ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年5月16日。ウクライナ侵攻から447日目

2023-05-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月16日。
 ミンスクは雨が降ってやや気温が下がりました。

 ベラルーシ大統領は今日は公の場に姿を現しませんでした。

 ロシアのウラジーミル州知事が馬をベラルーシ大統領にプレゼントしました。(まさかお見舞いの品?)


 ロシアの民間軍事会社ワグネルトップ、プリゴジン氏は今日にSNSテレグラムに投稿された動画で、バフムートでの戦闘でアメリカ人1人が戦死したと主張しています。これからアメリカ政府が調査に動き出すでしょう。とにかく激戦などは早く終わってほしいです。


 今日未明、ロシア軍がキーウに短時間に多数のミサイル攻撃を始めました。しかし、ウクライナ軍は、極超音速ミサイル「キンジャル」を含むミサイル18発とドローン(無人航空機)9機をすべて撃墜したと発表しました。防衛のレベルが上がりましたね。しかしキーウ市の西部地区では落下した破片によって数台の車で火災が起き、建物が損傷。3人が負傷したそうです。このような形で被害が出るので、攻撃そのものをしてほしくないです。


 ロシア連邦保安局(FSB)は今日、ウクライナ侵攻に参加したロシア軍部隊の情報を外国に提供したとして、25歳のウクライナ人女性をスパイ容疑で拘束・訴追したと発表しました。
 最大20年の禁錮刑が科される可能性があるそうですが、戦争がロシア敗戦という結果で終わればすぐ釈放されると思います。

 昨日はロシア連邦保安局(FSB)が在ロシア米国大使館の元職員の男性を「外国との秘密裏の協力」容疑で拘束、訴追しています。ウラジオストクの領事館の元職員だそうですが、モスクワから離れたところでも、こんな事が起きているのですね。

 

2023年5月15日。ウクライナ侵攻から446日目

2023-05-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月15日。
 9日の戦勝記念日以降、公の場に姿を現していなかったベラルーシ大統領が今日、軍司令部を訪問しました。
 国営メディアの報道では、声がかすれて聞き取りにくく、左手の甲に包帯を巻いています。
 話をしながら両手でジェスチャーを取っていますが、手の動きはふつうで、麻痺しているとか関節がぎくしゃくしているようには見えませんでした。
 
 大統領はインフルエンザにかかったらしいとか、冠状大動脈のバイパス手術を受けたとか、仮病だとかいろいろ憶測が飛んでいますが、仮病だとしたら演技が上手すぎるし、政治的に何のメリットがあるのでしょう? ベラルーシの大統領が仮病を外交手段に使うとは思えません。それに国内向けには、国民に強くて頼れる大統領をアピールできません。そんなことをするわけがないです。
 声のかすれ具合から本当にインフルエンザにかかって、無理矢理に治したのかもしれません。
 ベラルーシ大統領はコロナに複数回感染したことを公表しており、以前にも声がガラガラになっていながら、演説をして、隠そうともせず、コロナから回復したばかりとはっきり発言しています。
 大統領府の専門病院があるからできることなのかもしれませんが、そのときには、「エクスプレス療法で治した。だからすぐ治った。」
と自ら話していました。
 今回もインフルエンザにかかったけれど、エクスプレス療法で5日間で治したのかもしれません。しかし、声のかすれだけはまだ残っているという状態です。

 もし心臓手術を受けたのなら、一ヶ月は入院しないといけませんが、今日、公の場に姿を現したことから、大きな外科手術を受けたとも思えません。
 左手の包帯はカテーテルを刺していたからではないでしょうか。それがエクスプレス療法の一つだったのかもしれません。

 航空機の飛行追跡データによると、週末の間にロシア政府の特別機がミンスクを出入りしていたそうですが、これが専門医をロシアから呼び寄せたのでは?という憶測に繋がっています。もちろん誰が搭乗していたか公表されていません。

 ちなみに今日、訪問した軍司令部では、ロシアのブリャンスク近郊で4機の航空機が墜落した事故の後、ベラルーシ軍は数日間厳戒態勢にあると大統領は報告を受けています。


 ウクライナ軍情報機関報道官は、ウクライナはルカシェンコ氏の健康問題に関する情報を把握していると述べました。ウクライナは様々な情報源を持っているようですね。
 しかし、さまざまな理由からコメントは差し控えるとして、発言がありません。


 ベラルーシの反体制派指導者チハノフスカヤ氏は今日、支持者に対するメッセージとして、ルカシェンコ大統領の健康問題が浮上する中、ベラルーシの民主化に向けあらゆる機会をつかむ用意ができているとツイッターに投稿しました。


 ロシア大統領は今日、ロシアで最も貴重なイコンの一つ、アンドレイ・ルブリョフの「聖三位一体」を現在、保管されているトレチャコフ美術館から救世主キリスト大聖堂に移す決定をしました。これに対し、美術品の専門家らはトレチャコフ美術館では温度や湿度などが厳重に管理された状態で保管されていて、移動すべきではないなどと反対しています。
 日本人の感覚で言うと、高松塚古墳の壁画をどっかのお寺の中に設置して、入れ代わり立ち代わり多くの参拝客が間近で見られるようにする感じです。
 

 ベラルーシの外相は現在ロシアを公式訪問中。ロシア政府との多くの会談が予定されています。


 ベラルーシの若い男性が、持病のため徴兵義務を免除されているのに、今、また徴兵されようとしています。
 会話にするとこんな感じです。
「あなたは徴兵されます。」
「いや、持病があるから徴兵は免除されているんですけど。」
「それをもう一度証明してください。病院で検査を受けて、今でも本当に持病があると証明してください。」
 何だか二度手間に感じますよね。やっぱり兵士の数を増やそうとあらゆる手段を使っているように思えます。

