一昨日湘南の旅をした時、久し振りに真っ白の帽子を被った
美しい富士山を見る事が出来ました。
東京に居ると、海に出るか山に登るか、高いビルに昇るかしないと
中々日常的に見る事が出来ず、今回の旅で富士山を見られたことは
非常に幸運で、旅の楽しさを倍増させる事となりました。
多くの日本人が大好きな富士山は、私の小さい頃からの憧れでもあり
東京に住むようになっって、今まで何度訪れたか解らない程です。
車で出かけたり、観光バスで出かけたり、はたまた頂上を目指したりと
人生の中の多くの素敵なページを創る事ができました。
世界遺産に指定されたことで一段と世界的に有名になっていますが、
楽しい話題の反面、幾つもの不安なニュースも伝えられています。
先ず、富士山は活火山であり、いつ噴火してもおかしくないと言われます。
有史以来何度も噴火を重ね、様々な形に山様が変わっていますが、
江戸時代に有った宝永の大噴火は、富士山の歴史からすると、
ほんの昨日あった位のもので、過去数千年の噴火も、いまだ継続中と
多くの火山学者は警告します。
私が学生時代住んでいた鹿児島には桜島と言う有名な火山がありますが、
最近では殆ど毎日噴煙を上げていて、最近では山体が膨らむ現象も有り
また大きな噴火が心配されています。
富士山が噴火したときのハザードマップが公表されましたが、
実際の降灰の凄さは、想像を絶するもので、私も何度も経験しましたが
傘をさしていると、灰と言うよりバケツで砂を掛けている様にザラザラと
音を立てて砂が落ちてきます。
酷い時には、歩く事すらできず、5メーター先の人の姿が霞んでしまいます。
昨年の秋、あの多くの犠牲者が出た御嶽山の噴火の時、どれ程の火山灰が
降り注いだか、考えるだけで恐ろしくなります。
非常に美しい富士山ですが、あのなだらかな曲線を山体に持つ今の形は
過去何度も巨大な噴火によって形成されたものであり、もし、山の形が
変わってしまう様な大噴火が起こるとすると、日本は壊滅的な打撃を受けると
専門家は指摘しています。
本当に美しい富士山ですが、その写真は殆ど北側と南側と東側しかないのを
ご存知でしょうか。そう、西側の富士山の写真は表に出てこないのです。
それは、大沢崩れという巨大な裂け目が頂上付近から起こっていて
噴火による崩壊以前に、富士山は二つに裂け始めているのです。
ともあれ、私達日本人の心の支えともいえる富士山が、
美しいだけでなく、私達の住む大地と共にいつも地球の変動と関わって
大きな自然災害を生む可能性があることを考えていなければなりません。
私達が住む日本列島は、地球の大きな変動によって生まれ、更に
変化しつつある状態であり、自然災害は宿命ともいえるものです。
多くの火山の活動でできた豊かな自然の日本列島は、
私達日本人の心を育て、世界的にも素晴らしい四季を生んで来ました。
しかしながら、富士山と同じく、美しくも有り多くの危険もはらんでいる事を
私達日本人は心に富めて、日本人の命を未来に繋げる努力をしていくことが
この大地に生きて行く宿命と思われます。
日没後の美しいシルエット