さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

勝機を生かせるか/不安も残る大勝負/引退と卒業と夢/「ほっそん」も引退

2017-04-05 17:38:18 | 高山勝成


いっぺんにあれやこれやと発表があったこの週明けですが、
次の日曜にはもう、世界戦があったりと、一気に賑やかな春のボクシング界です。
とりあえず、手当たり次第に触れていきたいと思います。


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ということで9日、日曜は府立でネオマル・セルメーニョvs久保隼戦です。
この試合は観戦予定が立っていません。当日行ければな、と思っていますが。

以前も少し触れましたが、セルメニョの直近三試合、たぶん中国のプロモーターと契約しての試合ですが、
YouTubeで見た感じ、全盛期は残念ながら遠く、ずいぶんスローになったなぁ、という印象。

技巧派のボクサータイプなので、インファイターに距離を詰められるのが苦手な久保には、
基本的には手が合うタイプかな、と。
つまり、久保が苦手なことを積極的にやる相手ではなさそうなので、
あとは力と技を、互いの距離で比べ合う、という展開で、久保がどこまでやれるか、です。

離れた距離での攻防なら、久保の左ストレート、アッパーは一定以上の威力を発揮します。
セルメニョは強打者ではないが、巧さと経験、精度では上か。
予想しろと言われたらセルメニョ有利でしょうが、久保にも勝機はあると見ます。
その勝機を逃さず、生かし、勝利へと繋げる試合運びが出来るかどうか、ですね。

TV放送は関西テレビ(関西ローカル)のみならず、BSフジでも放送あり。
一応、全国で見られます。
あと、中谷正義vsゲーオファー、小西伶弥vs谷口将隆はネット配信されるとのこと。

民放BS放送やネット配信などは、今後もどんどんやってもらいたいですね。有り難いことです。


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5月20日有明、村田と拳四朗に加え、比嘉大吾の世界初挑戦も決定
世界戦は日テレ興行、山中慎介の防衛戦と一緒なのかと思っていたら、早かったですね。
(比嘉の試合についての過去記事はこちら

初防衛戦のファン・エルナンデスに指名挑戦者として挑むわけですが、
以前動画を貼ったエルナンデスの、タイにおけるKO勝ちの快挙は実に見事なものでした。

ナワポーンの馬力に押され気味だったものの、しっかり動いては当て、
左アッパーの好打から一気の攻勢でのストップ勝ち。
ミニマム級時代より、当然ながら身体が出来ていて、安定感があり、攻撃の威力も見えました。

しかし、矛盾するようですが、フライ級でパワーのある相手と対すると、
ちょっと押される傾向も、今後見えてくるかな、という印象でもありました。
問題は比嘉大吾が、そのレベルの攻撃の質量を見せられるか、ですね。

一発の威力のみならず、連打の組み立てに理屈が見え、厚みのある攻撃ボクシングで、
浅いキャリアのうちから韓国やタイでKO勝ちし、日本のリングでもOPBF王座を獲った比嘉ですが、
これまでのレベルにはない足捌きと、左の打ち分けが出来る、世界上位のメキシカン相手に、どこまで迫れるか。

きつくいえば、比嘉のWBCランキング上昇は、対戦相手の質からいえば「嵩上げ」の印象があり、
一年ぶん、3~4試合ぶん早いかな、と思いますが、その試合内容は魅力的で、将来性を感じます。
陣営が、情勢を鑑み、勢いのある内に勝負に出るのも、わかるような気はします。

もし、この一戦を突破すれば、比嘉にとり、大きな飛躍の一戦になることでしょう。
不安も期待も同時にある、比嘉にとっては文字通りの「大勝負」ですね。


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世界戦発表の報と同時に、高山勝成「プロ引退」の表明がありました。

興行日程のみならず、発表やら会見やらもバッティングするのかと、思わず苦笑してしまいますが、
歴戦のキャリアの末、プロ引退、アマチュア、というかオリンピック・ボクシングに転身希望とのこと。

実際やれる話か否かは知らず、いかにも高山らしいな、と思います。
30を越え、やっと高校生くらいには見えるようになってきた幼い風貌とは裏腹に、
その心は、長きに渡って培ってきた攻防一体の、質の高いリズム・ボクシングへの誇りと自信に
満ち溢れていて、それを新たな世界で披露したい、という思いなのでしょう。

私は、彼が彼の望むものを追う、その生き様に、長年に渡って心を惹かれてきました。
最近は残念に思う試合も多かったですが、高校卒業という節目もあり、ここで一区切りつけて、
新たな夢を追うという決断をしたことには、なるほど、と思う部分があります。


しかし、様々な事情はあれど、昨日今日考えて出した結論では無いでしょうから、
それならもう少し早く決断し、表明しても良かったのでは無いかと思いもします。
そうなっていれば、福原辰弥の世界戦に「暫定」の文字がつかずに済んだろうに、とも。

拳四朗の試合キャンセルやら、試合日程の重複もそうですが、傍目が思うのとは別の事情があるにせよ、
物事、もう少し適切な時の配置があればなぁ、と溜息が出る、そんな話が多い昨今ですね。


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この日曜日、もうひとつの引退。
細川貴之のラストファイトが行われます。

