蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

泣き虫しょったんの奇跡(映画)

2020年03月08日 | 映画の感想
泣き虫しょったんの奇跡(映画)

将棋のプロ養成機関である奨励会を年齢制限で退会し、一度はプロを断念した瀬川晶司は、会社勤めをしながらアマとして頭角を現し、当時は制度化されていなかったプロ編入試験の実施を求めるが・・・という話。

棋士として大成した人の多くは若くして奨励会を突破(三段リーグを勝ち抜いてプロになる)しています。
典型的なのは中学生にしてプロになった人で、加藤、谷川、羽生、渡辺、藤井、いずれも斯界を代表する棋士になっています(藤井さんも間違いなくそうなるでしょう)。
つまり、将棋は、経験より才能であると言え、5人の中でもおそらく最高であろう羽生さんでさえ、歳には勝てなさそうなことを考えると、若さが極めて重要な要素であると言えそうです。

そうなると、奨励会の年齢制限(26歳までに三段リーグを勝ち抜いて四段になれないと退会しなければならない)というのは、(本人に早目に諦めさせるという意味でも)一定の合理性があるといえます。

ただ、奨励会三段の強豪は並のプロ棋士より強い(瀬川さんのプロ認定試験で登場したのは当時三段だった佐藤天彦さんで、瀬川さんは敗れている)というのが定説で、奨励会でそれなりに優績だったが運がなかった、といえる人もある程度いるのかもしれません。

瀬川さんは麟家の同級生:鈴木さんが子供の頃からの将棋のライバルだったのですが、その鈴木さんもアマトップ級の実力の持ち主だったというのが素晴らしい。おそらく二人は今でも自宅で対戦することがあるのではないでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする