ベラルーシの部屋ブログ

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2024年6月12日。ウクライナ侵攻から841日目

2024-06-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2024年6月12日。

 ロシア極東大函館校を運営する学校法人函館国際学園は今日、2025年度の新入学生募集を停止すると発表しました。
 募集停止の理由について、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による対露感情の急激な悪化に加え、少子化の影響も重なって入学者数が急減。今年度の入学者は3人にとどまり、在校生数も14人と、経営継続に必要な在校生数33人を満たせず、定員を充足できるだけの入学者数回復が見込めないと判断したそうです。
 30年の歴史に幕が下りるんですね。
 同校はロシア・ウラジオストク市の極東国立総合大学(現・極東連邦総合大学)の分校として函館市に誘致され、1994年4月に開校しました。ちょうどその年に私はウラジオストックの極東大学に語学留学に行ったのです。行ってから日本国内にロシアの大学が分校を作ったんだってと聞きました。
 タイミングが違っていたら、ロシア本土へ留学するより北海道で入学する道を選んでいたかも・・・と複雑な心境でした。
 
 同校は96年に函館国際学園が運営する専修学校「ファーイースタンステイトユニバーシティ函館校」として発足し、2006年には文部科学省から「外国大学の日本校」として指定を受けています。07年4月には校名を「専修学校ロシア極東大函館校」、11年1月に「ロシア極東連邦総合大学函館校」へ変更し、現在は4年制のロシア地域学科(定員40人)と2年制のロシア語科(定員40人)があるそうです。
 開校以来、日本唯一のロシアの大学の日本校として人材を養成し、30年間で270人以上の卒業生を輩出した・・・そうですが、え、30年間で270人の卒業生? ということは1年平均卒業生の数は9人だけ? とびっくりしてしまいました。

 最近、日本の大学のロシア語学科の学生が学科名を隠して、就活しているそうですね。
 ロシア語を勉強していると知られると、企業の受けが悪くなり就職しづらい状況のようです。
 ロシア語自体には罪はないのですが、日本人のロシアに対するイメージが悪化したので、今は仕方がないのかもしれません。ウクライナ侵攻前からロシア語を勉強していた学生も大勢いるのですが。
 ロシア語学習人口が減って、留学生も急減していると思いますが、将来的に回復するかどうかというと厳しいですね・・・


 アルメニア首相は今日、ロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)から脱退すると同国の議会で明言しました。
 時期は不明です。でも脱退することは確定のようです。
 こういう発言をするだろうと予測はされていましが、意外だったのはベラルーシについても言及したことです。
 同首相は「ベラルーシがCSTOから追放された場合は、アルメニアはCSTOに残る可能性がある。」と発言しました。
 さらに「アレクサンドル・ルカシェンコがベラルーシ大統領である限り、私はベラルーシを訪問することはありません。今後、アルメニア政府の官僚はベラルーシを訪問しません。」
 え、大統領を名指し・・・
 アルメニア首相は、ベラルーシのルカシェンコ大統領が2020年のナゴルノ・カラバフをめぐる戦争でアゼルバイジャンを支援したためだとその理由を説明しています。
 ベラルーシにはアゼルバイジャン系住民やアルメニア系住民も大勢住んでいますが、国内でギクシャクしないか少々心配です。

(後記。上記のアルメニア首相の発言を受けて、在ベラルーシ・アルメニア大使がベラルーシ外務省から呼び出されました。ベラルーシ外務省は声明で、アルメニア首相からこんなことを言われても、ベラルーシはアルメニアを友好関係を継続したい意向を発表しました。こんなこと言っても、アルメニアからすれば「だったらベラルーシはアゼルバイジャンを支援するなよ。」というふうに思うんでしょうか。)

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