六島ジムの興行は、名城信男の試合をお目当てに、何度も足を運んだものです。
当然、細川の試合も、思いの外、数多く見る機会がありました。
体格やパワーで不利な試合も多かったですが、常に彼なりに懸命に闘い、
そのキャラクターも相まって、どこか気になる選手でもありました。

この日は観戦には行けませんが、長年お疲れ様でした、とファンとして伝えたい気持ちです。


かつてトレーナーを務めた藤原俊志さんのブログには、引退を記念?して、
ほっそんギャラリー」とでもいうべき、写真の数々がアップされていました。
勝手にですがご紹介させていただきます。ただただ、愛を感じますね。



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最悪ではないが、やはり残念な終わり方 高山勝成、加納陸を負傷判定で下す

2016-08-20 17:43:29 | 高山勝成



ということで本日の加納陸対高山勝成戦、映像を見ることが出来ました。

関東地方では完全に放送がなく、関西でもTV大阪の受信地域のみで見られるという状況。
あと、中部では生中継があり、九州でも一部録画放送があったとか。

正直、日本やの、関西やのという以前に「近畿地方」すらカバーされていない試合が
「世界」タイトルマッチと称する時点で無理がある、と言いたくもなります。
が、まあそれは置くとして、加納陸と高山勝成、関西最軽量級の
新旧対決として、カード自体は良くも悪くも関心ある試合ではありました。



この試合については以前の記事で、両者の現状について思うところを書きました。
加納が高山に勝つためには、前の試合からさらに大きな伸び幅がないと苦しい、と見ていましたが、
今日の試合を見ると、前のサビージョ戦から、大きく飛躍した何かは感じませんでした。

もちろんそれでもキャリアの浅い、18歳のボクサーとしては充分に大したものですが、
昨年末の苦杯から捲土重来を期す、高山勝成を攻め落とすには不十分だったということでしょう。


初回は加納が左を好打。高山は最初出たものの、その後は加納に先手を抑えられた印象。
もつれたところからしか手が出ず、バランスも崩れ気味。

しかし加納は好スタートの展開を維持させてもらえない。
2回、また左を決め、右アッパーなどものぞかせるが、高山の執拗な巻き返しに遭う。
高山打たれながらも懐に入って連打、ボディも攻める。

3回、高山バッティングでカット。左瞼に大きな傷。しかし手数で圧す。
攻めては離れ、離れては攻め、硬軟自在な闘いぶりで、早々にペースを奪回。
このあたりはさすが高山という感じ。

これ以降、加納は徐々に手数で劣り、左が時折決まるが単発。
右ジャブがほとんど出ないので、高山にしたら、左さえ外せば前に出られる。
5回は高山が再三右で攻め立てる。6回、ドクターチェックで試合終了。

負傷判定は3-0で高山。だいたい、見たとおりの採点だったように思います。


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序盤に高山が左まぶたを切り、それがけっこうな幅の傷だったのを見たときは、
負傷ドローになるかと思い、暗澹たる気分でしたが、試合は何とか6回まで続きました。
最悪の結末だけは避けられました。

しかし、試合の度に大きな傷が出来、簡単に出血してしまう現状は、どうしても気になります。
相手の加納陸にしてからが、試合成立ラウンドの4回より早く出血した相手に対し、
本来なら考えなくてもいいことまで考えていたのではないか、という疑念さえ抱きます。

TV映像で見る限り、さほどきついバッティングだったとも見えなかったのですが、
それでも傷は相当なものでした。負傷を利して勝った、というような試合内容ではなく、
3回以降は高山がペースを握った試合だったことが救いではありますが。

若い相手に地力の違いを見せたと見える反面、負傷の治癒に時間が相当要るだろうということも含め、
暫定含めて5度目の戴冠は、ちょっと残念なものでもありました。



加納陸は、改めて、年齢やキャリアを考えると、将来が楽しみな好選手のひとりだと思います。
もう少しキャリアを積んで、身体が出来てきたら、高山や原隆二あたりと闘っても、良い試合が出来る、
充分やれるレベルにいけると思います。
現時点ですでに、高山が退けたここ最近の日本人挑戦者たちと、ほぼ同レベルにあるとも見ていました。

そこから大きな成長を遂げていれば、高山攻略の可能性もあるかと見ていましたが、
初回こそ左を再三好打したものの、すぐに突進されて懐に入られ、
そのまた次は足を使われ、という具合に、展開を変える術を知り尽くした高山のキャリアの前に、
せっかくの好スタートを生かせないまま、失点を重ねてしまいました。

負傷判定での負けは、いろいろ思うところもあるかもしれませんが、
現状の力では、試合が続いていたら逆転できたという印象ではありませんでした。
試合運びの巧拙(右ジャブの数が乏しいため、良い距離を維持できない)もそうですが、
体力面でも高山に押されている感もあり、残念ながら、数試合ぶん早い挑戦だった、と言わざるを得ないでしょう。

今後は日本タイトル獲得をひとつの目処として、再起してもらいたいですね。
まだ若いですし、本当の勝負はこれからでしょう。


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そういうことで、動画紹介しておきます。
たぶんすぐに消えるか、或いは消されるか。
なにやら物々しいですが(笑)
なるべくお早めにご覧ください。











