオ/王座ではなく1位の座に挑む/理屈が見えない/次はこの人?/会見の模様

2014-02-20 15:55:40 | 話題あれこれ


なんやかやと言うている間に、明後日はマカオです。
(明日ではなく明後日でした。何故か金曜日だと思い込んでいました。失礼しました)

村田については、明後日のその先について、あれこれ話題が。
しかしボクシングの試合前報道って、たぶん日本だけなんでしょうが、
目の前の試合そっちのけの話がやたら多いように思いますね。
ナシメントがどういう選手で、今どういう様子で、試合はどうなりそう、という話を
しっかり書ける記者はどこにもおらんのでしょうかね。おらんのでしょうけどね。

相手がエエお歳なのは事実でしょうが、経験の差はかなりのものがあり、
相手に巧さを見せる余地を与えてしまうと大変そうやな、と漠然と思っていますが、
さてどうなりますか。
結果と共に、村田諒太にとって、闘う意義があったと感じられる試合であれば幸いです。

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江藤光喜を最終回に倒したWBAフライ級暫定王者ヨードモンコンに、
宮田ジムの前日本王者、粉川拓也が挑戦とのことです。

直近の試合で村中優に敗れて王座を失っているのにも関わらず、
「世界」とつくタイトル挑戦とは...というのは、まあ誰しもが思うところですが、
どうせ先方からのお声掛かりでしょうし、村中戦も別に惨敗というわけではなかったようですし、
WBA1位相手に捲土重来を、という話として見れば、私はまあまあ、納得出来る範囲かな、と。
もちろん、選手が納得して選んだ試合であれば、ですが。

さすがに敵地タイで勝つのは難しいでしょうけど、江藤が勝った例もあり、
だんだん、その辺の壁を乗り越える選手が増えていって欲しいと思います。
別にカオサイに挑むわけじゃないんですから、前日本王者の実力を見せて、勝ってきて欲しいですね。

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やれスパーで査定や、でもタイトルマッチは却下や、ほなら賞金マッチや、と
あれこれややこしい話になっていた藤本京太郎vs石田順裕戦は、ラウンド数未定のままで発表
で、JBCは、6回戦での試合を推奨、とのことです。

体格差がどうのこうので、タイトルマッチは駄目、ということですが、
ほなら6回戦で、という話も、どうにも理屈が見えないですね。
短いラウンドにしたところで、体格差の懸念が消えるわけでなし、ようわからんです。

しかし「最後のつもり」なんて、残念なコメントですね。
あの石田順裕のキャリアの締め括りが、こういう試合でいいの?と思います。
藤本には失礼な感想になってしまいますが。

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少し前に、一部報道で名前が挙がっていた、井岡一翔の次期挑戦者候補。
記事によるとフライ級挑戦、或いは(天下晴れて)「他団体」王者との統一戦を模索しつつ、
それがかなわなかった場合は...という書き方ですが、
Youtubeで探したら、ひとつだけ動画が見つかりました。

ランディ・ペタルコリン。フィリピン。WBA2位、20勝(15KO)無敗1分。




ボクシングビート先月号に、世界のトップホープ15人が紹介されていましたが、
その一人目がこの選手でした。小型パッキャオと呼ばれる小さな強打者、とのことでした。

サウスポーの強打者、という点で、確かに共通点があります。
左がよく伸び、強い。右リードは割と出ていて、バランスもなかなか良い。
しかし若干、左に頼り気味になり、身体が前に出る時間帯もあり。
ここを井岡が巧く叩きそうな気がしますが、左の強打は怖いですね。
もしこの選手で決まったら、好試合になりそうです。

もしこの相手と次に闘うのなら、ロマゴン転級が正式に決まった今、
WBAランカーに4連勝した井岡を、世界1位と見なした上で、
2位の強打者を相手に闘う「空位の王座決定戦」として位置づけることが出来るかも知れませんね。

まあ、そういう寛大な?気持ちになれるかどうかは、相手の実力と試合内容に左右されるのでしょうが。

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先週末放送の、長谷川穂積世界戦決定の会見とインタビュー。
短いですが紹介しておきます。




