蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

長い散歩

2008年02月28日 | 映画の感想
長い散歩

主人公はかつて校長をつとめた教育者だったが、家庭を顧みなかったせいか娘は非行に走り妻はアル中になってしまった。
退職し妻が亡くなった後、主人公はアパートで一人暮らしを始める。隣室には水商売の女とヒモ、女の娘が住んでいた。
就学前の娘は虐待されており服は汚れ放題でスーパーで万引きして食いつないでいた。気の毒になった主人公は娘を連れ出し旅に出てかつての家族の思い出の地(アルプス)を目指す。途中出会って仲良くなった青年は自殺してしまい、主人公は誘拐犯として警察に追われる。

この手の映画にあっては(観客の同情をひこうと)虐待の様子が詳細に描かれたりするが、本作では比較的あっさりした描写で、虐待されている娘はけっこうふてぶてしく、たくましい。主人公にも簡単にはなつかない。

刑事役の奥田瑛二が、ラスト近くでストーリーの総括や主題のような台詞を言うのは(彼がこの作品の企画者で監督であることを考えると)ちょっと興ざめだったし、その直後のシーンで主人公が駅前で多くの通行人に取り囲まれる場面はわざとらしい演出に見えた。そこにいたるまでは良い感じの映画だったので残念だった。

自殺してしまう青年役の松田翔太が飾らない演技で好印象。

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