めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

人類すべてを人質とする卑劣な行為

2015-11-17 13:38:13 | 戦争

今や世界は、無差別テロの恐怖に怯えています。
しかも、世界中の都市を標的にしかねないこの蛮行は
今までにない、予想をはるかに超えた不安を呼び起こします。

これまでの戦争の多くは、例え大国同士の戦いで有っても
その恐怖が世界中に及ぶとは言えず、局地的な争いさえ収まれば
いずれ世界に平和が訪れると誰もが思っていました。
しかしながら、近年増えているのは、この防ぎようのない
局地的なテロ行為です。

しかも、一般市民に紛れての凶行は、テロが行なわれる瞬間まで
何処が標的となるかも解からず、より一層多くの犠牲者を生む
可能性が高いのです。
さらに、テロ首謀者の発言は、世界のどの街であろうと、彼らにとって
標的となるとあり、まさに、世界中の人々を人質としかねない、
新たなる脅威となっています。

私達の生活は、ネットにより世界中の状況が全て知る事が出来る
様になりました。
生活が飛躍的に便利になった事も有りますが、一方、その便利な
社会に取り残され、より一層生活の格差を感じる様にもなった
人々も多くなったのです。
搾取する側と搾取される側の構図がより一層はっきりとして、
世界の国々においても、増々貧富の差が大きくなって来ました。

近代国家になって、生活の格差を是正できる国も少なからずありますが、
発展途上国に於いては、より貧富の差が激しさを増し、その事から
多くの争いが起こっているのです。

人類の歴史は、地球の資源の奪い合いの歴史でもありました。
戦う事により、国土を増し、より豊かな資源を獲得する事が
国力をまし、国民を守る術でもありました。
しかしながら、時代が進むにつれ、争いの規模も内容も
一段と大きくなり、それに伴う犠牲も大きくなって来ました。

その為、世界の流れは、争いを避ける方向に進んできたのですが、
一方、国同士、民族同士の生活の格差は縮まらず、宗教問題も
加わって、一向に世界から争いは無くならないのが現状です。

大国は、力を持って紛争国を支配し、どうにか世界の平和を保とうと
してきましたが、力による支配がより争いを長引かせている事に
未だ気が付かないのか、同じ蹉跌を踏み続けている
原因でもあるのです。

あらゆる戦いの手段を抑えられている発展途上国にとって、
自分たちの不満を世界に知らせる手段がテロとも言えるのです。
巨大な軍事施設を持つことが出来なくても、神出鬼没のテロは
貧者の武器とも言えます。

その脅威は、大国を倒す事は出来なくとも、多くの人々を
恐怖に陥れ、その恐れから、国の方針を変えさせる可能性が
有ると彼等は考えているのです。
ニューヨークにおける、航空機を使った悲惨なテロ行為から始まって
今まで、世界中で様々なテロが勃発しています。

しかし、その数は増える事は有っても、今だ無くならないのは
一体どうしてなのでしょう。
例え力を持って彼らを抑えたとしても、必ずや何処からともなく
また新たなるテロ集団が生まれて来ます。
この、繰り返しに、世界の人々が次第に平静を失い疑心暗鬼となり
人を信じられなくなっていく事が、一番恐ろしい事です。

人の生活は、御互いに信じる事で成り立っています。
友達、家族から、会社、学校、社会と、様々な場所で営まれる
私達の生活は、全てがお互いの信頼関係が有ってこそ成り立ちます。
その基盤が損われていくという事は、人間社会が崩れて行くと言う
まさに破滅の方向へ向かうという事です。

地球の歴史の中で、何度か大絶滅があり、多くの生物が死に絶えました。
数億年も続いた恐竜の時代も、隕石の落下や、世界中の火山の噴火で
ついには絶滅の日を迎えましたが、人類の絶滅は、そんな自然現象でなく
自らが生んだ破壊行為によって、精神的に自滅して行くのかも知れません。