「必ず勝つ」ということを敢えて?言わない長谷川の、
この試合に賭ける、それ以上の思いが伝わってくるような気がします。
これはまあ、受け取り方も色々あるのでしょうが。


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不安より期待が勝る6戦目 井上尚弥、アドリアン・エルナンデスに挑戦

2014-02-19 11:53:54 | 井上尚弥


普通なら、たった6戦目でアドリアン・エルナンデスに挑戦なんて、と書くところです。
このマッチメイクが成立した理由として、王者サイドが井上の戦績を見て、その力を軽視したから、
という側面があると思います。日程的にも詰まっていて、それでも来日するわけですし。

私は、こういう少ない試合数での世界挑戦には、基本的には反対の立場を取ってきました。
まあ、昔と比べて王者の技量が低い例が多いですから、相手によっては、という気もしますが、
長い目で見て、仮に王座奪取に成功しても、その後が大変という例は、いくらでもありますし。


しかし井上尚弥については、そういう過去の例とは違っています。
昨年12月に両国で初めて直に試合ぶりを見て、あまりに圧倒的な速さ、鋭さ、強さに驚かされました。

これは、ローマン・ゴンサレスやドニー・ニエテスにはまだ及ばないものの、将来的には攻略もありうる。
アドリアン・エルナンデスや井岡一翔なら、今挑戦しても勝てるかもしれない、と思うほどでした。

常に相手の身体の芯を鋭く狙うパンチの軌道、ことに防御の隙を叩き、一撃で試合の流れを
我が物に出来る左フックは、世界王者相手にも充分通じるレベルだと感じましたし、それ以外にも穴が見えない。
好機を得ても急きも慌てもせず、バランスが良く、安定していて、その上で、突出した攻撃を重ねていく。
見ていてとにかく驚かされてばかり。これで5戦目、いったいどうなっとるの、という感じでした。

過去にこういう早期挑戦をした例の中でもかなり若く、しかしアマチュアで約80戦のキャリアがある。
しかも高校レベルだけでなく全日本選手権を制し、国際大会にも多数出場。
五輪予選でもあと一勝で出場権を獲れるところまで行ったという裏付けがあるからでしょうか、
例えば辰吉丈一郎と比べても、才能の突出度はさておき、全体的な完成度は高く見えました。

とにかく、理屈がどうであれ、やはりあの試合ぶりには、驚愕させられました。
過去に何度も書いたとおり、U-15大会に代表される、全国的なキッズボクシングの普及と、
その育成年代のピラミッドの裾野は、思った以上に広がりを見せている。
その中から勝ち上がってきた、新時代の旗頭たる者の技量とは、かくも圧倒的なものなのか、と。


今回の試合、普通なら、過去に打たれた試合がほとんどなく、耐久力など未知数な部分が...とかなんとか、
不安な気持ちが先に立って不思議の無いカードのはずです。

まして、最近不調気味とはいえ、アドリアン・エルナンデスの強打と体力、勝負強さは
まだ若く、プロキャリア5戦の選手にとっては、当然ながら脅威です。
井上の側にも、攻撃のきっかけになる手が、実は左フックの好打のみに限定されているとか、
上記した耐久力や体力、体格面での不安など、マイナス要素があることも事実です。


しかし、井上尚弥ならば、という気持ちが、私の心中では勝っています。
彼の勝利が、彼自身の天才の証明のみならず、日本のボクシング界が取り組んだ
育成年代への指導策が結実したことによる、エポックメイキングな戴冠劇となり、
新たな時代が始まることを、予感では無く実感させてくれるものになるのでは、と。

正直言って、過去にこの手の試合について、これほど前向きな気持ちになったことはありません。
もちろん、選手の才能に惹かれたファンの甘い期待に過ぎない、という結果になるかもしれませんが、
それでも、そういう予防線を張らずに、今、正直な自分の期待を書いておきます。


ということで前記事でも書いたとおり、TVで普通に見られる試合ではありますが、
この日は、敢えて会場に足を運び、この目でこの一戦を見届けることにしました。
井上尚弥の勝利と、その先に見える、新時代の豊穣な光景を期待します。楽しみです(^^)

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「世界王者」を名乗るなら、こうでないと嘘だ 八重樫東、ロマゴン挑戦を受諾

