さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

「新記録」抜きで見たかった、未来への希望と課題 田中恒成、WBO決定戦に勝利

2015-05-30 21:31:45 | 中部ボクシング



友人の厚意にすがり、当日、中継映像を見ることが出来ました。
簡単に感想を。


初回、速いジャブ、サイドステップが冴える田中恒成、良い立ち上がり。
2回は連打の最後に、ガードの真ん中を打ち抜く右をクリーンヒット。
3回も引き続き快調、だが手応え故か?少しずつ止まって狙う風も見え始める。

4回、この辺から目に見えて足が止まる。5回、右アッパーから好機、ヒット連発。
ところが6回はまた動きが落ち、イエドラスが手数で勝る。

7回からは、ポイントはさておき、内容的には一進一退。
軽いが正確なヒットの田中、重いパンチを振るうがガードされることも多いイエドラス。
8,9回と田中が好打して攻勢をかける場面もあるが、イエドラス止まらず、攻める。
終盤はイエドラスも好打があり、やや田中が失点したか、という感じで試合終了。

採点は7対5で田中と見ました。甘ければ8対4もあるかなと。
公式採点ではふたり9対3がいましたが、それは少し甘すぎのような。

いずれにせよ、勝ちという結果は明白で、クリアなものでした。
デビューわずか5戦目の若手が、タフなメキシコの上位選手に競り勝った、という事実と共に、
俗に熱戦、好ファイトと言える試合内容もまた、大いに称えられるものでしょう。


課題としては、減量が苦しく、この時期としては暑かった上に、序盤の好機の際、フォローアップの精度を欠き、
ミスブローを重ねてしまい、思った以上に体力を消耗した点でしょうか。
これまでのどの試合よりも「燃費」の悪い試合をしてしまった感があります。

また、動いて回ってジャブから当てて、という立ち上がりだったものが、なまじ序盤から好打できたものだから、
その手応えをもった上の判断で、やや動きを止め加減にして「狙う」型になったことが、
その後の展開を悪いものにした、とも見えました。

全体的に、闘い方自体が、相手の特性を踏まえた上で、動くか狙うか、どちらかに「徹した」ものになっていなかった。
イエドラスの頑強さが、想像以上のものだったこともあり、悪く出れば致命傷になりかねなかった、とも見えました。


しかし、上記したとおり、5戦目の若手の試合としては、大いに称えるべき内容と結果でした。
好機もあれば、劣勢の展開もありましたが、タフな相手を仕留められなかったとはいえ、単に当てるだけで無く
深刻なダメージを与える場面も複数ありましたし、最軽量級では稀な部類の熱戦でした。


井上尚弥のような、常識外の驚異ではなくとも、田中恒成の前途は洋々たるものでしょう。そう言える試合でした。
しかし試合にまつわる「新記録」の話題や、前王者の返上の経緯、そして今後、その前王者との「統一戦」云々、
という話のあれこれについては、曰く言い難い感情がどうしても沸き上がってきます。

事細かにあれこれ、言い募る気にもなりません。「余計」なことばっかりやな、というに尽きます。


あの愛すべき石原英康の指導を受けた、中部ボクシング界の新星が、苦しみながらもまたその才能を輝かせて、勝った。
ただそれだけの試合として、今日の試合を見られたら、どんなに良かったか。
このような良い試合を見られた喜びはかけがえなく、間違いなく、大きなものです。
しかしその心の片隅に、そういう気持ちがあるのも確かですね。



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見られない地域も多かったと思いますので、動画紹介しておきます。
数日で消します。或いは消されます。お早めに。















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朗報か凶報か?/名匠に教わる/新代表/英国で挑む/反響

2015-05-21 21:21:06 | 話題あれこれ


話題をちょこちょこと。

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井岡、レベコに再戦指令

正直、試合内容としてどうというのはまた別で、採点がそこまで問題になるような印象ではなかったですが、
私の見方とは違う意見も多々あり、こういう成り行きもあるのかなぁ、という感じです。

記事では、他の試合を挟むこと無く直接再戦せよ、という指令が出ている、とのことですが、
急にそんな厳密なことを言われてもねぇ、なんか変なものでも食ったんですか?って感じですが。
例えば、道に落ちてた、毒の入ったまんじゅうとか...。

まあしかし、本来なら特に大勢が見たいと思うわけでもない再戦に、大層な意味づけが出来るという点で、
興行主やTV局にとっちゃ、渡りに船?な朗報なのかも、ですね。
出来れば一試合挟んで、今年の大晦日をコレで盛り上げてしまおう!みたいな。

こんなのさっさと片付けて、大晦日はもっと強いのとやるぞ、ってな話になってくれればいいんですけどね。
ブランク中の井上尚弥に成り代わってあのお方に挑むぞ、とかね。無いですかね。無いでしょうね。

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で、その井上尚弥ですが、WBOは暫定王座を作ると決めたそうです。

これ、普通なら悪い話、凶報なんですけど、まあ次の的が決まるんならそれもええか、という感じですね。
すでに1位だった人が二人、よそに鞍替えして、三人目も逃げたかと思ったら、一応こういう話になりました。

しかし、ひとたび相手が手強いとなったら、逃げられる立場の人は皆、逃げるんですね。
これが一団体とか、二団体までの時代だったら、そんなアホな発想はほとんど成立しなかったんですが。
大抵、どっち行ったって、一定の水準を超えた王者しかいなかったですからね。
しょうもないこと考えるだけ時間の無駄でした。良い時代だったんですね、今思うと。

今、井上を筆頭に、内山三浦に山中に、どっからなとかかってこんかい、と見てるこっちが強気になれる王者がいて、
でもそうなると、かえって強いのとやりにくかったりする。まったくもって、変な時代になったものです。


