さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

難敵?相手に無難な勝利 伊藤雅雪、TKOで初防衛

2018-12-31 11:39:48 | 関東ボクシング



ということで、年末ばたばたしているさなか、今年も恒例の観戦旅行をしました。
例年なら同日東西とか、関東で連日とかいう形でしたが、
今年はTBS放送分のがマカオ開催ですので、国内での分散はなし。

その分、この興行にボクシングファンが集中するかな、と思っていましたが、
実際、場内なかなかの盛況ではありました。

そういうことで、大みそか含め、世界戦6つについて、あれこれ感想を書かせていただき、
例年どおり、この拙いブログを読んでいただいた皆様への、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
とりあえず昨夜の試合について、ざっくりと感想から。



日本人37年ぶりの海外王座奪取を果たした伊藤雅雪は、
1位の指名挑戦者、イフゲニー・チュプラコフと対戦。
王座獲得が決定戦によるものだったので、最初から最上位、という
極めて当たり前な話ですが、昨今はこの当たり前が通らない事例もあり、
それがすんなり実現したことは、見る側としても、気持ちの良いものでした。

しかし実際見てみると、この「すんなり」が実現した所以が、よくも悪くも見えたかな、という試合でした。

小柄なチュプラコフは、ガード高く掲げ、低い姿勢で出るが、打てばクリンチ、打たれてクリンチ。
伊藤は初回、右で叩く。2回、クリンチされても右フックを差し込み、右アッパー突き上げ。
以前ならともかく、インファイトの際も冷静で、やるべきことをきちんとやれる伊藤の進境が見える。

伊藤、徐々にヒットを重ねていき、3回にバッティングで切るも、傷は小さく、
カットマンを務めていたルディ・エルナンデスの止血も、難なく成功した模様。

チュプラコフはいささか見苦しい、という域の「ガチャガチャ」した闘いぶりを続けるが、
5回から伊藤が少し離れて足を使い、右をヒットしたあたりから、劣勢の色、鮮明に。

伊藤はこのあたりで、以前のリスキーなカウンター狙いも。6回もミスして少し打たれたが、
その後外してカウンター、よく見て外し、当てる流れに乗り、7回に右ボディ、カウンターと当て、
ラッシュしてタオル投入。レフェリーの確認が遅れるトラブルがあったものの、TKOとなりました。


伊藤雅雪、1位というにはいろいろ物足りないというか、質に不足あり、な挑戦者だったとはいえ、
ごくごく自然体でラフな行為を繰り返す「ややこしい」相手に、一切動じず、破綻なく勝ちました。
インファイト、と称して良いのかどうか迷うような闘いぶりを見せる相手に対し、
揉み合いでも負けず、右フック、アッパーを当て、ボディも叩き、そこから離れても、
距離感を乱さずにヒットを重ねる。全体的に安定感があり、なおかつ従来のセンスも生きている。
クリストファー・ディアス戦に続き、伊藤雅雪の成長ぶりが見えた試合でした。

挑戦者チュプラコフは、序盤に我々にはわからない脅威を伊藤から感じたのか、
単に技量不足かはわかりませんが、早々から、普通のボクシングの攻防において、
伊藤と渡り合うことが出来ずにいました。これが仮にも最上位の選手なのか、
アマチュア歴もけっこうあるとかいう話じゃなかったっけか...と首を傾げるばかり。
まあ、最上位とすんなり組んだのは、こういうことだったか、と思ってしまう、というか。
このカード、国内で済ますしか、持っていくとこなかったんやろうな、とまで
言っていいのかどうかは、とりあえず保留しますが...。


いろいろと、不足も感じる相手でしたが、伊藤雅雪は、難しいとされる初防衛を、
無難にクリアしました。まあ、初防衛云々というよりは、本人の言にもあるとおり、
さらなる飛躍を期すための通過点、と見るべきなのでしょう。
その意気や良し、というしかありません。頼もしい限りです。

国内での試合より、海外での活動を希望し、また実際、それが実現する情勢でもあるようで、
伊藤雅雪の「挑戦」の続きを、来年以降も応援したいものです。


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試合順でいくとセミ、WBCバンタム級暫定王座決定戦は、
井上拓真がペッチ・CPフレッシュマートに3-0判定勝ち。
しかし皆様ご覧の通り...なのかどうかはわかりませんが、
会場で見た印象では、スコアの数字ほどの差は感じませんでした。

入場時から、ちょっと入れ込み過ぎかな、過去の試合ではこんなに
表情豊かではなかったなぁ、と見えた井上拓真でしたが、
案の定、長身で懐深いサウスポー、ペッチ相手に正対し、探りもなしに、
いきなり右から強振して入っていくという、らしくない立ち上がり。

当然ペッチは得意の右フックを引っ掛け、右アッパーも返す。
拓真がこれに右、左フックで応じ、早々に打撃戦ぽい様相。
拓真にとり、明らかに普段着とは違う、さりとて何事かを「考慮」した上での
「よそ行き」でもない、着の身着のまま、という出方。

これまでのどの試合でも、若さに似ず、冷静沈着、地に足の着いた印象だった
井上拓真とて、いざ「世界」とつけば、こんな試合をしてしまうのか。
実質は「世界上位とのランカー対決」止まりの試合に、余計な話を盛り付けたがために...
という繰り言も、心中に湧き上がってきた初回でした。

2回、拓真がそれでも外して当てる流れになりつつあったところでバッティング。
両者出血。3回、ペッチは負傷判定をも視野に入れている?と見えるほど、
割となりふり構わず、ポイントをかき集めに出ている印象。
右引っ掛け中心の、ずぼらなサウスポーという印象と違い、左もしっかり打ち込んで、連打も。

しかし4、5回は拓真が好調。ダック、スリップして外し、右から左を返す。
精度にはっきり差が見え、良い流れに乗った、と思ったのですが。

6回以降、はっきりと様子が変わったというか...切り替えと見るべきか、失速なのか。
会場で見ていると、捌く型にシフトしたのはわかるのですが、足を使って回るが安定せず、
動けずロープ際で止まったり、右から左を返すヒットも、力感がすっかり失せ、苦心惨憺、という風。
大柄なペッチに追い回され、左を食った7回、右のパンチに力感がない代わりに、
左にウェイトをためて左フックを好打した9回など、良し悪し両面でそれが見えました。

終盤は、苦しい展開から、動いて外す流れに徹したことが幸いしたか。
10回、ペッチが再三スイッチを繰り返し迫るが、右リターンから反撃。
11回もロープ際から三連打。12回は取られたが、判定は3-0。
数字は揃ったものの、ラウンドごとの採点はばらついていたようですが。


兄弟同時王者、という報じられ方は、まあそういうものとして見過ごすとして、
東洋で世界上位に長いペッチ相手に、かなり苦しめられつつも振り切って勝った、
そう見れば、何も悪い試合ではありません。兄との比較云々もパスして言いますが。

ただ、立ち上がりの、いかにも無理がある攻め口は、いったい誰の主体的意思によるものだったのか。
まさか大橋会長の「インパクトのある試合を」という言葉に乗ったわけでもないでしょうが
(本人もそれは否定していましたし)、ならば何故、と不思議に思うところです。
この辺は、ひょっとしたら後日、何か語られることがあるのかもしれませんが。



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またしても、生中継の枠から外されたセミセミ、拳四朗vsサウル・フアレスは、
3連続KO防衛中ということで、拳四朗のKO防衛が期待されましたが、判定でした。