2014-02-15 19:13:50 | 関東ボクシング


4月6日、太田区総合体育館にて八重樫東と井上尚弥の世界戦開催、発表されました。

井上がアドリアン・エルナンデスに挑戦する話は、早くから噂になっていましたが、
八重樫の相手は誰になるのかな、と興味を持っていました。
海外の報道だと、ローマン・ゴンサレスが春に来日し、世界タイトルに挑む、とあり、
もちろん八重樫もその候補になるのだろうけど、私はどうせそうはならず
ファン・カルロス・レベコにでも挑むのだろう、と勝手に思っていました。

しかし、今回は8位との試合になるものの、次戦の指名試合において、
ロマゴンの挑戦を受けると、八重樫本人が名言したとのこと。

エドガル・ソーサを撃退し、保持する王座の価値をアップさせた一戦に続き、
今年はこの一戦に、ボクサーとしての命運を賭けることになります。
世界王者なら、年に二度か三度、防衛戦を行ううち、最低一回はこういう試合がないと嘘です。

世界の王座に就いたが最後、その経済的恩恵を維持するために、リング外での工作に奔走し、
強敵との対戦を避け続けるような事例を、ちらほら目にする昨今ですが、
八重樫東は、そういう時流に、はっきりと背を向け、我々ボクシングファンの目線を
正面から受け止めることとなりました。

もちろんこうなった実情が、我々が勝手に思い描くような、美しい話ばかりだとも思いません。
ローマン・ゴンサレスがWBCから指名挑戦者として認定された以上、
受けないわけにいかない、というだけの話なのかもしれません。

しかし最近は、それだけの話でしかないものを、無理にねじ曲げてまで、
自身の地位を護ることに血道を上げ、それを指摘することすらメディアに許さず、
「王者」を名乗って世界戦に出て「防衛」を重ねるような手合いも現実にいます。

そうした手合いと比べると、八重樫の王者としての価値は、千金の輝きを放つものだと言えます。
もっとも、比べること自体、今となっては失礼なのかも知れませんが。

八重樫東が本当にローマン・ゴンサレスと闘う運びになり、その内容結果がどうであったとしても、
最低限、上記したような、世界王者として然るべき道を征き、闘うべき試合を闘った
まっとうな王者であったことは、揺るぎない事実として残ることでしょう。
そして、そのような王者を見られることは、ボクシングファンとして誇らしい記憶として残ります。
とりあえずは今回の試合を、無事に突破してくれることが前提ですが。


しかし、昨年のエドガル・ソーサ戦を見ると、仮にロマゴンと対戦したとしても、
充分勝機があるようにも思います。
フライ級に上げて体力がつき、長い試合でも集中が切れず、波が少なくなっていますし、
スピードは落ちておらず、速い連打もより正確になっています。

元々、ジムが最短記録狙いに走ったような「天才型」の選手でしたが、
強烈な挫折だったイーグル戦を乗り越え、井岡戦の惜敗をも糧にし、
試練のソーサ戦をクリアしたことで、身体的に多少、疲弊があるとしても、
総合的に見て、充実期にあると見ていいでしょう。

対するロマゴンは、ライトフライのリミットを超えた体重での試合をいくつか見る限り、
強打者としての凄みは増している反面、以前あった繊細な位置取りや、緻密さ、機動力には
やや陰りが見える気がします。あくまで「やや」ですが...。

もし八重樫が4月の試合に快勝して、好調のままロマゴン戦に挑めれば、
八重樫は充分やれる、勝機もある、と思います。
何よりも、このような試合に臨む気概を示した八重樫だからこそ、
勝てると信じたいし、勝って欲しいという気持ちです。


井上尚弥の世界戦についてはまた後日。
思った以上に長くなってしまいましたので。



ちなみにこの興行、前座もあれこれ豪華なんですよね。
会場の規模が小さいこともあり、チケットは争奪戦になるかもしれないと思い、
大慌てでチケットを確保しました。当日は会場にこっそりお邪魔します。楽しみです(^^)