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心配は古傷だけ 高山勝成V字回復 原隆二に逆転勝利

2015-09-27 22:11:11 | 高山勝成



今日は昼間の西日本新人王決勝戦、平野拳生や中谷有利を見に行きたかったんですが
所用のためかなわず。TVはどこにも放送予定が無い模様で、ちょっとがっかりです。
またそのうちYoutubeで見られるかなぁ...。
さいわいにして坂本真宏も勝ち、去年も出てた倉敷守安のユーリも勝った模様。
西軍決定戦は絶対行くぞ!とうそぶいていますがどうなるか。行けたらいいなぁ。

※訂正です。スカイAで23日に放送ありとのこと。失礼しました。



そういうことで夕刻からは、MotoGPとボクシングを交互に見ておりました。
Moto3クラスではダニー・ケントとバスティアニーニが最終ラップで別個に共倒れ(>_<)
なんじゃそりゃー、と嘆いたあとに高山vs原を見て、Moto2が赤旗で仕切り直しになったところで
井岡vsソーサに切り替える、という、まあ何だかわからんことになっておりますが、
とにかく夕刻からはTVつけっぱなし。
とりあえずブログ書いてから、残り2つのレースを録画で見ます。結果知らずで。


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そういうことで高山勝成vs原隆二、世界というとどうかいな、というのはおいといて、
なかなかの好カードであることは事実です。実際、期待以上の激しい試合になりました。

原と陣営(曲者?揃いの大橋ジム)は、高山の明らかな弱点であるボディをいかに攻めるか、
明確な方針を立てていました。かつてイーグル京和は、ジャブ、ワンツーで突き放して
高山が入ってくるところに右アッパーでボディを叩くという作戦を完璧に実行して、
高山の機動力を著しく低下させ、明白に勝ちましたが、原は左ボディアッパーを時にリードに使い、
時にカウンターで迎え打つ、という手法を採りました。

これがかなり奏功した上、ポイントリードで進んだ3回に高山がカットするおまけまで付き、
原はかなり優勢に立ちました。いよいよ高山の長きに渡る拳歴の終わりが来るのか、と
そんなことまでちらっと思い始めた4回、高山が足を使ってサイドに回りました。

距離を作ってサイドへ出て、アングルを変えて、原の左ボディブローをほぼ外し、封じると
リズムに乗って速い連打で攻勢。左ボディ、右クロスも決まり、どんどんテンポを上げて
相手のリズムを切り、バランスを壊す攻勢。7回、右を5発決め、8回、連打でストップ。

序盤の劣勢、目的をもった相手の攻め口に対し、極めて冷静な対応をして、展開を変えた。
その上で、高山の闘志、勇気と日々の鍛錬が十全に生かされた試合ぶり。

前の試合の、無理をして劣勢になり、それを覆そうと無理をしてはまた...という
無理と無茶の積み重ねのような攻め方とは違った、理詰めの果敢さ、とでもいうべきか。
とにかく、高山勝成の良さが急に甦ってきたかのような、見事な逆転勝利でした。


試合後、田中恒成がリングに登場、大晦日に名古屋で闘いましょうという呼びかけがあり、
高山もそれに応じたそうです。おそらく既定路線でしょうし、実現することでしょう。

正直、今日の試合を見るまでは、仮に今日、原隆二に勝てたとしても辛勝だろうし、
その後のことまで考えられるような心境になかったのですが、今日の4回以降の「V回復」を
見せられると、これは是非見たいなあ、という気がしてきました。
高山は古傷、田中は減量苦と、それぞれに気に掛かる点もありはしますが。


しかし高山、今日は本当に良かったです。
相手も田中を除けば国内では最高の強敵、原隆二でしたが、思った以上に差をつけて勝って見せた。
前の試合があまりにアレだったもので、いろいろ心配だったんですが、余計なことだったようです。
今日は正直、脱帽しないといかんですね。若手の頃の高山の姿を思い出させるような、そんな勝ちっぷりでした。


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井岡一翔は、これまた大晦日に予定されているであろう大一番?に向けて、
レベコ陣営の手持ちから選ばれた選手と防衛戦、という、いかにもありがちな試合に完勝しました。

ロベルト・ソーサは一階級上で世界挑戦経験があるというわりに、体格の大きさも感じられず、
リーチはなるほど長いですが、その割には相手と近いとこに位置取りをする選手で、
振りの小さいパンチを打ち分ける井岡一翔にとっては、すんなり試合を展開できる相手でした。

すごく良い例えをすれば、ミゲル・カント14度防衛(内容的にはこれが未だにフライ級史上最高の記録)を
共に達成したメキシコの名匠ヘスス・リベロの指導を受けていた頃のデラホーヤにも通じる、
手を少し前に出して構え、防御と圧力のために用いて、空いたところをじわじわと打つ、城攻めボクシングでした。

もっともデラホーヤのように、格下の隙を強打で叩いたり、引きつけてカウンターで仕留めるような
破壊力や切れ味がまったくないので、結局KOは出来ませんでした。

ただし、そんなことをするつもりは、最初からなかったのかもしれませんが。
打たせず打つ、というテーマで見れば、あの距離で闘い続けたにしてはほぼ完璧に近いものがあり、
これがもっと力量のある相手との試合であれば、当然失点するラウンドも出てくることも承知で、
技術面の精度を上げねばならない、という考えなのかもしれない、という気もしました。