試合始まって早々、挑戦者がリズムで頭を、上体を動かしているのを見て、
「あれ、ランクは低い(7位)けど、けっこう良い選手かも」と思いましたが、
その印象は、試合が終わるまで変わりませんでした。

頭の位置を変える動きが、リズムに乗っていて、それが防御のみならず、
攻撃動作、ジャブの戻りに合わせた踏み込みに直結するシーンもあり、
いつもなら槍衾のように左を突く拳四朗が、敢えて右から入ったシーンなどは、
ダイレクトを当てる自信がある、という反面、ジャブを控えた?判断だったのかな、と見えました。

しかし、その良く動く、打ちにくい標的を、拳四朗はよく捉え、当てていました。
ジャブも徐々に増え、右から左の返しなどで序盤を抑え、4回、フアレスが出てくると、
右カウンター、アッパー、左右ボディで捉える。フアレス後退の動きが目につく。

5回からの中盤は、ジャブが増え、切るような右ショート、6回も青コーナーに詰めて連打。
7回フアレス持ち直すも、8回粘って芯を外すフアレスを攻め立てる。
終盤4つも、もう少しボディが打てていれば、と思いましたが、着実に攻勢をかけ、ヒットを取る。
結局倒せませんでしたが、防御の質が落ちず、なおかつ消極的にはならないフアレスを
仕留められなかったのを、批判するには当たらないかな、とも思う試合でした。

全体としては、拳四朗の良さはかなり見えた試合でした。
これで早々に5度の防衛ですが、その実績に扱いが釣り合っていない、という部分も含め、
来年以降、どういう展望を描けるものかどうか。

京口紘人が戴冠すれば...という期待をして良いものかどうか、ちょっとわかりませんが、
それこそアコスタやブドラーといった強豪を当てれば、その技巧がさらに光るであろう拳四朗には、
単なる防衛戦以上の試合が用意されて然るべきだと思います。
 



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ダウン4度奪取で初戴冠 栗原慶太、小林佑樹の「粘闘」を振り切る

2018-12-26 22:13:04 | 関西ボクシング




ということで、この月曜日、クリスマス・イブの住吉興行、
残念ながら会場観戦はかないませんでしたが、BoxingRaiseの動画配信で
OPBFバンタム級王座決定戦、小林佑樹vs栗原慶太の一戦を見ることが出来ました。

試合記事を見て「しまった、これは外した」「見に行くべきだった」と後悔したものですが、
動画を見ると、記事の通りの大熱戦でした。簡単に経過と感想。



初回、小林が先手を取るが、栗原が左フックから右を決め、小林ダウン。
良いパンチが入ったかに見えたが、まだ序盤ということもあってか、
小林が思いの外、元気に反撃。左ボディフックを再三決める。とはいえ、10-8で栗原。

2回、攻める小林の右に、栗原が左フックを返し、小林二度目のダウン。タイミング抜群。
栗原右から左で追撃。小林はボディへジャブ、フック返す。栗原10-8。

3回、小林出て左から上下に連打。栗原右、ボディ攻撃返す。
互いに攻めたあと、小林が手数出して前に。小林の頭が当たった後、右ヒット。
微妙だが、小林か?
個人的な「あるべき論」で言えば、栗原の方に振りたい気持ちではあるのですが、
気持ちで採点してもいかんので、小林に。

栗原、過去に見た試合と比べ、やや足取り重く、少し元気がないように見える。
4回、小林出て、頭と肩が当たる距離での攻防が続く。この距離では小林が手数、攻勢でまさる。
前に出る分ガードも堅く、栗原打っても防がれる。この回はクリアに小林。


途中採点、38-36×3、栗原。ダウン二度の分のみ、栗原リード。


5回、引き続き接近しての攻防が多い。栗原はいつもの強い左ジャブが少ない。
その代わり、ガードを外から巻く右フックがよく出る。しかし小林も果敢に打ち合い、
この感じだと、微妙ながら小林にポイントが行くか?と思ったら、最後の打ち合いで、
ゴングと同時に、栗原の右カウンター、小林三度目のダウン。10-8栗原。

6回、栗原左フックから右クロス狙う。小林ダメージありそうだが、堪えてインサイドへ右返す。
栗原が右アッパー、右フックで攻めるが、小林前に出て右ヒット。

互いにヒット応酬のさなか、どちらかのコーナーから「ラスト10秒ー!」と声が飛んだのち、
なかなかラウンドが終わらない。あれ?なんか長いな、と思って、計ってみたらほぼ4分ありました。

展開として、どちらが優勢とも言いにくいラウンドですので、意図的にどうとかではなく、
単なるタイムキーパーのミスだったのでしょうが...もし、試合の帰趨を左右するような展開が、
この一分の間に起こっていたら、大問題だったことでしょう。勘弁してもらいたいです。

この回は微妙。栗原のヒットを取りたいが、小林の攻勢に流れるかなあ、という印象でもあり。


7回、小林がロープに詰めて左ボディから連打。栗原右フック連発。
小林、栗原のジャブに右被せ、また接近戦に持ち込む。頭が当たり、栗原にドクターチェック。
小林左ボディから右クロス、栗原少し下がる。小林。
8回、栗原少し疲れが見え、スリップダウンも。小林右ロング、クロス。強引に押して攻める。
栗原いよいよ足取り重い。左右返すが、小林ガード。栗原少し足使うが続かない。小林。


途中採点、75-74×3、栗原。ダウン三度の分のみ、栗原リード。


9回、栗原懸命に動いて左ジャブを出すが、小林に詰められる。
小林の右から左フックで、栗原少し足取りが乱れる。スウェイしたところを右で追われる。
ダメージはさほどではないが、見映えは悪い。
しかし小林の出鼻に右を相打ち気味に決め、攻勢。栗原。

10回、小林が右から左で栗原のアゴをヒットするが、やや浅い。
栗原、左ジャブを出し、動いて外す。小林は果敢に出るが、ヒットは単発。
栗原の右目周辺が腫れていて、出血も?二度目のドクターチェック。
再開後、小林が右左右と手数を出し、攻勢。やや小林か。

11回、小林はなおも果敢に出て、栗原のジャブに手数で対抗。
栗原、ジャブが途切れると受け身になってしまい、攻め込まれる。小林。

12回、採点上はわからない感じになってきたが、栗原がここで奮起。
小林出るが、栗原ジャブを出し、足で捌き、右当てて回り込む。
栗原が左フックから右をフォロー、小林後方へダウン、四度目。
なおも立つが、終了のゴングが鳴りました。


判定は113-111×3で、栗原を支持。
競った回が全部小林に行った、という感じの採点でした。

結果知って動画を見たので「そうなるのだろうな」という予測が入ってしまう採点ですが、
さうぽん採点は、ククココ クコココ、クココク、となり、
1、2、5、12回の、ダウン4度の分を入れて、113-111。公式採点と同じです。
各ラウンドの振り分けまでは確認していませんが、若干小林に甘く、栗原に辛いな、と自分で思います。
小林に振った回のうち、いくつかが栗原に行ってもいい、という回がありました。
その逆は、あまりなかったような印象でもあります。


栗原慶太は、大阪のリングで二連勝、それだけでも立派ですが、
驚異的な奮闘、「粘闘」を見せた小林佑樹を4度倒して振り切った、さすがの実力を見せました。
見た感じ、若干不調気味で、左ジャブを強く打ち込んで相手を止め、追撃に繋げる、
いつもの強みが欠けて見えましたが、それでも山場をしっかり作り、クリアに勝ちました。

