life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

棟方志功の肉筆

2009-05-16 16:50:01 | 【旅】ぼちぼち放浪
 そして駒場は日本民藝館です。「棟方志功 倭画と書の世界」を見に来ました。

 個人的には、棟方志功作品には岡本太郎作品に通じる雰囲気も感じます。筆や彫りの線の潔さと勢いというんでしょうか。
 特に心惹かれたのは「鏡華花四季(対幅)」で、画面いっぱいに描かれた季節の花々と鮮やかな色彩には、そこに本当に明るい野が開けて見えてくるよう。
 棟方志功らしい仏教世界には、纏った衣の柄の繰り返しが何か祈りのようにも見える「救界不空羅策大施無畏尊像」。「出山の釈迦」の釈迦の表情は、棟方志功らしいあたたかみを湛えた決意の表情と取れました。
 生き生きとした動物を描く「鯉図」「御牛図」などは、躍動感ある筆致の中でも目の表情がどこかコミカルで人懐こい感じ。和みます。蛙(河伯=かっぱとなってる作品が多い)も、もしかしてお気に入りの題材なんでしょうか。
 風景画の「暁陽十和田湖」「山水図」も白眉でした。風景画はこれまであまり棟方志功のイメージになかった(知らなかった)んですが、夜明けの太陽を映す十和田湖の水面になんとなく、雲間に光る「天使の階段」が思い浮かびました。

 そんな感じで、手もとに1枚あったら飽かず眺めているに違いない、素朴だけど棟方志功以外にはあり得ない作風を堪能させていただきました。(今回は版画は少なかったですが)

 この特別展の他にも館内には陶器や漆器、掛軸など日本の民藝品はもちろん、李朝ものから果てはアフリカ系のものまで、生活と親しむ美しさ、いわゆる「用の美」で柳宗悦のお眼鏡にかなったのであろう品々が丁寧に並べられています。作品紹介の札は黒地に朱の筆で美しく。細部まで館の雰囲気に調和させているんだなって感じです。
 今日は西館(旧柳宗悦邸)も解放してたので拝見しました。書庫だけは柳氏が使っていたころの雰囲気のようです。書棚がびっしり埋まってました。
 なんのことはないようにも見える日本家屋ですが、不思議と居心地がよさそうだなと思わされる、落ち着いた空間だと思います。こういうお家から、「町屋カフェ」みたいなものが生まれてくるのかもしれません。

駒場行き。渋谷通過

2009-05-16 13:44:20 | 【旅】ぼちぼち放浪
 1泊2日のまたまた美術館回りに来ました。

 設置後の「明日の神話」現物を初めて見ました。写真を撮っている人もちらほらです。
 しかし離れて見てみると、美術館にあった時より印刷ぽくも見えます(笑)照明の違いだな。
 ただ、やっぱり、こうしていつでも誰でもお金をかけずに目にできるところにあるのはいいなぁ。ネロ@フランダースの犬のラストシーンをちょっと思い出しますが。←おいおい