まあ、次は予言者宇弓さんのお言葉通りなら、十中八九レベコとの再戦で、それを何やら
物凄いビッグマッチみたいに喧伝するんでしょうけど、試合への興味や、タイトル自体の是非はおいて、
もし井岡がレベコに、前回以上に差を付けて勝てるんなら、それは一定上の評価はされるべき...なのでしょう。


今日のTBS実況では、これまでいないことになっていた(笑)エストラーダやロマゴンの名前まで
一応紹介されていたりして、ちょっと方針が変わってきたんかな?という感じもしました。
もっとも、方針を変えたのがTV局なのか、陣営なのかで、だいぶ話は変わってくるんでしょうが。


しかしTBSも相変わらずというか、エストラーダを「WBO王者」ってねぇ。
いや、確かにそうなんですけど...ほんとに、TV局って、知らせたいことだけ知らせる、
みたいなことを、あらゆる分野において、平気でやりますね。

結局、こういうことをする奴らって、視聴者を馬鹿にしてるんですよね。
自分たちこそ、救いようのない馬鹿なんだと、何故気づかないのか、不思議でなりませんが。


あと、この試合、全般を通じて井岡のローブロー見逃しが酷かったですね。
けっこう露骨やな、という気がしました。まあ勝敗には何の影響もなかったでしょうが。


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ということでMotoGPの録画鑑賞に戻ります(^^)


仕切り直しで、先頭走ってたのが台無しのリンス、えらい怒ってたなー。
冷静に走ってもらいたいものでありますが。



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敗北と紙一重だった「捨て身」の闘い 高山勝成、血塗れの防衛

2015-04-23 23:32:56 | 高山勝成



改めて長々と振り返るのも気が重くなるような試合でしたので、簡単に。



初回早々、出鼻から打ちかかるのはよくあることでしたが、高山勝成はその後も、打たれることも構わずなのか、
或いは覚悟の上でなのか、先に手数でファーラン・サックリリンJr.を抑えようとし続けました。

そしてその狙いが奏功している場面もあれば、そうでない場面もあり。
ファーランがしっかり構えて、入ってくる高山に合わせる右クロスやアッパーには、なかなかの威力がありました。
加えて問題なのは、高山の動きが単調になったところに、かなり危ない角度やタイミングで決まっていたことです。

高山がそういうときに、足を使って離れ、巻き戻しのサイドステップを踏み、ファーランの狙いを外せれば良かったのですが、
大半の場面において、その「外し」はかなわず、正確なヒットを喫していたように見えました。

高山のパンチは、左のボディ打ちはそれなりに決まっていたものの、それでファーランを失速させつつある反面、
上へのパンチを強打することは少なく、ラウンド丸ごと手を出し続けても仕留められない三分間のあと、
9回に自らの出血でストップ。
これもバッティングかヒットか判然とせず。タイ陣営はすっかりTKO勝ちだと思い込んでいたようでした。


判定は高山を支持しましたが、さうぽん採点はファーランの勝利。迷う回を高山に振っても86-85でした。
そもそもバッティングによる出血だったかどうかも怪しいなと見えましたが、
そうであっても、私には高山が手数とボディ攻撃で抑えた回より、ファーランの有効打がまさった回が多かったと見ました。


しかし、採点がどうこうという話よりも先に、ファーランの力量と、自らのそれを対比して、
じっくり構えられては難しいから、最初からビジーファイトに持ち込もう、という戦略が、
高山の余裕の無さから来ていると見えて、初回早々から重苦しさを感じました。

結局、自らのスピードやディフェンスの精度が落ちている自覚から、
ああいう無理が見える戦略を採らざるを得なかったのでしょう。
それは自らの古傷が切れることにより、9回で試合が打ち切られた「幸い」にも助けられ、
破局寸前で勝利が転がり込んでくる、という、あまりに際どく、苦しい形での勝利で報われました。

そしてその勝利には、次なる破局へ向けての延命、という意味しか見えてきませんでした。


ある意味、いかにも高山勝成らしい試合ぶりではありました。
勝利を希求し、打って、動いて、また打って、という果敢な闘いぶりは、その燃えたぎる闘志を十全に表現するものです。
しかし、その舞台がホームリングの大阪であることに助けられた苦い勝利は、高山勝成には似合わないものであったのも事実です。


今後組まれる試合と、その試合が闘い終えられたあとの風景が、虚飾を排した、真に輝かしい栄光を
追い求めてきたはずの彼、高山勝成に相応しい、清々しいものであってほしい。
今はただ、そう願うのみ、です。残念な試合でした。

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不屈の闘魂と落日の影 高山勝成、大平剛を逆転KO ダブルタイトル獲得

2015-01-05 21:13:06 | 高山勝成



試合の流れとしては、小野心戦と同様、高山敗北という結末が見えかけていた試合でした。

高山は左右にステップを踏み替えながらプレス、右リードを狙うが、大平は大きなサークリングで外し、
加えてダックとバッティングが頻発、思うように攻められない。
2回に左を好打され、4回には一瞬上体が立ってしまったところを右に回り込まれて左を強打される。
2回はまあ、やりにくそうだな、くらいに思っていましたが、4回の打たれ方は、そういうのを越えて
あまりに露骨に悪い打たれ方だったので、いよいよ高山にも落日の時が来たのか、とさえ感じました。

