少子化が進む中で、学校の統合再編は大きな流れであり、それに伴う諸課題が子供たちに与える影響は大きい。その中のひとつに、山形県は公立の中高一貫校の導入を始めている。
2年前、東根市に公立の中高一貫校として、東桜学館を設立し子どもたちが学んでいる。受験資格は県内全域とし、上山市から新庄市までの広域から、小学卒業後、高倍率の受験を突破して入学している。
私学は別として、公立の小学校段階で、受験戦争を激化させ、エリート校化させる事に問題があるとの指摘がある。文部科学省の有識者会議でも、公立付属大学の一貫校について疑問を呈している。
中高一貫校に学力の高い生徒が集中し、周辺の中学校の平均学力の低下を招く恐れもある。それに、学校のリーダー的役割を果たす生徒が少なくなり、目標を失い、校内での相対的評価に甘んじて、結果的に全体的な学力低下や活力が失われないか、充分な検証が必要と思われる。
庄内地区にも予定通り中高一貫校を導入すると県教委が発表した。鶴岡北高校を一貫校の中学校とし、鶴岡南高校を高校として発足させたいとの事である。募集区域は県内全域としているものの、実質的には庄内の狭いエリアの生徒募集になる。統廃合で少なくなった周辺中学校への影響は計り知れないものがある。公立学校の役割や、地域との連携を思うとき、もう一度立ち止まって地域の声を充分聞く必要がある。
スケジュールありきではないかと心配している。