老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「プレカリアートと右傾化する若者」(対話)

2007-12-29 15:55:06 | 暮らし
最近の私の関心事に、「プレカリアート」(「不安定」を意味する英単語の語尾を、かつてのプロレタリアートの語に擬すことで、最近の新自由主義下における、貧困層=ワーキングプア、ニート、フリーター、派遣もろもろを指す言葉)の問題と、一方でその立場にある若者(と言っても上は30代半ば)らが右傾化するのはなぜかと言うのがあります。今はブログを一時休止していますが、12月半ばに連作で書いた記事は、この後半の問題意識に関する仮説です。(http://heiwawomamorou.seesaa.net/

これは、SNSの「mixi」を見ていて感じたものです。「mixi」は、ネット上仮想のサークル、または井戸端会議のようなもので、会員は「マイミク」と言う友人を増やして、様々な情報交換をするという場です。そのほか色々な機能があります。

その機能の中に、運営会社が、様々なニュースネットから配信するニュースがあり、そのニュースについて、自分の日記掲載欄に記事を書くことが出来ます。その記事は、各会員が個別に設定した開示範囲(「全体」、「友人まで」その他)の人が見ることができます。

この、ニュースへのコメントを見ていると、良く「mixiの2ちゃんねる化が激しい」と言われるように、保守または右翼的な書き込みが比較的多いように感じられます。一方で、過酷な労災や、上記のプレカリアートに該当する人々への記事については、同情的、または同じ立場としての共感が圧倒的と言う傾向があります。

とすると、一概に両方の発言が同一の人々と断ずることは出来ないとは言え、見ていて、「なんとなく」ではあるのですが、本来なら弱者である、プレカリアートに該当する人々が、非常に右翼的、保守政党支持(沖縄教科書検定問題などで)の発言をしているのではないかと言う仮説が立てられます。その仮説の解明を論理だけで展開したのが、上記の拙ブログの連続記事ですが、内容は極めて中途半端で、終盤は病気の悪影響もあり、支離滅裂な終わり方をしています。

しかし、この仮説自体は、過去の歴史を振り返っても、貧しいもの必ずしも共産主義者ならず。逆に国家主義に熱狂したのは教育の無い、貧しい者達であったことからも、仮説として成立しうるものと考えています。

今、私達が護憲を叫ぶとき、もっとも改憲により不利益を被る階層が、保守的、右翼的論陣を叫ぶ例があることは、シール投票などに参加された方も実感されているはずです。護憲運動が、高い教育を受けた、比較的裕福な階層のボランティアであっては、広がりは得られないと考えます。と言って、未組織労働者、または失業者が多数を占めるプレカリアート階層の人々に対する、アクセス手段を、私達は持ちません。自らが護憲の旗を持って立つだけでも十分ではありますが、この不可思議な階層に対して、どのように影響力を及ぼしていくか?が、私のブログ活動の当面の課題になりそうです。

なお、「プレカリアート」が包含する階層は多岐にわたっており、一概にくくることができないのも、この問題を難しくしています。心情的同情は出来ても、実際に不安定で苦しい生活をしている人々に、護憲活動に立てとは、なかなか言いにくいと思いますし、多分受け入れられないでしょう。そこで、単に9条護憲だけではなく、25条、またそこに至るまでの、12条以下の基本的人権の部分を、今はクローズアップするべきときに来ていると思います。
 
9条の会の限界は、9条のみに固執していることです。護憲活動では、現在の憲法の3本柱、国民主権、戦争放棄、基本的人権のすべてを拡大していくことが求められると思います。ユニークな団体である、「護憲+」は、一層価値を持ちうると考えています。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
眠り猫
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プレカリアートについてはもう、何年も前から話題になっていますね。私も雨宮処凜さんと堤未果さんの対談を聞きに行きました。雨宮さんが来年から週刊金曜日の編集委員になるという話もあり、憲法9条と25条の益々の重要性に注目したいと思います。

先日の「元べ平連」の集会でも、小熊英二さんという慶応の先生が「今の若者特に低所得者の彼らにとっては憲法9条より25条の問題のが切実である」という趣旨の話をしていました。

正に「憲法9条があっても、私には仕事がない、教育基本法があっても私には仕事がない」という状態なのです。だから「希望は戦争」などという極論が出てくるのです。「極論」と書きましたが、ある意味それは底辺でほおって置かれていると感じている若者達にとっては普通の考えなのかもしれません。

よかったら、来年1月19日に開催される市民憲法講座 「憲法25条と現代の貧困」に是非足を運んでみてください。正に現代の貧困が見えてきます。そしてそのまっただ中にいる若者達が何故右傾化するのか、少しは考えるきっかけになるかも知れません。

最後に腹が立つ本を一冊紹介します。「希望は戦争」の赤木智弘さんが書いた「若者を見殺しにする国」(双風舎)という本です。これを読むと「何勝手なことほざいている」と腹が立つかも知れません。事実私もそうでした。でもこの本の第一章にある「俗流若者論」に対する批判はうなずけるものがあるし、既得権を手放せ という暴論は、違うなと思うけれど、かつて全共闘世代もべ平連に集った若者達も、大人から見れば生意気な批判の矢面に立たされた人達だったのでしょう。

今プレカリアートの人達は日本は戦争状態であると言っています。低賃金、極悪な労働環境、精神を病んで餓死寸前の人達を放置したままで安穏としていたら、戦争にもなっている。そのことに気付かない鈍い大人達なのかもしれないと思う今日この頃です。

「護憲+BBS」「どんぺりを飲みながら」より
パンドラ


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