ランクや戦績以上に強い、という存在の選手が、実際にタイトルホルダーになる道のりは、
決して簡単なものではなく、彼にとっては、敵地における、小林という、ラフで粘る相手との闘いは、
普通に見て、一定以上の試練だったとは思いますが、この試合を乗り越えたことを、
今後のさらなる飛躍への第一歩としてほしい、と期待します。


小林佑樹は、強打の本格派栗原相手に、最後まで果敢に攻める姿勢を崩さず、闘い抜きました。
試合運びは常に積極的で、狙いもしっかり見えた反面、ラフな部分も目につきましたが、
こちらの予想以上に、善戦健闘、と言える試合だったと思います。


両者、文字通り全力を出し切った、予想以上の好ファイト、熱戦でした。
どうしても時間が取れず、会場で観戦出来なかったのが、改めて悔やまれる一戦でした。
両選手に、遅ればせながら拍手したいと思います。
いやー、コレは本当に外したなぁ...。







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和歌山のジムから初の全日本新人王 竹本雄利、MVP対決制す

2018-12-24 10:58:45 | 新人王戦




そういうことで年末の世界戦ラッシュと並ぶ、ボクシングファンのお楽しみといえば
なんといっても全日本新人王決定戦です。
今年もG+で全試合生中継、ありがたくTV観戦しました。
先週からBoxingRaiseやG+で生中継試合が続いていますが、それはまた後日として、
簡単にこちらから感想を。試合結果や経過はこの記事にも詳しく



ミニマム級、歴代最多のエントリー数があったそう。
東の芝沼智樹が果敢に出るが、西の竹田宙が下がりながら連打し、正確なヒットでまさる。
芝沼の攻勢を見る採点もあったが、2-1で竹田。妥当なところかと。

G+の実況、この試合に関しては無茶苦茶。右と左の区別もつかず、竹田のヒットは目に入らない模様。
お箸持つのが右で、お茶碗持つのが左やで、と思わずTVの前で独り言が出ました。



ライトフライ級、東のサウスポー亀山大輝がせわしなく手数出す。
長身の西、見村徹弥は左フックから右ストレート当て、亀山ダメージありか。
手数の亀山、正確さで見村という対比で、互いに好打もあったが、見村が上回ったか。
しかし採点は2-1で亀山。僅差はともかく、ひとりフルマークで亀山支持がいました。
ようそんなアホな、としか言いようがありません。後味悪い採点でした。



フライ級、東のサウスポー荒川竜平が、西の湊義生を初回、右フックでダウンさせる。
しかし正確なヒットではなく、引っかけた感じで、ダメージはなし。
2回、湊が再三右ボディストレートを入れ、このパンチが伏線となってか、
3回、湊がフェイント入れた後に打った、上への右ダイレクトが決まり、今度は荒川ダウン。
荒川立ったが、追撃の右で倒れ、キャンバスに頭を打つダウン。即ストップ、タオルも入る。

今年の西軍代表の中でも、注目選手のひとりだった湊、強烈な逆転KOでした。
今後は「ユースタイトルに行きたい。大成ジム...の選手が持っているので」とのこと。
選手の名前をど忘れしたか、名前が出てこなくて焦っていた模様(笑)
頭の古い私などは、世界でも日本でもないのか、と思いますが、まあ、段階踏んで、ということなのでしょうね。



スーパーフライ級、東の、というか北国、北海道畠山ジムのファイター、若木忍が
相打ち気味のタイミングで先手を取るが、西のサウスポー大橋哲朗がインサイドから正確に返す。
カチッとしたフォームを崩さず、最短距離を通るコンパクトな左ストレートを上下に散らし、
サイドステップも冴える大橋が、果敢に出る若木に打ち勝って、クリアな勝利。
非常に筋の良さが見える大橋、パワーがついてきたら楽しみな存在。



バンタム級、東の石川春樹が、左右に動きつつショートパンチで攻める。
西のサウスポー藤川祐誠は左を当て返す。
2回は石川が左アッパー、左フックの連打を決めるが、3回藤川ボディ攻撃。
4回も藤川が強引にボディを攻め、石川止まるが、右ヒットから連打。
競った印象だったが、ボディ攻撃の効果と攻勢で、2-0藤川。



スーパーバンタム級、長身対決。東の三尾谷昂希が、左突いて足を使う。
西、というか北陸カシミジムの英洸貴は右ダイレクトで先制。
見合いとクリンチが多い展開、三尾谷は格好だけ手を出すが当たらず、クリンチばかり。
せめて出した手が当たっていれば、まだ格好もつきそうなものですが。

英が単発ながら徐々にヒットを取っていて、英の勝ちかと思ったがドロー。
優勢点も2-1で割れたが、英の勝者扱い。
これでドローとは、如何なものか...まあ逆やないのが、せめてもの良心でしょうか?



フェザー級は東西MVP対決。共に強打を秘める者同士、スリリングな一戦。
東の峯田光が右で先制も、西のサウスポー竹本雄利が恐れず踏み込み、右フックでダウンを奪う。
左一発で二度目、さらに連打で攻め、ゴングと同時に三度目のダウン。
しかし2回、竹本もう一押し出来ず。峯田が苦しいながらも持ち直し、徐々に回復。
3回、峯田の右で竹本の左目下が腫れる。竹本は右ジャブで探らず、左を当てようとして、
しかし警戒が勝ってしまって、手数が減り、回復の余地を与えたところは反省点。
ボディに散らす攻めも不足。
しかし5回、互いにヒット応酬、竹本右ジャブがここで出て、連打も。

初回の貯金と最終回の攻防もあり、竹本の勝利。強敵相手の勝利は見事。
和歌山のジムから初の全日本新人王、しかもMVP獲得、まさに快挙です。



スーパーフェザー級、東の関島優作がコンパクトなワンツーを決める。
西の太田卓矢は2回、相打ち気味に右を決めるが、関島は右から左フック返しをヒット。
関島のスリーパンチがよく決まるが、太田も奮戦し、激しい攻防。
4回、太田はジャブから細かい連打で出るが、関島の右フックヒット。
5回、なおも太田奮戦、関島はカウンター取れず劣勢、初めて失点。

とはいえ、4回までは全部取っていて、採点は3-0で関島、クリアな勝利。
関島の実力と共に、心身ともにタフな、太田の健闘も光った試合。



ライト級、大柄な東、橘ジョージが、西の石脇麻生を両手で押しながら手数を出す。
押し合い、揉み合いの合間に、橘が巧みに手を出し、ヒットを取っていく展開。
石脇はボディ攻撃やジャブ、右のヒットを取るが、レフェリーのブレイクも遅めで、
どうにもやりにくそう。
体格でやや劣った印象もあり、クリアに打ち勝つ、という展開には持ち込めない。

それでも最終回の右ヒットからの攻勢などもあり、正確なヒットの数で、やや石脇がまさる、
という見方もありかと思ったが、判定は2-1で橘。いずれも48-47という数字でした。
結果は残念でしたが、石脇は良い素質を持っていますし、今後に期待です。



スーパーライト級、メキシコでアマチュア経験ありの34歳、東のサウスポー遠藤健太が、
元ラグビー選手の西、岡田翔真の入り際に左を合わせる好スタート。
岡田は右リードから入るが、右で相手の体勢を崩せず、反撃される。
2回、岡田が入って右から左を返すが、遠藤がそこに左カウンター。岡田ダウン、TKO。
岡田は果敢に攻めたが、遠藤の外して打つ強打がまさった一戦。



