蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

運命じゃない人

2013年06月08日 | 映画の感想
運命じゃない人

「いい人」の典型のような主人公は、新居として豪華マンションまで買ったのに女①にフラれてしまう。失意の中、友達の探偵と食事していたレストランで行きずりの女性②(こちらも婚約破棄をして新居?を出てきたばかり)と知り合い、行くところがない女性②は主人公のマンションに転がりこむ。が、そこにフラれたはずの女①が荷物を取りに訪ねて来て、知り合ったばかりの女②は出ていってしまう。主人公は後を追って女の電話番号を聞き出すが・・・という話。

「鍵泥棒のメソッド」がとても良かったので、同じ監督・脚本の本作(事実上のデビュー作)を借りてきたのだが、上記のあらすじ部分(全体の3分の1くらい)までは、「なんだ・・・イマイチだな」てな感じだった。
ところが、ここから探偵の視点に変わり、上記のストーリーの裏には実はもっとこみいった事情があることがわかり、さらに視点が変わって探偵と女②の背後にいたヤクザの組長のものになると、更に裏の裏の事情が発覚して・・・という具合に、平凡な主人公の平凡な恋物語の背後では、意外なドタバタが進行していたことがわかる。平凡な主人公はそれに全く気づいていないのだが。

有名な役者さんは全く出演しておらず、普通の住宅街とかで安上がりに撮った感じなんだけれど、脚本と場面構成がうまいと、こんなに面白い映画になるんだ、と感動、感激。ここ数年で見た映画の中でもナンバーワン。見終わったときに(良い作品を見られたという)幸福感に満たされた。

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