蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

キャロル

2016年02月22日 | 映画の感想
キャロル

「オデッセイ」を見に行ったら混雑していたので、新聞の映画欄で本作が絶賛されていたのを思い出して見てみました。

1950年代のアメリカ。主人公のキャロル(ケイト・ブランシェット)は、子供へのクリスマス・プレゼントを買いに行ったデパートの店員:テレーズ(ルーニー・マーラー)と知り合う。
キャロルは実業家の夫と離婚協議中で娘の親権をめぐって争っている。
テレーズには求婚者がいるが、今一つ積極的にはなれない。
屈託を抱えた二人は長距離のドライブ旅行に出かけるが・・・という話。

えーと、前半は退屈で仕方なかったのですが、後半はキャロル、テレーズそれぞれの葛藤が情緒的に描かれてカタルシスもありました。

原作がハイスミス(新聞評によると原作はミステリではないそうですが)ということや、終始流れる不穏なイメージのBGMのせいもあって、全体にサスペンス風味でもあるのですが、何と言っても怖かったのはラストシーンのキャロルの表情。
ハッピーエンディングなはずなのに全くそういう感じはしなくて、可憐な蝶をその咢(あぎと)でがっちりつかみ取った絡新婦の笑み、のように見えて強く印象に残りました。
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