life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある 墨瓦蝋泥加書誌」(著:宮田 珠己)

2012-11-26 22:07:19 | 【書物】1点集中型
 旅行記じゃないタマキング本は初読み。副題「墨瓦蝋泥加書誌」は「ブックス・メガラニカ」と読むそうな。メガラニカとはかつて存在を信じられていたが実際には存在しなかったらしい、というかあったようななかったような……というような大陸のことで、宮田氏にとってはそのような不思議な世界を見せてくれる書物が「メガラニカ本」なのだそうだ。

 その独自の分類方法とネーミングからして既に宮田タマキング氏らしいのだが、読んでみればやっぱりタマキングらしく余人には真似のできない……っていうか、そもそも思いつかないような視点で語ってくれる。タマキングの視点というフィルタを介してこそ「そういう視点もあったのか」と開眼させられるネタが多数である。「清濁併せ呑む」じゃないけど、過去の記録のいい加減さに大ウケしながらそのトンデモっぷりを楽しんだり、笑える学術ってあるんだなぁ(笑)。
 いや、むしろ宮田氏の基本がへんなもの好きだから、氏がその本をきっちり読み込む間に、氏の頭の中では本の内容によるタマキングワールドが構築され、さらにこれらの書評として翻訳されて我々に伝えられているのではないか。とか言ってみたりして。

 勿論、笑えるだけに留まらず、新しい発見も与えてくれるのがいいところ。アボリジニが「時間」の概念をもたない代わりに、時間の経過をどんな形で捉えるのかなんて話は確かに、そんな世界観で自分の周りを見渡したらどんな感じ方になるのか考えてしまう。
 
 個人的に読みたいと思ったのは「パラレルワールド」。察するに、ブレーン理論のあたりを網羅していそうと思われ、宇宙論好きとしては必読! ということで早速、読みたいものリストに入れた。ありがとうタマキング。
 あと、本編からは漏れたが「補」の第9位になっている「ケルト」も、タマキングが相当感動し「座右の書なんだってば」と強調している本であるので、そこまで言われてしまっては……というわけで、とても気になる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