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長谷川&山中 大阪城ホールにてダブル世界戦決定

2014-02-11 22:31:12 | 長谷川穂積

正式発表、です。

長谷川については以前に少し書きましたんで、付け加えることはあまりないですが、
山中とのダブル世界戦とは、なかなかありがたいことですね。

山中にしても、関西では初の世界戦、故郷の滋賀からも観戦に来られる方が多くいるでしょうから、
ここは気合いの入るところでしょう。
転級してのレオ・サンタクルス挑戦を目指すには、悪いですが欧州戦線で3、4番手の挑戦者、
ステファン・ジャモエに苦戦している場合じゃないはずです。
必ずKOして欲しいとは思いませんが、判定であれ流石と思わせる内容は見たいところですね。


大場浩平の世界戦が一緒だったらもっと嬉しかったんですが、こちらはなかなか決まらないのか。
何なら山中への挑戦でも面白かったんですけどね。
日本タイトル戦線で、大場の王座返上後、急浮上した山中、という時期のズレもあり、
対戦が実現しなかった両者が、ここで世界を賭けて対戦、というのは面白いとも思うんですが、
結局のところ、偉い人が全然そうは思っていない、のでしょう。残念です。

何とか他の団体の王座に、挑戦する機会があるといいのですが。
そうでなければ岩佐亮佑との対戦なども、実現してもらいたいですね。


それにしても大阪城ホールでの世界戦、久しぶりですね。
私は徳山昌守vsジェリー・ペニャロサの第二戦を見に行ってますが、あれ以来ですかね。
あれは今思えば何とも通好みな試合展開ではありました。

あの日は星野敬太郎がノエル・アランブレットに僅差で負けた試合もありました。
あの大会場、二階席から、初めて直に見た星野は、遠目にも色々な駆け引きや仕掛けが見え、
その巧さがよく分かる、とても見所の多い、見ていて飽きないボクサーでした。
負けたのは残念だったけど、良いボクサーを見たなぁ、という満足感は確かにありましたね。


さて、あの会場で長谷川と山中をいっぺんに見られる、ちょっと会場が広く(広すぎ?)て、
二階席だと見づらいかも知れませんが、まあ仕方ありませんね。
府立では収まりきらない観衆が詰めかける、という事態になってくれれば、
それはやはり、何よりの喜びです。
そしてそのリング上で、日本初の三階級制覇(←漢字表記)が実現されれば、言うことなし、です。
当日はかならず会場で観戦し、長谷川に精一杯の声援を送りたいと思います。


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処分の先に何が見えるか、それが肝心 JBCはボクシングを護れるのか

2014-02-08 05:46:34 | その他
ようやく処分が正式発表。
詳細はここに出ています。


けっこう、真剣に、周到に用意した上で「斬った」のやな、というのが第一印象です。
永久追放されたはずなのに、事実上野放しだった、血液沸騰親父の存在について咎めており、
選手の移籍や、興行の名義貸しについても、逃げ道を塞ぐための論理構成が、一応、用意されている。
ここに穴が空いたら、どう処分しようが意味が無いと思っていたので、少々驚きでした。

あと、実際にどうなるかは不明ですが、TBSが放送から撤退することを検討している、との記述も。
名義貸しとTV放送、このふたつの逃げ道が切れたら、いよいよ詰み、と見ていましたが、
まあそんなことにはならんだろう、と思っていました。もしこうなるなら、大変けっこうなことです。

そもそも、あれこれあった過去の処分の中に、今後問題を起こしたら追放する、というような
条件付きの存続容認も、あったように記憶しています。
それを考え合わせれば、今更裁判をやったところで、JBCが一方的に負けることもないでしょう。


それにしても、今更ながらため息が出ます。
この10年ばかり、ボクシングの社会的信用がこの一家のためにどれほど傷つけられ、失墜してきたことか。

TV局のバックアップによる知名度、圧倒的なTV視聴率を持ち、
しかしボクサーとしては、普通に段階を踏んでキャリアを重ねていれば、
おそらく日本タイトル到達までに淘汰される程度の才能しか持たない者を、
世界チャンピオンにしてやるために、ボクシング業界はありとあらゆる無理を重ねました。

過去に一生懸命批判していた頃、さんざん書いたことですが、これはあの一家のみを責めて済む話ではありません。
業界最有力者を筆頭に、首脳数名が先導し、助力し、それにJBCも追随したのです。

