僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

タイ、バンコクの思い出

2011年10月24日 | 旅行

タイのバンコク周辺で、洪水被害が広がっているというニュースが、気になる。
そう言えば、ここには川が「街のストリート」になっているようなところもあった。

バンコクの川の風景は、今でも僕の頭の中に鮮明な映像記憶が残っている。

バンコクへ旅行したのは1989年(平成元年)で、もう22年も昔の話である。

空港に着くと、ノム君という若い現地ガイドが迎えに来てくれていた。

空港から、窮屈なワゴン車に乗せられて、夕食の場所に向かった。
道路は大混雑・大渋滞だ。それでも、どことなくのんびりしていた。
ソウルでもよく似た光景を見たが、クラクションの音でとても騒々しかった。
しかしバンコクはいくら渋滞していても、クラクションは聞こえず、静かだった。
(まあ、昔のことですから、今はどうか知りませんが)

チャオプラヤ川沿いにあるホテルに泊まった。
部屋の窓から見るチャオプラヤ川の美しい風景は、僕にとっては意外だった。
タイという国をいささか誤解していたようで、風光明媚な場所が多かった。

ただホテルは立派な建物で部屋も広く豪華だったが、バスルームのお湯は赤く濁り、
いくら出し続けても透明にはならず、午後10時になると水自体が出なくなった。
このあたりが、やっぱりなぁ、という思いを新たにさせる「タイ国らしさ」だった。

旅行中、最も印象に残ったのが、水上タクシーと呼ばれる小さな舟に乗った時だ。

「乗客」はわずか5~6人で満員になるような舟である。

むき出しのディーゼルエンジンを積み、轟音を撒き散らしながら、
チャオプラヤ川を猛スピードで進む舟に、最初は恐怖を感じたほどだ。

しばらくして、支流に入り、エンジンの轟音もしなくなった。

映画「地獄の黙示録」に出てくるようなジャングル風の川岸風景から、やがて、
川の両側に民家が並ぶところに出てきた。川が各家庭の「裏庭」なのである。

裸のお尻をこちらに突き出している女性もいたし、
水浴びをしている子どもたちや洗濯をする主婦たちなど、
なまなましい生活の姿を、川の側から見せてもらった。
この人たちにとって、川は毎日の生活に絶対に欠かせないものなのだ。

ところで、雨で川が増水したらこういう家はどうなるのだろう…とも思った。

しかし、そんな増水の恐れがないからこそ成り立つ家並みだったはずである。

今回の洪水被害のニュースを見て、何か複雑な思いに駆られた。

 

   
  ピンボケ写真ですが、この写真しかないので掲載します。
  舟から川岸の民家の様子を写したものです。
  洗濯か、何か他のものを洗っているのか、わかりませんが、
  川が裏庭になっていることは間違いないでしょう。
  今回の大洪水で、こういう家々はどうなったのだろうか…と。 



さて、いつの間にか、僕たちの舟のまわりに、物売りの舟が近づいてきた。
舟に乗っているのは、ほとんどオバさんかお姉さんである。

この人たちは舟に品物を積んで一人で乗っている。
そんな舟があちらこちらに浮かんでいる。

僕たち観光客の舟を見ると近づいてきて、強引に両手で舟を引き寄せ、
これを買ってくれと、物を売りつけてくるのである。
僕らの乗る舟の方も、その時は停止して物売りをサポートする。

最初に来たのが麦わら帽子を売るお姉さんで、こちらの舟にしがみつき、
身を乗り出し、お客の頭に、その麦わら帽子をひょいとかぶせるのだ。
びっくりするお客に、手を出して、これはいくら…と代金を請求する。
その仕草といい、タイミングといい、絶妙のワザであった。

麦わら帽子のほかにも、バナナとかマンゴーの実とか装飾品とかいろいろだ。
日本人と見ると、「〇〇円デイイヨ、ヤスイネ~」などと叫ぶ。

  

 
 舟にピタリとくっついてきて、帽子を売るお姉さん。
 このあと、身を乗り出してお客の頭にいきなり帽子をかぶせました。



そんな「流し」の物売りの襲来に一段落がつくと、次は水上マーケットだ。
喧騒に満ちたみやげ物売り場群で、各国からの観光客がたむろしている。

タイは世界中から来る観光客たちによって潤っている国だという。
(それだけに、今回の洪水被害は観光面でも大打撃を受けているようだ)

10歳ぐらいの男の子が、僕の顔を見て、店頭の像の置物を差出し、
「コレ、センエンデ、イイヨ」と日本語を使い、買ってくれとせがむ。

「流し」の物売りたちも、水上マーケットも、熱気に満ち溢れていた。

…というバンコクでの一風景だったが、むろん他の場所もいろいろ観光した。
しかし、やはりこの川をめぐる風景に、今も強烈な印象が刻み込まれている。

バンコクの中心部が浸水したニュースに接するたびに、思い出す風景だ。
水が引くまでには4週間から6週間かかるそうである。

あの、川岸に並んでいた民家の人たちは、どうなったのだろうか…

 

 

 

 

 

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