ウェルター級、マーク・ブリーランドばり?の長身、痩身、東の辻本純兵が、
4勝オール初回KOの35歳、西の松井敦史を初回早々、右アッパーから右クロスで倒す。
松井は元全日本社会人王者で、アマチュア歴が長いらしく、上体が立ったままで、
懐を取りに行くスタイルではない模様。辻本とのリーチ差を克服出来ず、
右の強打も4回にヒットがあったのみで、ジャブ、ワンツー、ボディブローを浴び続けた。
判定はクリアに辻本。抜群の体格を生かせれば、面白い存在。



ミドル級は、ナイジェリア人とのハーフ、東のワチュク・ナァツと、西の京原和輝が初回から打ち合い。
初回互いに右ヒット。2回、両者揉み合いつつ打ち合い、ヒットはあるが効果は薄い。
3回、京原の右連打、ナァツは左ヒット。京原ぐらつくが反撃。
4回京原やや疲れ。ナァツの左フック決まるが、散発的。

やや低調な内容、判定はドロー、優勢点でナァツが勝者扱いでした。



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ということで、全階級を見渡していえば、フェザー級で一番の注目だった、
峯田光の敗戦が驚きではありました。

西の竹本雄利は、こちらも西軍MVPだったとはいえ、予想はやはり峯田だったと思いますし。
しかし峯田の強打を恐れず、しっかり踏み込んで、鋭い右フックを決めて倒した先制攻撃には、
お見事、脱帽、としか言えません。和歌山から初の新人王獲得に拍手です。


軽量級は西軍が続けて勝ち、クラスが上がるにつれて東が巻き返す、という流れでした。
軽量級においては、本当に有力な新人がエントリーしていないという面もありましょうが...。
ことにアマチュア歴のある有力選手は、出場規定の変更などもあり、昔日の大会とは違い、
出場することがなくなっています。
その昔は川島郭志が決勝で負けたりしていたわけですから、だいぶ様子が違いますね。

まあ、その事実を踏まえたとて、若い、キャリアの浅いボクサーの奮戦ぶりは、
見ていて惹き付けられるものがあるわけ、ですが。
それはそれとして、やはり遠からず、この大会の存在意義は、見直される時期が来るのかもしれませんね。




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三冠制覇のお題目空し カネロ、格下フィールディングに圧勝

2018-12-16 14:50:06 | 海外ボクシング



ということで、今月アタマからWOWOWとDAZNによる三週連続生中継がありました。
府立観戦や、その他あれこれありましたんで、今頃ですがまとめて簡単に感想。


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先ほど終わったばかりのDAZN生中継、MSGでのカネロ・アルバレスvs
ロッキー・フィールディング戦は、カネロが4度倒して3回TKO勝ち。圧勝でした。

ゴロフキンに競り勝った次に、居並ぶミドル級強豪を尻目に、DAZNと大型契約、
そしてスーパーミドル挑戦。しかし当然相手はラミレスやスミスではなく、WBA第二王者。
いかにも当世風な振る舞いで、鼻白むのみという心境で、フィールディングが大柄な体格を生かし、
健闘してくれんものかな、と思っていたのですが、始まってみると、全く望み無し、でした。


最初から、カネロが手を出せる距離に立ててしまう。リバプールのロッキーは、
そうなる前に長いジャブを出さねばならないのに、近くに布陣されてから出す。遅い。
カネロは踏み込み半歩でボディを打てる。左ボディでロッキー、早々に膝をつくダウン。

2回、カネロはボディから上に。上へのパンチは、ロッキーの長身故に、力が逃げる場面も。
しかしボディ攻撃は決まる。ワンツーで内から、左右ボディを外から。
ロッキーは懐に入られた後、ショート連打を出し、けっこうヒットもあるが、威力がない。
カネロの左ボディでまたダウン。

3回、カネロが右、左とボディ決める。ロッキー、上体が折れたところにカネロ右。ダウン。
カネロ、左を上から下にダブり、ロッキー4度目のダウン。レフェリーが止めました。


DAZNは試合数日前から、25分弱のドキュメンタリーを2本配信したり、
カネロの過去の試合をアップしたりして、けっこう力入れて盛り上げにかかっていました。
ことに両者の素顔を取り上げたドキュメンタリーは、日本語字幕もついていて見やすかったですし、
この辺はWOWOWの上を行ってるなあ、と嬉しく思ったりもしました。
WOWOWでもビッグマッチの際、この手の番組を持ってきて、流してほしいなあ、と
かねがね思っていましたので。

しかし今回に関しては、肝心のカードがいけませんなあ、という感じでしたし、
実際の試合は、その想像と寸分違わぬものでした。
ゴロフキンとの2試合が厳しいものだったので、いっぺん楽してエエ格好を、
という目論みでしかない試合でしたし、またその試合が「三階級制覇達成」という
形式上、嘘ではないお題目がついてくることも「余計」としか言えないものでした。

カネロが今後、どういう道を行くものかはわかりませんが、こういうのは今回で終わりにして、
ミドル級や、将来スーパーウェルターから上がってくる強敵たちを相手に、
その挑戦を堂々と受けて立ってほしいものです。


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1日のWBCヘビー級、デオンテイ・ワイルダーvsタイソン・フューリーは、
すでに語り尽くされていることでしょうが、何とも起伏の激しい試合でした。

腰回りがだぶついた巨漢フューリーのアウトボクシング、巧みな防御、展開構築能力に驚き、
大振りの割によく当たる右の射程を外されていたワイルダーが、突如奪った二度のダウンに驚き。
最終回はご多分に漏れず「この倒され方で、何で立てるの」とまたまた驚き。

のちにスローで見たら、倒れ際に左フックをフォローされていながら、フューリーは
アゴを引いていて、キャンバスに後頭部を強く打ってはいなかったですね。

昔、マイク・タイソンがラリー・ホームズを三度ダウンさせたとき、
二度目まではホームズがアゴを引いて倒れたので、何とか立てたが、
三度目はそれがかなわず、KOされた、という試合があり、それを思い出しました。

一流というのは、良いの食ったあと、倒されたときでさえ、ひと味違うものらしいです。
まあ、なかなか出来ることじゃない、と感心させられました。


ところで試合後は、思ってたとおり、やっぱこの二人、仲ええやん、という感じでした(笑)
試合の前後、全部ひっくるめて、ファンとして心底、楽しい試合でしたね。
やっぱりヘビー級はこうでないといかんなあ、という感じ、でした。


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9日は府立で丸一日試合見たあとだったので(笑)
ざっと見るつもりだったんですが、やっぱりロマチェンコさん凄い、と
思わずフルラウンド見入ってしまいました。
相手のペドロサも大健闘、ライト級に上げて、以前より安定した感じでした。

それにしても濃密な試合内容の末、終盤11回にあの攻撃ですから、
ロマチェンコは本当に凄いです。
ライト級に上げて、体格で相手と互角か、やや劣るか、という試合が続いていますが、
そのハンデ(?)がちょうど良い具合に、彼から余裕を奪っていて、
傍目に見る分には、試合が面白くなって良い、という感じになっているが故に、
ああいう攻め方、闘い方が見られたのでしょうが...。