2023年5月14日。ウクライナ侵攻から445日目

2023-05-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月14日。

 今日は新しく制定されたベラルーシの国旗・国章・国歌の日です。(5月の第2日曜日。母の日ではないんですね。ちなみにベラルーシでは母の日は10月14日。)
 初の式典に大統領が出席ししかるべきなのに、元気な姿を見せませんでした。
 大統領の祝辞をゴロブチェンコ首相が代わりに読み上げました。
 公の場に姿を見せなくなり5日経ちました。
 ネット上では様々な憶測が飛び交っています。
 インフルエンザに感染したとの見方が側近の間で出ているとか、13日夜7時頃に大統領府病院に入院したとか(病院の入口前の道路が封鎖されて、一般車両は通行できなくなっていた)モスクワの専門医(?)がわざわざミンスクへ来たとか、○亡説、ロシアによる暗○説まで飛んでいます。
 今ベラルーシの大統領に何かあったら(職務執行不能状態になる)非常に大きな問題になります。早く元気な姿を見せてほしいです。
 
 5月9日のモスクワでの戦勝記念式典に出席したときから不調になったので、一服盛られたのではないかという人もいますが、すぐに犯人はロシアだとわかってしまうような暗殺の方法をロシアが採るでしょうか。しかも世界中に記念式典の様子が報道されるのに。
 ただ、ベラルーシの大統領はいつもは式典の当日の朝にモスクワへ行くのに、今回は前日の午後にモスクワ入りしていました。
 式典の前にロシアの大統領といろいろ話をしないといけないんだろうな、というのが大方の予想でした。つまり、式典の後にはゆっくり会談をしている暇がないということがわかっていたのだと思います。
 旧ソ連諸国7カ国のトップが5月9日にはモスクワに集合していたので
、それぞれとロシア大統領が話をしなければならず、スケージュールがきつくて、ベラルーシ大統領とは、前日に来てほしいという要請があったのか、あるいはベラルーシ大統領との会談の内容を踏まえた上で他の大統領との会談をしたかったのかもしれません。

 5月8日にモスクワの空港に降り立ったベラルーシ大統領は元気な様子で、出迎えた人たちと「おーよく来た。」という感じの気軽な様子で挨拶していて(体育会系部活男子どうしのようなのりでした。)翌日、急に体調が悪化した、つまり毒をもられたという噂が出てくるのは仕方がないのかと思えます。


 ウクライナ大統領は今日、ドイツのアーヘンで欧州統合に貢献した人物を表彰する「カール大帝賞」の授賞式に参加し、同賞を授与されました。
 授賞式の前にドイツに飛んできたベラルーシの野党リーダー、チハノフスカヤ氏と会談を行いました。どのような話し合いがなされたのか・・・。

 

2023年5月13日。ウクライナ侵攻から444日目

2023-05-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月13日。
 やっとミンスクは暖かくなりました。今日が晩春で明日が初夏になりそうです。

 ポーランド国防省は今日、ポーランド北部の領空で観測気球のような物体が飛行しているのを観測したと明らかにしました。
 物体はベラルーシの方角から飛来してきたようです。
 ロイター通信によると、最初にレーダーが捉えたのはベラルーシ国境に近い町の上空で12日午前8時半ごろでした。13日午前0時半ごろには首都ワルシャワから北西に約143キロ離れた町リピン付近の上空で観測されましたが、その後行方が分からなくなりました。
 ベラルーシが飛ばしたのか、あるいはロシアから飛んできたのか・・・。
 ポーランド国防省は物体の行方を追っています。


 5月10日に始まったポーランドとベラルーシ国境の抗議運動。
 他のトラックの運転手から、越境するのに一ヶ月かかる、ずるをして優先して越境できるトラアックがある・・・などの抗議を受けて、4日目の今日、抗議運動は終わりました。今月末まで続けると始めた当初は言っていたのですが。

 昨日の投稿で、ロシアで軍用ヘリコプターが墜落したニュースについて書きましたが、今日またロシア西部ブリャンスク州上空付近を飛行していたロシア軍の戦闘機2機とヘリコプター2機がほぼ同時に墜落しました。同じ時間帯に撃墜されたようです。乗員計9人が死亡。
 ウクライナから撃墜されたのかまだ不明です。
 いよいよ大規模反撃の開始のようです。


 タス通信などによると、ロシアが一方的に併合した東部ルハンスク州の州都ルハンスク中心部で昨日と今日、ロシア軍の司令部などで大規模な爆発が起きました。ロシア国防省は今日、ウクライナがイギリスから供与を受けた長射程巡航ミサイル「ストーム・シャドー」を使ったと主張しています。
 軍の司令部がピンポイント的に攻撃を受けています。


 今夜、イギリスのリバプールで、ユーロビジョン・ソング・コンテストが開催されますが、ロシアとベラルーシは出場できません。当然ですね。両国ではテレビ放映もありませんし。
 去年の優勝国ウクライナが今年の会場に安全上の理由からなれなかったことが残念です。平和な時代になったら、ウクライナを会場にしたユーロビジョンを開催してほしいです。

2023年5月12日。ウクライナ侵攻から443日目

2023-05-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月12日。
 ミンスクはようやく日中の気温が20度にまで上がりました。

 ベラルーシのビテプスク、モギリョフ、ゴメリ州で、麻疹の患者が出ました。
 罹患がかくにんされたのは15名、疑いは1名だとベラルーシ保健省が今日、公表しました。
 最初の患者はモスクワあるいはロシアの他の都市からこの病気をベラルーシに持ち込んだとしています。
 ベラルーシに駐留しているロシア軍兵士がロシアから持ち込んだのではないかと噂されています。上記の3つの州はいずれもロシアに隣接しています。
 ということはロシアでも一定数、麻疹患者がいるということですよね。


