さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

順当勝ちで「決戦」が待つ来年へ 藤田炎村、TKO勝ちで防衛

2023-12-13 05:06:45 | 関東ボクシング


ということで色々話題もあれば(阿部麗也、日本では出来ないのですね...)、試合の感想もありますが、昨日のFODプレミアム、ダイヤモンドグローブの感想からです。



メインは藤田炎村が、関根翔馬を4回TKOで下し、日本スーパーライト級王座を防衛。
ワタナベジム最古参の関根、良い感じで重心が降りて、ボディも織り込んだ攻撃で前進。

しかし初回から、藤田がインサイドから左を合わせると、上体が泳ぐ場面あり。
関根はワンツー、ボディ、左右共に打てるパンチは全部繰り出して、ヒットもけっこう取っている。
とはいえ威力、正確さとも藤田がまさる。3回に左フックで耳の辺りを打たれ、右フォローされて、関根ダウン。

4回、関根はそれでも前に出て攻勢を取ったが、少しもつれたあとのアクションで、右足を前に出し、サウスポースタンスへの踏み替えをした藤田の右フックでダウン。
相手の視界の外から打つための仕掛けだが、藤田はいつも、これをこそっと、さりげなくやる。
立った関根だが、藤田追撃。右フック連発、4発目で関根またダウン、レフェリー止めました。


確かに戦力に差がある相手に、時折、という表現を少し越える頻度でヒットも喫していましたが、こういう風に最初から、半ば後先知らず、全開で来る、失うもののない相手との闘いというのは、難しい面もありましょう。
藤田が相手を引き寄せる闘い方をする面があるのも、幸いはしなかったというか。
しかし力の差を見せつけてのTKOでもありました。まずは順当、でした。

来年は藤田と、李健太との指名試合があり、同階級のライバルである井上浩樹と永田大士の再戦も決まるなど、国内のスーパーライト級は上位同士の闘いが続きます。
その先には当然のこととして「決勝戦」というか、勝者同士が雌雄を決する試合があってほしいものです。
以前なら諦め半分だった、このような願望ですが、昨今のオンデマンド配信バブル?がもたらす効果、そして需要が、このようなカードの実現を後押ししてくれるものと信じたい気分ですね。

さらにいうなら平岡アンディや、先日カザフスタンで敗れた近藤明広も、この辺りと絡んでの試合が見たかったところです。
それぞれに事情があり、目指す「上」の試合があるならば、そうならないのは仕方ないのかもしれませんが...。



セミでは、前日本フライ級チャンピオン永田丈晶が、中国のルオ・チェンハオとのサウスポー対決に、スプリットの判定負けを喫しました。
初回から腰の据わった感じのルオが、見るからに重そうなパンチで永田を脅かす。
初回終盤、左右の迎え撃ちで永田を泳がせたのを皮切りに、毎回ラストになってから、クリーンヒットを取る繰り返し。
パワーでは完全に上回るルオに、永田は手数と攻勢、ボディ攻撃によるダメージ狙いで攻めるが、永田のリズムに飲み込まれず、要所で強打を決めたルオが勝利。
判定は5対3、ルオと見ましたが、ひとりえらい差を付けて永田を支持しているジャッジがいました。このスコアを聞いたときは嫌な予感がしましたが、逆が出なくて良かったです。

中国人ボクサーはまた、強いところを見せました。
これを、往年の韓国のように、押し並べてタフで強い、全体的に水準の高い選手が揃っている、と見るべきか、今のところ中国方面の「呼び屋さん」が、選手の棲み分けを出来ていないだけ、と見るかで、だいぶ話は違ってきますが...今回のルオ・チェンハオは、直近の試合で、WBCバンタム級2位ペッチ(井上拓真に判定負け)に、タイで健闘したという話ですから、再起戦の永田にとっては、厳しい相手だったのかもしれません。



セミセミは山口仁也が、リカルド・スエノに判定勝ち。
倒す決め手の一打には欠けるが、能動的に動いて、ボディブローのダメージによる先手を取った山口が、順当に勝ちました。
しかしスエノは、バンタムでの試合経験があったとか聞きますけど、見たところフライ級でいっぱい、という感じの体格で、その差はあったかな、とも。


アンダーでは磯谷大心が、濱野秀平に3回TKO勝ち。
二度のダウンを奪ってTKO勝ちで連敗脱出なれど、どうも立ち位置の設定があやふやで、良い間合いで当てているのは良いが、攻め込まれる体勢になってしまう場面も再三。
見ていてどうも危なっかしいのは変わらず。
また、相手が網膜剥離や4年のブランクを乗り越えての試合だったとのことで、ダウンシーンは相手の耐性に限界が見えた、という印象もあり。
今回はとにかく勝てば良し、という試合だった、と見えました。勝負というか、正念場は次以降、ということになりましょうね。
リングサイドでは輪島さんが見守っておられました。表情に変化は見て取れませんでしたが、当然のこと、喜びや安堵のお気持ちだったことでしょう。



コメント (2)
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