童顔、かつあくまで能動的なファイトスタイルのせいで普段はあまり考えないことですが、
考えてみれば10代でデビューし、新人王トーナメントから日本タイトル、世界戦と、
その都度考え得る最高レベルで闘い、その過程でライトフライからミニマムにウェイトを落として、
今もその階級で闘っている選手です。
しかも今回、八重樫東と同様、直近の試合で壮絶な「死闘」を闘って敗れ、その再起戦なわけです。


対して、好試合を期待されず、不利の予想を受ける立場である大平は、
研究材料には事欠かない高山を相手に、自分の持ち味を生かし、伸び伸びと闘っていました。
高山のプレスを足で外し、踏み込まれたら頭を下げて外し、時に起こるバッティングで止める。
単発の左を、時に左側からパワーを溜めて、時に右に回って打つ。
序盤、望外の好スタートだったことでしょう。陣営の声もよく通り、勢いづいているのがわかりました。


しかし5回半ばから、目に見えて高山の踏み込み具合が変わりました。
余裕があって手控えていたようにはとても見えず、ほぼ捨て身に近かったように思いますが、
右を振るって攻め、それをフェイントに?ボディブローも決めて、大平を止めると
7回、ロープ際に釘付けにして猛ラッシュ。大平に反撃の隙を与えず打ちまくり、ストップ。
この最後のあたりは、高山のあくなき闘志、勝利への執念が出たシーンでした。


IBF、WBO両王座を手にした高山勝成、四団体制覇なる、という話自体には、
残念ながらこの試合においてはあまり印象的な話題ではありません。
これが日本タイトルマッチとして挙行されていれば、名勝負として記憶されることでしょうが、
機会として与えられた「タイトルマッチ」を闘って勝つだけだ、という現場の声と、
ファンが未だ思う「世界」という言葉の意味が乖離した、そういう類いの試合でした。


何はともあれ二団体の王座を手にした高山は、敗れたロドリゲス戦が複数の媒体で
年間最高試合に選出されるなど、その名は軽量級の世界において、広く認知されている存在であり、
ことによるとそれは日本国内のそれを上回る次元にあるのかもしれません。

しかし、数々の激闘を経て、未だ燃え盛っている勝利への執念に感嘆する一方、
以前ならあり得ないのでは、と思える、あまりに無防備な打たれ方への驚きと不安を同時に見て、
高山勝成の今後の闘いは、ますます険しいものになるのかも知れない、と感じています。

そしてそれがどのような苦難であろうとも、彼は当然のごとく、その闘いの「火中」に
その身を投じて闘い続けるのであろう、とも。


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井岡一翔はジャン・ピエロ・ペレスに5回KO勝ちで再起二連勝でした。

元暫定王者ですが一応「世界」とつけるのはウソではない、という安心感から、
実況が世界世界と連呼するのを白けて聞きながら見ていましたが、
ペレスは思った以上に動けていて、距離も長くて柔軟で、時にクリーンヒットを取って
井岡を苦しめているようにも見えましたが5回、井岡の右を食いKO負け。

打たれる前の止まり方、隙のある時間が一呼吸長いせいで、
井岡がしっかり狙って力を入れた右をまともに打たれてしまいました。
井岡から見れば、見事なフィニッシュを決められたことは良かったですが。


試合のレベルとしては、アジア方面の格下に楽勝、というような試合とは違って、
先のカリージョ戦と同様、なかなか内容のある試合だったと思います。
フライ級の世界王者がゴンサレス、エストラーダの両巨頭どちらか、と仮定して、
カシメロ、アムナット、レベコ、ビロリアが上位グループ、
それに次ぐのがメリンド、ゾウ・シミン、井岡にタイ勢(この辺はちょっと不確かです)、
という感じでざっくり分けるとすると、第二グループの一員としての力を、改めて示した試合でした。

来年はレベコ挑戦が噂されているようですが、まずはこの辺りからやっていくのでしょうね。
両巨頭と比べれば一段落ちる相手とはいえ、ファン・カルロス・レベコ攻略というのは
井岡にとってもけして簡単なことではなく、フライ級の王者クラスや上位グループに対した場合、
どうしてもスピード、パワーの面で、下の階級とやっていた感覚では通じない部分が出てきそうで、
その差をどう埋めるかが課題でしょう。



まあ、おそらく今回、組みたくて仕方が無かったんでしょうけどね、レベコかアムナットか、どっちか。
TBSといえど、思うに任せんことは当然あるわけです。
その点においては、あのシャッチョさんなどとは次元が違って、まだ真剣勝負の世界の範疇にあるんだなぁ、と
ちょっと安心したりもしますが。

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王国のリングで再び、灼熱の闘いも惜敗 高山勝成、WBO王座獲得ならず(動画追加)

2014-08-11 10:38:25 | 高山勝成


たぶんライブ中継ではなく、録画だったか「ディレイ」だったかはわからないんですが、ネットで映像を見ました。
来週にもTBSでドキュメンタリー番組が放送されるとのことですが、一応簡単に試合経過から。