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河野公平の渡米は、なかなか充実したものになったようですね。
フレディ・ローチに教わるってのは、たとえ僅かな時間であっても貴重なことでしょう。

どうやら、ホントにあちらで社長さんとやることになりそうですね。
きっと、試合以外でおかしなことが起こりまくるでしょうし、もう、結果度外視で、徹底的に押しまくって
あちらのお客さんに受けたら、それでええかな、とか思ったりします。
どうせ、試合自体、あちらでは誰にとってもニーズの無いものだというのは明確ですから、
一見さんに受けたモンの勝ちや、みたいな。

そりゃ、ファンの勝手を言えばWBAタイトルなんか返上して、日本で井上尚弥に挑戦してくれへんかな、とか。
事実上の王者統一戦!とか。ハーンズvsデュランみたいな。
その方がこっちは燃えるんやけどなー、とか思ったりもするんですが。さすがに無理でしょうけど。


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6月10日の興行PRと併せて、坂田健史新代表発表

TBSへの窓口ジムとしての、色々な過去を思い出すに、このジムの代表職というのが、彼にとって本当に名誉なことなのか、
彼のように多くから敬愛された元チャンピオンに相応しいものなのか、何とも言いかねる、というのが正直な気持ちです。

しかし、現役時代に様々な理不尽や無理筋を経験した彼だからこそ、ボクシング界に大きな影響力を持っていたジムを、
従来とはまた違った形で、少しでも良い方向へと立て直してもらえたら、という期待も、当然あります。
色々大変でしょうが、健闘を祈りたいと思います。


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月末にはリナレス、そして来月には岩佐亮佑が英国遠征ですね。

岩佐がその才能を十全に発揮出来れば、充分勝てる相手だと思いますが、何せ敵地、しかも英国、
いろいろハンデもありそうで、心配でもあります。
しっかり先手を取って、その後の展開を掌握し、厳しい構えでそれを維持し、何とか勝ってもらいたいです。
このレベルの逸材を無駄に出来るほど、日本のボクシング界に人が余っているとも思いません。朗報を待ちます。


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訴訟沙汰になっているそうです。
ある意味、あの試合に相応しい形の「反響」だという気もして、いとおかし、てなところですね。

しかしその後に行われたふたつの興行、カネロvsカークランドに、ゴロフキン&ロマゴンの二本立ては、
いずれもあの試合に対する、様々な意味でのアンチテーゼのような試合内容が見られ、好評でもあったそうです。

あの試合の残した失望に対し、それに反発するような方向性、エネルギーがボクシング界を後押しするならば、
あの試合もけっして無意味だったわけではない。そう思えるような試合が、今後も続いて欲しいものですね。

少なくともあのお金持ちさんを、いつまでも看板として掲げているようでは、ホントに未来がない、ということは
はっきりと全世界に向けて知らしめられたわけですから。

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少し緩み?/いの一番に出た名前/初黒星/中広の後/尊厳?/関西では放送無し

2015-05-18 13:51:41 | 話題あれこれ



昨日のWOWOWオンデマンドなど、話題を少し。


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ゲンナジー・ゴロフキンは、往年のミドル級強豪、ウィリー・モンローの甥(息子じゃ無いんですね)に6回KO勝ち。
14連続KO防衛となりました。

2回に左で倒したあと、ちょっと打たれたせい?でバランスを崩し、攻めあぐねる感じもありました。
さすがにこれだけ勝ち続ければ、相手は打ち込むタイミングを研究してくるし、それに対して、やや緩い構えだったかもしれません。
終わってみれば圧倒でしたが、試合後のインタビュー(ショーを提供した、という発言)なども含め、そういう印象でした。

次以降、名前を挙げたスター選手同士の試合に進むなら、さすがに締めてくるでしょうが、
ここまで来るのに数多くの勝利を積み重ねなければならなかった、その労苦の膨大さにも、思いが至りました。
彼があまりに、圧倒的に強すぎて、今まで余り考える余地がなかったことではあります。

ただ、それにしたってやっぱり強いですが...コットやカネロとの試合、是非見たいものです。
新時代の中量級ウォーズにおける、ミドル級最強の砦としての存在感を発揮してもらいたいですね。


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こちらも圧倒、ローマン・ゴンサレス。古豪エドガル・ソーサを2回に沈めました。

昔はこんな感じだったなぁ、と思わせる、ソーサが足を使った立ち上がりでしたが、難儀なことに全然、距離が取れていない。
ロマゴンが「音もなく」という感じで、スッと近寄り、滑らかに繋いでくる連打に捉えられてしまいました。

ポンサクレック、八重樫と続く、三度目のWBCフライ級王座挑戦だったソーサですが、三度目は文字通りの大敗でした。
何故そうなるかわからない、という風でした。彼の理解を超えた、圧倒的な強さだったのでしょう。

ローマン・ゴンサレスが、米大陸のファンにとり、どのような存在だったかは知りませんが、少なくとも今回、
その興行価値は飛躍的にアップしたはずです。そして、普段はあまり関心が払われない軽量級において、
例外的なハリケーンが巻き起こるとしたら、その中心には、きっと彼がいる。
そして、その対戦相手として、いの一番に名前が挙がるボクサーが、我が国にいる。
この事実は、感動的でさえあります。

最近、アル・ヘイモンの興行に、日本から出場したボクサーがいます。また、今後も予定があるとかないとか噂になっています。
ですが、正直言って、他に出すべき選手がいるだろう、というのが、ファンの共通した思いでしょう。

ローマン・ゴンサレスと井上尚弥の試合は、おそらくやるなら日本開催なのでしょうが、その試合自体は言うに及ばず、
両者共に、世界中のどこに出しても恥ずかしくない、堂々たるボクサーであり、チャンピオンです。
彼ら二人は、体裁を取り繕い、既成事実をでっち上げることを優先して、ありもしない名誉や力を、
さもあろうと見せかけてばかりいる「連中」とは、比べものになりません。
その存在自体が、ボクシングファンの心を穏やかにしてくれる、貴重なものです。

