ウナギが故郷に帰るとき(パトリック・スヴェンソン 新潮社)
アリストテレスが自然発生説を唱えるなど、ウナギの生態は謎に包まれてきた。ヨーロッパのウナギは、サルガッソー海で産卵して8ヵ月もかけてヨーロッパの川に戻るらしい、という仮説があるが、サルガッソー海でウナギの成体は発見されていない。
川についたウナギはシラスウナギから黄色ウナギさらに黒ウナギへと変態していく。
といった、ウナギの科学的描写と、ウナギ漁が趣味だった父の思い出話が交互に語られる。
ウナギの7割が日本で消費されているそうだが、日本人としては、日本人以外にもあんな不気味なみかけの生物を食べている国があるんだ、などと思ってしまう。
また、ウナギは生命力が強く、井戸の底で数十年も生き続けた例もあるそうだ。
長らく道路舗装の仕事を続けてがんに冒されてしまった父とのエピソードが素朴で、ほのぼのしてとてもいい。
余談だが、あまり高収入とは思えない著者の生家は、広々して家族一人一人に部屋があってあまり使われない部屋すらあって広い庭もあればサウナもあったそうである。スウェーデンの住宅政策のおかげらしいが、うらやましい。
アリストテレスが自然発生説を唱えるなど、ウナギの生態は謎に包まれてきた。ヨーロッパのウナギは、サルガッソー海で産卵して8ヵ月もかけてヨーロッパの川に戻るらしい、という仮説があるが、サルガッソー海でウナギの成体は発見されていない。
川についたウナギはシラスウナギから黄色ウナギさらに黒ウナギへと変態していく。
といった、ウナギの科学的描写と、ウナギ漁が趣味だった父の思い出話が交互に語られる。
ウナギの7割が日本で消費されているそうだが、日本人としては、日本人以外にもあんな不気味なみかけの生物を食べている国があるんだ、などと思ってしまう。
また、ウナギは生命力が強く、井戸の底で数十年も生き続けた例もあるそうだ。
長らく道路舗装の仕事を続けてがんに冒されてしまった父とのエピソードが素朴で、ほのぼのしてとてもいい。
余談だが、あまり高収入とは思えない著者の生家は、広々して家族一人一人に部屋があってあまり使われない部屋すらあって広い庭もあればサウナもあったそうである。スウェーデンの住宅政策のおかげらしいが、うらやましい。