 ロシア国防省は今日、ロシア軍の軍事ヘリコプターMI-28機がクリミアジャンキョイ地区での訓練飛行中にで墜落し、2人のロシア人パイロットが死亡したと発表しました。
 タス通信は、国防省は墜落の理由は機器の故障との見方を示していると報じています。
 軍用ヘリが墜落して死者も出るとは、今の時期隠しておきたい事実だったと思いますが、国営メディアが堂々と報道しています。


 ロシアの軍事ブロガーたちが11日、ウクライナ軍が複数の方面で反撃を開始したと伝えたことに対し、ロシアの国防省は前線が突破されたとするSNSの情報は事実ではないと主張。
 ロシアの民間軍事会社ワグネルトップのプリゴジン氏はロシア国防省の発表は「欺瞞的」でありと味方のロシア軍を否定。反攻作戦は実際にバフムト周辺で全速力で進められており、ウクライナの作戦は「残念ながら、部分的に成功している」ことが証明されているとしています。

 
 健康不安説が流れているベラルーシ大統領ですが、ベラルーシ政府からもこの件については特に公表はありません。まあ、病気になってもいちいち報道しないと思いますが。大統領がコロナにかかったのも事後報告でしたし。
 仮病説も流れていますが、この3日間公の場に大統領は姿を現していません。元気だったらその姿を見せて国民を安心させる・フェイクニュースを否定しようとするだろうと思うのですが。
 戦勝記念日にモスクワに行ったときに体調が悪化したので、ロシアに一服盛られたとも一部で言われていますが、そんなばればれな暗殺方法をロシアが採るとは思えません。


2023年5月11日。ウクライナ侵攻から442日目

2023-05-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月11日。
 ベラルーシはようやく気温が上ってきました。

 昨日、ロシアの飛び地カリーニングラードのポーランドでの呼称をクロレビエツに変更すると発表したポーランド政府にロシアは反発。「敵対行為」と非難しています。
 ロシア安全保障会議のドミトリー・メドベージェフ副議長は、ポーランドがカリーニングラードをクルレヴエツに呼称変更するのなら、今後はロシアがポーランドを「ロシアの一部であるポーランド」と呼んでもいいわけで、ワルシャワもバビロンとかカルタゴとか好きなように呼んでもいいことになると提案しました。
 確かにそうですね。ポーランド国内での呼称をクロレビエツにするのがいいのなら、ロシアもロシア国内でポーランドのことを好きなように呼べばいいです。それぞれに名付けの権利があるようなものです。国際的に通用するか、非難されるのかは別として。
 だったら「敵対行為」と非難もしなければいいのに。というか非難する必要がないです。ポーランドが国内で決めたことなんか大国ロシアは放っておいたら? 


 ウクライナの陸軍司令官は今日、ロシア軍との激戦が続く東部ドネツク州の要衝バフムトについて、ウクライナ軍が「効果的な反撃」を行い、一部地域でロシア軍を最大2キロ押し戻したと明らかにしました。

 ロシア国防省自らが今年4月だけでも国内で最大1万人の受刑者とウクライナでの戦闘に加わる契約を交わしたと見られます。イギリス国防相の見解です。民間軍事会社「ワグネル」が国内各地の刑務所から恩赦と引き換えに戦闘員を募り、激戦地に投入してきましたが、今はワグネルはその募集を禁じられたようです。
 

 FBIは今日までに、ロシアがNATO加盟国を含む少なくとも50カ国から機微に触れる情報を盗むために長年にわたって不正に侵入していたコンピューター網を遮断する対抗策を講じたと発表しました。 


 アメリカのブリゲティ駐南アフリカ大使は今日、ロシアの船舶が昨年12月に南アフリカで武器と弾薬を積み荷に乗せ、ロシアに帰還したとアメリカ政府は確信していると述べました。南アフリカのラマポーザ大統領は、議会で野党指導者がこの問題について質問した際、肯定も否定もせず、調査を実施しているとのみ述べました。つまり肯定しているということですね。背後にはお金がからんでいるのでしょう。

2023年5月10日。ウクライナ侵攻から441日目

2023-05-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月10日。

 昨日の戦勝記念日に合わせて、ベラルーシ国内でテロ事件を起こそうと計画していた男女4名のグループが摘発されていたことが今日明らかになりました。
 主犯は23歳の男性で、2020年の大統領選挙のときに抗議活動に参加、その後ウクライナに出国していました。
 ウクライナで卓上型の電気コンロに見せかけた爆発物を用意。戦勝記念日にベラルーシで爆発させようと国内の仲間を集め、コンロをウクライナからいくつかの国を経由してベラルーシに郵送。(途中で爆発しなくてよかったです。重さは2キロ)
 結局、テロ攻撃を未然に塞がれた格好になっています。
 続報では爆発物がアメリカ製だったとして、背後にアメリカが関与した、ということになっています。主犯の男性はキーウにいて逮捕状が出ても、ベラルーシ領内に足を踏み入れない限り安全だと思っているようです。


 ベラルーシとの国境に面したポーランドの検問所ククリキ前の道路をトラック約50台が封鎖。予定通りポーランドの運送会社によるデモが始まりました。
 1時間に1台のトラックしか通行できなくなっていますが、動物や生鮮品を積んだ車両は越境できます。


 ベラルーシ国境に面したリトアニア国境検問所メディニンカイの管理棟の1つで今日の午後3時頃火災が発生しました。双方向の車両の通行が停止されています。火事の原因は今のところ報道されていないので、まだ不明なのでしょう。けが人などはいない模様です。

 トルコ外相は今日、18日に期限が切れる黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意について、少なくとも2カ月延長できるとの見通しを示しました。少しでもいい方向へ向かってほしいですね。


 ポーランド当局に撤収されたワルシャワにあるロシア人学校。別の場所に移転して授業再開です。
 来月は卒業シーズン。新しい学び舎で卒業式をする予定なのでしょう。
 破壊されたウクライナの学校の校舎が早く再建されてほしいです。