この両者の対決が、互いに良い状態のときに闘われてほしい。
実現にはまだ、しばし時間が必要でしょうが、今から、そう切に願います。


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一年くらい前から、専門誌やらネット情報やらで、三浦隆司に挑戦したい、勝つ自信がある、と
しきりにアピールしている、無敗のメキシカンがいる、とちらほら目にしてきました。
そのアドリアン・エストラージャという選手、そのうち、いっぺん動画見てみるか、と思ってはいたんですが、
週末に試合があり、負けたと

で、その相手というのが、数年前に河野公平に(世に言う「ジモハン」くらって)負けた、
スーパーフライ級上がりの比国人、エデン・ソンソナ。
何ソレ?と思って、動画探しました。
複数発見しましたが、いずれも何故か、音声が...あちらにはあちらで、色々事情があるのでしょう。







見事にやられてますね。2回早々、右一発。

この選手がなんでそんなに、三浦狙いを宣言してたのか、よくわからないんですが、少なくとも大きく後退、でしょうね。
ホントに強くて、この試合が例外的な油断とかだったら、また将来見ることもあるのでしょうが。


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やっぱ、遠いので日帰り観戦は厳しい、広島のリングの話題

天才・中広大悟が去った広島ですが、板垣幸司は元気に頑張っていて、連勝を飾ったとのことです。
名古屋でやったデビュー戦でしたかね、偶然見ていて、広島に強いのがおる、と名前を覚えたのは、もうずいぶん前ですね。
あれこれ紆余曲折もあったようですが、嬉しい話題です。

グリーンツダの岩下幸右は、元全日本新人王の若き強打、池田竜司に残念ながら初回KO負けとのこと。
パワーがだいぶ違ったのでしょうね。池田もまた見てみたい選手です。


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アル・ヘイモンへの風当たり、という話題
エストラージャの記事の下、三つ目の記事です。

GBPの場合は、選手の契約がどうしたこうした、という話があるのだろうから、まだわからんでもないですが、
WBOがいったい、何の理由で訴訟するんでしょうかね。
だいたい「ボクシングの尊厳を傷つけた」って、お前らこそ、頼みもせんのに勝手に揉めて、タイトルの数を増やして、
ボクシングの尊厳を相当傷つけとるやないか、寝言は寝てから言え、ドアホ、と、私でなくても思うところでしょうが。

まあ、実際どういう話かはわかりませんけど、普段ため込んでいる憤懣を、良い機会だから少し吐き出してみました。


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最後に残念な話題。

30日の田中恒成の試合ですが、どうやら関西では、当日生中継も、深夜の録画放送もないようです。
夕方の時間帯は、サスペンスドラマの再放送とのこと。とほほな話です。
幸いなことに、私はCBCの放映がある地域の友人の厚意により、当日、放送を見せてもらえることになりましたが...。

関東では放送あり、とのことですが、これは生中継なんでしょうかね。
CSのTBSチャンネルでは、後日放送があるようです。

記録が掛かった世界挑戦といっても、こういう扱いであるという現実には、曰く言い難い感情がありますね。
試合内容と結果については、大いに期待したいところではあるんですが。



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とりあえず勝利の喜びを 長谷川穂積生出演動画

2015-05-16 23:08:56 | 長谷川穂積

そういうことで、長谷川穂積「せやねん」出演。動画紹介します。
数日で消しますのでお早めに。


その1。




その2。

一部、事情あって音声を消してあります。





今後については、あまり語りませんでした。まあ今は怪我を治し、勝利の喜びを味わうときですね。

ところで今回、くじを外します。多分初めてじゃないですかね。


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一番最後の漫才は、多分、関西の方じゃないと意味がわからんでしょうから、こちらも紹介。
ロン毛の方が、長谷川さんといいます。
ティーアップというのは、全国区で売れてはいませんが、実力派として関西では高く評価されているベテランです。
ボクシングには何の関係もない話ですね...。





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白紙もまた良し/未来は赤毛の彼に/復帰決定/MVPは古都の彼/米国開催?/未定だけど内定

2015-05-12 02:00:12 | 長谷川穂積



怒濤の観戦ラッシュの最後を、見事な勝利で飾ってくれた長谷川、今後は白紙とのこと。

前の記事やコメントでも書きましたが、今回の試合が最後であってもOK、というのが私の思いです。
単にもう一度、世界タイトルを獲りたいという、わかりやすい話ではなく、それ以前の問題としての「納得」を、
闘えるうちに闘うことで手にしたい、そのための再起だった、というのが私なりの理解です。

その「納得」が何を指すものなのか、土曜日の試合でそれが得られたのかは、本人の心中に、
遠からず生まれる答えを待つしかない、のでしょうね。

とりあえず、試合当日午前に放送あった、恒例トミーズ雅さんのインタビュー動画を紹介します。
数日で消すか、消されるかですので、お早めに。
会場に出かける前に紹介出来れば良かったのですが、さすがに無理でした。



インタビューは試合のひと月前くらいだったそうで、まだリラックスしていて、けっこう笑わせてくれます。

ウソやん。2回KOとかしても、勝って辞める?
たぶんやりますね(笑)



何ともかとも...長谷川ならでは、ですかね、こういうの(^^;)







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翌日、二週連続でのWOWOW生中継は、のんびりと見ておりました。
前座試合がひとつ、また誰ぞの計量失敗で飛んだとかで、早々にいきなりメインから放送でしたが。

