砂に埋もれる犬(桐野夏生 朝日新聞出版)
12歳の小森優真は、4歳の腹違いの弟と母の亜希といっしょに北斗という元ホストのアパートに同居していた。学校には2年ほど通学しておらず、亜希は、北斗と遊びに外出しては帰ってこない。残されたわずかな菓子パンなどを食い尽くすと、優真は近所のコンビニ店長(目加田)に廃棄する食品を分けてくれと頼みこむ。目加田は気の毒になって本来は禁止されている廃棄品を提供する。やがて母を殴ってアパートを飛び出した優真は、施設に保護され、娘を病気で失っていた目加田の里子となるが・・・という話。
桐野さんの作品は、登場人物が不幸・不運の坂を転げ落ちていくエスカレート感と救いのないエンディングが特徴の一つだと思う。
本作ではエスカレート感はあまり強烈ではない(それでも、やっと平穏な日常を手に入れたはずの優真がおかしな方向に走っていく姿はやるせない)が、救いのない結末には(わかっていても)少々ゲンナリするものがある。(いや、あのラストは和解を描いたものだ、という見方もあると思うが・・・)
毎日の食事にもこと欠いていた優真。通学や朝夕の食事はもとより個室もスマホも与えられるという環境になっても、同級生から無視されたり里親から生活態度を注意されると、前の生活の方が気楽でよかった・・・などと不満を募らせる。
隣の芝生は青く見えるというのか、まこと人間は自分が今ある環境に満足できない性癖があるのだなあ(まあ、オレもそうだけど)と、悲しくなる。
規範というものに触れさせてもらえずに中1にまでなってしまった優真に、理屈でルールを説いても反感を買うだけ、目加田の妻は難病の娘を長年看護することで子どもをありのままに受け入れる考え方ができ、それがエンディングにおいてわずかな救いを感じさせてくれている・・・のだろうか??
12歳の小森優真は、4歳の腹違いの弟と母の亜希といっしょに北斗という元ホストのアパートに同居していた。学校には2年ほど通学しておらず、亜希は、北斗と遊びに外出しては帰ってこない。残されたわずかな菓子パンなどを食い尽くすと、優真は近所のコンビニ店長(目加田)に廃棄する食品を分けてくれと頼みこむ。目加田は気の毒になって本来は禁止されている廃棄品を提供する。やがて母を殴ってアパートを飛び出した優真は、施設に保護され、娘を病気で失っていた目加田の里子となるが・・・という話。
桐野さんの作品は、登場人物が不幸・不運の坂を転げ落ちていくエスカレート感と救いのないエンディングが特徴の一つだと思う。
本作ではエスカレート感はあまり強烈ではない(それでも、やっと平穏な日常を手に入れたはずの優真がおかしな方向に走っていく姿はやるせない)が、救いのない結末には(わかっていても)少々ゲンナリするものがある。(いや、あのラストは和解を描いたものだ、という見方もあると思うが・・・)
毎日の食事にもこと欠いていた優真。通学や朝夕の食事はもとより個室もスマホも与えられるという環境になっても、同級生から無視されたり里親から生活態度を注意されると、前の生活の方が気楽でよかった・・・などと不満を募らせる。
隣の芝生は青く見えるというのか、まこと人間は自分が今ある環境に満足できない性癖があるのだなあ(まあ、オレもそうだけど)と、悲しくなる。
規範というものに触れさせてもらえずに中1にまでなってしまった優真に、理屈でルールを説いても反感を買うだけ、目加田の妻は難病の娘を長年看護することで子どもをありのままに受け入れる考え方ができ、それがエンディングにおいてわずかな救いを感じさせてくれている・・・のだろうか??