 ポーランド政府は今日、同国に接するロシアの飛び地カリーニングラードのポーランドでの呼称を、ポーランド語のクルレビエツに変更すると発表しました。


 ウクライナの国営原子力会社エネルゴアトムは今日、ザポリージャ原子力発電所付近からロシア軍が3000人以上の労働者を避難させる計画で、同原発は「壊滅的な人員不足」となっていると明らかにしました。
 エネルホダルの住民約3100人の避難準備に関する情報を受け取ったとし、同社と契約を結んだ2700人の労働者も含まれるそうです。人のいない原発でどうやって安全を守れるのでしょうか。心配です。
 と思っていたらウクライナ軍参謀本部は声明で、
「エネルホダルではロシアの占領者が原発職員の家族の『避難』を進めているが、職員の避難は許されていない」
と述べました。やはり、原発から職員は原発の安全を守るため、避難できず、さらに人質のような扱いを受けているということなんですね。そして家族は離れ離れにされてしまいます。

 

2023年5月9日。ウクライナ侵攻から440日目

2023-05-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月9日。
 今日は第二次世界大戦の対独戦勝記念日です。
 ベラルーシのテレビ番組表を見たら、午前11時から戦勝パレードという番組があったので、モスクワの戦勝記念式典に出席しているベラルーシ大統領がいないのにパレードを始めるの? と思っていました。
 結局モスクワのパレードを見てからベラルーシ大統領は専用機で帰国。
 戦勝記念式典はミンスク市内の勝利広場で夕方7時から始まりました。いつものように各界代表からの献花、国防相の挨拶などがありましたが、大統領の祝辞はなく20分で終わってしまいました。え、これだけ? 
 何の混乱もなかったのは良かったですが。ただ日が暮れたら花火が上がります。
 その他各地でコンサートなどは行われている模様。

 モスクワの赤の広場でのパレードも戦車が一台だけ(しかもT-34で、古すぎると言う意見も。ただT-34は第二次世界大戦時代には最新型だったので、対独戦勝記念日に引っ張り出して見せるのは正しい判断ではあります。)
 前年と比べると非常に小規模でした。主な軍の装備(戦車など)は前線に持って行っているので、赤の広場で見せるものがないのでしょう。
 ベラルーシも空軍がリハーサルをしていましたが、実は戦勝記念式典のリハーサルではなくて、別のリハーサルをしていたのでしょうか。
 ミンスクでももちろん戦車などのお披露目はありませんでした。

 ニュース映像を見た限りでは、地方都市の記念式典のほうが規模も内容もミンスクより盛大なように見えました。いかにもその町の地元の人達が戦争中に戦死した地元出身者の慰霊や、戦争を生き延びた人を招いての式典に見えます。招かれている人たちのことも地元の人達はみんな知っていて、自分のおじいさんが、おばあさんがあのときは・・・と思い出すような戦勝のお祝いの雰囲気があります。
 ミンスクは首都なので、政治色がどうしても前面に出てしまっているんですよね。周りは厳戒態勢で、ムードも緊張気味。
 挨拶の言葉も国防大臣が出てくるので、内容も(今は戦時中だし)先の大戦以降、ベラルーシ人は平和を願い続けているとしながらも、今の戦争について、ロシアと欧米諸国との大規模な代理戦争であり、
「ベラルーシ軍は、ベラルーシの神聖な国境に侵入してくる者を撃退する準備ができている。」
という気の強い内容でした。昔の戦勝より、現在進行中の戦争の行く末のことでみんな頭がいっぱいです。しかたないことです。


ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は今日、ロシア政府から約束された弾薬をまだ受け取っていないと述べました。
 結局もらえなくて、本当に10日(明日)バフムトからワグネルは撤退するのでしょうか。

 さらにプリゴジン氏は「ロシア国防省の1部隊がわれわれの隣(の拠点)から逃げ、前線に穴を開けた」と動画内で述べ、ロシア軍が弾薬を供給しないのならばワグネルはバフムートから撤退すると再び警告しました。
 ロシア軍が前線から逃げ出しているということです。
 プリゴジン氏はウクライナ側は国境近くのロシア領への攻撃を成功させていると主張しています。敵を褒めていますよ。戦勝記念日にこんなメッセージ動画を上げるなんて・・・
 もっともプリゴジン氏が言っていることも本当かどうかはっきり分かりません。何かの思惑があって、わざと嘘を言っているかもしれません。

 
  ウクライナに接するロシアのベルゴロド州知事は、同州南部のシェベキノがウクライナ軍による3度の砲撃を受けたほか、他の5つ以上の集落も攻撃され、少なくとも5人が負傷し、家屋や送電線も損傷したと通信アプリ「テレグラム」に投稿しました。
 また、8日遅くにロシアの防空システムが同州バルイキの上空を飛行するドローンを撃墜したとも述べました。


 ウクライナ側は、ロシア軍が9日朝にかけて巡航ミサイル25発をキーウなどに発射し、うち23発を迎撃したと報じました。


 ロシアのアンドレーエフ駐ポーランド大使は今日、対ナチス・ドイツ戦勝記念日にワルシャワの旧ソ連兵墓地へ献花のため訪れましたが、ウクライナ人活動家数十人の抗議活動にあい、墓地に入るのを阻まれました。
 この時期この立場の人にとっては避けられない仕事ですね。

2023年5月8日。ウクライナ侵攻から439日目

2023-05-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月8日。
 戦勝記念日前日。明日の式典のリハーサルに余念がありません。
 明日はミンスク市内のあちこちの道路が通行禁止になり、関連イベントに行くのも、手荷物検査を受けないといけません。