サウル「カネロ」アルバレスは、闘牛のように突進してくる強打のジェームス・カークランドを迎え撃ち、
見事なコンビネーションで打ち倒して、3回KO勝ち。
普通の選手だったら、あっという間になぎ倒されていて不思議の無い猛攻を受けても揺るがず、
正確かつ強烈なパンチを、防ぎようのない巧みな組み合わせで繋いで打ち込み、倒す。見事なKOでした。

先日の、金持ち喧嘩せず、みたいな選手の勝利にげんなりしていましたが、決意と決意の激突から逃げず、
己の拳で全てを切り拓き、打ち倒し、手にするために闘う二人の姿は、実に眩しく映りました。
王国メキシコの若きヒーロー、赤毛の強打サウル・アルバレスの双肩にこそ、ボクシングの未来を託したい気持ちです。

ひょっとしたら、あのお金持ちさんとの再戦に望みを持って、ミドル級への進出を宣言しないでいるのかな、と思っていましたが、
試合後のインタビューでは、ミドル級タイトルへの展望を語っていました。

出来ることならミゲル・コット、ゲンナジー・ゴロフキンらとの激突が見てみたいもの、ですね。
先の試合で、ボクシングそのものへの期待、信頼がかなり損なわれたかもしれない、と危惧しますが、
彼らの試合こそが、それを取り戻す第一歩になるのかもしれない、という期待も込めて。


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長谷川の見事な復活がありましたが、東のリングでは下田昭文の再起が決定

マカオのリングにおける、世界戦線への復帰を賭けた一戦で、痛恨の敗北を喫した下田が、
地味ながら、楽では無い日本ランカーとの対戦から、どこまで這い上がれるか。
目先の試合ひとつで全てを語れようはずもないですし、ひょっとしたら苦戦もあるかもしれません。

しかし、そういう相手との試合だからこそ、簡単に、鮮やかに勝つ以上の意味が見える場合だってあると思います。
長谷川の勝利が、KOで終わらずフルラウンドの判定だったからこそ、その質の維持に価値が見えたように。
カード的には地味な印象ですが、注目の一戦ですね。


この日は帝拳勢が勢揃いの興行で、五十嵐、尾川の他、スーパーフライ級新人王トーナメントの試合で
2勝2KOの注目新人、梶颯(かじ はやて)も出る予定だそうです。
西の平野拳生(風間)にとって、この選手は全日本決勝戦における脅威となるか、と、
気が早く的外れの可能性も大きい予見をしている私です(^^)

しかし、残念ながら多分見に行くという馬鹿は出来ず、後日G+の録画放送を見るとします...。


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今年のカーニバルは、飛んだ試合もありましたが全日程終了。
MVPは古都の逸材、大森将平。そらそうですよね。
でも岡田博喜の可能性もあるかな、と思っていましたが。内藤律樹はやや及ばずかな、という感じです。

しかし、久々に、絵に描いたような「西に大器現る」の雛形にぴったりな、衝撃の王座奪取劇でした。
今から初防衛戦が楽しみでしょうがないです。相手は誰かな。どなたか、遠慮無く教えてください。
当ブログはタレコミ大歓迎です(^^)...あかんて、それ。


...と、あほなことを書いていたら、もう決まってました(汗)

六島ジムの向井寛史と、南京都対決、なんだそうで。
9月16日、京都府立体育館、島津アリーナにて。徳永幸大vs鈴木悠平とダブル!

出し惜しみ無し、ですね。これは観戦せねば!KBS京都で生中継とかはないかな-。



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内山、田口防衛の影で、もうひとりの王者、河野公平は渡米して練習と。

ひょっとしたら、本当にPBCの興行にでも出る方向で話が進んでいるんでしょうかね。
はっきり言って、あちらのTVがいい顔するようなカードかなと思いますが。
もし挑戦者が、本来こちらに指名挑戦権があるべき、1位で暫定王者のダビド・サンチェスであるならば、
話は全然違ってくるんですけども。

どういう成り行きになるか、まだはっきり発表はないわけですが、周到に準備をするのは良いことですね。


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さっそく再戦が内定、と、国内の報道機関に向けて発表、とのこと。
日時も場所も未定なれど内定!とは、また勇ましいんだか何だか。必死やな、ってことだけははっきりしてますけど。

しかし、判定に不服だから再戦、なんてことをいちいちやってたら、あなた方三人のキャリアは
それこそ再戦だらけになってしまうやないですか、と思わず突っ込んでしまいますね。
自分たちは受けないが、人には受けさせる。これも「決意と決意の激突から逃げない」と書くべきでしょうか。

この人達がやる試合には、正直何の関心もなく、どうせ見る価値のある試合もほとんどないでしょうが、
こういう「オモシロ」なところは、これからも大事にして、せいぜい頑張っていただきたいところです。
さすれば当ブログでも、オチ要員として、重宝しますので(笑)


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死の灰の中から甦った、かつて見た夢 長谷川穂積復活、強打ガルシア空転す

2015-05-10 04:09:11 | 長谷川穂積



昨夜は神戸にて観戦してきました。
「あまりのこと」に喜びすぎて、動揺すらした、というのが正直なところです。


試合展開について、G+の放送をご覧になった方の印象とは違う部分もあるかもしれませんが、
会場で見た印象を。


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初回早々から、オラシオ・ガルシアの右強打を長谷川が丁寧にダックして外し、右サイドに出る動きが冴える。
その位置から左のダブルフック、左ストレートを上下に連打。望外、というべき好スタート。

2回以降、時にガルシアの右クロスや左フックも単発で出るが、総じて長谷川が外し、サイドに出て、
打たれない位置から左、右と当てていく流れ。

3回、ガルシアのクリーンヒットがほぼ皆無のまま終わる。実に丁寧な長谷川の防御。
4回、ロープ際に追われるも長谷川が足を止めず、ダック、右回り。時にクリンチ。

5回、前の回に足を踏んだ咎で減点されたガルシアが構わずまた足を踏む。
長谷川左へ逃れ左フック。右回り中心、たまに左側へ身体をさらす、その配分が絶妙。
右リードもいつになく出る。