しかし、見てる分には「面白い」で良いのでしょうが、それが必ずしも正しいことかどうか。
井上尚弥の将来を語るとき、当然のようにさらなる転級を前提にするかのような話が
けっこう見受けられますが、それはどないなもんやろか...と思うクチである私としては、
その先行きを、ロマチェンコが先回りして見せてくれているのかな、なんて
ぼんやり思ったりもしつつ見ていた試合でした。


アイザック・ドグボエの陥落は、意外に早く、こういう「露呈」が起こったな、という。
挑戦者の評判は、だいぶ前から「相当強い」と聞いてはいましたが、
あの頼りなさげな外観(失礼)からは、考えられないような闘い方で、びっくりしました。
無茶苦茶やなー、こんなんで保つのか、と思ったのですが、考えたらこの手のメキシカン、
過去の先達に、数人いましたね。昔懐かしい感じというか...。



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メインは神戸?/順当に三連勝/刈谷で新鋭勝つ/41歳の来春

2018-12-12 08:27:59 | 関西ボクシング



ということで怒濤のごとき日曜丸一日観戦でしたが、
それ以外の試合や話題についても、覚え書きというか、感想を。


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9日、神戸でも千里馬ジム興行があり、ジラフ麒麟神田が松阪拓哉に初回KO勝ち
試合内容は、記事によると、短くも壮絶なものだったようです。

この日、府立であれこれ試合を見ましたが、話の限りでは、これを上回るスペクタクルはありません。
この日のメインイベントは、実は神戸だった、ということでしょうか。
どこかで動画見られませんかねー。

ジラフは、その破格の体格を生かしたボクシングで、来年あたり、
日本上位を伺うところまで行けるでしょうか。機会あらば、一度見てみたいものです。


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今月1日にも、府立で二部興行があり、それは見に行けませんでしたが、
BoxingRaiseにて、後日動画配信で、仲村正男vsカルロス・マガレ戦を
見ることが出来ました。

再起後三戦目で、三代大訓に惜敗した前OPBF王者マガレとの対戦となりましたが、
仲村は安定したリズムと、強いストレートパンチを伴ったアウトボクシングで
終始マガレを突き放し、打ち込み続けました。

序盤からワンツ-、右アッパーを決めてリード。
2回はマガレが取るが、3、4回は仲村が打ち勝つ。
5回、足で外し損ねたか、右を食って不覚のダウンも、即座に立ち、ダメージはなし。
10-9に戻していいかというくらいの反撃を見せる。
中盤以降も仲村のアウトボクシングが冴え、軽い連打、時折強めの右という具合に攻める。
9回は仲村少し休んだか、しかし10回右アッパー決め、右カウンター気味に二発。
マガレの左瞼が黒く腫れ、ドクターチェック二度の後、ストップでした。


キャリア序盤の「ジャッジ要らず」のKO街道の頃より、見た目の派手さはないものの、
実はより強打を生かす組み立てが出来ている、今の仲村正男の良さが、存分に出た試合でした。
地に足がついた安定感と、「ひけらかさない」故に生きる強打が、巧い具合に組み合わされているというか。

正直言って、この手の強打者タイプは、ブランクが出来たり、きつい敗戦を喫して、
時の勢いを失うと、ボクシングが崩れてしまったりする例が多い、と勝手に思っていましたが、
再起後三連勝の内容、その着実さは、こちらの想像を超えるものがあります。
仲村正男の今後、要注目だと思います。関西ボクシングにとり、貴重なキャストでもありますし、
来年以降の活躍に期待ですね。


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2日の日曜に、刈谷であった注目試合も、BoxingRaiseで動画を見られました。
ライト級、日本王者の吉野に挑戦して善戦した、グリーンツダの前田絃希が、
緑ジムの強打のサウスポー力石政法の「挑戦」を受けた一戦。

右の前田、左の力石、共に長身で懐深いが、探り合いかと思った序盤から山場。
初回、前田の右ボディストレートの打ち終わりに、力石左を決める。前田ダウン。

前田は正対した位置から右で入るので、身体が出たところを打たれる。
そこへ3回、力石の左フックを右腕でブロックし、そのまま押されて膝をつくと、
これをダウンと裁定されてしまう不運も。

悪い流れを変えたい前田、若さ故に若干勢い込んだ力石、共に4回はミスが多い。
バッティングも数回あり、前田の左瞼が腫れる。
前田は正面に位置するなら、左ジャブから入りたいが、右から行っては打たれる。

5回、前田の打ち終わりに力石左をヒット、速い連打で追撃、左右アッパーで前田ダウン。
力石、再開後少し右にスイッチ、右フック当ててから左に戻す。
力石左ショート、右フック、左ストレートとつなぎ、前田ダウン、ストップでした。


力石政法、少々荒いところもあるとはいえ、まだ5戦4勝(3KO)1敗のキャリアで、
これはなかなかの実力だと言わざるを得ません。
今年4月に、3戦目で坂晃典に敗れていて、普通浅いキャリアでああいう厳しい負け方をすると、
その後はなかなか大変なものですが、即座に再起して二戦目で、日本ランカーを倒しました。

大柄な体格を持つ強打者で、積極的な試合運びは魅力的です。
まだちょっと線が細く、防御も少し甘い、安定感には欠ける...というのは難癖ですね。
そもそもキャリア自体もまだこれからという段階で、これだけやれれば充分です。
今後、順調に伸びてほしい選手ですね。


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「バカボンのパパと同じ歳になった」野中悠樹のタイトル挑戦が決まった、とのことです。
来年2月24日、府立で、細川チャーリー忍に挑戦。

この選手、本当に長いこと見てまして...今レフェリーになっている人で、
この選手と試合した人が、確か二人います。いずれも会場で見ています。

スーパーウェルター級で、ここ10数年の日本上位の大半と
悉くグローブを交え、海外の世界ランカーとの対戦もそこに加わるキャリアは、
充分、称賛に値するものだと思いますが、
昨年の井上岳志戦の健闘と敗戦は、その締め括りとはならなかったようです。

その再起戦における、タイ人との試合ぶりは、先行き不安なものでした。
タイトルマッチが決まれば、長年の経験を生かし、仕上げてくることでしょうが、
正直、最近海外で起こったある試合の件なども思うと、不安な気持ちが先に立ちます。
もちろん、こちらとしてはただ、見守るしかない、のですが...。


この月末、28日の府立での試合は、キャンセルになるようですね。
メインは安達陸虎が昇格する形のようです。


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ホープの価値を証明も、戴冠ならず 橋詰将義ドロー判定に泣く

2018-12-11 00:02:52 | 関西ボクシング



ということで、日曜の一部興行について。
まずは試合の感想から。それ以外にも少し。


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日本スーパーフライ級タイトルマッチ、奥本貴之vs橋詰将義。
歴戦の奥本に挑むは、新人王獲得後、雌伏の長かったホープ橋詰。
短躯の奥本、長身の橋詰のサウスポー対決です。

序盤、橋詰が積極的に出る。右リードから左。やや忙しなく打って出る。
左ストレート、右フック当てる。奥本は足を使ってジャブを返す。やや意外?な対応。
橋詰はロングの距離はやりやすいか。奥本のジャブも良いのは良いが。
1回橋詰、2回はやや橋詰、3回は奥本が出るが、橋詰が右ジャブ、左ストレートで抑える。

橋詰は若干、オーバーペースにも見えたが、徐々にリズムが整ってくる。
4回、上体を柔軟に動かして外し、足を止めてウィテカーのような防御も。
右リード、左ストレート、右ボディ、ショートも当てる。
5回、ボディの打ち合いになるが、ここでも橋詰がまさる。