 ベラルーシ大統領が明日モスクワの赤の広場で行われる軍事パレード出席のためロシアを訪問しました。
 同じくカザフスタン、キルギスタン、タジキスタンの大統領、アルメニアの首相も出席する予定です。
 軍事パレードでは空軍機は今年は天候の条件のため、飛ばさないそうです。
 ベラルーシ空軍の軍事パレードの参加は例年どおりで、今日もリハーサルをしていました。


 ウクライナのザポリージャ州のロシア占領地統括責任者は、ウクライナ軍による「挑発行為」に備え、ロシア占領下のザポリージャ原子力発電所の一部の稼働を停止していると述べました。
 ともかく原発で事故が起きないよう祈るばかりです。

 
 今日、ポーランド当局は、ベラルーシとポーランドの国境で現在トラックが通過している唯一の検問所であるコズロヴィチにある検問所を封鎖したと発表しました。ポーランド時間の明日12:00、またはベラルーシ時間の13:00 に封鎖されます。
 これ、抗議運動なんですね。封鎖のために約100台のトラックが抗議に参加する予定です。このような国境地帯での抗議活動は、6月9日までポーランド側により許可されています。


 キーウの当局者は現地時間、今日午前0時過ぎにテレグラムのチャンネルで「キーウ郊外で防空が機能している」と述べ、空襲警報が鳴りやむまで避難所で待機するよう市民に呼びかけました。
 オデーサの軍報道官は、テレグラムのチャンネルで「敵のミサイル攻撃があった」と述べました。爆発が起こり、火災が発生したという報道もあります。
 ヘルソンでも爆発音がしたそうですが、詳しいことは不明です。
 明日はどうなるのでしょうか。
 
 イタリア外務省は今日、ウクライナに滞在している自国民に対し、直ちに国外退避するよう強く勧告しました。

 
 ウクライナ大統領は今日公開した動画で、
「多くの国がナチス・ドイツに対する勝利を記憶する日としている」
として、前日の8日を戦勝記念日とする法案を議会に提出すると明らかにしました。
 日本の一部メディアで、戦勝記念日をロシアが定める5月9日ではなく、8日にすることにより、ロシアと決別しようとしていると報道しています。
 しかし、対独戦勝記念日を5月9日と定めたのはロシアではありません。ソ連です。

 それから、ウクライナ大統領が戦勝記念日を5月8日に1日早めたように見えるし、1日ずらすならじゃあ、どうして5月10日にしないのか?と日本人には不思議に思えますが、実際には対独戦勝記念日は5月8日でもあるからです。
 5月8日はナチス・ドイツが無条件降伏文書へ署名し、「連合国」が戦争に戦勝したことを記念するヨーロッパ戦勝記念日です。
 そして5月9日は当時の「ソ連」がナチス・ドイツからの解放を記念する対独戦勝記念日です。これはナチス・ドイツの無条件降伏文書の署名が、時差のためモスクワ時間では5月9日午前2時15分だったからです。
 ウクライナは第二次世界大戦時、ソ連の構成国だったので、戦後毎年5月9日にお祝いをしていました。
 しかし、今のウクライナではロシアから距離を置きたいという姿勢が、ヨーロッパに仲間入りしたいという姿勢と同じ意味になっているようです。
 5月8日を戦勝記念日にするのは根拠があるのでいいですが、ウクライナ大統領は5月9日については「ヨーロッパの日」として、ナチスとロシアに対するヨーロッパの団結を示す日にするとしています。これは何だか変ですね。ウクライナの議会に提出したそうですが、ヨーロッパ側からの賛成がないと成立しないのでは?
 それより、別の新しい「ウクライナの戦勝記念日」を制定したいと思っているでしょうね。それはいつの日付になるのでしょうか。実際にその日は訪れるのでしょうか。
 
 

2023年5月7日。ウクライナ侵攻から438日目

2023-05-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月7日。

 ワグネル創設者プリゴジン氏はロシア国防省が弾薬を供給しなければバフムトから10日に撤退すると宣言していまっしたが、突然、今日になってプリゴジン氏はSNSで、
「我々は戦闘命令を受けた。我々に必要な弾薬と武器が約束された」
と述べ、バフムトでの戦闘の継続を発表。そして朝からバフムトで大規模な攻撃を開始しました。
 明後日のソ連の対独戦勝記念日に合わせて、戦果を上げることをあせっているようにも思えます。
 さらにバフムトで確保した陣地などをチェチェン共和国のカディロフ首長が率いる部隊に引き渡すとの意向を明らかにしました。
 引き渡せるほどの陣地を確保できるでしょうか。


 ウクライナ軍によると、ヘルソン州スカドフスク地区及びスカドフスク市の行政府は活動を停止しました。6日夜にロシアの占領管轄者は文書や備品など公的機関の財産を車に積み、7日朝に家族とともに同地を離れたそうです。同じような動きがヘルソン州の各地で目撃されているようです。


 ベラルーシでも明後日の対独戦勝記念日に向けてリハーサルが行われています。
 このようなニュースが多いです。

 今日は特にベラルーシはニュースがありませんでした。
 なので、私の職場発(公立図書館)のネタを書きます。
 今はベラルーシは連休中なのですが、先日出勤すると職員ほぼ全員が集められて、上からの通達を聞かされました。
 非常事態が起きたときの対応の仕方というものです。
 この非常事態というのは、戦争かテロを前提にしているんだなと話が始まってすぐに分かりました。
 てっきり来館者を非常口に誘導して早く外に脱出させましょう、という話になるのだろうと思っていたのですが、まず言われたのは、
「女性職員の職場でのハイヒール禁止」
でした。理由は危険から早く走って逃げられないから。
 というわけで、図書館員はハイヒールを職場で履けなくなりました。

