僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

在職中へタイムスリップ

2015年03月03日 | 議会&役所

そこへやって来たのが…
40年来の付き合いがあったK田君であった。
これまた、びっくりするような偶然だった。


…ということで、前回は終わりました。

K田君のことを僕は友ちゃと呼んでいたので、
このあと、彼のことを友ちゃんと表記します。


退職してから、友ちゃんとは一度も会ったことがなかった。
彼もまた火災保険でやって来て、今から帰るところだという。

コバヤシ君がその場を離れて、今度は友ちゃんとの立ち話だ。


彼は10年少し前、役所仕事のストレスで心の病にかかった。
それまでの彼は、とても明るかったので、信じられなかった。

彼も僕も映画が好きで、土曜日の午後は2人でよく映画館に行った。

その中には…

「『宮本武蔵』5本立て」とか

「『人間の条件』6本立て」とか、

「『仁義なき戦い』5本立て」…とかも

見に行ったなぁ。

こんな特別上映の時には、ほぼ1日映画館にいる。

弁当とワンカップを映画館に持ち込んでね。

2人だけの「映画友の会」を結成していた仲である。

彼が心の病で長期休暇に入った時は、さすがに驚いた。
僕なんかより遥かに明るい性格だったはずだ。
それでも、何かの拍子でそういう病気になるんだなぁ…と
これまで思いもしなかった感覚にとらえられたものだった。


しかし、この日、6年ぶりぐらいに会った彼は、
「もう病気はよくなったみたいや」と自分から切り出した。

聞いてホッとした。


「あれは51歳の時やったから…治るまで10年かかったなぁ」
そう言って、友ちゃんは目を細めた。
やはり、ウツ的な病は、簡単には治らないのだ。

「近所の人が言うには、あの時は肩を落として歩いていたけど、
 このごろは、前向いて歩いているなぁ…と言われるねん」

そんなことも言った。

「また、飲みに行ったり、映画に行ったりしたいね」
と、僕と友ちゃんは、懐かしく語り合った。


「ところで…これから、家に帰るの?」と僕が聞くと、
「いんや、阿倍野へ出て、パチンコでもしようと思ってる」

それでは…と、2人で役所を出て駅に向かった。

2人で松原の駅までゆっくり歩きながら、
いろいろな積もる話に夢中になっていた。


駅が近づいたとき、「あっ」と、急に僕は思い出した。

「僕は役所へ自転車で来たんやった」
友ちゃんに会って、僕はすっかりそのことを忘れていた。

友ちゃんは、また目を細めて、
「あ、そうかいな。…じゃ、役所へ戻らないとねぇ」

僕らは歩道の真ん中で足をとめた。
ここでお別れである。

立ち止まったまま、もう少ししゃべった。

そこへ、一人の女性が通りかかった。
そして「あれぇ」と言って僕の肩をたたいたのだ。
見ると、2年ほど前に退職した美○子さんだった。

6年前…僕が退職した日に、帰宅すると、
彼女からの花束が届いていた…。

その後彼女は、定年を待たずに退職した。そして、
今では、毎年の年賀状で、互いに冗談を書き合う間柄だ。

友ちゃんと話していたので、彼女はそのまま行ってしまった。
せめて少しでも話したかったけれど、まぁ仕方なかった。

話は尽きなかったが、友ちゃんと別れた。
友ちゃんは松原の駅に向かい、

僕はまた歩いて役所へ引き返し、
自転車に乗って帰途についた。

役所へ行ったのは9時半で、用件を終えると、
そのままスポーツジム・コスパへ行くつもりで、
大きなリュックも持っていたのに、気がつけば昼を回っていた。


時間を見て急にお腹が減ってきた。

そのまま家に帰って、お昼ごはんを食べた。
結局、コスパには行かなかった。


でも、この半日は、
多くの懐かしい人たちとの会話があった。

タイムスリップして、在職中の日々へ戻ったような感覚だったなぁ。

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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