僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

 本の処分に未練いっぱい

2008年03月26日 | 日常のいろいろなこと

60年近く生きていると、身の回りにいろんなものがどんどんたまってくる。
整理術の基本の基本は「捨てること」にあるとされる。
そりゃ~、捨てなきゃ、たまるのは当たり前の話である。
不要になったものはどんどん捨てればよい…
と、話は実に簡単なんだ。
でも、それが、物によってはそうはいかないものがいろいろとある。
中でも本は、悩みのタネだ。

高校生の頃から本が好きだったので、これまで延々と買い続けてきた。
もちろん、全部残しているわけではなく、何度も整理をし、廃棄してきた。
だから、自分にとって真に大切な本だけに絞り込まれているはずなので、捨てる本はない…とは思うのだが、まだまだ書棚は本だらけである。ホントにこれだけの本が今後の自分の人生に必要なのか?と改めて自問すると、うなだれざるを得ない。

最近は、本好きの親戚の人が、自分が読み終えると僕や妻に読むように勧めてくれ、「読んだあとは返していらんで」ということで、推理小説などの文庫本がわが家にたまってきた。松本清張や西村京太郎シリーズ、夏樹静子の著作などがどんどん増える。それと、独立して家を出て行った息子たちの本も、クローゼットの中に残っていた。僕の好みと異なる本や、すでに読んだことのある本、僕が持っているのと同じ本などもあったので、これらも加え、また自分の蔵書の中からもさらに選りすぐって、今回、久しぶりにまた本の処分をすることにした。

処分方法は、これまでのように資源ごみに出すのではなく、近所にある古本屋さんの「ブックオフ」に引き取ってもらうことにした。捨てるのではなく、売るのである。売れれば、それに越したことはない。こんなことは今までしたことがなかったが、冊数を読むと150冊を超す数だったので、「100冊以上なら引き取りに出向きます」というブックオフの出張サービスを受けることにしたのである。

売る、と決めて、あらためて処分しようとする本を点検してみたら、中には沢木耕太郎の「深夜特急」の1巻から4巻までがあったり、山崎豊子の「大地の子」全4巻が混じっていたりしている。
「あ、こんなんも入っていたんか? う~ん。これは、もったいない」
一度は処分しようと決心したものの、こういうものを見ると、急に未練が湧いてきて、また読みたくなるかも知れぬ、と、どたん場で迷ってしまうのである。やっぱり、愛着のある本を手放すのは、今後読むかどうかは別にしても、なかなかつらいものがある。でも、愛着があるといえば、みんなあるのだから始末が悪い。

先日の朝日新聞の「キュー」というコラムで、島崎ナントカという女性の方が書いておられたが、彼女もずっと置いていた少女漫画の全集を思い切って古本屋さんに売却したけれども、そのあと、どうしてもまた欲しくなって、自分が売った値段の何十倍ものお金を払って買ってしまった…という話が載っていたが、その気持ち、よ~くわかります。

そういうわけで、本をダンボールに詰めてからも、何度も逡巡する。
本の背表紙を眺めれば眺めるほど、これも、あれも、また読みたくなるかもしれない…な~んて思ってしまい、キリがなくなる。
「それなら処分せず、全部、置いておいたらいいじゃない?」
と妻に言われたりする。
「いやいや、処分すると決めたんだから…」
と言いながらも、まだ目はダンボールの中の背表紙を見つめている。
ああ、なんとも優柔不断で決断力の鈍い僕である。

…そんなことで一昨日の24日に、ブックオフの人が車でやって来て、本を回収していった。妻が応対してくれたのだが、すべてを回収してくれたわけではなかった。
「全何巻」のうちの1冊でも欠けているものや、変色しているような古い本(星新一のショートショートや武者小路実篤の「友情」など、40年ほど前に買った文庫本)、時代に合わない本(10年ほど前のパソコンのマニュアル本など)は引き取ってくれず、僕が帰宅すると、玄関のダンボール箱に数10冊の「売れ残り」の本が寂しそうに入っていた。

「残った本は次の資源ごみの日に出すわね」
と妻が言った。
僕は、その「売れ残り」の本をまた1冊ずつ手に取り、そこから3冊ほど抜いて自分の手元に残すことにした。
…どこまでも未練がましい僕である。

それで…
結局、ブックオフには130冊前後の本を引き取ってもらった。
ほとんどが、文庫本である。

妻によると、ブックオフから来た人の本の「鑑定」は、30分以上かけて、入念に行われたという。一応、全部の本をチェックし、「値打ち別」に分ける。そして明細と、トータルした金額を妻に示して、そこへ押印して代金をもらう、という流れなのだそうだ。

お代金は、全部で1650円。
文庫本3冊分ほどの金額であった…  

 

 

 

コメント (11)
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