 さらにこれに目を通しておくようにということで、文書になっている説明書がスクリーンに投影。
 毒ガスにまかれたときの対処方法が書いてありました。
 対処方法その1はガスマスクをつけること。しかし図書館にはそんなものは常備されていません。自腹で用意しろということなのかと思いましたが、別に強制ではなく、任意です。
 他所方法その2は、ハンカチを鼻と口に当てること。さらにお酢を0.05%の割合で水に希釈したものをハンカチにひたすとよいとありました。
 実際に毒ガス攻撃を受けたときにお酢を水に溶かしている暇はなさそうです。それに酢も図書館に常備していません。
 ガスマスクよりお酢のほうが自腹で用意しやすいですね。
 実際にこんなことする人はいないと思うけど・・・。

 ちなみに火事のときの避難誘導などは定期的に行われています。ただ、日本ほど本格的にしていません。日本は自然災害があるから避難訓練は重要です。
 でもこれからベラルーシでも避難訓練に力を入れるようになると思います。

 そしてこの通達が終わって各自持ち場に戻ると、次には16ページに及ぶ文書のコピーが回ってきて、
「読んでおくように。読み終わったら次の人に渡すように。」
と回覧しないといけない。
 何だろうと読むと、先日、大統領が発言した言葉を要領よくまとめたものでした。
 それを読んでいたところ、「早く読んで早く次の人に回して。」と急かされる。どうもじっくり読んでいる人は少ないみたいでした。
 それを無視してメモを取りつつ読みましたが、ベラルーシ大統領がベラルーシをめぐる現状について考えていることが非常によく分かりました。

 分かりやすく日本語で書くと・・・
 西側諸国からの経済制裁については、かえってベラルーシは得をしている。(ロシアへの食品輸出などが伸びた。)国民は心配するに当たらない。
 (人手不足解消のため)保育園を充実させて、女性の職場復帰を促す。養子縁組が増えるよう国が支援する。
 ポーランドなどの隣国が対ベラルーシ国境に沿ってフェンスを立てているが、ベラルーシからは壁は作らない。
 ベラルーシは他宗教も尊重する。
 将来ベラルーシは中国のようなアジアの国、イランのような中東の国と新しく同盟を結ぶほうがよい。
 今のヨーロッパは変化して新生ヨーロッパになるほうがよい。
 現代のベラルーシ人はリトアニア大公国時代やポーランド王国時代のことをいいように思いすぎ。(ベラルーシの歴史を振り返ると、その頃のベラルーシは栄えていたとか、いい時代だったとか思い込み、今は最悪と思っているベラルーシ人が多くいるが、それは間違いだ。)
 リトアニア大公国もロシア語の国だった。(←私からのコメント。リトアニア大公国の文章語で公用語だったのはベラルーシ語であって、ロシア語ではありませんでした。この「ロシア語の国」というのは、ロシア語とベラルーシ語をひっくるめた東スラブ語系だった、というほうがより的確だと思います。)
 戦争を前にベラルーシ国民が一致団結するのは史上初である。第二次世界大戦のときは、ソ連国民として一致団結して、敵(ナチスドイツ)と戦ったが、ベラルーシ共和国人として(ベラルーシ共和国が独立してから)戦争に直面するのは今回が初めてである。
 ベラルーシ人抜きにベラルーシの平和は成立しない。
 国としては武器の装備をしなくてはならない。国民は全員武器を扱えるようにしなくてはならない。
 現在は歴史的転換期にあり、この先どうなるかは分からない。
 第二次世界大戦以後、これほどベラルーシに敵が近くまで迫っていることはなかった。
 今回の戦争がベラルーシの歴史で最後の戦争になることを願っている。

 ・・・国民向けのメッセージなのですが、大統領の考えていること、そして国民に言いたいことが伝わってきます。もっともわざと国民には言っていないこともあると思います。ただ、今回の戦争がベラルーシの歴史で最後の戦争になることを願っているというのは、大統領の本心だと思います。多くの国民も共感するでしょう。

2023年5月6日。ウクライナ侵攻から437日目

2023-05-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月6日。
 ベラルーシは今日から4連休です。

 ロシア、ニジニ・ノブゴロドを家族旅行中だったロシアの作家ザハール・プリレピン氏が乗った車が今日、爆発しました。運転手が即死。同氏が両足骨折の怪我を負って重体です。
 プリレピン氏は体制内野党でプーチン政権を支持する「公正ロシア」の共同議長。1月にはウクライナ侵攻の部隊に加わったと報道されていました。
 独立系メディアは、娘が降りた直後に爆発したと伝えています。
 すでに容疑者は拘束されていますが、詳細は明らかになっていません。尋問中にウクライナ側の指示に従って行動したと証言した。」と報告書されています。
 容疑者(30歳の男性)がプリレピン氏の移動するルートに爆発装置を設置し、リモートで作動させたことが判明しました。犯罪現場から逃走し、別の集落の森を出たところを拘束されました。ロシア内務省は、共犯者の可能性があるとし、捜索しています。
 ウクライナ南部クリミア半島の先住民族タタール人らの団体「アテシ」や、出国したロシアのポノマリョフ元下院議員につながる組織「国民共和軍」など、反プーチン政権派が犯行声明を出したが、根拠は示していません。

 
 トルコの首都アンカラで開かれた黒海経済協力機構議員会議(PABSEC)に参加したロシア代表団の一員が発言中、ウクライナ代表団員が国旗を掲げ、反ロシアのスローガンを叫んだ際に小突きあいが発生。
 ロシアの代表団長がウクライナ国会議員のウクライナ国旗を奪い、殴られる。
 ウクライナの国会議員はこの映像を自らのSNSのアカウントに投稿し、
「我々の国旗から手をどかせ。ウクライナから手をどかせ」
という言葉も添えていました。
 子供同士の喧嘩みたいですが、戦争中はこういうことが起きるのが当たり前なのでしょうか。
 こんな調子でオリンピックにロシアとウクライナの選手がまともにスポーツができるのでしょうか。