前半、私は橋詰フルマーク。2回を逆にしても4対1。限界を超えて無理しても、3対2まで。
しかし途中採点、2-1で奥本リード。これは驚き。そんな見方があるのか、と。

6回、橋詰がボディ攻撃。奥本やや止まる。ダメージありと見える。橋詰。
7回、橋詰手数減らす。セコンドがあえて休ませたか?奥本。
8回、橋詰が左、奥本外してカウンター。橋詰ボディから上。奥本捌く。やや橋詰。
9回、打ち合いになる。互いにヒットあり。奥本カット、バッティングによる。やや奥本?
10回は橋詰が左当て、ボディに追撃。橋詰。

前半リードを前提に試合を回せるかと見えたところで、計算が狂った?橋詰でしたが、
後半も、前半ほどクリアではなくとも、リードはしていたと見ました。

私の採点は2回を逆にした採点でも、7対3で橋詰。同道した友人は8対2でした。
しかし公式採点は96-95(奥本)、97-93(橋詰)、95-95でドロー。

当然、自分の見方が完全に正しいとは言いませんが、あれだけヒットの数に差があって...
というのが、率直な印象でした。橋詰は何とも言い難い表情でリングを降りました。



この内容で、王座奪取ならなかった橋詰、あれだけリードしていたのだから、
もうひとつ効かせるパンチがあれば、と言えば言えるのでしょうが、
リーチと長身、スピードと柔軟な動きを最大限に生かして闘ったこの試合については、
最大限に称えられるべき、でしょう。

新人王獲得後、長らく「カタカナ選手」との試合が続き、昨年あたりからようやく、
日本人との対戦が始まり、その流れで組まれたタイトルマッチにおいて、
橋詰将義はホープとしての存在価値を証明しました。
結果はともかく、良いものを見たな、という満足が残る試合でした。


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メインは日本ウェルター級タイトルマッチ、矢田良太vs藤中周作。

共に強打と打たれ脆さを併せ持つ者同士、藤中が果敢に攻めかかるスタート。
互いにリードパンチを忘れ、右のパワーショットを狙い合う。
3回、矢田が右から左フックを返し、藤中がダウン。
しかし藤中立って、果敢に打ち返す。

両者、中盤も強打を振るい合うが、崩しや組み立てがなく、
いきなり決め手のパンチを打つばかりなので、当然そうそう当たるものでもない。
打ちたいパンチと当たるパンチは別なんやなあ、ということがよくわかる、そんな展開が続きました。

しかし、徐々に要所で右アッパーをのぞかせるなどした矢田が、
8回に右カウンターをヒット。9回、右フックでぐらつかせ、ストップとなりました。

ウェルター級らしい迫力ある攻防、と言っても嘘ではないですが、
あまりにも単調な試合展開でもありました。
矢田は相変わらずのパワーを見せ、今回は打たれ脆さも見せず、打ち勝ちましたが、
次に対戦するであろう帝拳のサウスポー、永野祐樹の堅実さと左強打は、
今の矢田にとっては非常な脅威だと思います。パワーで抑えこめるものかどうか...不安ですね。


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この一部興行は、やはり日本タイトル二本立てということで、狭い府立の地下は大盛況。
関東や中部からの応援団も大勢ご来場。通路の通行もスムースには行かないほどの状況でした。
まあ、この前日、第一競技場を一杯にしたK-1と比べたら、
何ほどのこともないのでしょうが。

で、その狭くて真っ平ら、段差のない会場で、相も変わらず椅子を揃えて並べてある。
当然、前の人の頭越しにリングを見ようとしても、非常に見にくい。

長年思っていたことですが、府立の地下で興行するプロモーターの皆様には、
椅子の置き方を、列ごとに半分ずつずらして置く、くらいのことはしてもらいたいと思います。
そうすれば、前の列の客の、肩と肩の間からリングが見えるんですけども。

ホールのような会場がない以上、そこはあれこれと知恵を働かせてほしいものです。
まあ、多分、観客のことなど、あまり真剣に考えておられないんでしょうけども、
一応これでも暇割いて、身銭切って見に行ってるんですからね。
言うだけ空しいかも、という徒労感もありますが、一応、善処を望みます、と書いておきます。

あと、試合中に通路を通行するのはご遠慮ください、というアナウンスも、やっていただきたいです。
これまた言うだけ...以下同文ですが、本当に目に余りますので。



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挑発にも動じず、冷静に制圧 中谷正義、TKOでV11

2018-12-10 08:44:01 | 関西ボクシング



そういうことで昨日は府立に行って、観戦することができました。
さすがに年末、あれやこれやとあるもので、どうなるかと思っていましたが、なんとか。

しかし、午後1時から試合を見始め、一部二部の間に一時間ほど空いたのを含め、
夜の9時前まで試合を見続けて、帰宅後はWOWOWで録画した二試合を見たのち、
何という一日だったのだろう、これはさすがにイカレとるな、とふと我が行いを振り返った私には、
僅かながら真人間に戻れる余地がまだ残っている...と思いたいところ、です。

ま、どうでもええ話はおいて、試合の感想から、簡単に。


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まずは二部のメイン、OPBFライト級タイトルマッチ、
中谷正義vsハリケーン風太は、中谷の4回TKO勝ちでした。

新人王戦のころ以来、久々に府立の地下に帰ってきた「中岸」風太は、
試合前のコールの際、中谷の眼前に立ち、腕をクロスさせる、ホプキンス風のポーズ。
以前、ホプキンス風の入場をしていたこともある中谷は、これを微笑んで見下ろしていました。


初回、風太は右構えで、身体ごと飛び込む。さっそくもつれる。
クリンチというより、その先の何事かをあれこれ意図した、ラフな仕掛け。
中谷はしかし、すぐ距離を取り、ジャブ、ボディブローを再三当てる。
風太は飛び込みざまの左ボディフックと頭による同時攻撃。バッティングが起こるが、出血はせず。中谷。

2回、中谷がロングの距離でジャブ、ワンツー、左フック返し、右アッパーで起こす。
昭和の表現でいうところの「モチつき攻撃」(古い)。
風太は左ボディが単発で出るが、それ以外は組み付いてばかり。
中谷がまた長いワンツーで突き放し、左右ボディも。風太パンチにより左瞼切る。中谷。

3回、中谷再び、長いワンツー、右アッパーを前に伸ばし、風太を寄せ付けない。
風太、大振りしてはクリンチ、ホールド。中谷は当然、嫌だろうが努めて冷静に対処。
ロングの距離から右ボディアッパー、右ストレート上に返し、連打で圧倒。中谷。
ここで風太、右瞼もパンチによりカット。

4回、早々にドクターチェック。再開するが、ほどなくして出血が目に見え、二度目。
風太は自コーナー周辺の応援団を煽り、続行をアピールするがかなわず、負傷TKOとなりました。



試合全体としては、中谷正義の冷静な対処が光った、という一戦でした。
風太のラフな戦法に遭い、体当たりされ、頭突きもされ、絡みつかれて転がされ、と
まあ一通り、あれこれとやられていましたが、大柄な体格を生かして対処しました。
また、ロングの距離でワンツーストレートを突き刺し、右アッパーで起こし、また右ストレート、と
大げさに言えば往年のアルゲリョが、マンシーニやプライアーを捉えて打ちまくったような
一連の攻撃は、日本のライト級最強ボクサーに相応しい迫力、風格を感じもしました。