6回、ガルシアが前進、ロープ際。長谷川左当てて脱出、ここから左上下、逆にプレスかける。
ガルシア空振りにも怖さがあるが、左ダブル、上下ヒット。
7回、少し長谷川休み加減?しかし左当てポイントは抑えたか。

8回、このあたりから、負傷した右足首がつっかえるように見える。
ガルシアそれに乗じ?攻める。長谷川ロープ際で打ち合い、クリンチ。場内からクリンチに拍手が。

9回、長谷川への心配と応援で場内に一体感が生まれる。
長谷川右ヒットされるが、コンビネーション出して反撃。クリンチも使う。
最終回、あと3分!という気持ちが場内を埋め尽くす。長谷川左当て、ロープ際では動き止め加減で外す。
左右のコンビ、クリンチ、試合終了に場内大歓声。


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2012年12月のアルツロ・サントス戦に比べるとやや劣るものの、
この会場における興行としては例外的な盛況の神戸市立中央体育館の観衆は、
スピーディで鮮やかなダックの数々、丁寧な右回りで若き強打者ガルシアを空転させる長谷川の
かつて見た才気溢れる姿が再現されたことに、歓喜していました。
そしてそれが打ち崩されぬように、無にならぬように、と願いながら、試合を見ていました。

試合前に報じられた右足首の負傷は、靱帯の断裂であったという驚愕の情報が試合後に知らされましたが、
8回あたりからは、はっきりとその影響が見えたにも関わらず、長谷川はガルシアの追撃を許さず、
動き、外し、突き放して試合を終わらせました。



それにしても、これほど長谷川が、長谷川らしさを見せた試合は、いつ以来のことかと思います。

オーソドックスの右をダック、スリップでほとんど無力化し、右回りから切り返して左のダブル、
そして時に正面から左ストレート。なお相手が来れば、左で釣って右フックを振り下ろし、
直後に左ストレートとアッパーを連続して打つ、変則のコンビネーション。
それに今回は攻防の隙間を、今まであまり冴えたことのない右のリードジャブで「埋める」場面も。


かつて若手時代から、OPBF王者時代にかけて、私たちを魅了し、壮大な可能性を感じさせてくれた、
若き長谷川穂積の姿が、より円熟味を増した形で再現されたような気がしました。


そして何より、受けに回ってロープを背負った場面でも足を止めず、さりげなく右回りをして脱出し、
必要ならば嫌いなはず?のクリンチもして、相手の攻撃の勢いを削いでいました。

こうした部分は、ここ数年重ねられた痛烈な敗北や苦闘の際に、どうしても納得がいかなかった部分でした。
ことに昨年のキコ・マルチネス戦における、無理、無謀の感があるインファイトへの対応の悪さと、
それがもたらした決定的な破局は、もはや彼がボクサーとして、純粋に勝利を希求する精神性を阻害されている、
或いは、その何事かに、その心身を囚われてしまっている、と思わされるものでした。


ところが今回、彼はまるで、何事もなかったように、今の彼自身そのものを我々の前に提示しました。
かつて見せた、理に適った、そして同時に、理だけでは語りきれない才気に支えられた、鮮やかな攻防の冴えと、
若き強打者の力を封殺した、無理と無駄を排した試合運び。


これだけの戦績を経て、傷を負い、疲弊した末に、折れるように倒れたあの試合の一年後、
彼はそれでもなお、単にかつての自分を取り戻すに留まらず、新たに身につけた賢明さをもって、
足の負傷をものともせずに勝利したのです。

その試合展開は、試合前に抱いた様々な悲観を、徐々に打ち消し、見る者の心を晴れやかにするものでした。
長谷川穂積は、死の灰の中から、まるで不死鳥のように甦り、すでに失われたと思われていた輝きを、
私たちの目の前に再び、見せてくれた。


それはこの期に及んで見られるものではないと思い、諦めていた「成長」でした。
かつて、若き長谷川穂積を通じて見たものとはまた別の、壮大で輝かしい「夢」でした。


彼の今後がどうあろうと、それに触れられた喜びに、まさるものはありません。
このように彼が闘ってくれたこと、それをこの目で見られたことの喜びに、まさるものなど!


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怒濤のごとく続いた観戦も、これで一休みとなります。
まさか、こんなに幸福な気持ちで締め括れるとは、以前プレビューめいた記事を書いたときには
想像すらしていませんでした。
あの時書いたことが、全て、意味のない戯言と化したこともまた、とても大きな喜びです。


長谷川穂積に脱帽します。そして、感謝です。良い試合をありがとう!



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心配した方が馬鹿でした 内山高志爆発、ジョムトーンを一蹴

2015-05-06 23:59:49 | 関東ボクシング



えー、なんというか、記事タイトルが全てやね、という感じなんですが...(^^;)
まあ、簡単に感想を。


立ち上がりは、ジョムトーンの上半身がえらく大きく見えました。
実況によりますと、66キロまで「戻し」てたそうです。
(TV東京の実況と煽りは少々くどいですが、こういう、大事な情報をちゃんと伝えてくれる点はありがたいです)

これ、ジャブの差し合いで撥ね付けられたりしたら、後々難儀な展開もあるのかな、と一瞬思ったんですが、
内山はいつもどおり冷静で、しかも大晦日の試合よりも身体が柔らかく動いている印象。

しかも、基本、正面正対かと見えたんですが、実は何度か、こっそりと左側へ踏み込む動きもあり。
これなら右ストレートから入れそうに見え、お、これは良い感じ...と思った直後に、右当てて、追撃、
中立コーナーへ追って、もう一発、右がガツン、と入りました。

