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蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

500ページの夢の束

2019年09月14日 | 映画の感想
500ページの夢の束

ウエンディ(ダコタ・ファニング)は自閉症で、グループホームで暮らしている。
ケーキ屋でアルバイトし、余暇は熱烈なファンであるスタートレックのことを考えてすごす。
ウエンディの姉が生まれ育った家を売ろうとしているので、スタートレックの脚本懸賞に応募して家を買い戻そうとする。しかし、懸賞に応募するために郵送しているのでは間に合いそうにないので自らハリウッドへ持参しようと、飼い犬を連れてバスに乗る・・・という話。

地味な設定とストーリー、あまりおカネがかかっているとは思えない内容なのに、なぜだかとても良かった。

自閉症の克服のため?生活上の細かなルールを決めて、必死にそれを守ろうとするところや、さまざまな試練(というほどでもないが、ハリウッドへの途上でお金を盗まれたり、乗せてもらった車が事故を起こしたりする)をなんとか乗り越えていくところ等々・・・思い通りにならない世間と自分自身に身もだえするウエンディが、とてもいとおしい。

原題は「Please stand by」。ウエンディのグループホームの指導役の人がウエンディを落ち着かせるためにいうセリフなのだが、珍しく邦題の方がいいなあ、と思えた(500ページというのはウエンディが書いた応募原稿のボリュームのこと)。


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