ある意味では国内において、最大級の「難敵」を、危なげなく一蹴した試合を見終えて、
もう同じ事の繰り返しにも程がありますが、何とか「次」「上」の試合を見たいものだ、と
思うことはそれしかありません。幸いにして、心身に衰えの影などはまるで見えませんし、
抜群の体格にかまけず、能動的に試合を作ろうとする姿勢も、まったく崩れていませんでした。
ならばこそ、これらの美点が喪われぬうちに...と。



ハリケーン風太は試合前から、中谷の冷静さを乱さないと勝機は無い、という確信のもと、
挑発、突進、頭突き、クリンチやホールドを駆使して、その先に強打を決める機会を
伺っていた、と見えました。中谷の心身、いずれかが多少なりとも揺らいだところに、
身体全体が一回転してしまうような打ち方の左フックを、一発でも決めれば、
そこから堤防を決壊させられる、という意図だったのだろう、と思います。

しかし、それにしても「やり口」としては酷いものだった、とも思います。
クリンチ、ホールドまではまだ良いとして、そのさらに先に、中谷の腕を意図して捻ろうとした行為が、
少なくとも二度、視認出来ましたし、それ以前に、まともなボクシングの攻防を、
それこそ試合前から完全に諦めていたかのような闘いぶりは、残念の一語でした。

それでも試合が長引けば、中谷を攻略は出来ずとも、疲労から来る「漏れ落ち」を突いて、
多少の反撃、挽回はあり得ただろうと思います。
しかしその可能性も、喫したヒットによる負傷で断たれました。
正直言って、この内容の試合を、長々と見たいとは、まったく思っていませんでしたので、
終わったときは安堵しました。改めて、ただただ、残念に思います。


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セミは関西の元タイトルホルダー同士の一戦。
バンタムで日本王者だった大森将平と、OPBF王者だった山本隆寛のサバイバルマッチでした。

共に122ポンドに転じての対戦、体格は大森がかなり大きい。
大森は減量苦から解放された好影響か、体つきががっしりして見え、痩身の印象は薄まっている。
打ち出したら止まらない大森に対し、山本がどれだけ動いて外せるか、打ちにくい的でありえるか、
という観点で見ていましたが、大森が初回から出る。左クロス、右アッパー返す攻撃。

初回終盤、山本が明らかに頭から突っ込む。あらまあ、と。
2回、大森さらに出て、長い左ストレートが上下に伸びる。山本、意地になってやりあっては勝てない。
それは重々承知しているかと思っていたが、そうでもなかったか。

3回、大森がさらに攻める。良いの当てたら次、また次、という大森の流れになっていく。
大森が左当て、右返し、右アッパー。山本打たれ後退、大森さらに追う、というところでレフェリーストップ。
正直、元王者、メインイベンタークラスの選手の試合で、即座に止めるほどの場面には見えませんでした。
ただ、試合の趨勢は、かなりはっきり決まり始めていた、とも思います。

大森はかつての輝かしい逸材ぶりが完全に甦った、といえるかどうかは保留しますが、
着実に復調はしてきていると見えました。出来ればコンスタントに試合の機会が欲しいものですね。


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セミセミも世界挑戦経験者同士のカード。石田匠vsワレリト・パレナス。

初回はパレナスが右クロスを積極的に飛ばす。石田のジャブも決まるが、右で抑えた格好。
しかし2回、石田の踏み込んだジャブがカウンター気味に入り、パレナスダウン。
石田が左をボディに、そして右を上に返すと、二度目のダウン。
いずれも、いともあっさり、という風に見える。

当然、これは終わりかな、と思ったくらいですが、パレナスがここから粘り、
石田の方は、厳しく詰める、という姿勢を打ち出せない感じ。この辺は微妙な表現ですが...。

石田はジャブ、右ボディストレート、コンパクトなワンツーなどで、ポイントは抑えていく。
しかし大きく足は使わず、慎重な感じ。4回、パンチでカットした影響もあったか。良くも悪くも省エネ傾向。
パレナスはこらえて、右ロング、左返し、という感じで対抗。ときに単発ヒット、攻勢もあったが。

最終8回、自重気味に見えた石田が、ラストの方で打ち合いに出て、試合終了。
二度のダウンもあり、判定はクリアに石田。しかし内容的には、若干物足りず、というところ。

この選手、そろそろ一階級くらい上げた方がいいのかも、と、見終えてあれこれ、思ったりもした次第、です。


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そんなことでとりあえず二部の方の感想でした。
一部、その他についてはまた後日ということで。




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再起、転級も?/標的は怪物候補/学ラン挑戦者/完全ノーテレビ/天才殿堂入り

2018-12-06 19:10:39 | 話題あれこれ



ということで、やっと週末、師走観戦なるかと思ったらあれこれあり、
どうなるか不透明、というところで、若干落ち気味な今日この頃です。
せっかく前売りチケット買ったのに...。

まあごちゃごちゃ言うとる間に、話題もあれこれありますで、簡単に。


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村田諒太、再起表明。今後は未定なれど、練習再開。

話としては、以前エンダムに惜敗したときと同様、直接再戦を目指すのが、
一番可能性があるのでしょう。再戦込みであれこれあったかもしれませんし。

しかし、あの試合を調整失敗とか、例外的不調とかいう話にしようとしても、
それは我々の目に見えない部分の話ですし、そもそもあの試合ぶりが、
普段の村田と大きな差があるものとも見えませんでした。
果たしてどういう勝算があるものか、それが再戦の場合の注目ポイントですね。

あと、スーパーミドル級に転じる可能性も、という話も出ていました。
考えたらアマチュアのミドル級は75キロがリミットですから、ほぼプロのスーパーミドルです。
プロ入り後の減量が楽ではなく、それ故に削られたものがあるのだとしたら、と言えば言えそうです。

もし、体格やスピードなどで劣っても、それこそデレビヤンチェンコのように、
サイドに回る機動性とか、よりこまめに位置取りを変える動きが出来るようになるとか、
そういうプラス面があるのなら、転級も良いかもしれませんね。無いのなら苦難の道でしょうが。


しかし、こうしてあれこれ記事を見てみると、やはり村田諒太の再起というのが、
元世界王者としてのそれなのか、コンテンダーとしての途上にある挫折からのそれなのか、
上辺と内実がごちゃごちゃになっていて、改めてですが、すっきりしないですね。

個人的には、有力挑戦者へのエントリーに失敗した、という段階だと見るべきで、
それ以外の意味は、何もないと思います。
世界ミドル級のコンテンダーを目指す価値、そこをきちんと語ってもらいたいですが。

今、日本のボクシングが、日本タイトルマッチで1千万円以上の報酬が取れる状況だったら、
村田諒太は世界上位を睨みつつ闘う「日本ミドル級チャンピオン」として、
超一級品と言えるボクサーなんですけども、そういう意味づけ、価値感も、どこにも存在しえない。
村田のみならず、全てのボクサーにとって、幸福には遠いのが、日本のボクシングの「今」ですね。


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日本の「重量級」にも好選手増加傾向あり、と言えますが、その代表格のひとり、
井上岳志が世界挑戦決定。WBO王者ハイメ・ムンギアに挑むとのこと。

当初はジュリアン・ウィリアムスとIBFイリミネーションという話で、
チャーロ弟とやって負けた試合はWOWOWで見たけど、負けても強かったなぁ、
これは大変な相手や...と思っていたら、あれこれあって、タイトルマッチになりました。