 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は今日、声明を出し、ザポリージェ原発一帯について
「状況がますます予測不能になり、危険性が高まっている」
「ザポリージェ原発が直面している非常に現実的な核の安全上の問題について、私は深刻に懸念させられている」
と強調しました。
 原発職員は現場にとどまっているものの、以前にも増して緊張しているそうです。
 ともかく事故が起きてほしくないです。

2023年5月5日。ウクライナ侵攻から436日目

2023-05-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2023年5月5日。
 今朝もセーターを着て出勤です。朝の気温は6度。

 今月3日に起きたロシア大統領府へのドローン攻撃の後、モスクワやサンクトペテルブルグでGPSの異変が数多く報告されています。
 ロシアの有力紙では、GPSの誤作動でタクシーの配車システムやカーナビなどのサービスに影響が出ていることをインターネット大手が認めたとも伝えられています。
 ドローン対策のためらしいですが、そうすると9日まではこの状態が続き、市民の生活に多くの影響が出ますね。


 ウクライナの激戦地バフムトで戦っているとみられるロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は今日、戦闘に必要な弾薬の7割が不足しているとして、ロシア国防省に弾薬を供給するよう訴える動画がプリゴジン氏が経営する別企業のテレグラムアカウントに投稿されました。
 約2分の動画の最後には「ショイグ! ゲラシモフ!」とロシアの国防相、参謀総長を呼び捨てにした上で、「弾薬はどこだ!」と激しい口調で述べ、弾薬の供給をせかしました。
 相当焦っていますね。
 さらには通信アプリ「テレグラム」でプーチン露大統領などに宛てた書簡を公開し、10日に激戦地の東部バフムトから撤退すると表明しました。
 本当に撤退するかもしれません。ワグネルなしでどうなるのでしょう。

 おそらくワグネルがウクライナ侵攻の手助けをすると決めたときに、弾薬などはロシア軍が出すから、と言われたのではないでしょうか。その代わり人はワグネルが見つけてこい、ということで、刑務所で服役囚を生き延びたら釈放されるとスカウト。しかしここへ来て弾薬が来ない。ロシア軍はわざと供給していないのか、それとも本当に不足しているのか。
 プリゴジン氏からすると自分の周りで、ワグネルのメンバーから「弾薬くれ。丸腰では死んでしまう。」と散々文句を言われているでしょう。それでプリゴジン氏の態度にもそれが出ています。
 これで本当に10日に撤退したら、「ウクライナへ闘いに行って生き延びたら釈放される。」と言って集めてウクライナまで実際に連れてきた服役囚をどうしたらいいのか、また問題が出てきます。
 刑務所に戻す? いや彼らは反発して暴動を起こすかもしれません。
 ではウクライナの前線へ。でも弾薬はありません。死にたくないからまた反発します。
 ワグネル自体はこれで消えてなくなる・・・ということはしたくないので、今度はスーダンなど政情不安、武力衝突を起こしている紛争地域へ行って、新しい仕事を見つけようとするかもしれません。刑務所からスカウトされた人たちも気がついたらウクライナではなくアフリカや中東に連れ出される可能性があります。


 ベラルーシはガソリン代が少しずつ値下がりを続けています。

 今日、急にドル安ベラルーシ・ルーブル安になりました。

 独立系メディアによると、ベラルーシが対露国境で一時的にパスポートコントロールを実施し始めました。やはりソ連の対独戦勝記念日が近いので、ベラルーシもロシアからの入国者すら警戒しているもようです。ロシアからべラルーシに入国する際、パスポート及び車両がチェックされており、国境検問所には行列が出来ているそうです。
 戦勝記念日以降はまた緩い出入国になるのか、それとも警戒態勢が続くのか気になります。今までロシアとベラルーシの間は国境があってないようなものでした。


 ウクライナのザポリージャ州から親ロシア派トップが前線に近い地域の住民を避難させると今日SNSで発表しました。
「ウクライナ軍が前線のすぐ近くにある集落の砲撃を強化している」として、18の地域から7万人の住民を避難させると発表しました。
 対象となる地域にはザポリージャ原発があるエネルホダルも含まれています。


 ロシア副首相は今日、昨年10月に爆破されたロシア本土とクリミアを結ぶ「クリミア大橋」の鉄道復旧工事が完了し、運行を再開したとSNSで明らかにしました。9日の旧ソ連による対独戦勝記念日まで間に合ってほっとしていることでしょう。

2023年5月4日。ウクライナ軍侵攻から435日目

2023-05-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月4日。
 少し気温が上がりました。

 ロシア、クラスノダール地方の黒海沿岸の港ノボロシースクに近いイルスキー製油所がドローンの攻撃を受け石油製品備蓄施設の一部が炎上、消火活動で2時間余りで鎮火されました。
 クラスノダール州知事は暫定報告として死傷者は出ていないと語しましたが、火災発生の経緯には言及しませんでした。
 このような攻撃が最近多いですね。

 昨日のドローンによるクレムリンへの攻撃で元ロシア国会議員で亡命中のイリヤ・ポノマリョフ氏はロシア国内で抵抗運動を行うパルチザンが実行したとの見方を示しました。
「まだ公に犯行声明を出していないため、これ以上話せない」とも述べています。
 ポノマリョフ氏によると、ロシア国内のパルチザングループのメンバーは通常「若者、学生、大都市の住人」で、約40都市でパルチザン活動が展開されているそうです。
 
 ウクライナがいよいよ反撃を始めると言われていますが、今月9日の戦勝記念日に合わせて始めるのではという憶測が多いです。
 その可能性が高そうですが、意外と天気で決めるような気もします。
 ベラルーシは予定通り9日に記念式典、軍事パレード、花火の打ち上げが行われます。
 荷物検査などの厳戒態勢が組まれるし、テロが起こる可能性もこの日は高まるので、家でテレビの生中継を見ます。

