蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

決戦兵力

2013年08月11日 | 野球
私が応援する、千葉ロッテマリーンズは、ここ3年ほどレギュラーシーズンの8月にはいるころまでは上位でふんばるが、それ以降急降下するといったパターンを続けています。
今年から監督になった伊東さんも、そういうことにならないようにと、スローガンを「翔破」としました。今年も7月初ころまでは首位を走りましたが、その後は、「今年も同じか」という軌道をたどりました。
悪いことに、エースであるはずの成瀬投手は不調なのか故障なのかわかりませんが、ファームのまま、投手も野手も昨年までチームの中心だったベテランもほとんど離脱という状況。今のスタメンの合計年棒は(計算したわけではありませんが)12球団最下位ではないかと思われます。

普通なら、なんとか3位までを確保して・・・と考えるところですが、現役・監督時代の半分くらいは優勝、Bクラスは(確か)1回しかなく、私生活では競輪が大好きらしい(←伝聞です)勝負師の考えることは、ちょっと違いました。

現状で最も信頼できそうな先発3枚を中5日のローテーションに組みなおして、来週の首位楽天戦にこの3枚をぶつけようとしたのです。自ら「特攻ローテ」というほどでしたが、中5日で(楽天戦の前週のSB、日本ハム戦に登板させた)古谷、グライシンガー、西野は素晴らしい出来でいずれも勝利。その後の先発、唐川、大谷もそれなりのピッチングで1勝1敗。

戦線(ゲーム差)を何とか維持しながら、決戦兵力(先発3枚)を用意できたというのは戦術構想としては、満点でした。

「おお、今年はちがうぞ、さすが常勝チームの中心人物だった人は違う」なんて思ったのですが、先発3人の中でも最も信頼度・実績が高い西野投手が故障で離脱・・・アクシデントばかりはどうしようもない、とはいうものの、「うまくいった」と膝をたたいたであろう所からの寸前暗黒・・・いちファンとしてもホントに残念です。

昨日、今日、唐川、大谷で何とかイーブンとしたものの、特攻ローテのために、補給(救援投手陣)も伸びきった状況で、来週の楽天戦では、(楽天は)最終兵器(田中)の投入も可能な状況。

何とも苦しい・・・でも今季は「もうあかんな」というあたりから何度か立ち直ってきたので、(昨日の負け方がひどかったので、今日もある意味、試合前はそんな感じでした)楽天戦は、もうダメモトで開き直って、相手に最終兵器投入を決断せざる得ない状況に追い込んでほしいです。(敬称略)
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永遠の〇(ゼロ)

2013年08月11日 | 本の感想
永遠の〇(ゼロ)(百田尚樹 講談社文庫)

あらゆる手段を尽くして生き残りたい、という希望を持った零戦の凄腕パイロットの真珠湾から特攻で敵艦に突入するまでを描いた作品。
今をときめく百田さんのデビュー作だそうで、文庫にはいってから何百万部も売れているそうですが、最初はメジャーとは言えない出版社から出ていたというのは意外でした。

太平洋戦争のクライマックス場面ばかりを描くので、戦史について、多少なりとも知識がある人にとっては、ちょっと退屈な展開かもしれませんが、リーダビリティが極めて高く、読み進めやすいので、戦争にあまり興味がなかった人が読むと、感動を誘うんだろうな、と思いました。

主人公はなぜそこまでして生き残りたかったのか、それにもかかわらず、逃れようと思えばそうできた特攻に臨むことになったのはなぜなのか、というのが本書のテーマだと思うのですが、(特に前者は)説明や描写が十分でなく、やや説得力に欠けるような気がしました。
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