会長さんのコメント通り、懐に入って、サイドから食いついて攻められるかでしょうが、
割と安易に懐に入れてくれたとしても(そんなに甘くないかもですが)上下に速い強打が来るでしょう。
何しろメキシコの「重量級」スターとして、カネロの後継たり得るかと言われる怪物候補です。

国内で「然るべき試合」を経てはいても、世界のタイトルと、その間の試合がなく、
いきなりこうして挑戦となることもあり、予想となれば当然厳しいでしょう。
しかし、この選手なら、勝ち負けは置くとしても、変な試合はしない、と思える一人、
それが井上岳志です。当日はなんとか試合を視聴したいものですが、どうなりますやら。


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少し前に海外報道で出たときに、思うところを書いた、坂本真宏の挑戦、正式発表
学ラン姿で会見しております(笑)

今時の大学生は、学生服など着ていませんよ、と、昔「ドカベン」で読んだ記憶がありますが(笑)
まあ、記者会見での話題作りに熱心な、六島ジム枝川会長ならではのアイデアなのでしょう。
この写真が海外、ことに南アフリカに配信されたら、どういう風に映るものやら、と
考えるだけでも楽しいですね。


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今週月曜の大橋ジム興行は、清水聡がまたも関西キラーぶりを発揮?
アポロジムの上原拓哉に快勝。
セミでは、フェザー級に上げた丸太じゃなくて(それはじゃりン子チエや)
丸田陽七太が、強打の溜田強士をTKO。
アンダーも見応えある試合が続いた模様です。

しかし丸田が勝った瞬間の写真を見ると、意外に空席が目立ちます
なんなら上京して見に行ったろか、なんて思ったほどのカードなんですが、
ホールじゃ、東西対抗みたいなカード組んでも、いまいちな場合の方が多いんでしょうかね。
東西それぞれ、内輪でしか試合組まない、みたいな状況になってしまうのは、嬉しくないですが。

そしてTV放送もまた、フジが恒例の深夜録画放送をパス。
事情は如何に、といっても、要はコストに見合う数字が出ない、ってことなんでしょうけど、
銅メダリストの清水の試合でさえ、と思うに、ますます暗くなってしまいますね。

にもかかわらず、YouTubeだとか、他、何でも良いですけど、どこでも試合映像を見る場所もない。
放送しない試合についてまで、TV局に歯止めをかけられているのかどうか知りませんが、
いったいどうなっているんだ、と嘆く気力も失せつつあります。いやホンマに、どうなっとるんでしょう。


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最後に、天才(異才?)の殿堂入り
80年代半ば、一時はミドル級の帝王マービン・ハグラー打倒の最右翼とも目された、
世界ウェルター級チャンピオン、ドナルド・カリーです。

いや、本当に、この人のボクシング、好きだったんですよねー。
主要試合はYouTubeに数多くあって、いつでも見られますが(有り難いことです)、
やっぱりベタに、カリーの生涯最高傑作と言えばコレ、
世界ウェルター級王座統一戦、ミルトン・マクローリー戦です。





真面目な話、後にも先にも、これ以上のものを見たことあるかな、と思うくらいです。

そして、この勝者が、のちにマッカラムに敗れたときに落ちた深淵との落差は、
私がボクシングというものを見る、その心の有り様に、多大な影響を与えたものでもあります。

あらゆる意味で、忘れがたき存在です。ドナルド・カリーの殿堂入りを祝福します(^^)



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過不足なく再起/再戦?/大晦日なのに関東ローカル/仲良し

2018-12-01 21:35:16 | 小國以載



今日は府立観戦を断念。さいわいにも、BoxingRaiseで動画配信ありとのことで、後日。
ということで、かろうじてG+にて、ホールの試合を数試合だけ、追っかけで見られました。


小國以載はインドネシアのアレガ・ユニアンに、ジャブからじっくり攻めていき、
ひとつひとつ、動作や距離感を確認しながら、という風でした。
ユニアンはタイミングがずれた右スイングで、僅かに小國を脅かすものの、
2回以降、小國が徐々にボディも打ち始めると、ダメージを負って、いかにも辛そう。
4回、ろくに動けない状態になり、小國の左フック(上も下も)で3度ダウン、TKOでした。

文字通り、練習台という感じの相手でしたが、再起初戦ですから、まあ良しとすべきでしょうか。
ジャブは数こそ控えめでしたが、遠くからボディを打てるところなどは以前のまま。
あまり足を使わずに済む相手だったので、その辺は今後、というところでしょう。

全体的に、再始動としては過不足無し、というところでしたが、強敵も多いクラスにあって、
好カード、サバイバルマッチ、というような試合を闘えるかどうかは、まだ見えませんでした。
本人は「恥ずかしながら帰って参りました」とやって、見事に外していましたが(笑)
その後語った「来年4月に強いのと」という話が事実なら、要注目ですね。

...とまあ、硬いことは抜きにして、小國ファンとしては復帰、嬉しい限りです。
良いカードが組まれたら、また見に行かないといかんですね(^^)


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メインは細川バレンタインが、稲垣孝を初回TKO
好機に厳しく詰め、稲垣が防御姿勢を取れなくなったので、ストップは仕方なし。
良いの当てたあと、躊躇無く行けるのは、要は練習段階から充実していて、
体力にも攻撃力にも自信があるから、なので、この辺も以前とは違う、細川の進境かと見ました。

次は井上浩樹戦ですが、ホープと目されるオタ井上にとっても、容易ならざる王者でしょうね。
これまた楽しみな一戦です。

と、番組最後、アナウンサーとセレスさんが試合を振り返り、次回放送の予告をやって終わり、
という流れを見ていると、次回は1月19日生中継、和氣慎吾vs中嶋孝文戦、と言っていました。
OPBF王座獲得前の和氣が負けた相手との再戦なわけですが、その上に「日本フェザー級タイトルマッチ」と表記。

...これは誤記なんでしょうか?源大輝と阿部麗也の試合はどうなったのでしょう?
これを書いている今、ネット検索しても、情報がありません。はてさて。

※あれこれ見るに、単なるG+の誤記、誤表示のようです。そらそうですよね。


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さて、大晦日マカオにて、京口紘人が二階級制覇に挑むエッキー・ブドラー戦、正式発表
しかし、TV放送はなんと、関東ローカルとのこと。

まさか、大晦日にこんなことがあり得るとは、想像していませんでした。
ホントにシビアというか...世間におけるボクシング置かれた状況は、本当に厳しいものです。

しかし、逆に不思議というか、この時間帯、関東以外の地域で、TBS系列は何を放送するんでしょうかね。
放送形態や番組の編成が、かえって面倒やないの、って気もしますが。ようわからん...。


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明日はヘビー級米英対決であります。
ありがたいことにWOWOW様で生中継。こんなときだけ様がつく。

ということで、このご両人、以前の初対面以降、顔合わせればいつもこんな感じです
しかし、なんというか、こゆことをやればやるほど、仲良しやなぁ、としか見えません(^^)

体格差、というか骨格の差が、けっこうある組み合わせですが、打ち合いになればワイルダー、
はぐらかして判定となればフューリーにも勝機あり、というのが、一般的な予想でしょうが、
何にせよ、試合になれば口よりも手ですから、気が済むまで、大いにやりあっていただきたいものです。
ヘビー級の迫力、スケール感を大いに堪能したいですね。



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