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蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

蛸足ノート

2024年02月25日 | 本の感想
蛸足ノート(穂村弘 中央公論新社)

新聞の夕刊に連載の短いエッセイ集。

穂村さんと森博嗣さんのエッセイは出るとすぐ買っている。
穂村さんとは同年代で、自分自身の体験や感情と似通っている点が多く、読んでいて共感することが多い。普通、本を読んでいて自分と同じような考え方が述べてあると退屈に感じることが多いが、なぜか穂村さんの場合は、心地よく感じてしまうのだった。(逆に森博嗣さんの場合は、自分と真逆な発想が興味深い)

本作が従来のエッセイ集と大きく異なる点があった。それは(穂村さんの)妻との会話に関するエピソードが目立って多いことだ。
割合とトシをとってから結婚されたはず。すでに10年以上経過していたと思うが、なんかとても仲がよさそう。少なくとも、妻との会話が苦痛、とか、会社から家に帰るのが億劫、みたいな、私のような年代の者にはありがちな状態とは程遠い。
使い方が間違っていると思うが、いわゆるリア充状態を見せつけられているようで、「穂村さん、なんか今までと違うんだけど」と嘆きたくなってしまうのだった。

あと、本作の最後の方で、ついに著者念願?の猫飼いになったみたいで、次の本では、猫とのリア充?ばかりになりそうな、イヤな予感がするのであった。(でも、出たら買うけどね)