1回、高山開始早々急襲。ロドリゲス打ち返す。高山スピード生かし右。ボディ攻撃も。高山。
2回、高山がボディ攻撃を端緒に攻勢、これは手応えがあったか。連打。ロドリゲス左単発、高山バランス崩す。高山。

3回、ロドリゲス前進、左フックで高山押され気味だがダウン。ダメージはなし。
高山追撃を受けるが反撃。ボディが入るとロドリゲス止まる。インサイドに連打が決まる。
ダウンは軽く、反撃が続いたのでポイント挽回と見たいくらいだが、一応ロドリゲスの10-8。

4回、高山ボディ、ロドリゲス左フック。互いにこのパンチが鍵になるか。
高山のボディで止まり気味のロドリゲス。高山右ストレート。下がらせて追撃。高山。

5回、ロドリゲス奮起して攻める。高山押されて手数減る。ロドリゲス。
6回、高山ボディへワンツー。足使ってジャブ、ワンツー、ロープへ詰め連打。高山。
7回、高山さらに攻める。足使って右、良く当たる。ボディから右クロス、リズミカルな動き。高山。

8回、ロドリゲスが猛反撃。体格を生かして強引に出、左フックを連発。
高山なんとかしのぐが、左右連打に押しまくられ手が止まる。ロドリゲス。
9回、高山ボディへワンツーを決めるがロドリゲス止まらず、連打また連打、前進。
終盤互いにヒットもロドリゲスが押しまくる。ロドリゲスの回。
10回、ロドリゲスの攻めに、高山足が止まり、サイドに回れなくなる。
若さと体力にまさるロドリゲス、スタミナが切れるかと思ったが落ちてこない。ロドリゲス。

11回、開始早々高山が二度目の「急襲」。ロドリゲス倒れるが、スリップの判定。
この辺は敵地ならでは、か。ロドリゲス左フック中心に攻める。高山ボディからワンツー。
この回は高山がきわどく取ったか。

12回、高山右ヒット、ロドリゲス手数出すがミス増える。
高山攻めるが続かず、手数で押され気味。ラスト数秒で高山も連打。ロドリゲス。

ということで、最軽量級ならではのめまぐるしい打ち合いが終始続いた熱戦、接戦でした。
私の採点はダウンの分だけロドリゲス。114-113という数字になりましたが、
非常に競った展開で、日本でやっていれば...という繰り言も出ようか、という試合でした。


細かい話をすれば、中盤から終盤にかけて、若さと体格でまさるロドリゲスの「ごり押し」を
高山がもう少しうまくはぐらかし、リズムを生かして振り切り、という展開があれば、
いかに敵地であっても僅差の勝利を勝ち得たかも、という気がします。
しかしそこがうまくいかず、相手の力をまともに受け、劣勢になり、さらに相手を勇気づけ、
そのまた次の攻勢に繋げられてしまった。
この辺りに、高山の従来持っていた良さが出ていたらなぁ、という印象を持った試合ではありました。


とはいえ、敵地の大観衆の前で、自らのボクシングを形作るスピードとリズムを前面に押し出し、
果敢に攻めては動き、目まぐるしい闘いを貫いた高山の姿は、結果は負けだったけど、
やはり清々しく、誇らしい気持ちになる、応援しがいのあるものでした。
4団体目のベルトは獲れなかったけれど、果敢に挑み続けた果ての今日の試合は、
王国メキシコの大観衆にとっても、印象深いものだったのではないでしょうか。
高山勝成の闘いに、改めて敬意と感謝を送りたいと思います。

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今日はこのネット映像を見た後、雨も上がっていたので住吉区民センターにお出かけしてきました。
野中悠樹vs長島謙吾戦です。こちらについてはまた後ほど、ということで。

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画質の良い動画を見つけたので紹介します。
お早めにご覧ください。





高山の試合をチャベス、バレラが解説し、ラマソンが採点するというのは
それだけで何だか嬉しいですね(^^)
結果は残念でしたが、やはりこういう試合に、どんどん挑んでいくべきだと改めて思います。




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苦難を乗り越えた経験が生きた 高山勝成、幸運を必然に変えて逆転防衛

2014-05-08 23:36:45 | 高山勝成



高山勝成、IBF王座二度目の防衛戦は、試合前から中出トレーナーが苦戦を覚悟していたという話も納得の苦戦でした。

対戦相手の小野心は、体格でいけばかつて高山を破ったヌコナシティ・ジョイにそっくり。
長身、リーチを生かして闘うサウスポー小野は、高山の動く先へと左ストレートを置き、合わせる展開で
高山に思うような左回りをさせず、右回りをうまく強いて狙い撃ち、突き放して有利に試合を進めました。

正直、試合終盤までは、完全に小野リードに見えた試合でした。

高山は前回の試合よりもかなり打たれていましたし、何より小野のリーチを克服して攻める回数が
明白にポイントを獲るには少ない、足りないと見えるラウンドの方が多くありました。
少ない好打で試合を支配するにはどうしてもパンチ力が足りないという、高山の泣き所も出て、
ダメージも疲れもありそうだし、減量苦があるであろう小野が、意外に失速しない。
これは押し切られて負けるかも、と。