ジョムトーンは明らかに右目周辺に痛みがある様子。内山を正面に捉えて左を伸ばしてきて、
それに対して内山は右へ移動しましたが、この「巻き戻し」の移動の際に、金子大樹と違って、
ちゃんと右斜め後方へ、距離を取るため下がりつつ回るので、ジョムトーンの左は届かず。

内山は相手に甚大なダメージを与える好スタート。
そして、そのアドバンテージを、しっかりと次の回へ繋げる形で、初回を終えました。
この辺はもう、さすが、としか言えません。


2回、ついさっきまでと違い、ジョムトーンがさほど大きく見えない。
ことほど左様に、私の目玉は実に勝手に出来ています。

距離が近くなった上での打ち合いで、内山が打ち勝ち、右回り。
ジョムトーンがそれを追うが、内山が今度はほぼ正面から、リードのためではなく、倒すためのワンツー。
ダックしたジョムトーンの右顔面をまた右が捉える。
ダメージか激痛か、定かではないですが、ジョムトーン大の字で試合終了となりました。


はっきり言って、どこからどう見ても技量力量の差、と見える展開と結果でした。
しかし、そう見える一方、もしこの相手に、内山が衰え、緩み、集中を欠いた部分が僅かでもあれば、
悪い展開だって充分あり得た、という気持ちも、変わらず持っています。

ただ、そういう心身の隙が、内山高志には全く見られなかった。
初回早々から、雑に出るでなく、漫然と見るでもなく、冷静に動き、丁寧に攻めた。
この相手と試合を組まれたことに対し、何か思うところがあったとしても、彼はそれを全て、
前向きに、正の方向への力に変えて、一切の揺るぎも見せることがなかった。

彼が強いことは当然知っていますが、その心の構えの強さこそが、まさに驚異なのだと、
改めて気づかされた圧勝劇でした。


今度は何か嫌な感じだと、試合前にあれこれ思っていましたが、これほどのチャンピオンに対して、
我々が馬鹿な心配などする必要はないんですね。単に、期待だけしてれば良いんでしょう。
嬉しい驚きをもらった一戦、脱帽ものの試合でした。


ジョムトーンは、何だか若干かったるそうに見えた金子大樹戦と違い、好調そうに見えました。
妙に、というのも変ですが、やる気満々な感じでした。
しかし、いつもなら相手を正面に置くセットアップの手順を踏むところ、内山が左回りの動きを
あからさまには見せなかったせいか、普通の感覚で手を出していて、ここ一番、僅かに左側から打ってきた
内山の右を貰い、悪いことにそれが致命傷になってしまった感じでした。


この試合の中で起こる、あらゆる事態が、彼に悪く回った、そういう印象が残ったのも事実でした。
しかし、そうなった原因はというと、それは内山の一部の隙もない闘いぶりにあったわけです。

ジョムトーンを利する何事かが起こる可能性を、内山は、その心技体をもって完全に封じてしまった。
最後のKOシーンは、痛みやダメージと共に、その現実の前に、ジョムトーンが屈服してしまった、
そんな「絵」にも見えました。



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田口良一は、何とも賑やかなノックアウトで初防衛でした。


攻撃面では意外というと失礼ですが、けっこう多彩だったりします。
右クロスは強いし、左ボディも同様、左アッパーは時に上にも当てる。
巧さというよりは成り行き次第、という感じながらスイッチもして、右ジャブもダブルで出たり。
で、パンチ力もあるから、クワンタイ・シスモーゼンを五度ダウンさせてKO勝ち、という
初防衛戦としては何とも華々しい結果になりました。

しかし、防御面に関しては、世界と名の付くタイトルホルダーにしては、お世辞にも良いとは言えません。
誰の目にも明らかなことですが。

基本、顔から手が離れた、良く言えばゆったりした構えなんですが、あの構えなら、相手としっかり距離を取らないと、
言っちゃなんですがボクシングじゃなくて「ド突き合い」になるのは当然です。

あんな距離で打ち合うんなら、もっとガードを締めないと、危なくてしょうがない。
実際、あの構えが、序盤から倒されてダメージを抱えたクワンタイにとり、打てば当たるという希望を与え、
まだ逆転のチャンスがある、という粘りを引き出す元凶になっていました。

もう少し、ピンポイントでジャブを当て、相手を止める練習をしないと、序盤からパンチ力の差で抑え込めた
今回のような試合展開でない限り、ランディ・ペタルコリンに限らず、ランカーの誰とやっても苦戦必至、でしょう。


攻撃力は魅力的で、性格も真面目そうだし、ルックスも良いし、果敢な闘いぶり。
スターの素質を持っている、貴重な選手です。
こういう選手こそ、伸びていって、人気者になってほしい、と期待します。
そのためにも、という気持ちもあり、ちょっときつめに書きました。


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しかし、何というか、TV的にはこういう試合、映えて面白いのかも知れませんね。
実況が妙に楽しげ?なように聞こえて、若干複雑な気持ちになったりしました。

放送自体はちょっと、煽りやCMが長くて、つらいとこでしたね。
仕方ない、と言ってしまえばそれまでなのでしょうが...仕方ないですからねえ、実際。

ただ、あの「つよかわいい」ってのは、誰かが、あれは面白い、と思ってやっているんでしょうかねぇ。
もしもどこかの、一定の枠というか層というか、そういう人たちが、あのキャッチで田口良一を知り、
感心を持ち、ファンにでもなっている、というのなら、私のようなオールドタイプが口を挟む余地はないのですが。

多分、おそらく、どこを見ても完全な空振りに過ぎないような気がするんですが...実際、どうなんですかね。
どなたか、不勉強な私めに、ご教示くださいますでしょうか...いや別に、何もなくても良いんですけども。





