「予想」は見事に外れた。
そしてその予想が外れたことが、とても嬉しい。
どう転んでも勝てないだろうと踏んでいたサッカーW杯の日本代表。
相手はアフリカ大陸の雄・カメルーン。
せめてなんとか引き分けに持ち込んで、次への望みをつないでほしい…
それがどうだ。日本は「予想に反して」カメルーンに勝ってしまったのだ。
自国開催以外のW杯で、初めての勝利を挙げたニッポンである。
ぱちぱちぱちぱち。
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前半39分に、遠藤 → 松井 → 本田とつなぎ、鮮やかに先制した。
ガンバ大阪の遠藤と大阪出身の本田。ええぞ~、大阪勢!
(そう言えば、岡田監督も大阪やったなぁ)
しかし、そのあとが…。
途方もなく長かった。
前回のドイツW杯では、ブラジル相手に先制点を入れた日本。
しかし、前半終了間際に、ロナウドに痛恨の同点ゴールを決められた。
そして後半は一方的に点を取られ、完敗した。
どうも、そのブラジル戦が目にチラついて困った。
だが、今回は、無事にリードを保ったまま前半を終了した。
ホッと胸をなでおろす。
後半は、いよいよカメルーンが攻勢に出てきた。
どどど~っと日本ゴールめがけて攻め込んでくる。
「うぅぅ…、危ないっ!」
そんなシーンが何度もあった。
…同じく前回のドイツW杯を思い出す。
日本は初戦でオーストラリアと対戦し、1点をリードした。
試合終了まであと6分というところまでリードしていたのだ。
ところがどうだ。
日本は土壇場で同点に追いつかれたあと、立て続けにゴールを許す。
終わってみれば3対1で屈辱の逆転負け。史上最悪の試合だった。
あぁ…
目の前のカメルーン戦を見ながら、またもその光景を思い出す。
そういえば、今日のカメルーンのユニフォームは上が黄色、下が緑色。
あのときのオーストラリアも全く同じ、上が黄色、下が緑色だったなぁ。
なんとなく、悪い予感が胸をよぎる。
それにしても…
相手にリードされたときはあっという間に時間が経つというのに、
日本がリードすると、なんでこんなに時間の経つのが遅いのだろう。
試合終了まであと30分。
あと25分。
あと20分。
あと15分。
時間よ、急げ! 早く試合終了の笛にたどり着け!
ハラハラドキドキ、ハラハラドキドキ。
相変わらず時間は進まない。心臓に悪い。胃に悪い。
その間、カメルーンは攻める、攻める。
どんどん攻めてくるのだが、本来の迫力に欠けていたのが幸いだった。
日本は全員がよく連携して、懸命に守り、時には反撃に転じた。
しかし、あと数分…のところで大ピンチ。
相手シュートがゴールのバーに当たってはね返った。
「ぎゃぁ~~」と叫ぶ。
さらにカメルーンがゴールの至近距離からシュート!
「ぐわぁっ~~」と叫び、思わず目をつむる。
しかし、いずれも運は日本に味方した。
ロスタイムの4分も経過し、待ちに待った試合終了の笛が鳴った。
暗雲がたちこめていた岡田ジャパンが、起死回生の初戦勝ち。
よかったなぁ。
まさか勝つとは思っていなかっただけに、なんだかものすごく得した気分だ。
次は19日のオランダ戦。
日本は上昇機運に乗っていい戦いをしてほしい。
しかし、決勝トーナメント進出への道はまだまだ厳しい。
カメルーンが予想外に弱かったからである。
日本はおそらくオランダには勝てないだろうから、
カメルーンがオランダにもデンマークにも負けたとしたら、
日本はデンマークと引き分けても、一次リーグを突破できない。
あとはカメルーンが、次の試合から急に強くなって、
デンマークあたりに勝ってくれることを祈るばかりである。
カメルーン対デンマーク戦は、カメルーンを応援しよう(わけわからんけど)。
次のオランダ戦は、日本はどう転んでも勝てない(…でしょうね)。
引き分けることすら、至難のワザと思われる。
日本がカメルーンを破ったのでオランダも気を引き締めてくるからだ。
…という、この予想が、またまた外れてくれることを祈る。