 
 
 



2023年5月3日。ウクライナ侵攻から434日目

2023-05-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月3日。
 ミンスクは朝は雨で気温が4度。お昼を過ぎて雨も上って少し日が差してきましたが、寒いです。セーターを着て出勤。

 ロシア大統領府は今日未明、クレムリンがウクライナの無人機2機による攻撃を受けたと発表しました。2機とも迎撃され、けが人なども出ていないとしています。
 大統領府は、今月9日の対独戦勝記念日を前に大統領殺害を狙った計画的なテロ行為と批判し、「必要なあらゆる対抗措置を取る権利を留保する」と表明、報復を示唆しました。
 大統領はクレムリンにいなかったので、無事。というか、大統領は暗殺を恐れてあちこちに移動していると思います。
 そもそも未明の時間帯に大統領の職場を目指してウクライナ軍がドローン攻撃するでしょうか。
 ウクライナに報復してもいいよね、という方便のように思えます。

 ウクライナ大統領府高官はロシア大統領府へのドローン攻撃について関与を否定しました。

 今年はロシア各地で中止になると報道されていた戦勝記念パレードですが、モスクワの赤の広場では予定通り行われるそうですね。
 ちなみにベラルーシでも予定通り戦勝記念パレードが行われます。かと言って沿道にあまり人がいないと寂しいので、大学生が席の穴埋めのため動員されるそうです。しかし、ベラルーシでは希望する者のみとなっていて、強制ではありません。パレードに出席する学生は、その日大学を休んでもいいし、出席扱いにすると言われていますが、そもそも5月9日は祝祭日で大学で授業がありませんよ・・・。

 ロシア連邦保安局(FSB)は今日、クリミア半島で、クリミアで大規模な破壊活動やテロ攻撃を計画していたウクライナ軍情報機関の工作員ネットワークを活動停止に追い込んだと発表しました。
 声明によると、7人を拘束し、爆発装置と起爆装置を押収。爆弾には、トルコとジョージアを経由しブルガリアからロシアに密輸された部品が使われていたとしています。
 また7人は、ロシア政府が任命したクリミアの首長、セルゲイ・アクショノフ氏の暗殺も計画していたそうです。
 アクショノフ氏は「これらの行為を命じたのはウクライナ側であることは間違いない」と、テレグラムに投稿し、とにかくウクライナを批判しています。


 ベラルーシの裁判所は2021年5月に起きたライアンエアー緊急着陸事件で拘束された反体制派メディア「NEXTA」の元編集者ロマン・プロタセビッチ氏に今日、禁錮8年の有罪判決を出しました。
 大統領選挙があった2020年以降、主にポーランドを拠点に権力奪取の陰謀やテロ行為の呼びかけをした罪によります。
 他にも「NEXTA」の創設者ステパン・プチロ氏と元編集者ヤン・ルディク氏が欠席裁判で、それぞれ禁錮20年と禁錮19年の有罪判決を受けました。
 プロタセヴィチ氏の弁護士は上訴するかどうかまだ決めていないと判決後、記者団に述べました。
 逮捕後、自宅軟禁状態で、しかも結婚までしたプロタセヴィチ氏。テレビ出演もさせられていました。裁判中には服役したくない、子どもがほしい(家庭生活を送りたい)と裁判官に訴えていました。
 ちなみに自宅軟禁されていた時期の刑期として計算するので、2029年5月には出所できるでしょう。


2023年5月2日。ウクライナ侵攻から433日目

2023-05-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年5月2日。ベラルーシは今日も天気が悪いです。

 6日にロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われるチャールズ国王の戴冠式に、ロシアやベラルーシ、イラン、ミャンマー、シリア、アフガニスタン、ベネズエラの首脳は招待されていないことが明らかになりました。
 北朝鮮とニカラグアについては、国家元首ではなく上級外交官を招待したそうです。

 
 ロシアのブリャンスク州で2日連続で鉄道路線が爆破されました。同州知事が2日、SNSで「正体不明の爆発装置が爆発した」と主張しています。
 タス通信によると、機関車と貨物20両が脱線。今回もけが人はいませんでした。
 独立系メディアは火災が発生しなかったにもかかわらず、消防士らが脱線した貨物車両を冷却していることから、硫黄など危険な化学物質を輸送していた可能性があると指摘しています。

 またサンクトペテルブルクがあるレニングラード州のドロズデンコ知事は1日、夜の間に送電線が爆破され、近くで爆発物が発見されたと明らかにしました。ロシア連邦保安局(FSB)が現場検証を行っています。

 さらにザポリージャ州メリトポリで今日、ロシアが任命した警察幹部が爆発物によって負傷し、入院しました。
 ロシア連邦捜査委員会の声明によると、爆発は住宅ビルの出入り口で発生。連邦捜査委員会は「即席の爆発装置が仕掛けられ、ザポリージャ州のロシア中央内務局の副局長が出勤時に扉を開けた時に作動したそうです。
 先月27日にはメリトポリの別の警察幹部オレクサンドル・ミシュチェンコ氏が、アパートの建物の入り口で即席の装置が爆発して死亡しました。
 うかうかドアを開けていられませんね。

 ポーランド当局により接収されたロシア人学校。日本の報道では高校、あるいはロシア大使館付属の学校だから外交官の子どもが通っている学校とされていますが、実際にはロシア人学校であって、外交官の子供でなくてもロシア国籍を持っていて、ワルシャワに住んでいて、ロシア語で授業を受けたい、将来ロシアの大学に進学したいというロシア人の子供、6歳から17歳までが通っているのが実態のようです。
 不当に学校の敷地を借りていたとして、追い出されましたが、ロシア学校側は、校舎の代わりになる他の場所を見つけて、来月行われる中学校と高校の卒業試験は必ず実施すると生徒と保護者に約束しました。