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内山高志に挑む難敵・ジョムトーン近況情報

2015-05-04 05:59:00 | 関東ボクシング




他記事のコメント欄に、hiroさんからジョムトーン・チュワタナの近況についてコメントいただきました。
貴重な情報なので転載します。


ジョムトーンのマネージャーは、以前ムアンファーレク・ギャットビシアンという、ムエタイ兼業ボクサーを
「持っていた」人で、無茶苦茶なスケジュールでムアンファーレクを日本で試合させて問題になったことがあります。

タイにおけるムエタイ人気には、最近陰りが出てきている、なんて話も聞きますが、そういう状況の中、
集客のためにジョムトーンもまた、内山挑戦までに厳しいスケジュールを強いられるのでは、と思っていましたが、
実際はというと、思っていたよりは、余裕のある調整になった模様です。


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金子大樹を退けたジョムトーン、2月12日にラジャダムナンスタジアムで(タイでの)ムエタイに15ヶ月ぶりに復帰します。
ヒジ・ヒザありのムエタイルールでのライト級5R。デンパノム・ローンリアンキラコラート相手に
ムエタイでは珍しい4RのTKO。破壊力を見せます。

ジョムトーン、ボクシングの試合を多く組むようになってからバランスの変化もあり、
膝蹴りを得意とするラジャダムナンスタジアムの現王者・パゴーンに完敗を喫したように、
ラジャダムナンスタジアムの上位戦線からは退いていただけに意外でした。
3月末にそのパゴーンとの試合が組まれましたが、さすがにこれは流した模様。

一部報道で、中国での試合を3月に行ったと書かれていましたが、それは真実で「武林風」という中国の大会
(さすがに肘打ちは禁止のルールでしたが)の67kgトーナメントに出場。地元の2選手を下しています。
ちなみに、対戦相手は中国武術の選手。異種格闘技戦、どんとこいですね。

ムエタイ/キックボクシング戦績は193勝36敗4分のジョムトーンですが、
特筆すべきはアウェイでの試合でも安定した実力を示す点。
フランス、日本、中国でそれぞれ(特に中国で勝利するのは至難なのに)各国のエース級に勝利を収めています。

WBCムエタイの緑のベルトもフェザー級・ライト級でそれぞれ強豪と防衛戦をこなしており、
正直、海外での試合については内山選手より全然先を行ってますね(苦笑)。

個人的に気になるのが、67kgでの試合をこの2年間はコンスタントにこなしている点。
ボクシングとの違いはありますが、ウェルター級の欧米勢の圧力を実戦で受けてきている経験は、
内山選手の圧力を凌ぐのに通じるか楽しみです。


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こちらは公開練習の模様

いただいた情報を裏付けるようなコメントが出ています。
金子戦のときは、相当不調で、でもあれだけ手強かった選手だけに、かなり不気味です。
6日の試合は、心して見ないといけませんね。

hiroさん、貴重な情報、改めて感謝します。










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地球は揺れず、世界も止まらず ベテラン同士の攻防はメイウェザーの勝利

2015-05-03 16:34:49 | フロイド・メイウェザー



思っていたほど酷くはないが、やはり大したこともない試合、というのが、
見終えた今の率直な感想です。



初回、メイウェザーが彼にしてはどっしり構えて、パッキャオを突き放しに、叩きにかかる感じ。やや意外な立ち上がり。

この時点で私は愚かにも「あれ、さすがに今日という今日は、いつもと違うのかな、やったるぞ、という気合いなのかな?」と
思ってしまったんですが、この回最後の方になると、もういつもの受け身とクリンチでお出迎え、という形になっていました。


序盤はメイウェザーが取り、4回はパッキャオが左を一発、それ以外は連打で攻める。
すると5回、メイウェザーがまた強めに構えて、右カウンターを当てる。
しかし6回はパッキャオがその構えを押し返し、手数を出す。

7回、その展開に応じ、メイウェザーが初回とほぼ同様かそれ以上にスタンス広く構え、右リード、右カウンター。
明らかにパッキャオを「止め」にかかっている。それは良いが、その先のことは何もしない。

ラウンド序盤は強く構え、途中からは引いて回って、カウンター、クリンチ、という展開を維持するメイウェザー。
パッキャオはメイウェザーが「設定」する距離を崩せはしないものの、連打の最後にボディのヒットを取っていく。

9、10回は採点を迷う回。パッキャオ前進、しかしヒットはあっても浅い。
メイウェザーは、外してカウンター取るが、回数が少ない。
11回も同様。パッキャオ前進、メイウェザーは押して引いて、といつもの感じ。
ポイントはメイウェザーだが、メイウェザーが良いとかまさるとかいうより、パッキャオのヒットが乏しい。

最終回はメイウェザーが明らかに流す。本当に、いつもの感じ。

さうぽん採点は116-112。迷った回をひとつパッキャオに振っても115-113まででした。


パッキャオは以前の爆発的な踏み込みと、それを支えた自信が、やはり完全には戻っていませんでした。
残念ながら、こればかりは人間のやることで、仕方ないと言わざるを得ません。
でも、ここ数試合の中ではもっとも好調だったし、集中も感じました。終盤も動き自体は落ちませんでした。
現状の精一杯に近い仕上がりで、リングに上がって来てくれた、という印象でした。


メイウェザーは相変わらず、よく考えて闘っていました。手は少ないが当てている、というラウンドを多く作り、
攻勢に出て連打は出すが、ヒットは乏しいパッキャオを常にリードしていたように思います。

また、パッキャオが好打したパンチがあれば、即座にそのパンチを止める手立てを用意して、
小さく鋭い右をカウンターし、左のチェックフックで脅かしと、局面ごとに適切な対応をする。
その上で僅かに作った空間の余裕を生かしては、スウェー、ダック、サイドステップを駆使し、
パッキャオの攻撃の大半を無力化していました。

