僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

心のコントロール

2011年05月03日 | 日常のいろいろなこと

「退職したら、想像以上に生活が激変しますよ」
退職前に、何人もの人からそう言われたことを、今になって、改めて思い出す。
あれから、2年が経った。

たしかに変わった。 それも、言われたとおり、「激変」 した。
通勤しなくてよい、ということは、それだけで宇宙人にでもなったみたいだった。

今年あたりから、その 「激変」 が、少しずつ身に堪え始めてきた。
何か、作り物の世界の中で、当てもなく浮遊しているような感覚が襲うのだ。
戸惑い、ふさぎがちになり、何に対しても関心が向かなくなってきた。

そんなとき、東日本大震災が起きた。

連日、テレビで被災地の様子を見ていると、ますます人生の無常とか、
命のはかなさとか、そういうところにばかり思考が偏り、いよいよ気鬱になった。

仕事に行っていれば、職場でいろんな人たちと意見を交わすことができるけれど、
家にいると、あまり人と話す機会はない。緊張もしないし、気分もピリッとしない。

それなのに、知人からの飲み会や歩く会や、旅行のお誘いを断ったりして、
最近、何となく、他人との接触を避けたいと思う自分がいるのだ。
この錯綜した気分は、自分でもどう説明していいのか、わからない。

しかし。
被災地の人たちの生活を見ていると、これこそ本当の 「激変」 であろう。
ウダウダ言ってるような暇はない。 生きることだけに全力を尽くす毎日だ。
震災前までの平穏な人生を、根底からくつがえされた人々の、苦悩と闘い。
どれほど大変なものなのか…、とてもではないが、僕などには想像が及ばない。
そう思うと、自分の身辺の変化なぞ、取るに足らない小さなことに見えてくる。

日々、被災地の惨状を映像で見ていると、結局、僕の生活の変化の程度など、
とても激変などと呼べるほどの大げさなものではない…と悟るのである。

今回の大震災で、自分が甘ったれた人間であることを痛感させられた。
自分の感情をコントロールできず、依存心が強い。 トホホな人間である。

先日、世界フィギュアスケート女子で優勝を飾った安藤美姫さんが、
「最近、安定感が増しましたね」 とインタビューで訊かれたとき、
こう答えた言葉が、印象に強く残っている。

「今までは自分の気持ちがそのままリンク上で出てしまったけど、
 調子が悪い中でもスケートを心から楽しんで演技できるようになった。
 心のコントロールの仕方を見つけたことが大きいと思います」

心のコントロールなぁ…
何をどうしたら、その仕方を見つけられるのだろう。

 

 

 

 

コメント (4)
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