時に反則連発の試合を黙認し、世界ランキングをねつ造し、あり得ないはずの世界戦を成立させる。
そしてその試合自体にもまた、不可解という言葉を飛び越えた「結果ありき」の判定が下されました。

長谷川穂積が戴冠する前、世界といえば徳山昌守以外に、安定して勝利を重ねる王者がいなかった頃、
業界全体は経済面で苦境にありました。その苦境を打開するために、亀田の人気と知名度を利用しよう、
という意図の元、様々な無理が重ねられたわけです。

その際、ボクサー亀田の内実が問われることはありませんでした。
当時、日本と東洋のダブルタイトルを保持していた内藤大助との対戦を経て、
もし勝利したら、業界全体でバックアップをする、ということであれば、
それは誰もが納得の、真のスター候補への、あってしかるべき支援だったでしょう。

しかし現実は、ボクシングの持つ勝負としての厳しさ、宿命を冒涜する「保護政策」が採られました。
この舵取りの誤りが、後にどれほど日本のボクシングを害したか。誠に愚かしい、としか言いようがありません。
私はこの舵取りを容認した幾人かの業界首脳に対し、今もってなお、言葉にしない方が良いような悪感情を持っています。
何なら、損害賠償を請求したいくらいです。無理でしょうけど。


そして、JBCについて。

この組織の行動原理というのか、内在論理というのか、それはボクシングの社会的信用を護るためでなく、
業界の、その時々のご都合に追随し、それを支える理屈をひねり出し、体裁を整えるためにある。
私は長らくずっとそう見てきました。それを部分的に覆しかけた人物は、数年前、ある意図を持って放逐され、
その後任に森田健が座ったことで、元の木阿弥となったのも、記憶に新しいところです。

そもそもこの組織は、本来なら管理対象である、業界の手によって、白井義男世界挑戦の際に作られたものであり、
生まれた事情からして、業界の都合をかなえるため、だったのです。
いわば宿命的に、業界の側に追随する組織であったと言えます。

だから、業界首脳がその存在を支持し、容認している間は、あの一家を切ることはならなかった。
その上、宿命的に業界追随の組織であるので、当然ながら有能な管理組織として成り立たず、
業界首脳との離反の後も、あの一家の様々な無法を取り締まることも出来なかった。


昨年末の大阪での混乱劇も、もちろん、いい加減にしろよと思いはしましたが、
結局はJBCが頬被りして何も無しだろう、とも思いました。
ですので、今回の処分への流れは、改めて驚きではありました。

JBCの内部がどうかなど、知る由もないですが、ボクシングの社会的信用を護れない現状に甘んじる勢力と、
現状を打破しようとする勢力が存在して、後者が前者を押し切った、のかも知れません。
もしそういうようなことであれば、大変喜ばしいことではあります。

しかし、そのような意志などそもそも存在せず、結局は、件の「負けても王座保持」の規定を巡って、
亀田側が「誤解が生じた」原因を、JBCやマスコミの不勉強にある、と、半ば喧嘩を売る形で批判したことに対して、
JBCが懲罰を与えんと重い腰を上げただけ、なのかも知れません。


今回の処分を受けて、これからも、あれやこれやといろんな話が飛び交うことでしょう。
ただ、これでもってJBCという組織を、全面的に信用出来るかというと、全く違います。

今回の処分自体に関してはまず、良かったと思います。
その反面、その処分が、単に自分たちの体裁を護るためだったのか、
それとも「ボクシング」の権威を護るためのものだったのか、そこが厳しく問われるでしょう。

その答えは、JBCの今後、あのような特殊な一家に対してではなく、
普通の試合、普通の業者に対する姿勢から、自ずと見えてくるでしょう。



とまあ、色々あれこれとやかくつべこべと書きまくっておいてナニですが、
本来、コミッションがどう、業界がどう、なんていう話は、ボクシングを見る上では、余計なものでしかありません。
このような存在を意識せずに、試合そのものを単に楽しめれば、それでいいのです。

コミッションには、ただひたすらに、厳しく公正な運営で、ボクシングを護って欲しい。
それだけがファンとしての願いです。


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