この流れの試合が逆転で終わったのは、ご覧の通り10回のアクシデントでした。

あの場面、問答無用で小野を打ちまくるでなく、さりとて見てしまうでもなく、
レフェリーに目線を送って、了解を取った?上で打って出て倒した高山の判断は、
あまりにも見事、というか見事すぎて言葉も出ませんでした。
突発的な出来事でしたが、どこから見ても100点満点の完璧な判断をして、
彼にとっての幸運を完全に生かし切った高山の勝利は、終わってみれば必然だったと言えるでしょう。
世界のリングでそれこそ色んな目に遭って、時に涙を飲んだ経験を、彼はしっかり生かしました。

また、この辺りは、メインの敗者から試合中に、そして試合後に感じた不足、甘さといったものとは
あらゆる意味で対照的である、とも感じました。
やはり、世界のリングで厳しい闘いを乗り越えてきた真の勝者だけのことはあります。
まさに歴戦の勇士という言葉が相応しい高山勝成ならではの凄みが見えた、
そうそう見られることのない「逆転」だったと思います。


対する小野心は、半ば高山攻略に成功していた、とさえ言える展開だっただけに、
10回の判断ミス、というのは少々気の毒かな、とも感じる事態は惜しまれます。
あれは後楽園ホールで、JBC管轄の元、普通の試合をしている限りは絶対に起こらないであろう事態で、
そういう未経験の事態が、世界戦の舞台で起こってしまったことが、彼から勝利を奪いました。
厳しく言えば油断、あまりに迂闊、ということにもなりましょうが。

しかし、予想以上の健闘でした。もしこのクラスで良いコンディションを引き続き望めるなら、
最軽量クラスで有力選手として、次の機会を得るまで闘い続けられるのではないでしょうか。
まあ実現することは無いでしょうが、その過程において、原隆二や田中恒成、井上拓真らとのカードを見てみたいものです。
そういう興味を今後も持てるだけのものは、充分に見せてくれた、と思います。


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苦難を乗り越え、さらに巧く、逞しく 高山勝成、帰国初戦に完勝

2013-12-03 21:21:26 | 高山勝成

今日は会場には行かず、TVで観戦しました。理由はお察しのとおりです。

TVで、しかも地上波で、フルに高山の試合をやってくれるとは思っていなかったので、
ちょっと嬉しい驚きでした。


総じて、高山の技巧が冴え渡った12ラウンズだったと思います。
相手の体の軸を良く見て、基本左回りから、相手の右サイドに食いついて打つ。
右回りのときは遠く離れながらの、いわば「巻き戻し」という繰り返し。

サウスポーで、リーチに勝り、パンチも重そうなビルヒルオ・シルバノでしたが、
左ストレートも右フックもほとんど空転させられ、高山の速いパンチをこつこつ打たれ、
徐々に身体全体がふわっとした立ち方になり、集中力が落ちかけるような場面もあり。

高山は時折、軽い連打に右クロスの強打と、緩急をつけた攻撃も見せましたが、
ここ一番の決め手には欠け、倒すことは出来ず。
しかしフルラウンドに渡って高山の攻防一体のボクシングを見られたので、
個人的には満足です。
相変わらず、見所がたくさんあって、見ていて飽きないボクシングです。
加えて、海外での4年の闘いを経て、以前よりも落ち着きが感じられて、
高山勝成が目指していたボクシングの、現状におけるベストを見られたように思いました。


なんか、今日の試合は、相手は6位だけど指名試合、とのことで、
ようわからん話ではありますが、次はWBC王者との統一戦という話があるとか。
WBC王者って...と一瞬考えましたが、そういえば今の王者は、
日本にもおなじみの、中国初の王者、熊さんなんですね(^^)

こないだ、まじで噛ませさんクラスの相手との防衛戦で勝ったそうですけど、
もし実現すれば、高山にとってはチャンスではあるでしょうね。
ただ、実現性がどの程度ある話なのか...いろいろ考えるに、
敵地中国で開催、という形にか、なりようがないのかなぁ、と思ったりもします。
もしそうなら、あまり良い話とも言えないですね。

WBO王座を取って4大王座獲得を目指すという話もありましたが、
そういう試合が実現するなら、また海外遠征という話になるのでしょうか。
私としては、群雄割拠のライトフライ級に参戦して、
井岡、宮崎、井上といった上位陣をかき回してもらいたい、と思ったりもするんですが。


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高山勝成に感謝と祝福を!

2013-04-03 19:02:41 | 高山勝成

試合の動画を見ることが出来ました。こちらです。

見た限り、1~2回は王者、マリオ・ロドリゲスに振って、3回はダウンさせられて取られたとして、
それ以降、11回がやや微妙なれど、4~10回、そして最終回と、高山が抑えていたように見ました。

ロドリゲスの右はダックで、返しの左はサイドへ出て外し、左ボディをカウンター気味に打ち、
それ以外は高山勝成のフットワークと、速いジャブ、右、ボディ連打が支配した、という展開でした。

ダウンがあった直後の4回から、やや緩み?が見えたロドリゲスに対し、高山が逆にペースアップ。
5回、右ストレートがヒットしてから、高山がさらに攻め、6回からはロドリゲスのミスばかりが目立つ。
8回にはロドリゲスの「カベサッソ」(頭突き)を喰らって出血するも、めげずに攻め立てる。
終盤は高山の右が入って、ロドリゲスのバランスが、わずかに崩れる場面も散見されました。