こういう展開の中、昔日の採点基準なら「イーブンでええわ、こんなもん」と思うような回も、
今の採点基準で振り分けるならメイウェザーのポイントになる、という回がいくつかありました。
それ以外のクリアな回も、双方、有効打としては浅いものしか見られませんでした。
そして、そのまま試合が終わりました。


率直に言って、試合としては平坦なものでした。
今世紀最高のスーパーファイトという喧伝に見合うかどうか、という物差しを持ち出すまでもなく、です。

共に38歳と36歳という年齢、歴戦の疲弊を考えれば、非常に良く仕上げてきて、集中力も極めて高く、
流石に巧い、速い、強いと思えました。
しかし、試合前にさんざん喧伝され、煽られた、様々な数字や話題を取り除いてこの試合を見れば、
はっきりいってこれよりも良い試合、凄い試合は、スーパーファイトの歴史を振り返るまでもなく、
数多存在し、見ようと思えば、いくらでも見られます。


まあ、試合に盛りつけられる様々な虚飾の言葉をあげつらうようなことは、良い趣味だとは思いませんが、
それでも、こんな試合のために地球が揺れたり、世界が止まったりするかいや、と、皮肉のひとつも言いたくなるような試合でした。


でもまあ、両者の現状を考えれば、どちらかといえばメイウェザーに対し不満はありますけど、
パッキャオが彼の設定した展開を打ち破る爆発力を発揮出来なくとも、それはもう仕方ないし、彼は精一杯闘った。
それでメイウェザーを捉えられなかった以上、メイウェザーの方が優れていた、ということなのでしょう。

と、安い料金で試合を見られるボクシングファンとしては、そういう風に思ってそれでおしまい、で全然大丈夫でしょう。
こういう試合もあるわ、という。


しかし、所詮他人事とはいえ、そうではない範疇の人々にとっては、そういうわけにいくのかどうか、疑問ではあります。

まるでアメリカの富裕層の慰みもののように扱われた試合のチケットの話や、あちこちからえらい収入を掻き集めたという話が、
それこそ階級社会を形成する信仰心や神に取って代わって崇められる「金」を絶対視する価値観のもと、
様々なメディアによって話題になっていました。
その話題性につられてこの試合を見た人や、金銭を始め様々に過剰な負担を強いられた人たちの間において、
この試合はどのように受け止められ、評価されるのでしょうか。

彼らがボクシングを代表するふたりのスーパースターであることは理解しますし、納得もします。
しかし、少なくとも今になって実現したこの試合は、やはり、ボクシングファンの枠を越えた試合には、なり得なかった。
その危惧は、試合前から誰の心中にもあったと思います。


ボクシングの内実を無視した様々な要素によって、果てしなく膨張した様々な数字が積み重なった果てに、
こういう試合内容と結果が残ったことが、今後の両者の行く末などではなく、ボクシングそのものの今後に、
いったいどういう影響を及ぼすものなのだろう。そんな疑問が心中に残っています。


結局、自分自身が思うことだけが全てだろうし、余計なことかとも思いはします。
しかし、どうしても、この試合に対する、今後の反響が気になってしまいますね。



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身動き取れず、為す術なし 粟生隆寛ベガスに沈む

2015-05-02 20:35:27 | 粟生隆寛



階級制もへったくれもない、とんでもない試合でした。

レイモンド・ベルトランは前日、200グラムが落とせず、ウェイトオーバー。
記事を読んだ限り、一応、リミットに落とそうと努力はした方なのかな、と思ったのですが、
両者が向かい合った時点で、今まであまり見たこと無いな、というくらい身体が違いました。
ひと回り、というよりふた回り違う感じでした。

当然真っ向から打って外すにも限界があることは明白でしたが、
これだけ体格が違うと、傍目が動け、回れ、離れろと思っても、そうはいかないものなのでしょう。

攻めてくるベルトランに、粟生が右フックを当てる場面もあったのですが、右から攻められ、
左アッパーも来て、さらに打ち込まれ...2回、二度のダウンで試合が終わったときは、
あまりの展開に言葉も出ませんでした。

粟生にしたら、動いても外せそうになく、迎え撃って止めよう、という気持ちになったのかも知れません。
そもそもカウンターパンチに自信を持ち、相手を引き付けて打つ左で、見事なダウンシーンを見せてきた選手です。
しかしそういうパンチが決まったとしても、この試合はどうにもならんだろう、と見ていて思いました。


とにかく、技量力量の比較の前提である階級制が、試合前の時点で蹴たぐりにされていて、
しかもその体格差の度合いが、余りにも違いすぎるように見える。
試合が始まってすぐに、粟生隆寛の敗北が予見でき、試合がその予見を超えるような、
無惨な展開を辿っていく。
それに何の不思議も感じず、悔しいと思う暇もない。

自分が応援したり、勝って欲しいと思っている選手が負ける試合というものは、
それこそ数限りなく見てきましたけど、こんな風に感じたことは、多分一度もありません。

うまく言えませんけど、こんなの試合ではない、と思う気持ちと、でも現状のルールにおいては、
試合として成立はしてしまっている現実の折り合いがつかない、嫌な気分の中で、
粟生隆寛の敗北だけが、動かし難い現実として残りました。


粟生がベルトランに負けた、ということ自体を、どうこう言うにも、思うにも、
こんな試合で何をどう言えばいいのか、思えばいいのか。
そして傍目にすら、こんな納得感のない試合を、粟生自身がどう捉え、受け入れるのか。


あっさり終わったWOWOWオンデマンドを見終えて、何だか宙ぶらりんな気持ちです。
明日は、いろんな意味で大変な試合があるのですが、その前日に見るものとしては、
あまり良い感じのしない、嫌な風景を見てしまいました。







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