めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

寒さで口を閉じる桜の花

2015-03-24 13:32:56 | お花見

昨日、ようやく待ちに待った開花宣言がありましたが、
夕方からかなり気温が下がった事も有って、今朝覗いて見ると、
昼間になっても、昨日咲いていた可憐な花びらが、硬く口を閉じています。
全体を見回してみても、ほとんど蕾の状態で、大陸から南下してきた
冬型の高気圧が日本列島を覆っている様です。

軽い服装で出勤したものの、バス停で待っていると、やはり襟元が冷たく、
薄手のジャンパーでも着てくれば良かったと思いました。
しかしながら、三寒四温と言われるこの時期なので、次第に暖かい日が多くなり
多少寒い日は有っても、一週間もすれば、目黒川は美しいピンクの絨毯に
覆われるでしょう。

とはいうものの、すでに何日も前からテレビのニュース番組で、目黒河畔の桜が
大々的に取り上げられ、盛り上がっているのは良いのですが、毎年ながら
年々増える観光客を受け入れる体制が追いついていません。

昨年行われたLEDによるブルーのライトアップは、あまりの観光客の多さに
土日が中止になってしまいました。
元々、目黒川上流は道路が狭く、車が一台通るのがやっとです。
10年ほど前でさえ、桜の季節は交通渋滞が至る所で起こり
問題が解決されないまま、毎年花見客が増える一方なのです。

地元で静かに楽しんでいた頃に比べて、一番困るのは、大量に出るゴミです。
基本的に私達この地区の人々は、花見の後はきちんとゴミを自宅に持って帰り
道路に置き去りにすることは無かったのですが、マナーの無い観光客も増え
更には、ゴミが多すぎて集積場では処理できなくて溢れた状態です。
その為、翌日の片付けは大変で、汚れているだけでなく、アルコールや
食べ残しの生ゴミの匂いが漂い、朝方窓を開けると気分が悪くなります。

日本には、様々な名勝があり、春夏秋冬自然を愛でる習慣が有ります。
昔から、四季を楽しみ、その中で生活する事で、細やかな感性が生まれ、
日本人の繊細な人柄が育ってきました。
海外の人が日本人を称賛する、優しさやおもてなしの心は
この素晴らしい自然とけっして無関係では有りません。
いえ、この大自然に育てられた文化ともいえると思います。

確かに、人口が増えて、しかもネットの情報が津々浦々まで
瞬時に伝わる時代です。素晴らしい美しいとなれば、日本各地から
更には世界から多くの人々が駆けつけます。
しかし、この美しい自然は、単に自然を楽しむだけでなく
そこに住んでいる人々も育てているのです。

長きに渡って住んでいる地元の人にとって、胸を張れる財産であり、
心の安らぎでもあるのです。
その素晴らしさを知っているからこそ、一人でも多くの人に知っていただき
その感動を共有したいと思っているのです。

その為には、やはり、人のお宅を訪ねる様にマナーが必要です。
私達地元もしっかりと受け入れる準備も必要ですが、
訪れる多くの方々も、自然の美しさを通して、お互いの気遣いが
求められるのです。

今日明日と少し寒くて、桜の開花もゆっくりと思われますが、
週末には見事なピンクのベールに包まれると思います。
この素晴らしい季節に、自然の美しさを堪能して、
日本の素晴らしさ、日本に生まれた喜びを感じ取って欲しいです。


寒さで閉じてしまった桜の花