ロドリゲスから見れば、いずれこのペースも落ち、足も止まるだろうと踏んでいたんでしょうが、
とうとう失速無く試合終了。
私は115-112、高山のクリアな勝利と見ました。

それにしても、高山が傑出した手と足の速さ、スタミナと闘志の持ち主であると知ってはいても、
敵地メキシコの、それもローカルなロケーションにおいて、自らのボクシングを貫き通し、
見事な勝利を掴んだことには、率直に言って脱帽させられました。
こんなこと言っちゃなんですが、僅差の展開で、大まかな感じの地元判定を喰らって
またも涙を飲む可能性の方が高いのだろう、と思っていましたので...。

この試合の公式採点については、やれJBCのIBF承認加盟(どっちやねん、て話ですが)による
ご祝儀なのではないか、というような意見もあるようですが、
少なくとも普通に見て、高山の手数、ヒット数の優勢によるクリアな勝利であることは、
試合映像を見て確認出来たように思います。
数字の大小は置いて、勝って然るべき選手が勝ったに過ぎない。そういう理解で良い試合でした。


高山勝成の今後については、まだ確定的なことは聞こえてきませんけど、この試合を見た後では、
JBCとの問題がどうあれ、もはやそんなことはどうでもいいことのようにさえ思えます。
大阪の下町から出た、小柄な童顔のボクサーが、長年に渡り不遇に耐え、海外のジムやリングを渡り歩き、
その果てに掴んだ、傷だらけの栄光の輝きの前には、どのようなゴタゴタも無意味な話でしかありません。

前王者ヌコナシティ・ジョイを筆頭に、強敵との闘いが待っているであろう今後、
高山勝成には苦難の道が待っているのかも知れませんが、彼は自らのボクシングを信じ、
これからも変わることなく、自らの誇りを満たすための、真の栄冠を求めて闘い続けることでしょう。

もちろん、歓喜の勝利があれば、悲痛な敗北もあるかもしれません。
しかし、私たちがボクサーに、チャンピオンたる者に求める、真の栄光を求める姿勢を、
高山勝成が見せ続けてくれたことに、変わらぬ感謝を送りたいと思います。

そして、今回の勝利には、心からの祝福を。高山勝成、おめでとう!

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偉大なる挑戦ふたつ

2013-04-02 19:35:25 | 高山勝成

先週末は海外で二人の日本人ボクサーが世界に挑みました。
共に、無冠時代から、数え切れないくらい、直に試合を見ている選手です。
同一興行で試合をしたことも、何度もあったと思います。


石田順裕は昨日、WOWOWでも放送されたとおり、現在ミドル級において、
あのセルヒオ・マルチネスよりも強いのでは、と言われるWBA王者、
ゲンナディ・ゴロフキンに3回、右クロス一発で倒されました。

試合内容については、結局、あれしかやりようがなかったのでは、という印象です。
離れて足を使っていれば、と言うには、ゴロフキンの防御動作と攻撃のつなぎが実にスムースで、
あれを離れて捌こうとしても、きっと一方的に攻められていただろう、と。

石田が戦前のインタビューから「足を止めてリング中央で闘う」と語っていましたが、
直に相対する前から、そういう判断をしていた、ということなのかもしれません。

打ち合いをしつつ、ストレートパンチで突き放して、相手を下がらせることが出来れば
一番良かったのでしょうが、やはりそれより先に、ゴロフキンの強打に捉えられてしまいました。
つまるところ、石田は強打の王者を相手に、白黒はっきりした「勝負」をしたのだ、と思います。

クレイジー・キム、ハビエル・ママニ、マルコ・アベンダーニョらとの闘いを経て、
アルバレス兄、カークランド、ポール・ウィリアムスにディミトリー・ピログらとの強豪相手に
堂々と伍して闘ってきた石田は、日本から出た重量級ボクサーとして、傑出した一人と言えるでしょう。

その石田が、あの内容の末に序盤で倒されたことに、私はただただ驚愕しています。
石田の闘いぶりをどうという気には全くなれません。
彼のキャリアは、この試合で終わるのかもしれませんが、後に振り返れば、この相手と闘ったこと自体、
ひとつの誉れとなるのでは、とさえ思う、そんな試合でした。



そして、高山勝成、念願のIBF王座奪取について。

試合映像を見ていないので、あくまで雑感ですが、これほど嬉しい勝利の報はありません。

若き日から、一発の強打に欠けるものの、攻防一体のスピーディーなボクシングを志向し、
その自らのボクシングに強い誇りを持って闘っている彼の試合を、これまた数え切れないほど
何度も直に見てきました。

あらゆる面で、恵まれた環境になく、不当に低く評されることも多かった彼が、
敵地でダウンを喫してもなお、それを挽回して勝利した、という話だけで、十分に感動的です。
きっと、苦しい展開の中でも、懸命に動いては打ち、打っては動き、を繰り返して、
最後まで力を振り絞って闘い抜いたのでしょうね。何となく、目に浮かびます。

とにかく、試合映像を早く見てみたいものです。
彼が味わってきた苦難、困難の全てを、自らの拳で勝利を掴むことによって乗り越えた、
その姿を、歓喜の瞬間を見てみたい。その思いのみが、今、私の心を占めています。


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